Microsoft Windows XP

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Windows XP
Microsoft Windows ファミリー
Windows XP wordmark.svg
開発者
マイクロソフト
ウェブサイト Windows XP ホーム
リリース情報
リリース日 2001年10月25日 (OEM)
2001年11月16日リテール)(info)
最新版 5.1 Service Pack 3 (Build 2600)(2008年4月21日)(info)
ソース モデル シェアードソース
ライセンス Microsoft EULA
カーネル ハイブリッドカーネル
対応プラットフォーム IA-32
サポート状態
延長サポート フェーズ
延長サポート終了日: 2014年4月8日[1]
Windows XP Professional x64 Edition
Microsoft Windows ファミリー
開発者
マイクロソフト
ウェブサイト Windows XP Professional x64 Edition ホームページ
リリース情報
リリース日 2005年6月1日(info)
最新版 5.2 Service Pack 2 (Build 3790)(2007年3月12日)(info)
ソース モデル シェアードソース
ライセンス Microsoft EULA
カーネル ハイブリッドカーネル
対応プラットフォーム x64
サポート状態
延長サポート フェーズ
延長サポート終了日: 2014年4月8日[1]
Windows XP 64-bit Edition
Microsoft Windows ファミリー
開発者
マイクロソフト
リリース情報
最新版 2003(2003年3月28日)(info)
ソース モデル クローズドソース
ライセンス Microsoft EULA
カーネル ハイブリッドカーネル
対応プラットフォーム IA-64
サポート状態
終了

Windows XP (ウィンドウズ エックスピー)とはマイクロソフトが2001年に発表した Windows シリーズオペレーティングシステム (OS) である。

XP は「経験、体験」を意味する experience に由来する[2]。開発時のコードネームWhistlerウィスラー)と呼ばれていた[2]

目次

[編集] 開発と概要

Windows XP 発売以前、Windows は一般家庭向けでは Windows 95 などの Windows 9x系と、ビジネス用途向けでは Windows NT などの Windows NT系が並行開発・販売されている状態が長らく続いていた。その状況はマイクロソフトにとって負担であり、この負担を軽減する目的で、一般家庭向け Windows を Windows NT 系に統合することを目標に開発された。Windows XP 以前に同様の統合化を試みた Windows 2000 を基本に、その際統合の成功に至らなかった機能も含めて開発されている。

この一大変革によって、Windows XP は Windows NT の安定性・堅牢性と Windows 9x 系のマルチメディア機能や使いやすさを併せ持った汎用 OS となった。NT カーネルを採用した一般家庭向けの Windows は Windows XP が初であり、安定した OS を手軽に入手・利用することができるようになった。Windows XP の開発成功を受けて、マイクロソフトは長年の懸案であった Windows 9x 系の終息を成すことができた。

長きに渡って販売されていたが、超低価格機向けなどの一部の用途を除き2008年6月30日をもってマイクロソフトからの出荷は終了した[3]。2008年7月以降の入手方法は、流通在庫品のほかに後継製品となる Windows Vista の Business か Ultimate エディション[4]Windows 7 の Professional か Ultimate エディションからのダウングレード権[5][fn 1]を利用する形になった。一部の直販メーカーでは、この仕組みを利用して業務用向けオプションとして引き続き Windows XP Professional をプリインストールした PC が出荷されていたが、2010年10月22日に販売が終了した。また、米 Microsoft の DSP 版も2009年6月30日に販売終了となり、店舗在庫限りとなった[6]

出荷本数の推移
本数 日付
700 万本 2001年11月12日発表[7]
1700 万本以上 2002年1月18日発表[8]
4600 万本 2002年6月発表
1 億 3000 万本 2003年7月発表[9]
2 億 1000 万本 2004年5月3日発表[9]

[編集] エディション

Home Edition
主に家庭で使用されることを前提に開発されたエディションである。Windows XP の基本的な機能が搭載されており、ドメイン参加といったビジネス向けの機能は搭載されていない。Professional エディションに比して、1つの物理 CPU のみの対応といくつか拡張性に制限がある。
Professional
上級ユーザーあるいはビジネスでの利用を想定した、Home Edition に対する上位エディションである。マルチ プロセッサへの対応や ドメインへの参加、リモートデスクトップ(ホスト側)、ダイナミック ディスクのサポートなどに対応するほか、IIS やファイルシステム暗号化などセキュリティ保護関連機能も搭載する。
Media Center Edition
MCE と略される。バージョンは 2002(コードネーム:eHome ※日本語版は存在しない)、2003(コードネーム:Freestyle)、2004(コードネーム:Harmony)、2005(コードネーム:Symphony)とそのマイナー アップデート Update Rollup 2(コードネーム:Emerald)の4種類がある。Professional エディションの機能を基本に、テレビジョン放送やデジタルオーディオ機器などの AV 機能を付加したエディションである。MCE にのみ、Media Center と呼ばれるテレビ視聴・録画、音楽再生・録音、ビデオ・DVD 鑑賞などを専門的に行うツールが収録されており、付属する専用リモコンで遠隔操作を行うことが可能である。ただし、Media Center Edition は OEM 供給の形でのみ提供されるため、プリインストール PC を購入する必要がある(2005 については DSP 版が提供され、一部のハードウェアとセットで入手が可能となった)。
2004 ではドメインへの参加は可能であったが、2005 では再インストール時(OEM 版はインストール時も含む)のみにしかドメインへの参加はできなくなった。マイクロソフトも公式にはドメイン参加は不可能であるとアナウンスしている。その他の両バージョンの差として、サポート TV チューナー数が 1 から 2 に増加、導入済み Service Pack が SP1 から SP2 になったほか、2004 では非対応だった Portable Media Center やデータ CD/DVD の作成について、2005 で対応した。
2005年10月にリリースされた Update Rollup 2 では、Xbox 360 をクライアントとして使用することが可能となった。
なお、AV 機能が充実した PC は日本でも多数リリースされているものの、それらへの MCE 採用例は少ない。日本の大手 PC メーカーは AV 機能に特化した製品を提供する際、ハードウェア・ソフトウェア(ドライバ、アプリケーション)を独自に開発・機能拡張することが多く、結果、OS には Home Edition または Professional を使用すれば良いからである。この理由として、それら大手 PC メーカーの殆どは大手家電メーカーであり AV 製品に関する技術が潤沢であること、MCE のリリース以前から多くの AV 機能特化 PC を製造販売していたこと、そういった製品の多くは家庭向けであるから MCE よりもコストが低い Home Edition を採用したいこと、などが挙げられる。
Tablet PC Edition
Professional の機能に加え、ペンタッチ機能を付加させたエディションである。このエディションが搭載された PC には必ず専用のペンが付属する。またタブレット操作を想定したエディションであるため、Windows Journal と呼ばれるツールでメモ書きができたり付箋紙や Microsoft Office など一部のアプリケーションの付加機能が利用できる場合もある。Tablet PC Edition (2002) と Tablet PC Edition 2005 の 2 種類のバージョンが存在し、2002 ユーザーは Service Pack 2 をインストールすることにより 2005 へとアップグレードできる。OEM 版と DSP 版(2005 のみ)での提供で、市販パッケージ版は存在しない。
64 ビット版
64-bit Itanium Edition
Itanium 環境のワークステーション向けのエディションである。Windows XP を基に開発され2002年に公開された Version 2002 と、Windows Server 2003 を基に開発され2003年に公開された Version 2003 がある。16 GB までの実メモリと 8 TB までの仮想メモリをサポート。IA-32 向けアプリケーションソフトウェアがそのまま動作するという機構 (WOW64) を備えている。OEM 供給の形でのみ提供された。後述する Professional x64 Edition が発売される前の2005年1月4日に販売終了となった。
Professional x64 Edition
AMD による x86 アーキテクチャの 64 ビット拡張に対応した Windows Server 2003 を基に開発されたクライアント向けのエディションである。機能の多くとそれを表すバージョン番号は Windows Server 2003 と同じものである。2005年4月23日から販売開始され、OEM 版と DSP 版のみが提供された。
市場限定版
Starter Edition
開発途上国向けのエディションである。対象国は低国民所得が故に海賊版が横行しており、その対抗策として廉価で提供されている。主要エディションに比して廉価提供の理由付けに、同時に開けるウィンドウ数が3つまでであることや画面解像度SVGA まで、ネットワーク共有機能の制限やマルチアカウントが使用できないなどの大幅な制限が加えられている。Home Edition などへのアップグレードは提供されていない。ポルトガル語ブラジル)、タイ語などの言語版をはじめ複数のローカライズ版がリリースされており、それぞれ異なった壁紙やスクリーン セーバーなどが収録されている。
Edition N
欧州委員会の要求を受けて用意されたエディションである。Home Edition と Professional から Windows Media Player が除かれている。主要エディションはメディアプレーヤーに関する消費者の選択権を狭めるとして、競争法違反に問われたためマイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件も参照)
Edition K および Edition KN
韓国公正取引委員会の要求を受けて用意されたエディションである。K は Home Edition と Professional に他社製インスタント メッセンジャーへのリンクを追加したもの。KN は Home Edition K と Professional K から Windows Media Player および Windows Messenger が除かれているもの。欧州連合域内におけるメディア プレーヤーに加えて、インスタント メッセンジャーについても消費者の選択権を狭めるとして、独占禁止法違反に問われたため。
その他
Home Edition ULCPC
2008年4月3日にマイクロソフトが ULCPC 用としてメーカー向け販売を開始すると発表したものである[10]。なおマイクロソフト言うところの ULCPC は一般においてネットブックやネットトップと呼ばれる超廉価版 PC に合致しており、これらの市場向け製品に利用されている。
Windows Fundamentals for Legacy PCs
コードネーム "Eiger" と呼ばれたもので、2006年7月にシンクライアント版としてソフトウェア アシュアランス契約者向けに登場した[11]
Embedded
組み込み用途向けエディションである。専用の構築ツールを使用して OS の機能をカスタマイズし、搭載製品の構成や用途に応じた OS パッケージを作成することができる。POSシステムATMカーナビゲーションアーケードゲーム基板シンクライアントなどに使われているほか、大手メーカー製 PC で TV 視聴録画専用モードの OS として採用されている例もある。

[編集] 特徴

[編集] ユーザー インターフェイスと外観

ビジュアル スタイル
大きな特徴は、GUI のデザインを変更することのできるテーマの概念を取り入れたことである。Windows XP 以降では、ボタンやウィンドウ・その他 GUI の外観をまとめてビジュアル スタイルと称する。Windows XP では標準として「Luna」が採用された。Luna の他にマイクロソフトやその他のサード パーティーがリリースしているビジュアル スタイルが多数存在するが、標準ではマイクロソフト公式のものにしか変更できない。
またデスクトップアイコンの利用をスタートボタンへ集約、コントロール パネルなどといった設定項目もウィザードを取り入れ、初心者でも直感的に操作できるユーザー インターフェースとなっている。
なお、処理能力が低い環境での使用や、Windows 2000 や Windows 98 以前の旧来操作性を継承したい場合、画面のプロパティの設定で「クラシック スタイル」を選択することで、「Luna」を使わない以前のバージョンに似たスタイルを設定することも可能である。

[編集] システム管理

ユーザーの簡易切り替え
これまでの Windows はログオンしているユーザーを変える場合、必ずファイルを保存させてログオフする必要があったが、この機能によりログオフすることなくユーザーを切り替えられるようになった。この時、切り替える前のユーザーによって実行を開始したプロセスはバックグラウンドで動作したままの状態となる。これはサーバー OS で培われたターミナル サービスの技術を利用したものである。ただし、Windows Server ドメインに参加しているコンピュータはこの機能を使用することができない。
システムの復元
システムの環境をある時点の状態へ戻す事が可能となった。もともとは Windows Me から含まれた機能で、Windows XP は NT ベースで初めて含まれた。

[編集] ハードウェアとデバイス ドライバ

CD-R/RW の書き込み
これまでの Windows では別途ライティングソフトウェア(書き込みソフト)が必要だったが、Windows XP ではRoxioのライティング エンジンが搭載されており、CD-RCD-RW の書き込み機能に標準で対応した。フォルダにファイルを移す感覚で記録したいファイルを選択できるので利便性があり、直感的な操作が可能である。Windows Media Player で音楽 CD の記録もできるので、大半の環境では書き込みソフトの必要性はなくなった。ただし、ISO イメージ ファイルからの CD 作成はできない、DAO (Disk at Once) での書き込みができない、パケットライト方式の書き込みができないなど、ライティング ソフトウェアを別途用いる場合に比して何点か制約がある。
ClearType
アンチエイリアシングを発展させた ClearType 採用により液晶ディスプレイ環境で、より鮮明な文字表示が可能となった。

[編集] Windows 9x 系との互換性

Windows アプリケーション互換モード
過去の Windows バージョンに依存したアプリケーション動作させるモード。Windows 2000 にも搭載され、さらに改良が加えられた。Windows NT 系である本製品は、Windows 9x 系と設計思想が異なる。そのため、そのままでは動作しないアプリケーションが少なくなく、サポート終了した Windows 9x 系からの移行のために用意されたモードである。また、過去の Windows NT 系に特化したアプリケーション動作にも使われる。該当するプログラムのプロパティから「互換性」タブを選ぶことで、互換性を持たせるバージョンを Windows 95、Windows 98/Me、Windows NT 4.0、Windows 2000 から選択できる。マイクロソフトが公表した、ライオン株式会社の Windows 98 から Windows XP への移行の事例によると、自社開発した 12 のアプリケーションで、そのまま動作したのは 8、表示に問題はあるが動作したのは 2、ソースの書き換えが必要だったのは 2 で、80% 以上動作したという[12]
また、互換性を高めるためのツールとして、Application Compatibility Toolkit が配布されている。これは現在の環境で利用しているソフトの互換性調査や、マイクロソフトへの報告、互換のために用意された Shim (設定)を組み合わせ、自力で動作させることなどが可能になっている。さらに、互換対応したアプリケーションのデータベースを利用できる。これは、本来の仕様では動作しなかったアプリケーションに、追加で互換性を持たせたことを意味する[13]
Windows NT系#Win16サブシステムも参照のこと。

[編集] ネットワーク

リモート デスクトップ
PC をネットワークを介して操作できるリモートコントロール機能である。ホスト側の PC は Professional または Tablet PC Edition である必要がある。RDP を利用しているので UNIX 系 OS でも接続が可能となっており、大半のコンピュータがクライアントとなることが可能。ローカル ユーザがログオン中の場合には強制的にログオフされる。
リモート アシスタンス
操作されるPCから操作する PC へ Windows Messenger や電子メールで遠隔操作の通知を出し、許可が下りれば遠隔操作できる機能。PC に詳しくない人が遠隔地にいる PC に詳しい知人からサポートを受ける用途に用意されている。この機能の利用には、双方が Windows XP 以降を利用している必要がある。
IPv6
当初は開発者向けとして、一般ユーザーに対するサポートの対象外となっていたが、Service Pack 1で正式にサポートされた。ただし、実装されているIPv6の仕様が初期のものであり、古くなっているため、実際に使用するには問題があることがある。
また、ホスト名の解決を行うDNSクライアントサービス(リゾルバ)の実装がWindows Vista以降とは異なっており、非互換がある。Windows XPでは、IPv6を有効にすると、IPv4でのホスト名の解決に時間がかかるようになり、IPv4での性能が低下する。
この性能低下については、Windows Vista以降で改善されたが、副作用として、ホストにリンク ローカル アドレスまたは Teredo アドレスしか割り当てられていない場合、ホスト名からIPv6のIPアドレスを取得できなくなるため、IPv6で通信することが困難になっている。

[編集] サポート

[編集] Service Pack

ここでは、32 ビット バージョンの Service Pack について述べる。

Service Pack 1
2002年9月19日に公開された。既存の不具合修正に加えて USB 2.0 への対応および DVD Audio のサポート対応、'プログラムの追加と削除'内にウェブブラウザやメーラー等の特定のアプリケーションを別のサードパーティー製アプリケーションを標準で使用するように設定できるようにする「プログラムのアクセスと既定の設定」が付け加えられている。このうち、プログラムのアクセスと既定の設定に関しては反トラスト訴訟に基づく。2003 年 2 月 3日にマイクロソフト製 Java VM (Microsoft VM) を削除した Service Pack 1a が公開された[14]。2006年10月11日にサポートが終了した[15]
Service Pack 2
2004年9月2日に公開された。当初従来通りの Service Pack の予定であったが、計画の段階で相次いで MSBlaster 等のセキュリティホールを狙った悪意のあるソフトウェアの出現や不正アクセス事件が多発したことを受け、セキュリティの強化が最重点項目となっている。名称も従来では単に Service Pack 2 となるところが「Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載」と固有の名称が付けられている。入手方法は従来通りマイクロソフトのサイトからのダウンロードと Windows Update で行われた他、PC 販売店や郵便局にて小冊子付 CD-ROM 配布も行われた。2010年7月13日にサポートが終了した[16]
Service Pack 2b
2006年7月22日に、一部の店舗で販売された。内容は SP2 に一部の修正プログラムを適用させたものである[17]
Service Pack 2c
2007年(米国では8月。日本では不明)から販売された[18]。SP2c ではプロダクト キーの不足に対応するためプロダクト キーの系統が変わった。この変更により SP2b 以前のインストール メディアでは SP2c のプロダクト キーが使用できない。ただし、参照リンク先の「SP2c 付属のインストール メディアでインストールを行う際、従来(SP2b まで)のプロダクト キーを入れてしまうと“無効なプロダクト キー”と判定されてしまう」という記述は誤りであり、実際には SP2c 付属インストール メディアでは SP2b 以前のプロダクト キーを使用することはできる。
Service Pack 3
2008年4月21日に完成し、2008年5月6日に Microsoft ダウンロードセンターおよび Windows Update で公開された。Network Access Protection、ブラック ホール ルーター検出、カーネル レベルでの FIPS 140-1 Level 1 準拠の暗号化サポートがサポートされ、プロダクト アクティベーション システムが変更された。既にインストール済みの環境に SP3 を適用する場合、SP1 もしくは SP2 が適用されている必要がある。SP なしの初期バージョンには、直接 SP3 を適用することはできない。また、SP3 を適用したメディアは OEM 向けにのみ提供されリテール パッケージは販売されていない。

[編集] サポート ライフサイクル

従来のマイクロソフトの方針では、家庭向けのエディションではメインサポートフェーズ(次のバージョンの Windows 発売から 2 年後まで)しか提供せず、ビジネス・開発向けのエディションのみ延長サポートフェーズ(メインサポートフェーズ終了後5年間)を提供してきた。しかし、Windows XP Home Edition は市場で非常に多く使われていたため、メインサポートフェーズ期間をもってサポートを打ち切ると、重大な脆弱性が発見されてもセキュリティアップデートが提供されず、無防備な状態の PC が巷にあふれることが懸念された[19]。2007年1月25日、マイクロソフトは市場の状況を鑑み、「Windows XP Home Edition および Media Center Edition についても、(家庭向けのエディションであるが)5 年間の延長サポートフェーズを提供する」と発表した[20]。これにより、Home Edition および Media Center Edition はサポート期限が2009年4月14日から2014年4月8日へ延長された。これは、後継 OS の Windows Vista の家庭向けエディション群[fn 2]のサポート期限2012年4月10日より 2 年長く、[20]発売より約 12 年半にも及ぶという、PC 用ソフトとしてはかなりの長期サポートとなる[fn 3]

なお、Professional と Tablet PC Edition に関してはビジネス・開発用製品扱いのため、従前どおり延長サポート フェーズが提供される。また、組み込み系 OS である Windows XP Embedded は2009年4月現在、2016年1月12日まで延長サポート フェーズが提供される予定である[1]

[編集] システム要件

Windows XP システム要件 (x86)
CPU 300 MHz 以上の Intel Pentium/Celeron ファミリー、AMD K6/Athlon/Duron ファミリー または互換性のある CPU (Professional では 2 個の物理 CPU まで対応)
PC-9800/9821 シリーズには対応しない
メモリ 128 MB 以上 (96 MB 以下の場合、一部の機能に制限が加わる)
ハードディスク 1.5 GB 以上の空き容量 (ネットワーク経由のインストールではそれ以上必要な場合がある。SP2 では 2.1 GB 以上の空き容量)
ディスプレイ Super VGA (800 x 600) 以上の高解像度ディスプレイアダプタを推奨
ディスク装置 CD-ROM または DVD-ROM ドライブ
その他 Microsoft Mouse、Microsoft IntelliMouse または互換性のあるポインティング デバイス
Windows XP Professional x64 Edition システム要件
CPU AMD Athlon 64、AMD Opteron、Intel EM64T に対応した Intel Xeon および Intel Pentium 4
メモリ 256 MB 以上
ハードディスク 1.5 GB 以上の空き領域 (ネットワーク経由のインストールではそれ以上必要な場合がある。)
ディスプレイ Super VGA (800 x 600) 以上の高解像度ディスプレイアダプタとモニター
ディスク装置 CD-ROM または DVD-ROM ドライブ
その他 Microsoft Mouse、Microsoft IntelliMouse または互換性のあるポインティング デバイス

[編集] その他

[編集] 旧バージョンからのアップグレード / アンインストール

Windows XPは、Windows NT系列のOSとして開発されている為、本来ならWindows NTWindows 2000からのアップグレードを想定しているが、Windows NT系列のOSとWindows 9x系列のOSはWin32という共通のAPIを備えている上、Windows XPは前述の通りWindows NT系列とWindows 9x系列の統合を目的として開発されている為、Windows 9x系列のOSの基本的な機能も含まれている。その為Windows 98(SEも含む。以下同じ)やWindows Meからでもアップグレード可能。ただし、Windows XP Home Editionへは、Windows 98とWindows Meからしかアップグレードできない。また、これらがインストールされた環境では、アップグレードの他に新規インストールも行える。Windows 95やWindows 2000からはセットアッププログラムを起動させるとエラーメッセージが表示してしまい、先に進まない(故に新規インストールも行えない)。Windows 98とWindows Meのどちらからアップグレードしてもそのシステムファイルが保存されれば、後でWindows XPをアンインストールして旧バージョンへ戻す事は可能。ただし、旧バージョンのシステムファイルの保存はWindows XPをインストールするパーティションに十分な空き容量が残っている必要がある。Windows XPをインストールできる容量はあっても旧バージョンのシステムファイルを保存する容量まではない場合は、その旨を伝えるメッセージが表示され、旧バージョンのシステムファイルは保存されない。この場合は、たとえWindows 98やWindows Meからアップグレードした場合でも後でWindows XPをアンインストールする事はできない。

一方Windows XP Professionalへは、Windows 98、Windows Me、Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional、Windows XP Home Editionのいずれかからアップグレード可能。Home Edition同様、Windows 95からはアップグレードできない(セットアップ開始時に強制終了してしまう為、基本的には新規インストールも行えないが、パッケージによってはアップグレードができないだけで、Windows 95からセットアップを起動し、Windows XP Professionalの新規インストールを行えるものはある。MSDN等で配布されるWindows XP Professionalがこれにあたる。Home Editionも同様)。また、アンインストールはWindows 98とWindows Meからアップグレードした場合に限り可能(Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional、Windows XP Home Edition からアップグレードした場合はアンインストールできない)。

また、Windows XP Media Center EditionとWindows XP Tablet PC Editionにはアップグレード版が存在しないが、基本的にWindows XP Professionalと同じセットアッププログラムでインストールが進行し、途中で該当バージョンに分岐する(これらのバージョンにはインストールCDが2つあり、1つ目のインストールCDからセットアップを開始すると最初に「Windows XP Professional セットアップ」と表示され、使用許諾契約書の一番上の行にも「Microsoft Windows XP Professional」と表示される)為、Windows XP Professionalにアップグレードできるバージョンからアップグレード可能(Windows XP Professionalの上位エディションと見なされている為か、Windows XP Professionalからでもアップグレード可能)。ただし、Windows XPのOEM版CD-ROMはアップグレードインストールをサポートせず、アップグレードアナライザも実行できないように制限されている為、旧バージョンからアップグレードするには特殊な手順を踏む必要がある。ちなみにこれらのバージョンにアップグレードした場合でも、アップグレード元がWindows 98かWindows Meならば、これらのバージョンをアンインストールして元のバージョンに戻すことができる。

[編集] 新しいバージョンへのアップグレード / アンインストール

Windows XPからはWindows VistaWindows 7のどちらかにアップグレードする事ができる。しかし、Windows 7へは直接アップグレードする事はできず、新規インストールを行うか、間にWindows Vistaを挟む必要がある。Windows Vistaにアップグレードする場合、アップグレード元のWindows XPにはService Pack 2以上が予めインストールされている必要がある。Windows 7に新規インストールという形でアップグレードする場合も同様。また、Windows XP Home Editionからは、Windows Vistaの全てのバージョンにアップグレードする事ができるが、Windows XP ProfessionalとWindows XP Tablet PC EditionからはWindows VistaのBusinessかUltimateにしかする事ができない。Windows XP Media Center EditionからはHome PremiumかUltimateにのみアップグレード可能。

また、Windows XPのどのバージョンからWindows Vistaのどのバージョンにアップグレードしても、それらをアンインストールしてWindows XPに戻す事はできない。これは、Windows XPからWindows Vistaにアップグレードする前に、システムパーティションを強制的にFAT32からNTFSに変換しなければならない為である。NTFSは通常、Windows 98やWindows MeのようなWindows 9x系のOSには対応しておらず、インストール・アンインストール共にできない。Windows 98かWindows MeをWindows XPにアップグレードした環境で、これをさらにWindows Vistaにアップグレードすると、Windows XPにアップグレードする際に保存された旧バージョンのシステムファイルは使用不能になる(その旧システムファイルのデータにアクセスする事はできるが、アンインストール機能がなくなる為、そのままでは使い道はほぼ無い)。最初からNTFSパーティションにインストールされたWindows XPをWindows Vistaにアップグレードした場合でも、アンインストールは基本的にできない。

[編集] アップグレード版を使用しての新規インストール

Windows XPのアップグレード版を使って新規インストールを開始した場合、セットアップの途中でアップグレード認証を行わなければならない(ハードディスクにWindows 2000がインストールされている場合は除く)。これは古いバージョンのWindowsを所持しているかどうかを確認する為に行われるが、上述のアップグレード対象製品と違い、以下のバージョンのWindows CDのいずれかを持っていれば、取りあえずアップグレード認証は通過できる。ただし、購入したアップグレードパッケージに記載されているアップグレード対象製品のCDとそのライセンスが手元にない場合、Microsoftの使用許諾契約書の条項に違反する事になる(正規ライセンスからのアップグレードと見なされない為)。例えば、手元にWindows 95のCDとライセンスしかないにも関わらず、Windows XP Home Editionのアップグレード版CD-ROMを使って新規インストールを開始し、アップグレード認証にそのWindows 95のCDを使用した場合や、Windows XP Professionalの「ステップアップグレードパッケージ」(Home EditionからProfessionalへの専用アップグレードパッケージ)を使ってWindows XP Home Edition以外のバージョン(Windows 98等)からWindows XP Professionalにアップグレードした場合などがこれに当てはまる(Windows 95はWindows XPのどのバージョンのアップグレード対象製品にもなっておらず、「Windows XP Professional ステップアップグレードパッケージ」もWindows XP Home Edition以外のバージョンがアップグレード対象製品になっていない為)。

Windows XP Home Editionの場合:Windows 95Windows 98(Second Edition アップデートCDでも可能)、Windows MeWindows 2000 Professional

Windows XP Professionalの場合:Windows 95Windows 98(Second Edition アップデートCDでも可能)、Windows MeWindows NT Workstation 3.51Windows NT Workstation 4.0Windows 2000 Professional、Windows XP Home Edition(通常版)、Windows XP Professional(通常版)

※この内、通常版を要求されるWindows XP以外のバージョンのCDを挿入する場合、それがアップグレード版だったとしても認証する事ができる。

[編集] Windows 20周年記念パッケージ

2005年11月に日本限定で行われた企画で、Windows 誕生20周年を記念し Windows XP Professional アップグレード版の特別パッケージが 9999本限定で販売された[21]。パッケージは専用の「20」と大きく書かれたものを採用し、Windows の20年間の歩みが書かれた年表がパッケージに印刷されている。その他、通常パッケージとの差は以下の通り。

  • Windows 95、98、Me、2000 のレプリカ CD が付属(OS が記録されていないディスク。インストールはできない)
  • Windows 95 - XP (Professional) のパッケージのクラフト モデルが付属
  • Windows 20周年記念切手(通用する)・記念ステッカーが同梱されている
  • 購入者全員に Windows Vista の早期プレビュー版・Windows 20周年記念ビデオ クリップとデスクトップ テーマの収録された CD-ROM が送られるクーポンが付属(現在は終了)
  • 上記の申込者の中から抽選でビル・ゲイツのサイン入り Windows Vista パッケージがプレゼントされる企画(現在は終了)

[編集] Windows XP Ready PCs

Windows XP が使用できることを PC メーカーやマイクロソフトから保障された PC で、主に2001年夏モデルが対象となっていた。このグループに認定されたPCは、Windows XP 発売と同時に専用のアップグレード プログラムにより、既存の Windows を Windows XP に入れ替えられるのはもちろん、プレインストールされているアプリケーションやハードウエア デバイス ドライバを Windows XP 対応済のバージョンに修正・入れ替えて、アプリや周辺機器を Windows XP で使えるようになっていた。

なお、プレインストールの Windows Me の場合は Windows XP Home Edition への、Windows 2000 の場合は Windows XP Professional へのアップグレードとなっていた。

[編集] 草原の場所

Windows XP をインストールした際にデフォルトで設定されている壁紙の「草原」(英語名「Bliss」)は、カリフォルニア州にある「ソノマバレー」という場所で撮影された実際の写真である。マイクロソフトでは撮影者を非公開としているが、チャールズ・オレアというカメラマンが撮影したという説が有力とされている。なお、マイクロソフトは搭載される壁紙について「壁紙はプロの写真家や社内の公募から候補を挙げて製品コンセプトに合うイメージのものを採用しており、候補には挙がったものの採用されないものが大量にあり、製品出荷前のベータ版には異なった壁紙が採用されていることもあるのでそちらが後年話題になることもある」と回答している。

[編集] 正規のWindowsの特典

2005年以降、Windows Genuine Advantageにより正規のWindowsであることが認証された場合の特典として、LZH (LHA) 圧縮ファイルの展開機能をサポートする拡張パックである「Microsoft 圧縮 (LZH 形式) フォルダ」や、フォトアルバムソフトの「Microsoft Photo Story 3」、神経衰弱ゲームの「Microsoft Match-Up!」などが用意され配布された[22][23]

[編集] 脚注

[ヘルプ]
参考文献
  1. ^ a b c マイクロソフト プロダクト サポート ライフサイクル (Windows XP)”. マイクロソフト. 2009年1月21日閲覧。
  2. ^ a b MS、次世代Windowsの名称を「Windows XP」に決定”. Impress Watch. 2001年2月6日閲覧。
  3. ^
    執行猶予はなし:XPの段階的廃止は6月30日にはじまる”. ZDNet Japan. 2008年6月28日閲覧。
    Windows XP のこれから(マイクロソフト)
  4. ^ Windows Vista のダウングレード権 (旧バージョンソフトウェアの使用) について”. マイクロソフト. 2009年11月16日閲覧。
  5. ^ マイクロソフト、Windows 7の「XPダウングレード」を認める方針 - ニュース:ITpro
  6. ^ Windows XPのダウングレード権延長は“都市伝説””. @IT. ITmedia Inc.. 2008年10月8日閲覧。
  7. ^ WindowsXP、2週間で700万本以上の売上で、Windows95/98/Meを越える販売記録。”. マイコミジャーナル. 2001年11月12日閲覧。
  8. ^日本経済新聞』2002年1月18日付夕刊
  9. ^ a b Windows XPの累計出荷本数が2億1000万を突破”. ITpro. 2004年5月6日閲覧。
  10. ^ マイクロソフト (2008年4月3日). “Microsoft Announces Extended Availability of Windows XP Home for ULCPCs: Q&A: Michael Dix, General Manager of Windows Client Product Management, discusses Microsoft’s commitment to deliver Windows to customers for a new category of devices known as ultra low-cost personal computers (ULCPCs).” (英語). 2008年4月17日閲覧。
  11. ^ 『Windows 98』時代のマシンが『XP』シンクライアントに蘇る”. japan.internet.com (2006年7月18日). 2010年11月4日閲覧。
  12. ^ Windows XP Professional の優れた互換性を事例が実証 - 自社開発アプリケーションの移行もスムーズな高い互換率を実現”. マイクロソフト (2003年6月13日). 2010年12月8日閲覧。
  13. ^ 中田敦. “本当はすごい「Windowsの互換性維持」”. ITpro. 日経BP. 2010年12月8日閲覧。
  14. ^ Windows XP SP1 と Windows XP SP1a の相違点”. マイクロソフト (2004年8月23日). 2010年12月24日閲覧。
  15. ^ Windows XP SP1 および SP1a のセキュリティ更新プログラムのサポートを2006年10月11日に終了しました”. マイクロソフト. 2006年10月30日閲覧。
  16. ^ Windows サポート終了情報”. マイクロソフト. 2011年7月21日閲覧。
  17. ^ Windows XP SP2bが発売に、一部の最新パッチ適用済み”. Impress Watch. 2006年7月22日閲覧。
  18. ^ Windows XPの「SP2c」って知ってます?”. Impress Watch. 2009年1月25日閲覧。
  19. ^ XP Homeのサポートが2014年まで延長――マイクロソフト、Windows XP Home Editionのサポート提供期間延長を発表”. Ascii (2007年1月25日). 2009年4月5日閲覧。
  20. ^ a b Windows(R) XP Home Editionのサポート提供期間を2014年4月まで延長”. マイクロソフト. 2008年1月25日閲覧。
  21. ^ Microsoft(R) Windows(R) 20周年記念パッケージを発売” (日本語). マイクロソフト (2005年11月16日). 2011年10月1日閲覧。
  22. ^ マイクロソフト、Windows(R) XP ユーザー向けの特典提供プログラム、Windows Genuine Advantage Programの試験運用を3月15日から開始 〜Windows XPユーザーに特典ソフトウエアを提供〜” (日本語). マイクロソフト (2005年3月15日). 2011年10月1日閲覧。
  23. ^ MS、Windows XPの正規ユーザー特典として神経衰弱ゲーム「Match-Up!」を配布” (日本語). 窓の杜 (2005年7月29日). 2011年10月1日閲覧。
注釈
  1. ^ ただし、Windows 7 のダウングレードに関しては「Windows 7 発売から 18 か月後」あるいは「SP1 のリリース」のいずれか早いほうまでという条件付きであったが、後に「Windows 7」のサポートライフサイクル終了までダウングレード権の行使が可能となった。しかしこれは、ダウングレード先の OS のサポート期間のさらなる延長がなされることを意味していない。あくまでもダウングレード権の行使期間の延長に過ぎないという点に留意する必要がある。
  2. ^ Business と Enterprise を除くエディションを指す
  3. ^ ただし、Windows 1.0 は発売から約 16 年、Windows 2.0 も発売から約 14 年と、Windows XP よりも長い期間サポートされていた。

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