ドール・フード・カンパニー

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ドール・フード・カンパニー・インク[1]
Dole Food Company, Inc.
種類 株式会社
市場情報
略称 ドール
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州ウェストレイクビレッジ One Dole Drive
設立 1851年[1]
業種 水産・農林業
事業内容 果物野菜
代表者 D.H.マードック 会長
主要株主 D.H.マードック
外部リンク https://www.dole.com/
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ハワイのオアフ島にあるドール・パイナップル・プランテーション
ドール・パイナップル・プランテーション内のパイナップル畑
ドール・パイナップル・プランテーションの前庭に生るパイナップル

ドール・フード・カンパニー(Dole Food Company, Inc.)は、アメリカ合衆国の多国籍農業・食品企業。通称ドール(Dole)。

果物・野菜、特にバナナパイナップルなどの生産・販売を手がけている。

1851年、キャッスル&クック社として設立[1]。「ドール」の名は1968年に吸収合併したハワイアン・パイナップル社の商標で、1991年より社名となった。なお、現存するキャッスル&クック社は、1995年不動産管理のために分社された別法人である。

沿革[編集]

キャッスル&クック社[編集]

サミュエル・ノースラップ・キャッスルエイモス・スター・クックが、ホノルルに商事会社「キャッスル&クック社」(Castle & Cooke)を設立[1]

ハワイアン・パイナップル社[編集]

ユニテリアン主義宣教師の息子として1877年マサチューセッツ州ジャメイカ・プレインに生まれたジェームズ・ドールは、1899年ハーバード大学から農学経営学の学士号を取得した後、従兄のサンフォード・ドールが大統領を務めていたハワイ共和国(当時)に移住した。

ジェームズ・ドールはオアフ島の中央部の平野に農園を開き、1901年にハワイアン・パイナップル社(Hawaiian Pineapple Company)を創業した。彼はホノルル港近くに工場を建設し、最新鋭の農業機械購入やラナイ島マウイ島での農園開設で「パイナップル王」と呼ばれるまでになった。

合併[編集]

ハワイアン・パイナップル社は1932年、ハワイで「ビッグファイブ」と呼ばれる5大サトウキビ農園主の1つ、キャッスル&クック社(C&C)に株式の21%を取得され、1961年には完全に買収された。キャッスル&クック社はラナイ島の95%を占める所有地をはじめとして世界中に農園を築いた。

1964年、全米2位のバナナ輸入業者スタンダード・フルーツ社英語版の株式の55%を取得、1968年100%取得した[1]。この会社は1967年には、日本向けバナナの生産会社スタンフィルコ社をフィリピンミンダナオ島に設立した[1]

1978年カリフォルニアレタスセロリ生産大手のバッド社(Bud Antle Inc.)を取得し[1]1989年Dole Fresh Vegetables とした。

1970年代以降ハワイの農業衰退で経営難に陥り、合併の後1991年にドール・フード・カンパニー・インクと改名した。

2012年5月2日、キャッスル&クック社(新)の管理するラナイ島の農場のほとんどが、ラリー・エリソンに売却された[2]

事業売却[編集]

2013年4月1日、「アジアにおける青果物事業とグローバル展開する加工食品事業」が伊藤忠商事に売却された[3]。「ドール」ブランドではさまざまな加工食品も製造販売されている。

また、アジア事業も同時に伊藤忠商事に売却された。事業売却前のドール社は世界各地の90カ国以上に拠点を持っていたが、現在のドール社の事業エリアは主に北米欧州(若干が中南米アフリカ中近東)である。

伊藤忠のドール事業[編集]

  • 持株会社[3]
  • 事業会社
    • アメリカ合衆国の旗 Dole Packaged Foods, LLC(米州、加工食品のみ)
    • ドイツの旗 Dole Packaged Foods Europe SAS(欧州・アフリカ・中近東、加工食品のみ)
    • タイ王国の旗 Dole Thailand Limited(タイ
    • フィリピンの旗 Dole Philippines, Inc.(フィリピン
    • 日本の旗 株式会社ドール(日本
      • 株式会社フレッシュシステム
      • フレッシュリミックス株式会社
      • 株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス
    • 大韓民国の旗 Dole Korea, Ltd.(韓国

日本での事業[編集]

株式会社ドール(Dole Japan, Inc.)は、米ドール社のかつての日本法人で、現在は伊藤忠商事グループの Dole International Holdings 傘下の企業である。本社所在地は東京都千代田区三番町6-2 三番町彌生館。

1965年、ドール日本支社として創業。1982年12月28日に日本法人として「株式会社ドール」設立[4]。ただし、2012年9月22日[5]から2013年10月までは「合同会社ドール(Dole Japan G.K.)」だった。2013年4月1日の事業売却により伊藤忠商事に売却された。

かつては雪印乳業と提携し、果汁飲料やアイスクリーム加工品を製造・販売する合弁企業を設立していたが、雪印グループの一連の不祥事を契機として2002年に提携関係を解消した。

現在は以下の企業がドール製品を販売している。これらのほか、一部は直轄事業になっている。

日本におけるドールロゴ登録商標権は、シンガポールのドール・アジア・ホールディングスが保有している。

機能性表示食品で多数の届出をしており、果物のマーケティングを積極的に行っている[6]

出典[編集]

外部リンク[編集]