ノンフィクション

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ノンフィクション: non-fiction)とは、史実や記録に基づいた文章や映像などの作品。また、その形態。ドキュメンタリーインタビューなど多肢にわたる。

意義[編集]

ノンフィクションは本来はフィクション以外の書籍のジャンル全般をいう一般名詞であった[1]。ノンフィクションの語が使われるようになったのは20世紀の初めとされ、最初は雑誌がベストセラーを発表する際にフィクションとノンフィクションに二分したもので出版業界用語であった[1]

ノンフィクションは特にルポルタージュや調査報道作品を指すジャンル名として用いられるようになっている[1]

日本では筑摩書房1960年4月から月刊で刊行を始めた全50巻の『世界ノンフィクション全集』によって消極的な定義で捉えられていた「ノンフィクション」が具体的なものになっていったと指摘されている[1]。作家の余技としてでなく、ノンフィクション・ライターが登場するようになったのは1960年代から1970年代にかけてである。雑誌社系の週刊誌の登場で、チーム取材による特集記事が需要が生まれ、文学者の余技ではない無名のライターによるノンフィクションの記事が成立した[2]

武田徹は2020年の著書で、比較的客観報道に近い部類を「ルポルタージュ」、アメリカ合衆国のニュー・ジャーナリズムの影響を受けて物語性を強くした部類を「ノンフィクション」と区別した[3]

主なノンフィクションの賞[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 武田徹「「ノンフィクション」の生成 : 筑摩書房版『世界ノンフィクション全集』の史的位置づけ」『恵泉女学園大学紀要』第23号、恵泉女学園大学、2011年2月、3-19頁、ISSN 18812554NAID 1100084269362021年10月18日閲覧 
  2. ^ 立花隆『ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊』文藝春秋、2007年1月、28-35頁。 NCID BA80858497ISBN 978-4-16-368680-6 
  3. ^ 武田徹『現代日本を読む』第3章 ISBN 978-4-12-102609-5, NCID BC02683886

関連項目[編集]