ささめやゆき

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ささめや ゆき
誕生日 1943年
出生地 日本の旗 日本 東京都大田区
国籍 日本の旗 日本
芸術分野 版画
イラスト
出身校 シェルブール美術学校
受賞 小学館絵画賞
1995年 ガドルフの百合
日本絵本賞
2000年 あしたうちにねこがくるの
赤い鳥さし絵賞
2009年 彼岸花はきつねのかんざし
JRA賞馬事文化賞
2017年 さっ太の黒い子馬
活動期間 1973年 -
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ささめや ゆき1943年 - )は、日本の版画家イラストレーター絵本作家[1]

経歴・人物[編集]

東京都大田区蓮沼町に生まれ、逗子で育つ[1][2][3]。画家になる前は、出版社の文芸部に所属しており、日本文学全集などの編集を手がけていた[2]

24歳のときに画家になることを決意する[4]。1968年、御茶の水美術学院に入学する[3]。1969年と1970年に二科展に入選する[3]。1970年にパリ、1971年にニューヨークで絵画を学ぶ[3]。1972年、フランスのシェルブール美術学校で学ぶ[5][6][3]

1973年に帰国してからは、細谷正之名義で版画油彩画の作品を発表する[4]。1985年、「ルーが来た日」でベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールの銀賞を受賞する[1][7][8]。1990年代からは、ささめやゆき名義で活動している[4]。1995年、『ガドルフの百合』で第44回小学館絵画賞を受賞する[1]

1999年、「真幸くあらば」「秋が匂って」「眠れるままの女」で講談社出版文化賞〈さしえ賞〉を受賞する[1][9]。2000年、『あしたうちにねこがくるの』で第6回日本絵本賞を受賞する[10]。2009年、『彼岸花はきつねのかんざし』で第23回赤い鳥さし絵賞を受賞する[11]。2017年、「さっ太の黒い子馬」で2016年度JRA賞馬事文化賞を受賞する[12]

作品リスト[編集]

  • フォークロア世界への旅(1990年、毎日新聞社、進藤 幸彦 作)
  • 白ネコ横丁冬ものがたり(1990年、汐文社、中沢晶子 作)
  • 不思議な黒い石(1990年、原生林、ジル・ペイトン・ウォルシュ 著)
  • ジグソーステーション(1991年、汐文社、中沢晶子 作)
  • テントの旅人(1992年、汐文社、中沢晶子 文)
  • 眠らぬ森の子どもたち(1993年、汐文社、中沢晶子 作)
  • エロシェンコ童話集(1993年、偕成社、ワシーリー・エロシェンコ 作)
  • ブリキの音符(1994年、白泉社、片山令子 文)
  • おいでおいでの木においで(1994年、教育画劇、石井睦美 作)
  • 仮面の国のユリコ(1994年、偕成社、浜たかや 作)
  • 看板物語(1994年、筑摩書房、平林規好 文)
  • エレファント・タイム(1995年、偕成社、中沢晶子 作)
  • 幸せの青いチリトリ(1996年、文渓堂、山末やすえ 作)
  • 少年のはるかな海(1996年、偕成社、ヘニング・マンケル 作)
  • どうぶつふうせん(1996年、ほるぷ出版、岩瀬成子 作)
  • ほんとうらしくうそらしく(1996年、筑摩書房、ささめやゆき 著)
  • ヴァン・ゴッホ・カフェ(1996年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • ガドルフの百合(1996年、偕成社、宮沢賢治 作)
  • あした月夜の庭で(1997年、国土社、中澤晶子 作)
  • さくらのもりのものがたり(1997年、小学館、マオアキラ 文)
  • おさじさんのたび(1997年、にっけん教育出版社、松谷みよ子 作)
  • マルスさんとマダムマルス(1997年、原生林、ささめやゆき 文 )
  • おもちゃ屋へいったトムテ(1998年、福音館書店、エルサ・ベスコフ 作)
  • カボチャの絵本(1999年、農山漁村文化協会、いとうきみお 編)
  • 大空のきず(1999年、小峰書店、次良丸忍 作)
  • スウィート・メモリーズ(1999年、金の星社、ナタリー・キンシー=ワーノック 作)
  • ほうきにのれない魔女(1999年、ポプラ社、茂市久美子 作)
  • どんぐりっと(2000年、ポプラ社、志茂田景樹 作)
  • 読むことは生きること(2000年、ポプラ社、紺野順子 著)
  • 毒づき法師(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • ふこうばなし(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • ひとりずもう(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • あとずさり(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • 二枚舌(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • あしたうちにねこがくるの(2000年、講談社、石津ちひろ 文)
  • 不思議の風ふく島 飯田さんの運転日誌(2001年、小峰書店、竹内もと代 作)
  • ブルーベリーの絵本(2001年、農山漁村文化協会、たまだたかと 編)
  • どんぐりっとのコンサート(2001年、ポプラ社、志茂田景樹 作)
  • 天国に近い村(2001年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • 金のガチョウ(2001年、教育画劇 、矢川澄子 再話)
  • ファミリー・ツリー(2001年、講談社、ジェーン・ゴドウィン 作)
  • レッスン(2002年、平凡社、キャロル・リン・ピアソン 文)
  • 鳥の神話(2002年、原生林 、マオアキラ 著)
  • おいでおいでの木においで(2003年、日本標準 、石井睦美 作)
  • 若草色のポシェット(2003年、岩崎書店、赤川次郎 作)
  • 細谷正之銅版画集(2003年、架空社、ささめやゆき 作)
  • 幻燈サーカス(2003年、BL出版、中澤晶子 文)
  • かぐかぐ からだこころげんき(2004年、PHP研究所 、カムカムズ 文)
  • すずのへいたいさん(2004年、小学館、角野栄子 文)
  • かちかちやま(2004年、岩波書店、長谷川摂子 文)
  • いきてる(2004年、自由国民社、中山千夏 文)
  • ネパール旅日和(2004年、出版工房原生林、ささめやゆき 文)
  • キス(2004年、BL出版、安藤由希 作)
  • サバクの虹(2005年、小峰書店、坪田譲治 作)
  • セロひきのゴーシュ(2005年、岩崎書店、宮沢賢治 作)
  • イチジクの絵本(2005年、農山漁村文化協会、かぶもとてるひさ 編)
  • 神さまが…(2005年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • えんまさまのしっぱい(2005年、くもん出版、おざわとしお、こばやししょうき 文)
  • もしもねこがサーカスにいったら(2006年、講談社、石津ちひろ 文)
  • ブリキの音符(2006年、アートン 、片山令子 文)
  • ぶす 附子(2007年、講談社、もとしたいづみ 文)
  • なつのおうさま(2007年、ポプラ社、薫くみこ 作)
  • はだかのカエルとはだしのライオン(2007年、講談社、ささめやゆき 作)
  • 魔女と森の友だち(2007年、理論社、湯本香樹実 文)
  • だんまり(2007年、アリス館 、戸田和代 文)
  • 彼岸花はきつねのかんざし(2008年、学習研究社、朽木祥 作)
  • ヘッセの夜 カミュの朝(2008年、集英社、ささめやゆき 著)
  • ごんぎつね 新美南吉傑作選(2008年、講談社、新美南吉 作)
  • レンコン(ハス)の絵本(2008年、農山漁村文化協会、おざきゆきお 編)
  • はんぶんぺぺちゃん(2008年、佼成出版社、村中李衣 作)
  • 秋ものがたり(2008年、偕成社、野上暁 編)
  • つるのよめさま(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 舌切りすずめ(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • ビジネスマナー常識集 充実した職場生活を送るために(2008年、日本経団連出版、葛田一雄 著)
  • 瓜子姫とあまのじゃく(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • よだかの星(2008年、三起商行 、宮沢賢治 作)
  • 新装版 ごんぎつね 新美南吉傑作選(2008年、講談社、新美南吉 作)
  • 新装版 つるのよめさま(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 新装版 舌切りすずめ(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 新装版 瓜子姫とあまのじゃく(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • もりやまみやこ童話選 4(2009年、ポプラ社、もりやまみやこ 作)
  • オオカミがきた(2009年、岩崎書店、蜂飼耳 文)
  • 月の青空(2009年、岩崎書店、八束澄子 作)
  • 十四分の一の月(2009年、幻戯書房、ささめやゆき 著)
  • くまのこチャップ(2010年、そうえん社、ますだゆうこ 文)
  • したきりすずめ(2010年、岩崎書店、広松由希子 文)
  • サーカスのしろいうま(2010年、小学館 、石津ちひろ 作)
  • ねこじたなのにお茶がすき(2010年、淡交社、今江祥智 文)
  • くうき(2011年、理論社、まど・みちお 詩)
  • なまけもののエメーリャ ロシアの民話(2011年、小学館 、山中まさひこ 文)
  • イワンのむすこ(2011年、ハモニカブックス 、蜂飼耳 文)
  • ラブレター物語(2011年、小峰書店、丘修三 作)
  • ねこのチャッピー(2011年、小峰書店、ささめやゆき 文)
  • ぽぽんぴぽんぽん(2012年、福音館書店、松竹いね子 文)
  • きむらゆういちおはなしのへや 4(2012年、ポプラ社、きむらゆういち 作)
  • お父さん、牛になる(2012年、福音館書店、晴居彗星 作)
  • ありがとうっていいもんだ(2012年、文溪堂、森山京 作)
  • あんよあんよ(2013年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • あったあった(2013年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • 新美南吉童話選集 5(2013年、ポプラ社、新美南吉 作)
  • いとしい小鳥きいろ 博士に奇跡を運んだ小鳥との日々(2013年、ハモニカブックス 、石津ちひろ 文)
  • わたしのひよこ(2013年、ポプラ社、礒みゆき 文)
  • おさきにどうぞ(2013年、文溪堂、森山京 作)
  • イタリアの道(2013年、講談社、ささめやゆき 文)
  • あむあむ(2014年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • いこかいこか(2014年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • あひるの手紙(2014年、佼成出版社、朽木祥 作)
  • こどもたちへ まどさんからの手紙(2014年、講談社、まどみちお 文)
  • 椅子 しあわせの分量(2015年、BL出版、ささめやゆき 作)
  • 3+6の夏 ひろしま、あの子はだあれ(2015年、汐文社、中澤晶子 作)
  • 絵本 彼岸花はきつねのかんざし(2015年、学研教育出版、朽木祥 作)
  • なかよくなれたね(2015年、文溪堂、森山京 作)
  • バイバイ、わたしの9さい!(2015年、文研出版、ヴァレリー・ゼナッティ 作)
  • ちんころりん 高知の昔話(2016年、福音館書店、中脇初枝 再話)
  • こぶたものがたり チェルノブイリから福島へ(2016年、岩崎書店、中澤晶子 作)
  • 三方一両損 講談えほん(2016年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • さっ太の黒い子馬(2016年、講談社、小俣麦穂 著)
  • おとうさんは、いま(2016年、福音館書店、湯本香樹実 文)
  • かえるぴょん(2017年、講談社、ささめやゆき 作)
  • 子どもつなひき騒動(2017年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • かわいいおとうさん(2017年、こぐま社、山崎ナオコーラ 文)
  • さくらのカルテ(2018年、汐文社、中澤晶子 作)
  • まめつぶこぞうパトゥフェ スペイン・カタルーニャのむかしばなし(2018年、BL出版、宇野和美 文)
  • 徂徠どうふ(2018年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • ジグソーステーション(2018年、汐文社、中澤晶子 作)
  • ButとOr(2019年、BL出版、ささめやゆき 文)
  • カイとティムよるのぼうけん(2019年、アリス館、石井睦美 作)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e ささめやゆき 「幻灯紙芝居とお話」開催のお知らせ”. 新国立劇場. 2019年5月26日閲覧。
  2. ^ a b 鎌倉コラージュ クリエイティブ・ライフを訪ねて”. 家庭画報 (2014年). 2019年5月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e 『ヘッセの夜 カミュの朝』 2008, p. 83.
  4. ^ a b c ささめやゆきの世界”. 公益財団法人 泉美術館. 2019年5月26日閲覧。
  5. ^ ささめやゆき 版画展”. ART AleRT SAPPORO. 2019年5月26日閲覧。
  6. ^ ささめやゆき 「イタリアの道」展”. Bunkamura. 2019年5月26日閲覧。
  7. ^ かまくら世界映画週間 イタリア篇 トークイベント「私の好きなフェリーニ」”. 鎌倉市川喜多映画記念館. 2019年5月26日閲覧。
  8. ^ リクルートの2つのギャラリー アーティストインタビュー”. リクルート. 2023年5月10日閲覧。
  9. ^ さしえ賞”. 講談社. 2019年5月26日閲覧。
  10. ^ デジタル大辞泉プラスの解説 あしたうちにねこがくるの”. コトバンク. 2019年5月26日閲覧。
  11. ^ 2009年 児童文学賞受賞作品リスト”. 国立国会図書館 国際子ども図書館. 2019年5月26日閲覧。
  12. ^ 「2016年度JRA賞馬事文化賞」が決定!”. 日本中央競馬会 (2017年1月10日). 2017年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月26日閲覧。

参考文献[編集]

  • ささめやゆき『ヘッセの夜 カミュの朝』集英社、2008年3月。ISBN 978-4-08-774885-7