World Community Grid

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World Community Grid(ワールドコミュニティーグリッド)は、グリッド・コンピューティングを構築する世界最大規模の非営利活動のプロジェクトおよびそのグリッド・コンピューティング。分散型コンピューティングの一つで、先見的な科学研究と結びついた技術革新と大規模なボランティア活動により世界を良い方向へ変えていくことができるという確信のもと、人類に貢献するプロジェクトに取り組むため、世界最大規模で公的グリッド・コンピューティングを運用、構築するものである。WindowsLinuxMac OS Xなどのクライアントプログラムが用意されており、クライアントプログラムはコンピュータの余剰能力を用いて計算し、結果を送信することで、エイズをはじめとする未知のウイルス病原体への対応、新薬の開発につなげたり、病気の処置法の探求など、生体工学分野を中心に人類の脅威とされる課題の克服に貢献する。

目次

[編集] 概要と貢献

参加して計算中のスクリーンの例(通常は非表示設定)で働かせる。
UDクライアント ソフトウェアを稼動。

参加資格は特になく、誰でも個人で参加できる。無償の貢献であり、金銭、物品や権利などを得ることは無く、また義務も負わない。「成否は、参加者一人一人の行動に寄る」とされ、素人がその分野の発展にささやかながらも貢献できるものでもある。

参加者は個人または集団で会員登録をし、インターネットに接続した使用中のパソコンなどの余剰時間や余剰リソースを使用してDNAなどを構成する分子の組み合わせ試行などの計算を行い、その結果を自動的にアップロードする。計算課題のダウンロード、結果のアップロードとも参加者には特別な操作は必要なく、意識することなくOSマルチプロセッシング環境のバックグラウンド下で行われる。参加させるパソコン等の性能やあらかじめ自分で決めて割くリソースの量や課題にも拠るが、累積約4-20時間程度で一つの課題を解き終える。パソコンの電源を長時間入れないなどして与えられた課題を2週間以内に解かず、結果のアップロードが行われない場合は、その同一課題はプロジェクトの本部によって別の参加者に改めて与えられる。一つの課題を完了すると、次の課題が与えられ、パソコンは常時課題を解いている。

[編集] 提供するパソコンなどのリソース

[編集] UDクライアントの場合

注意:この節は主に2008年6月にサポートが中止されたUD社のクライアント ソフトウェアを使用した場合の事が記述されています。現在は「BOINC」のみをクライアントソフトウェアとして稼動させ提供・参加します[1]。「BOINC」の「World Community Grid」も参照。

参加に会員登録した者は貢献に提供するパソコンなどの能力(リソース)の度合いを自分で決めることが出来る(後刻変更もできる)。次の機器構成を「総合パーフォーマンス基準値100」として考えられており、メンバーはその値以上または以下のリソースを自分の機器によって構成したり割り当てて設定した上でリソースの一部を提供する。

  • High-end Desktop Systemと呼ばれるパソコンの場合の「総合パーフォーマンス(Overall performance)基準値100」のリソースと各構成要素のパーフォーマンス値100
Overall Performance:100
Processor:100, Intel Pentium4, 1.5GHz
Memory:100, 384MB
Storage:100, 5.00GB
Network:100, Intel PRO/100 S Management Adapter

以上の構成が基準として100の能力とされる。

  • 一例として下記のリソースを提供すると総合パーフォーマンス191となる。写真参照。
Overall Performance:191
Processor:192, Intel Pentium4, 3.1GHz
Memory:300, 1536MB(実装Memory容量であり、指定値の設定不可)
Storage:196, 9.77GB 唯一の指定可能値(提供値10.00GBが9.77GBと表示される)
Network:100, Marvell Yukon 88E/8001/8003/8010 PCI Gigabit Ethernet Controller, 1394 Net Adapter

登録し課題を解いてもパソコンの自分の用途の処理が遅れるなどの事態は殆ど無い。余剰のアイドル時間(Microsoft Windowsの場合はSystem Idle Process)に処理能力としてのリソースの一部だけを使うものである。また設定により最大120分間まで課題の計算処理を中断でき、パソコンのトラブル時などにも切り離した状態に出来る。この切り離し中はSnooz状態と呼ばれる。また、参加を意識する必要は全く無く、自分のペースでパソコンの電源を切ってよく、その場合でも課題の計算などの処理は細切れに継続され、いずれ完結に至り、その結果はアップロードされる。参加者を辞める場合は、参加用のプログラムを削除する、または自動的スタートアップの設定をしなければよい。

[編集] BOINCクライアントの場合

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

BOINC」の「World Community Grid」も参照。

[編集] チームへの参加

登録したメンバーは任意選択として、さらに世界中のいずれかのチームのメンバーとなることも出来る。2007年11月時点で約1000チームが存在しており、その中には数千人のメンバーを擁するチームや一人でチームと称するものまである。米国IBMもその資源を提供している。個人参加であってもチーム所属であっても貢献することには変りは無い。ただし、「World Community Grid」本部のウェブサイトは参加チーム名とそれに関する貢献度の統計データなどを掲載しているが、チーム自身のURLによってチームが行う自己紹介や案内する事柄には責任を持っていない。

[編集] プロジェクトの概要

[編集] 現在進行中のプロジェクト(発足順)

ファイト!小児がんプロジェクト(Help Fight Childhood Cancer)のスクリーンセーバ画面

[編集] 予定されているプロジェクト

[編集] 終了したプロジェクト

  • AfricanClimate@Home (2007年9月1日発足、2008年7月終了)- アフリカでのより確実な気候モデル構築。現在フェーズ1の結果を分析中で、その結果からフェーズ2を予定。
  • Genome Comparison Project(ゲノム比較 2006年11月21日発足、2007年7月21日終了) - 各生物の遺伝子配列の既知の機能と未知の機能の遺伝子配列を比較し、生体内のその類似した役割を研究。
  • Help Defeat Cancer Project(がん撲滅支援 2006年7月20日発足、2007年4月終了) - プロテオーム(ヒトたんぱく質構造)の未知の部分に研究者向けに注釈を付け、さらにの発生と進行の解明、治療法の開発。
  • Human Proteome Folding(ヒトたんぱく質解析 2004年11月11日発足、2006年7月終了) - プロテオームを形成するタンパク質を特定し、がんHIV/エイズSARSマラリアなどの疾病の新たな効果的治療に必要な知識を得た。現在、フェーズ2が進行中。
  • Help Cure Muscular Dystrophy (筋ジストロフィー治療支援:フェーズ1) - 神経筋疾患を引き起こす遺伝子に対応するタンパク質の分子モデリング解析。UDクライアント限定で行われた。

[編集] 日本のチーム(登録順)

BOINCプロジェクトに登録している日本のチームは数多くあるが、World Community Grid を継続的に解析しているチームのみ抜粋(抜粋要件:参加者数10人以上、チーム国籍が日本、またはチーム名に「Japan」を含む)。

Team 2ch
2004年11月16日登録。匿名掲示板2ちゃんねる利用者によるチーム。当初は、BOINCプロジェクトの中でも特に人気の高いSETI@HOME参加者が多く、World Community Grid 参加者は少数だったが、2007年04月27日のUDがん研究プロジェクトの終了に伴い、UDのTeam 2chメンバーの多くが主に同じ医療系プロジェクトである World Community Grid に参加すべく、BOINCの Team 2ch に大挙移動し(日本では関係者の間で俗に「UD難民の民族大移動」と呼ばれた)、 World Community Grid サイトにはUDからの移籍者に対する歓迎のページが設けられた[2]。この旧UD参加者の流入により、現行の功績値の約3/4が World Community Grid により占められている。[3]
2008年7月6日、World Community Grid 内の功績値世界ランキングで1位を達成。2009年には参加者(登録)数・解析結果数でも世界1位(2009年5月現在、稼働時間のみ2位)となり、 World Community Grid に限らず、BOINC全体でも世界有数の大チームとなる。[4]
IBM Japan ODB
2004年11月18日登録
IBM Japan
2004年11月19日登録
Japan-Central
2004年11月19日登録
Japan
2004年11月21日登録
IBM - J ISC-J
2005年5月12日登録
Protein structural analysis room Japan
2005年11月5日登録。活動範囲を医学・生物系プロジェクトに限定している。元々はcell computing βirthで結成されたチーム。
Team Japan HIV
2005年12月13日登録。チーム名が表す通り、HIV(FightAIDS@Home)に特化したチーム。分散コンピューティングシステムFind a DrugのHIVプロジェクト(2003.7.12開始)の参加者で結成され、2005年末のFind a Drugの終了とほぼ同時期に開始されたFightAIDS@Homeに参加すべく、World Community Grid に移行した。
IBM - Japan
2005年12月16日登録
BOINC@MIXI
2006年04月18日登録。ソーシャルネットワーキングサイトmixiのチーム。特定のプロジェクトに偏らず、World Community Gridを含むBOINCの各プロジェクトに参加している。
GBS-JAPAN
2007年05月15日登録
Team niconico
2007年11月25日登録。ニコニコ動画のチーム。

[編集] その他

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ Community Advisor (2008-06-04). "2008年6月26日をもってUDクライアントからBOINCクライアントに全て移行完了" (英語). World Community Grid. 2009-01-11 閲覧。
  2. ^ World Community Grid welcomes Grid.org members、World Community Grid 公式サイト(英文)
  3. ^ 詳細統計 "Team 2ch"BOINC統計
  4. ^ チーム情報 Team 2ch、World Community Grid 公式サイト
  5. ^ "節電しにくい電力を再利用:アキバのPCで米作り、100台の利活用がスタート". ITmedia (2008-06-30). 2009-01-10 閲覧。

[編集] 外部リンク