アイアムカミノマゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイアムカミノマゴ
欧字表記 I Am Kamino Mago
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2006年2月22日(18歳)
登録日 2008年5月29日
抹消日 2011年3月16日
アグネスタキオン
アイアムザウィナー
母の父 Danzig Connection
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 堀紘一
調教師 杉浦宏昭美浦)→長浜博之栗東
競走成績
生涯成績 14戦4勝
獲得賞金 1億2739万6千円
勝ち鞍
GII 阪神牝馬ステークス 2010年
テンプレートを表示

アイアムカミノマゴとは、日本中央競馬会 (JRA) に登録されていた競走馬である。主な勝ち鞍は2010年阪神牝馬ステークス。馬名の由来は冠名+神の孫。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

母アイアムザウィナーは馬主である堀紘一がTV番組「平成教育委員会」にて大川慶次郎と共演した際、大川より競走馬の購入を誘われたことから米国にて買付けされ、現役通算3勝ながら1995年フェアリーステークス4着、1996年クリスタルカップ5着など、21戦し入着19回という堅実な成績を残している。

アイアムカミノマゴ(以下カミノマゴ)はその第7仔として2006年生誕、堀は「パーフェクト予想を何回もされた大川さんにとって孫のようなものだから"神の孫"と名づけました」と馬名の由来を語っている[1]

同馬は当初、美浦の杉浦宏昭調教師の管理馬として2008年にデビュー。4戦2勝という結果を残した後、桜花賞を視野に入れ輸送競馬の負担を軽減すべく2009年春より栗東長浜博之厩舎へと転厩となる。

2歳時にはダートのみを使われていたカミノマゴだが3歳に入ってからはフィリーズレビューで2着、本番桜花賞では0.5秒差の6着と芝でも適性を示し秋には秋華賞へも参戦するも、距離延長に対応できず後方で折り合いを欠いたまま敗戦と結果を出し得ずに終わっている。この内容を受けた陣営は同馬を短距離路線へと方向転換させ、その初戦となるオーロカップでは距離短縮や軽ハンデ等を評され[2]上位人気の支持の中、久々の勝ち鞍を挙げている。

2010年阪神牝馬S

馬体調整と休養を兼ねた放牧を経たカミノマゴは2010年の始動戦として阪神牝馬ステークスに出走、「放牧で馬体がパワーアップした」という評価もあった[3]がその一方で長浜は「休養明けなので(直線の)坂で止まるかも」と同馬を懸念[1]。ファンからの支持も9番人気という低いものであったがレースでは後方からの差しきりを決め重賞初制覇を記録。

デビュー当時は先行して番手から抜け出す戦法を取っていた同馬を「決め手を生かした方が良さそう[4]」と差す競馬へと脚質転換させた長浜は、この勝利に「武騎手が桜花賞で終いを生かす競馬をしてくれたのがオーロカップや今日の勝ちに繋がった」とコメントを残している[1]

この勝利によりカミノマゴはヴィクトリアマイルへと駒を進めるも、桜花賞当時より「1600はどうか[5]」・「距離課題[6]」とマイルへの適性を疑問視されていた同馬はここでも「適距離は1400、自力も問われる東京マイルは微妙[7]」と評価され10着、先の桜花賞・秋華賞と合わせ3度出走したGIは全て着外という結果に終わっている。

その後は休養を挟み秋にオープン特別を1走、脚部不安から再度休養に入るも復帰することは無く、2011年3月に現役引退となった[8]

引退後[編集]

当初は北海道千歳市の社台ファームにて繁殖牝馬として繋養され、第3仔アイアムノーブルの生産から[9]、高昭牧場へ移動。第6仔アイアムイチリュウの生産から坂東牧場にて生産が行われている[10]

競走成績[編集]

以下の情報は、netkeiba.comの内容に基づく[11]

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2008.06.28 福島 2歳新馬 12 004.3 0(2人) 01着 勝浦正樹 54 ダ1000m(良) 0:59.9(36.6) -0.7 (ケージーコガネ)
0000.08.10 函館 函館2歳S JpnIII 14 017.1 0(8人) 13着 勝浦正樹 54 芝1200m(良) 1:12.7(39.1) -2.0 フィフスペトル
0000.09.15 札幌 2歳500万下 12 004.2 0(3人) 02着 横山典弘 54 ダ1000m(良) 0:58.7(35.5) -0.0 サダムテンジン
0000.12.27 中山 2歳500万下 16 004.7 0(2人) 01着 藤田伸二 54 ダ1200m(良) 1:12.2(38.1) -0.1 (エイシンアマデウス)
2009.01.18 京都 紅梅S OP 15 008.0 0(5人) 04着 M.デムーロ 54 芝1400m(良) 1:23.7(34.5) -0.4 コウエイハート
0000.02.07 京都 エルフィンS OP 12 009.6 0(4人) 04着 藤岡佑介 54 芝1600m(良) 1:36.2(35.3) -0.2 レッドディザイア
0000.03.15 阪神 フィリーズレビュー GII 16 012.6 0(3人) 02着 福永祐一 54 芝1400m(良) 1:22.6(35.8) -0.2 ワンカラット
0000.04.12 阪神 桜花賞 GI 18 040.6 0(9人) 06着 武豊 55 芝1600m(良) 1:34.5(34.6) -0.5 ブエナビスタ
0000.09.20 阪神 ローズS GII 16 086.2 (12人) 08着 小牧太 54 芝1800m(良) 1:45.6(34.7) -0.9 ブロードストリート
0000.10.18 京都 秋華賞 GI 18 164.4 (17人) 08着 小牧太 55 芝2000m(良) 1:59.1(34.7) -0.9 レッドディザイア
0000.11.15 東京 オーロC OP 18 006.5 0(3人) 01着 松岡正海 52 芝1400m(良) 1:20.8(33.6) -0.2 (アーバニティ)
2010.04.10 阪神 阪神牝馬S GII 18 023.7 0(9人) 01着 秋山真一郎 55 芝1400m(良) 1:20.2(34.2) -0.3 (プロヴィナージュ)
0000.05.16 東京 ヴィクトリアマイル GI 18 027.6 0(6人) 10着 秋山真一郎 55 芝1600m(良) 1:32.8(34.3) -0.4 ブエナビスタ
0000.10.09 京都 オパールS OP 18 011.6 0(6人) 03着 秋山真一郎 54 芝1200m(不) 1:10.2(35.5) -0.6 グランプリエンゼル

繁殖成績[編集]

馬名 生年 毛色 馬主 厩舎 戦績 勝ち鞍 出典
初仔 アイアムカミノマゴの2012 2012年 黒鹿毛 キングカメハメハ 不出走 [12]
第2仔 ダノンフェイス 2013年 黒鹿毛 キングカメハメハ (株)ダノックス 栗東・大久保龍志
大井宗形竹見
28戦6勝(抹消) * 昇竜ステークス(OP)
* 霜月ステークス(OP)
* すばるステークス(L)
[13]
第3仔 アイアムノーブル 2014年 鹿毛 ワークフォース 堀紘一 美浦・奥平雅士 12戦1勝(抹消) [14]
第4仔 アイアムガンバレヨ 2015年 栗毛 キングカメハメハ 2戦0勝(抹消) [15]
第5仔 アイアムピッカピカ 2016年 黒鹿毛 ロードカナロア 21戦2勝(引退) [16]
第6仔 アイアムイチリュウ 2017年 黒鹿毛 ルーラーシップ 26戦2勝(現役) [17]
第7仔 アイアムカガヤキ 2018年 黒鹿毛 モーリス 2戦0勝(繁殖) [18]
第8仔 キボウノホシ 2019年 鹿毛 ロードカナロア 19戦1勝(現役) [19]
第9仔 アイアムカチマショ 2020年 栗毛 ミッキーアイル 堀紘一
(株)ファーストビジョン
美浦・奥平雅士
金沢・加藤和宏
浦和・川島豊
13戦4勝(現役) [20]
第10仔 ユズノキ 2021年 鹿毛 ドレフォン (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 美浦・奥村武 1戦0勝(現役) [21]
第11仔 2022年 栗毛 エピファネイア DMMドリームクラブ(株) 栗東・今野貞一 (デビュー前) [22]
第12仔 2023年 黒鹿毛 レイデオロ (デビュー前) [23]
  • 情報は2024年2月22日現在

血統表[編集]

アイアムカミノマゴ血統サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系) / クロスなし) (血統表の出典)

アグネスタキオン
1998 栗毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アグネスフローラ
1987 鹿毛
*ロイヤルスキー Raja Baba
Coz o'Nijinsky
アグネスレディー *リマンド
イコマエイカン

*アイアムザウィナー
1993 黒鹿毛
Danzig Connection
1983 栗毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Gdynia Sir Ivor
Classicist
母の母
*ブルージーンベイビー
Blue Jean Baby
1985 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Jones Time Machine Current Concept
Daunt's Girl F-No.14-a

脚注[編集]

  1. ^ a b c 2010年4月11日日刊スポーツ
  2. ^ 2009年11月15日競馬ブック
  3. ^ 2010年4月10日競馬ブック・競馬エイト
  4. ^ フィリーズレビュー追い切り
  5. ^ 2009年4月11日スポーツニッポン・坂本助手
  6. ^ 2009年4月12日競馬ブック
  7. ^ 2010年5月16日競馬ブック
  8. ^ アイアムカミノマゴ号が競走馬登録抹消 Archived 2012年5月11日, at the Wayback Machine.
  9. ^ アイアムピッカピカ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月21日閲覧。
  10. ^ アイアムイチリュウ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月21日閲覧。
  11. ^ アイアムカミノマゴの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月21日閲覧。
  12. ^ アイアムカミノマゴの2012 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月21日閲覧。
  13. ^ ダノンフェイス”. JBISサーチ. 2022年10月22日閲覧。
  14. ^ アイアムノーブル”. JBISサーチ. 2020年7月21日閲覧。
  15. ^ アイアムガンバレヨ”. JBISサーチ. 2020年7月21日閲覧。
  16. ^ アイアムピッカピカ”. JBISサーチ. 2022年10月22日閲覧。
  17. ^ アイアムイチリュウ”. JBISサーチ. 2022年10月22日閲覧。
  18. ^ アイアムカガヤキ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月21日閲覧。
  19. ^ アイアムカミノマゴの2019 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年10月22日閲覧。
  20. ^ アイアムカチマショ”. JBISサーチ. 2021年9月9日閲覧。
  21. ^ _________”. JBISサーチ. 2021年9月9日閲覧。
  22. ^ _________”. JBISサーチ. 2022年9月17日閲覧。
  23. ^ _________”. JBISサーチ. 2023年7月25日閲覧。

外部リンク[編集]