Wireless Multimedia Extensions

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Wireless Multimedia Extensions(WME)は、Wi-Fi Multimedia(WMM)の別称でも知られている、IEEE 802.11e規格に基づいた「Wi-Fi Alliance」による相互接続性の認証である。IEEE 802.11ネットワークの基本的なQoSの機能を提供している。WMMは「音声」・「ビデオ」・「ベストエフォート」・「バッググラウンド」の4つのアクセスカテゴリー(AC)に応じたトラフィックに優先順位を付けている。しかし、スループットの保証は提供されない。それは、Wi-Fi電話端末(VoWLAN)上でのVoIPのような、QoSを必要要件とすることを明確に定義しているアプリケーションに適している。

概要[編集]

≪※が付いた用語は、用語説明の項目にて解説する。≫

WMMは、CSMA/CAの無線フレーム伝送による従来のWi-FiのDCF※1に代わって、EDCF※2がWMMの1.1版として記述されており、その記述では、EDCAの4つのアクセスカテゴリが定義されている[1]

EDCA - 4つのアクセスカテゴリ ( AC )
優先度 AC トラッフィクタイプ
1 AC_VO 音声
2 AC_VI ビデオ
3 AC_BE ベストエフォート
4 AC_BK バッググラウンド

EDCAのパラメータは、アクセス·ポイントから無線機器に送られた情報の種類に基づいて、TXOP※3の時間をどれくらいに設定するかの制御を行なうWMM認証を受けた無線機器に使われる。

Wi-Fiを通じて音声通話(VoIP)や音声や動画のストリーミング配信、オンラインゲームなどリアルタイム性が必要な通信を行う際、それらをWeb閲覧など他の通信より優先的に取り扱う機能である[2]

省電力認証[編集]

「Wi-Fi Alliance」がWMMの仕様に「省電力認証(Power Save Certification)」を付け加えた。「WMM Power Save」と呼ばれている[3]

信号品質の改善や電力消費の最適化などを通じて、Wi-Fiネットワークにおける効率的な消費電力を実現するためのフレームワークをデバイス製造業者や開発者に提供する。

用語説明[編集]

  • ※1. DCF = (分散調整機能:Distributed Coordination Function)無線LANで利用する媒体アクセス制御方式であるCSMA/CAにおいて,データの衝突を避けつつ伝送する手順[4]
  • ※2. EDCF = (拡張分散調整機能:Enhanced Distributed Coordination Function)DCFを拡張した802.11e規格。。DCFでは1つであった送信キューが、EDCFでは最大8個まで備えられるようになっている。この送信キューを通信データの優先度によって使い分ける方式が提案されている。その方式では、優先度が異なる送信キューに送信データが格納されると、優先度の高いキューほどバックオフ時間が短くなるように設定されている。そのため、優先度の高いデータが送信されやすい。[5]
  • ※3. TXOP = (伝送機会:Transmission Opportunity)チャネルの占有時間のこと。この値が大きいほど一度得た送信権でより多くのフレームを転送できるが、キューのリアルタイム性が損なわれるので調整が必要。値を0にした場合、1回の送信権で1フレームだけ送信できる。「AC_BK」や「AC_BE」などはこの値を0にしておくことが一般的である。[6]

脚注[編集]

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  1. ^ 無線LANにおける適応型MACフレーム受信機会制御 - 塩田研究室”. 千葉大学. 2014年3月9日閲覧。
  2. ^ WMM 【 Wi-Fi Multimedia 】”. e-words.jp/. 2014年3月9日閲覧。
  3. ^ Wi-Fi Alliance、省電力なWi-Fi機能に「WMM Power Save」”. mynavi.jp. 2014年3月9日閲覧。
  4. ^ DCF”. 日経BP (2004年3月31日). 2014年3月9日閲覧。
  5. ^ 通信中継方法及び装置 - 富士通株式会社 - 日本特許情報”. patentjp.com. 2014年3月9日閲覧。
  6. ^ IEEE802.11eとは - ネットワークエンジニアとして”. infraexpert.com. 2014年3月9日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]