コナー・ジャクソン

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コナー・ジャクソン
Conor Jackson
レッドソックス時代(2011年9月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テキサス州オースティン
生年月日 (1982-05-07) 1982年5月7日(41歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手一塁手
プロ入り 2003年 ドラフト1巡目(全体19位)
初出場 2005年7月28日
最終出場 2011年9月25日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

コナー・シムズ・ジャクソン(Conor Sims Jackson, 1982年5月7日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州オースティン出身の元プロ野球選手

父親は俳優のジョン・M・ジャクソン[1]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

エル・カミーノ・レアル高校を卒業した2000年[2]クリーブランド・インディアンスから31巡目(全体936位)でドラフト指名を受けたが、これを拒否。契約には至らず[3]

カリフォルニア大学バークレー校在学時の2003年、48試合打率.388 ・ 10本塁打 ・ 44打点出塁率.538 ・ OPS 1.213をマーク。パシフィック・テン・カンファレンスのオールスター(一塁手)と、全米大学3rdチーム(三塁手)に選ばれる[4]

プロ入りとダイヤモンドバックス時代[編集]

2003年6月3日アリゾナ・ダイヤモンドバックスから1巡目(全体19位)でドラフト指名を受け、6月16日に契約成立。この年からマイナーリーグ(A-級)でプレーを始め、68試合に出場して好成績を挙げ、ノースウェスト・リーグのMVPに輝いた[4]

2004年はA+・AAトータルで127試合に出場の上、好成績を挙げる。シーズン終了後、ベースボール・アメリカ誌のマイナーリーグ・オールスター2ndチームに選ばれた他[4]、チーム内の有望株リストで2位にランクされ、ベスト・ストライクゾーン・ディシプリンにも選ばれるなど[5]、順調に成長を遂げる。

2005年は、AAAにステップアップ。93試合 ・ 打率.354 ・ 出塁率.457 ・ OPS 1.010と言うハイレベルな数字を叩き出し、7月10日にはフューチャーズ・ゲームに出場[6]7月27日、メジャー初昇格。翌28日、シカゴ・カブス戦の7回表に代打として起用されデビューを果たす。この時はファーストフライに倒れたが、30日のカブス戦では六番打者・一塁手としてスタメン起用され、リッチ・ヒル投手からセンター前に初安打を放っている。8月6日コロラド・ロッキーズ戦では2本塁打を打つなど、40試合に出場して経験を積んだ。シーズン終了後、ダイヤモンドバックスのマイナーリーグ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝く[4]。また、前年に引き続きベースボール・アメリカ誌のマイナーリーグ・オールスター2ndチームに選ばれた他、チーム内の有望株リストで2位にランクされ、ベストヒッター・フォー・アベレージとベスト・ストライクゾーン・ディシプリンに挙げられている[7]

2006年は、五番打者・一塁手で開幕スタメンを果たす。当時はトニー・クラークという強打の一塁手がいたが、彼はの痛みに悩まされ79試合の出場に留まったこともあり[8]ポジション争いを制し、正一塁の座を獲得。8月には打率.310、9月は.341(OPS.906)と2ヵ月続けて3割をマーク。前半戦打率.272、OPS.772に対して後半戦は打率.312、OPS.850と尻上がりに調子を上げた[9]

2007年も前年同様の成績を挙げ、安定した打撃で地区優勝に貢献。前半戦打率.266、OPS.765に対して後半戦は打率.308、OPS.926と夏場以降に調子を上げ[10]、特に9月28日のロッキーズ戦ではプレーオフ進出を決定付ける本塁打を放ち、「自分のキャリアにおいて最も価値あるイッパツ」と喜びを爆発させた[11]ポストシーズンでは6試合に出場して17打数4安打、2打点、1得点、打率.235、出塁率.222、長打率.294。チームはカブスを3連勝で倒してナショナルリーグディビジョンシリーズを勝ち上がったが、リーグチャンピオンシップシリーズではロッキーズに4連敗で敗れ去った。

2008年はオフの間にダイエットとトレーニングに励んで望み、4月14-20日の週に打率.480、3本塁打、10打点、3三塁打、OPS 1.599でプレーヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞。6月7日から7月1日まで23試合連続出塁をマーク。その7月1日からは左翼にコンバートされ、21-27日の週に打率.542、3本塁打、7打点、OPS 1.676で二度目のプレーヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞。その期間中を含む7月22日から8月2日まで11試合連続安打を放った。9月20日の時点で.293だった打率を、21-24日に4-2-3-3安打の固め打ちで一気に押し上げ、初の3割クリア。対右投手打率.295、対左.315、ホーム.305、アウェー.296、前後半戦ともに.300、得点圏.303と例年にも増して安定感があった。マルチヒットを42回記録、三塁打数と盗塁数はマイナー時代も含めてキャリアハイ。左翼守備もプラス・マイナス・システムによると高く評価され、両リーグ3位にランクされている。なお、3年間(2006-2008)通算の一塁守備はワースト5位評価である[12][13][14][15][16]

2009年は5月に真菌症に感染して渓谷熱を患い30試合の出場に終わる。オフにはウィンターリーグに参加。

アスレチックス時代[編集]

2010年7月15日にサム・デメルとのトレードでオークランド・アスレチックスに移籍。

アスレチックス時代[編集]

2011年8月31日にトレードでボストン・レッドソックスに移籍。

ホワイトソックス傘下時代[編集]

2012年2月6日、テキサス・レンジャースとマイナー契約を結んだが[17]、開幕前に解雇され、3月31日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ[18]。メジャー昇格は果たせず、3Aで1年間を過ごした。

オリオールズ傘下時代[編集]

2012年12月5日ボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結んだ[19]。 4月14日に、現役引退を表明した[20]

選手としての特徴[編集]

大学・マイナー時代から選球眼が良く、ボールカウントの稼ぎ方が上手い。2005年はメジャー初のシーズンで、しかも限られた試合出場にもかかわらず、選んだ四球数が喫した三振数を上回っている。打率が.200しかないのに、出塁率が.303もあるのはそのためである。これにはボブ・メルビン監督も、「常に出塁している印象」と信頼を寄せている。また、コンタクト技能にも長けており、三番打者から六番打者までスマートにこなしつつ、ギャップ(外野手と外野手の間、長打コース)を狙って快打を連発する。ただし、立派な体格に相反して一塁手としてはパワーレスで、打球に伸びはない。走塁センスも欠落しており、守備も下手。一塁以外には三塁手左翼手としてのプレー経験があるが、いずれにせよ多くは期待できない。今後は、中距離砲のラン・プロデューサー(確実に打点を挙げる打者)としての活躍が期待されている[21][8][22][23][24][25]

シュアな打撃を武器とするコンタクト・ヒッターで[21]、例年安定した数字を刻んでいる。2008年現在もオースティン在住[2]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2005 ARI 40 99 85 8 17 3 0 2 26 8 0 0 0 1 12 0 1 11 6 .200 .303 .306 .609
2006 140 556 485 75 141 26 1 15 214 79 1 0 1 7 54 2 9 73 18 .291 .368 .441 .809
2007 130 477 415 56 118 29 1 15 194 60 2 2 2 3 53 2 4 50 8 .284 .368 .467 .835
2008 144 612 540 87 162 31 6 12 241 75 10 2 1 3 59 3 9 61 14 .300 .376 .446 .822
2009 30 110 99 8 18 4 0 1 25 14 5 0 0 0 11 0 0 16 1 .182 .264 .253 .516
2010 42 172 151 19 36 11 0 1 50 11 4 1 0 1 20 2 0 18 3 .238 .326 .331 .657
OAK 18 69 57 6 13 2 0 1 18 5 2 0 0 0 11 1 1 9 2 .228 .362 .316 .678
'10計 60 241 208 25 49 13 0 2 68 16 6 1 0 1 31 3 1 27 5 .236 .336 .327 .663
2011 102 368 333 30 83 17 1 4 114 38 3 1 0 2 30 0 3 50 12 .249 .315 .342 .658
BOS 12 22 19 2 3 0 0 1 6 5 0 0 0 1 2 0 0 3 1 .158 .227 .316 .543
'11計 114 390 352 32 86 17 1 5 120 43 3 1 0 3 32 0 3 53 13 .244 .310 .341 .651
通算:7年 658 2485 2184 291 591 123 9 52 888 295 27 6 4 18 252 10 27 291 65 .271 .351 .407 .757
  • 2011年度シーズン終了時

参考資料[編集]

  1. ^ “Conor Jackson finds role of lifetime”. Boston Herald. (2008年6月25日). https://www.bostonherald.com/2008/06/25/conor-jackson-finds-role-of-lifetime/ 2022年2月8日閲覧。 
  2. ^ a b Conor Jackson: Biography and Career Highlights | Baltimore Orioles” (英語). dbacks.com. 2008年12月17日閲覧。
  3. ^ Conor Jackson Transactions” (英語). The Baseball Cube. 2008年12月17日閲覧。
  4. ^ a b c d Conor Jackson Awards” (英語). The Baseball Cube. 2008年12月15日閲覧。
  5. ^ Kevin Goldstein (2005年2月14日). “Top Ten Prospects: Arizona Diamondbacks” (英語). BaseballAmerica.com. 2008年3月27日閲覧。
  6. ^ Awards/Honors:” (英語). MiLB.com. 2008年3月27日閲覧。
  7. ^ Kevin Goldstein (2005年12月7日). “Top Ten Prospects: Arizona Diamondbacks” (英語). BaseballAmerica.com. 2008年3月27日閲覧。
  8. ^ a b 『月刊スラッガー 2006年12月号』日本スポーツ企画出版社、43 , 92頁頁。 
  9. ^ 2006 Batting Splits” (英語). ESPN. 2008年12月17日閲覧。
  10. ^ 2007 Batting Splits” (英語). ESPN. 2008年12月17日閲覧。
  11. ^ 『月刊スラッガー 2007年12月号』日本スポーツ企画出版社、88頁頁。 
  12. ^ 2008 Batting Splits” (英語). ESPN. 2008年12月17日閲覧。
  13. ^ Conor Jackson 2008 Batting Gamelogs” (英語). Baseball-Reference. 2008年12月17日閲覧。
  14. ^ スラッガー編集部 「週間MVP受賞者」『月刊スラッガー No.128 , 2008年12月号』日本スポーツ企画出版社、49頁頁。 
  15. ^ 2008 Plus/Minus Leaders” (英語). Fielding Bible. 2008年12月20日閲覧。
  16. ^ 2006-2008 Plus/Minus Leaders” (英語). Fielding Bible. 2008年12月21日閲覧。
  17. ^ http://espn.go.com/blog/dallas/texas-rangers/post/_/id/4877995/rangers-sign-conor-jackson-joe-beimel
  18. ^ http://chicago.sbnation.com/chicago-white-sox/2012/3/31/2916326/conor-jackson-white-sox-minor-league-deal-charlotte
  19. ^ Orioles Notes: Conor Jackson, Swisher, Novak MLBTradeRumors.com
  20. ^ Conor Jackson Retires
  21. ^ a b Conor Jackson - Scouting Report” (英語). sportsnet.ca. 2008年3月27日閲覧。
  22. ^ 『月刊スラッガー 2008年4月号』日本スポーツ企画出版社、82 - 83頁頁。 
  23. ^ 『ウェルカム・メジャーリーグ 2008』白夜書房〈白夜ムック 315〉、202 - 205頁頁。ISBN 978-4861913983 
  24. ^ Conor Jackson - Pecota” (英語). BaseballProspectus.com. 2008年3月27日閲覧。
  25. ^ 出野哲也 「2008 一塁手&DHランキング」『月刊スラッガー No.122 , 2008年6月号』日本スポーツ企画出版社、19頁頁。 

外部リンク[編集]