Broforce

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Broforce(ブロフォース)
ジャンル ラン&ガンプラットホームゲーム
対応機種 Microsoft WindowsOS XLinuxPlayStation 4Nintendo Switch
開発元 Free Lives
発売元 Devolver Digital[注釈 1]
プロデューサー シャズ・グリーンウッド
ディレクター エヴァン・グリーンウッド
デザイナー
  • エヴァン・グリーンウッド
  • ドリアン・デュトリエ
プログラマー
  • エヴァン・グリーンウッド
  • ルアン・ロスマン
  • リチャード・ピータース
音楽 デオン・ヴァン・ヒーデン
美術
  • ジャレッド・ラント
  • デビット・シュトラウス
  • フィリップ・オレホフ
  • ジョナサン・ホウユン
  • ドリアン・デュトリ
  • ダンカン・グリーンウッド
  • フィリップ・リオス
人数 シングルプレイヤー、マルチプレイヤー
発売日
  • Windows, OS X
  • 2015年10月15日
  • Linux
  • 2015年10月17日
  • PlayStation 4
  • 2016年3月1日
  • Nintendo Switch
  • 2018年9月6日
エンジン Unity
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Broforce』(『ブロフォース』表記もあり[2][3])はFree Livesによって開発され、Devolver Digitalによって発売された横スクロール形式のラン&ガンプラットホームゲームである。開発は2012年4月、ゲームジャムのエントリーとして始まり、開発者と人気のおかげで早期アクセスゲームという形で開発が続くことになった。このゲームは2015年10月15日にMicrosoft WindowsOS Xで発売され、その2日後にLinuxでも発売された。PlayStation 4版は2016年3月1日に、Nintendo Switch版は2018年9月6日に発売された。

ゲームプレイ[編集]

プレイヤーのキャラクターである「ブロ」は過剰に男性的であり、アクションヒーロースタイルの特殊部隊員で、テロリストと戦い、チームメイトと一緒に戦争捕虜を囚われた状態から救う[4]。このゲームはプレイヤーの発砲によって周囲の環境を破壊できる[5][6]。悪魔のボスを倒し、アメリカ国旗を掲げ、背景が爆発している間にヘリコプターで脱出するとレベルのクリアとなる[5][6]

『Broforce』は最初は数名のキャラクターしか使用できないが、プレイヤーが一定数の捕虜を救助することでさらにキャラクターを獲得することができる。これらのブロフォースのキャラクターは「ネルソン・ブロデラ」の指揮下にある[7]。キャラクターはジョン・ランボーダイ・ハードシリーズのジョン・マクレーンチャック・ノリス、ミスターT、エイリアンシリーズのエレン・リプリーターミネーターシリーズのT-800といった実際のアクションヒーローのパロディである。また多くのキャラクターは、ランブロやブロミネーターのように、オリジナルの名前に何らかの方法で「ブロ」を足されて呼ばれることがある[4][5][8][注釈 2][10]。レベル開始時に選ばれるキャラクターはランダムであり、プレイヤーが指定することはできない[9][6]。使用しているキャラが死亡するか、戦争捕虜を救助するたびに別のキャラクターに変更される[9][6]。各キャラクターの攻撃や動きは、もとになったヒーローにちなんでおり、例えばリプリーのキャラクターは火炎放射の特殊能力を持っており、インディ・ジョーンズを基にしたキャラクターは主に鞭を使っている。

開発[編集]

Free Livesは2012年春のLudum Dare23ゲームジャムのエントリーとしてRambrosを提出した[4][5][11]。「面白さ部門」で最優秀賞を獲得し、チームプロジェクトをして継続するのに十分な肯定的なフィードバックを受けた[4]。開発者は他のキャラクター、ブロマンドとの協力モードを追加することを考え、それが「暴力的なアクションムービーの感覚」で「「ブロたち」を集める」というゲームのコアコンセプトになった[4]

このゲームは1980年代のアクション映画ジャンルを楽しく誇張したものとしてデザインされた[4]。このゲームの興趣である「ブロ」キャラクターたちへの関心はゲームディレクターのエヴァン・グリーンウッドが抱いていた1980年代から1990年代にかけてのアクション映画への愛に起因し、それが宇宙空間の旅行、恐竜との闘い、サメとの競争といったゲームの美学、テーマ、ゲームプレイにつながった[4]。ブロたちはテロリズムとの闘いにおいてお互いを守るべく密接なつながりを共有する[4]。グリーンウッズは『Broforce』を「アクションヒーローに対する愛情のこもった描写」だと述べていた[4]。彼らは「形ばかりのトークン的女性キャラクター」を追加したり、陰謀やロマンス目的でライバルの女性のブロフォースを作ることはせずに、代わりに既存のチームの一部にして、性別で区別しないようにした[4]

ゲームのスクリーンショット

「ブロトタイプ」と呼ばれるブロフォースのゲームデモが開発者のwebサイトからリリースされた。このデモではゲームプレイのサンプルはあったが、ゲームの説明はなかった[4]。このゲームは2013年7月24日にSteam Greenlightに承認された[12]。2014年4月7日のSteamで早期アクセスが開始され、2014年第2四半期にMicrosoft Windowsとコンソール向けフルリリースが計画された[13]。最終的なゲームにはゲームはオンラインマルチプレイヤー、リーダーボードを備えたデスマッチアリーナ[14]、 レベルエディタ、より優れたグラフィックなどが含まれる予定であった[5]

2014年8月、映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』の宣伝の一環として、同映画に基づくスタンドアロン拡張「エクスペンダブロズ」がリリースされ、12月31日まで無料でプレイ可能だった[15][16][10]

2015年2月、Alien Infestationが追加されてゲームの拡張が行われた。2015年10月15日、ゲームは完全リリースされ、サタンと戦う能力追加などの再拡張が行われた。エクスペンダブロズ拡張なしの完全なゲームはPlayStaition 4に移植され2016年3月1日にリリースされた。Nintendo Switchへの移植は2018年7月に発表された[17]

反響[編集]

本作のPS4版は2016年5月の時点で10万本を売り上げた[18]

評価[編集]

評価
集計結果
媒体結果
Metacritic83/100[19]
レビュー結果
媒体結果
IGN8.8/10[20]
PC Gamer US78/100[21]
ジ・エスケイピスト4.5/5stars[22]

Eurogamerのジェフリー・マトゥレフはゲームデモを「すぐにやめられなくなってしまうようなレトロゲームへの先祖還り」と説明し、破壊可能な周囲の環境のユニークさを指摘した[5]。数人の記者が『Terraria』とこのゲームを比較した[5][14]IGNは10点中8.8点を獲得し、「『Broforce』のひどいダジャレと鍛えられた上腕二頭筋の下には、アクション映画とレトロゲームへ捧げられる鮮やかな賛歌が広がっている」と述べた[20]PC Gamerでは78%を獲得したが、「せっかちでしっかりしていて堅実なラン&ガンの愚かさは、本当に素晴らしいものになるには少々十分には機能していない」と評された[21]。『ジ・エスケイピスト』では5つ星のうち4つ半を獲得し、「『Broforce』は馬鹿げてはいるものの、アイコニックなアクション映画への真摯なラブレターであり、豊かな環境と巧妙に作られた敵で完璧に洗練されている」と評された[22]

Game Watchの泊裕一郎はPS Plusのフリープレイを取り上げた連載記事の中で、本作について「[前略]何も考えずにボカスカ弾を撃って突き進めるところには爽快感もあり、ストレス解消としてもオススメできる。」と評価しており、気が向いた時に軽く遊ぶのに向いていると述べている[9]

ファミ通のBRZRKは、マルチプレイモードが本番だと思えるほど面白いと評価し、「[前略]4人同時で遊んでいると各々が思い思いの行動を取るので画面上はメチャクチャ! あっちで大爆発、こっちで大爆発、それに巻き込まれて爆死といった感じでもうホントにグチャグチャ。でも、自然と笑いがこみあがる。」と語っている[10]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本語版の配信のサポートは架け橋ゲームズが担当している[1]
  2. ^ 「ブロ」(Bro)の日本語訳はメディアによって分かれており、「アニキ」と訳すメディアもあれば[1][9]、「ブラザー」と訳すメディアもある[6]

出典[編集]

  1. ^ a b 重田雄一 (2018年9月6日). “ハリウッド映画で見たようなアニキが大暴れする2Dアクション『Broforce』のSwitch版が配信開始!”. IGN Japan. 2020年7月17日閲覧。
  2. ^ Entertainment, Sony Interactive. “ゲームソフト | Broforce | プレイステーション”. www.jp.playstation.com. 2020年7月17日閲覧。
  3. ^ アクションゲーム「ブロフォース」がMagino Driveで販売開始”. www.4gamer.net. 2020年7月17日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k Broforce devs talk female heroes, 80s action appeal and cultural sensitivity to games”. Polygon. Vox Media (2013年7月5日). 2013年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g Broforce is what The Expendables game should have been”. Eurogamer. Gamer Network (2012年9月6日). 2012年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月7日閲覧。
  6. ^ a b c d e インディーズゲームの小部屋:Room#405「Broforce」”. www.4gamer.net. Aetas (2015年11月18日). 2020年7月17日閲覧。
  7. ^ Nelson Brodela leads the Broforce onto Greenlight”. PC Gamer. Future Publishing (2013年6月3日). 2013年7月7日閲覧。
  8. ^ No Emotions, Just Explosions: Broforce!”. Rock, Paper, Shotgun (2013年6月25日). 2013年7月7日閲覧。
  9. ^ a b c d 泊 裕一郎 (2016年3月9日). “【PS Plusフリープレイレビュー】今月のイチオシは「Broforce」 どこかで見たようなアニキたちが大活躍! 爽快感あふれるシューティングアクション”. GAME Watch. 2020年7月17日閲覧。
  10. ^ a b c BRZRK (2014年8月19日). “E19M1: いつか見た筋肉兄貴たちがオールスターキャストで暴れまくる爆発シューター『Broforce』”. ファミ通. KADOKAWA. 2020年7月17日閲覧。
  11. ^ Rambros by Black Ships Fill the Sky | Ludum Dare 23”. Ludum Dare. 2013年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月6日閲覧。
  12. ^ Deadly Premonition and 13 other games greenlit on Steam”. Eurogamer (2013年7月24日). 2013年7月24日閲覧。
  13. ^ Broforce hits Steam Early Access on April 7”. Polygon. Vox Media (2014年4月3日). 2014年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月3日閲覧。
  14. ^ a b Playable Brototype: Broforce (Free Lives)”. IndieGames.com. UBM Tech (2012年9月4日). 2013年7月7日閲覧。
  15. ^ Jorge López. “Noticias broforce: Broforce muestra su nueva expansión, The Expendabros”. IGN España. 2020年6月3日閲覧。
  16. ^ Steam Community :: Group Announcements :: Broforce”. 2020年6月3日閲覧。
  17. ^ Moyse, Chris (2018年7月1日). “Chaotic shooter Broforce 'en route' to Nintendo Switch”. Destructoid. 2018年7月1日閲覧。
  18. ^ 小野憲史 (2016年5月12日). “SIG-GLOC#15「アプリのライセンスイン事情」セミナーレポート(パート 3)”. PO法人国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本). 2020年7月17日閲覧。
  19. ^ BROFORCE Critic Reviews for PC”. Metacritic. CBS Interactive. 2016年7月4日閲覧。
  20. ^ a b Reilly, Luke (2015年10月19日). “Broforce Review – Get to the chopper.”. IGN. IGN Entertainment. 2015年10月20日閲覧。
  21. ^ a b Skrebels, Joe (2015年10月19日). “Broforce review”. PC Gamer. Future US. 2015年10月20日閲覧。
  22. ^ a b Lemon, Marhsall (15 October 2015). Broforce Review – FREEEEDOOOMMM!!”. The Escapist (Defy Media). http://www.escapistmagazine.com/articles/view/video-games/editorials/reviews/14801-Broforce-Review-Free-Lives 2015年10月20日閲覧。. 

外部リンク[編集]