ZOMBIEPOWDER.

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ZOMBIEPOWDER.
ジャンル 少年漫画
バトル[1]アクション[2]
漫画
作者 久保帯人
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 1999年34号 - 2000年11号
巻数 全4巻
話数 全27話
テンプレート - ノート

ZOMBIEPOWDER.』(ゾンビパウダー)は、久保帯人による日本漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1999年34号から2000年11号まで連載された[3][4]

あらすじ

世界観・用語

主な舞台は、ウィスター州と呼ばれる西部劇のような世界である。作中の通貨単位はニート。

ゾンビパウダー
「ゾンビパウダー」とは、死者を甦らせ、生きている者を不死にする粉末である。世界中に散らばる12個の「死者の指輪」を集めて生成される。
死者の指輪
「ゾンビパウダー」の生成に必要な指輪。12個ある。常に「生」に飢えており、指輪に触れた人間に侵食して生命力を奪い続ける。指輪に侵蝕されると、外見的には眠っているような状態になるが、指輪を摘出しない限り永遠に目覚めることは無い。
火輪斬術
東の国で紅染百式と並び称される殺人剣。二千年を超える剣史の中で、習得できたのはわずか15人と言われている。これを収めた者は「斬術士」とよばれ、斬術士達は黒い炎をまとって戦う。平均習得年数は32年だが、ガンマは4年でマスターした。

登場人物

主要人物

芥火ガンマ/芥火完真(あくたび がんま)
本作品の主人公。通称「黒腕の死神」。22歳。「死者の指輪」を探して放浪しているS0級犯罪者で、賞金額は9億6千万ニートである。銀色の長髪に銀色のコートを着用し、右腕に銃弾や砲弾を弾くために黒いを直接打ち込んでいる。チェーンソーのような剣を武器にし、殺人剣「火輪斬術」を使う。粗暴であるが、女と子供には甘い。身長190.2cm・体重102kg(右腕の鎧込み)。11月28日生まれ。運動神経抜群だがスキーは苦手。車はオープンカーにしか乗らない主義で、盗んだ車もすぐに屋根を斬り落としていた。
ジョン・エルウッド・シェパード
ガンマに同行する少年。13歳。ナイフ投げで戦う。姉・シェリルの治療費を稼ぐため、自分たちの店を潰したキンクロの下でスリを働いていた。射殺された姉をゾンビパウダーで生き返らせるためにガンマに同行する。姉の身の回りの世話をしていたため、家事ができて金銭感覚もしっかりしている他、食べ物の好き嫌いも全く無い。身長151cm・体重38kg。5月10日生まれ。
C.T.スミス
ガンマの相棒。二丁拳銃で戦う。スーツと帽子と眼鏡を着用し、アタッシュケースを所持している。性格は飄々としている。ガンマとは互いに「自分に殺されるような弱い相棒は持っていない」と言っている。眼鏡をかけているが、数百メートル先の暴走列車に乗ったガンマにどれだけ銃創があるかを的確に判断できるほど視力は常人離れしている。両利き。身長175cm・体重65kg。9月25日生まれ。好きな言葉はDカップ。作者曰くイギリスの銀行員をイメージして描いていたらしい。
ウルフギャンギーナ・ララ・ジェット
通称「ウルフィーナ」。18歳の少女。2年弱で68件のスクープを発掘し、23組織を潰したジャーナリストである。「死者の指輪」に侵蝕されて昏睡している弟・エミリオを治すために金を集めている。自分の目で確認しない限りは相手を悪と認めない。後にナズナにエミリオを治してもらうかわりとして、実験台となる約束をする。身長171cm・体重56kg。3月31日生まれ。バストサイズは101cmのHカップ。境遇が似ているエルウッドに対しては一緒に休日を過ごそうと誘ったり抱きついたりと馴れ馴れしい。

犯罪者

アッシュ・ドウター強盗団

レーンウォーター・キャルダー
アッシュ・ドウター強盗団のリーダーで、「スピンボーイ」と呼ばれている。外見は年端もいかない少年だが、実際は3倍に濃縮した成長因子操作薬(フェニキサミン)と呼ばれる薬を摂取し続けることで若さを保っている老人。薬を摂取せずに若いまま生き続けるためにゾンビパウダーを欲していた。小型ジェットを仕込んだ剣「ジェットリッパー」を自在に操る。手加減していたガンマを圧倒するが、子供じゃないと分かった途端にガンマに圧倒され、背後の扉ごと刺し貫かれて敗死する。
コアン・ジョナサン・バックリィ
アッシュ・ドウター強盗団の東地区幹部。両サイドに分かれた特徴的な髪形をしている。報告せずにガンマを連れ帰った上に逃げられるという失態を演じ、キャルダーに処刑された。
バークス&ベルナルド・デカルロ
「金庫番(ヴォールトウォッチ)ブラザーズ」と呼ばれ、キャルダー宅の二階の金庫を守っていた。髭を生やしているほうが兄のバークス。二人ともガンマに見逃される。

バルムンク・サーカス団

バラーニュ・ビノワ・バルトルイユ・バルムンク
「魔術師(ミスティック)」の異名を持つマジシャン。A0級犯罪者。髭を生やし、シルクハットにスーツ姿である。サーカス団を引き連れて世界中を遊び歩いている。刺激の無い人生は死と同義であるという価値観の持ち主であり、「死者の指輪」を集めるのも刺激を求めるためだけである。A0級犯罪者だった頃にガンマに殺されかけた過去があり、その当時のままでガンマを殺すために今もA0級に甘んじている。趣味はオルゴール集めである。
アマンティーヌ
バルムンクが自分の右腕を元に創造した巨人で、バルムンクは「至高魔術の結晶」と述べている。3歳、女性。
ミッジ“ザ・マルチチュード”ファルゾン/ミラン・ジェラルド・ファルゾン
バルムンク・サーカス団副団長。28歳。
かつて大陸中に名を轟かせた殺し屋。投げたナイフの軌道を曲げて、指定した標的に命中させることができる。スミスの本名を知っていたようであるが、言おうとした瞬間に頭を撃たれ、死亡する。
ファルゾン・シスターズ#1~15
ミッジと共同生活を送る15人の妹達。ナイフの標的が描かれた服を着ている。全員同じ顔、同じスタイルなので、左目の上に刻まれた番号以外で見分けることはできない。腹部の的には何回ナイフが刺さっても平気で、性的に感じているかのような声を挙げるほど。ファルゾンを補佐すべく高速で動き回るものの、15人まとめてスミスに仕留められた。
“パイロマニア”パウンダー/リクリス・パウンダー・レッシャー
バルムンク・サーカス団№3。26歳。
ゲイン州ポートビスケス出身の火吹き芸人。体中にオイルが詰まったカプセルを着けている。サーカス団の中でも1,2を争う常識人で、子供好きで、部下の面倒見も良い。好きな物は卓球とグリーンアスパラ。副団長のファルゾンを嫌っている。実はガンマ達一行の中に子供がいると知り、唯一交戦を反対した男だったと作者は語っている。エルウッドを圧倒するが、持っていたオイルを奪われてしまい敗れるが見逃された。バルムンク逃亡後はルカとビクターを引き連れて撤退していった。
シャカブーン
バルムンク・サーカス団№4。自称23歳。
身長291cm・体重355kgという巨漢の白塗り女。魔術列車の全権を握っており、駆動機の付いた靴で相手を踏みつけるのが主な攻撃手段。バルムンクに惚れている。
ギッフル・“ザ・グレイト・アンデッド・ボックス”/ロバート・ギッフル
バルムンク・サーカス団に所属するA0級犯罪者。42歳。人体切断マジックに使う箱の前面から顔が、側面から顔より高い位置に両腕が出ている奇抜な姿の男。「一太刀の傷も受けずに1000を越す人間を斬殺してきた」剣士。“偉大なる不死の匣”を自称しており、ガンマとの戦いでは横薙ぎに分断された胴体が動き回り、箱の内側から腕が増殖する現象が起きた。作者曰く「劇中最高の短命を誇る可哀想な箱おじさん。」。おまけページで箱から出た姿が書かれた。
ルカ=ルカ
バルムンク・サーカス団の軽業師。12歳。一見すると少年のようだが、実際は貧乳少女である。将来の夢はパウンダーのお嫁さんになること。
ビクター・ムーゲン
バルムンク・サーカス団のバランス・ジャグラー。ルカ=ルカの相方。無口。サーカス団一、温厚で博識。本編では名前は登場しなかった。

その他

コルヴィン・ムジャータ・キンクロ
武装窃盗集団「グレイ・アンツ」のリーダー。でっぷりと太った巨漢で、賞金8000ニートのD1級犯罪者。シェパード家が経営していたドラッグストアを潰し、エルウッドにスリの仕方とナイフ投げを教えた。エルウッドがガンマと接触したのを知り、シェパード家に乱入し、シェリルを射殺する。「男らしく1対1での勝負」と自分で言っておきながら仲間全員でガンマに攻撃を仕掛けるが、その銃弾を全て素手で受け止める暴挙に出たガンマを見て部下たちは全員逃走。苦し紛れにバズーカで砲撃を仕掛けるがまるで相手にならず返り討ちにされてしまった。
ダニエル・ルーベック&ディラン・トービン
大勢の仲間を殺され、ガンマを深く恨んでいる二人組。鼻ピアスをしているのがダニエルで、口髭が生えているのがディラン。ディランはガンマに体を真っ二つにされ死亡、ダニエルは右腕を切り落とされて逃亡する。
アントニオ・スカマンデロ
デザートギャング「スノッズ団」のリーダー。28歳童貞。大砲のような形のリーゼントが特徴。数人がかりで女性に強姦を働こうとしているところをウルフィーナに撮影され、さらに写真を加工した状態でゴシップ紙に載せられた結果、人望がガタ落ちし、部下の2/3に逃げられ「女王(クイーン)」なる恥ずかしい仇名を付けられるハメになった。ウルフィーナを恨み、彼女を殺そうとするが逆に彼女の三脚で倒される。

ジェミニ研究所

ナズナ・ジェミニ
ジェミニ研究所所長。数多くの国家的犯罪に関与し、それら全てをガンマに転嫁している。趣味・特技ともに手術。手術以外のことには散漫な興味しか持っておらず、マイブームが頻繁に変わる。「死者の指輪」の摘出手術ができる。身長153cm・体重40kg。11月4日生まれ。
エンジェル・ベル・ローズ・クーニー
真っ白な肌と深いブルーの瞳、蜂蜜色のブロンドを持つ自称「天才美少女サイキッカー」。現在11歳。7歳のときにガンマと出会い、ガンマを慕い続けている。クライクミア州サンタフェリカ出身。2歳のときに元ミス・クライクミアの母が失踪し、無名画家の父は現在、3年2ヶ月にわたる未成年者に対する監禁・暴行の罪で投獄されている。身長145cm・体重36kg。11月24日生まれ。
ウルリカ・ウィスマール
ナズナの身辺の世話を一手に引き受ける研究所のメイド。24歳。ジェミニ研究所特別戦闘部隊「ジェミニフォース」隊長である。黒髪に濃紺の瞳を持つ。非常に無口。チョコレートアレルギー。身長162cm・体重46kg。1月19日生まれ。
ジェラルディーン・ティッキー
研究所のメイド。21歳。「ジェミニフォース」副官。ジェミニ研究所武術指導および兵装管理を担当している。ペイルカラーのブロンドにセピアがかったブルーの瞳を持ち、大阪弁で話す。身長166cm・体重52kg。8月1日生まれ。
リッピー/リサ・ピンクダイアモンド
研究所のメイド。本名はダニエル・セバスチャン・ヴァーデック。26歳。ジェミニ研究所ではマシン・エンジニアを担当している。スキンヘッドにカラフルなウィッグを被った、褐色肌の巨漢。趣味は菓子作りと指立て伏せ。身長199cm・体重116kg。7月5日生まれ。
タシャ・フォーケル
研究所のメイド。本名「アナスタシア・フォーケル」。22歳。ジェミニ研究所の生体管理担当。栗色の髪に黒い瞳を持つ。エロ本の収集が趣味。パオと相部屋。身長154cm・体重42kg。10月16日生まれ。
チェン・パオ
研究所のメイド。17歳。経理・清掃および調理を担当する。髪は赤毛。正義感が強く、マジメで勉強熱心である。身長167cm・体重50kg。5月7日生まれ。

その他

シェリル・アン・シェパード
エルウッドの姉。心臓病に冒されており、身体が弱い。キンクロが自宅に乱入した際、エルウッドを守るために花瓶を叩きつけてキンクロの逆鱗に触れ、射殺される。
エミリオ・ルーファス・ジェット
ウルフィーナの弟。16歳。8歳の時に姉の人形を壊した代わりに、古木の幹に埋まっていた「死者の指輪」をそれと知らず取りに行って指輪に侵蝕され、現在に至るまで昏睡し続けている。魔術列車で指輪がウルフィーナに襲い掛かった際には、身を挺して姉を守った。

書誌情報

  • 久保帯人 『ZOMBIEPOWDER.』 集英社ジャンプ・コミックス〉、全4巻
    1. 「D.I.B.A. [Death In a Black Arm]」2000年2月7日第1刷発行、ISBN 4-08-872828-9
    2. 「Can't Kiss The Ring (Of The Dead.)」2000年4月9日第1刷発行、ISBN 4-08-872852-1 - 「ULTRA UNHOLY HEARTED MACHINE」併録。
    3. 「Pierce Me Standing〈In The Firegarden〉」2000年6月7日第1刷発行、ISBN 4-08-872877-7 - 「刻魔師 麗」併録。
    4. 「Walk This Nameless Way/Like a ZOMBIE/」2000年8月9日第1刷発行、ISBN 4-08-872897-1 - 「BAD SHIELD UNITED」併録。

脚注

出典

  1. ^ 久保帯人『ZOMBIEPOWDER.』 1巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2000年2月7日。ISBN 4-08-872828-9 そで。
  2. ^ ジャンプ流 (2016), p. 5.
  3. ^ ジャンプ流 (2016), p. 2.
  4. ^ 久保帯人『ZOMBIEPOWDER.』 4巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2000年8月9日。ISBN 4-08-872897-1 そで。

参考文献

  • 『DVD付分冊マンガ講座 ジャンプ流! 秘伝ガイド vol.04 まるごと久保帯人』集英社、2016年3月3日、2,5頁。ASIN B01BDUMCXI