ウィル・ユー・ビー・ゼア

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ウィル・ユー・ビー・ゼア
マイケル・ジャクソンシングル
初出アルバム『デンジャラス
リリース
録音 1990年1991年
ジャンル ゴスペル
ソウル
時間
レーベル エピック・レコード
作詞・作曲 マイケル・ジャクソン
プロデュース マイケル・ジャクソン
ブルース・スウェディン
チャート最高順位
マイケル・ジャクソン シングル 年表
ギヴ・イン・トゥ・ミー
(1993年 (1993)
ウィル・ユー・ビー・ゼア
(1993年 (1993)
ゴーン・トゥー・スーン
(1993年 (1993)
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ウィル・ユー・ビー・ゼア」(Will You Be There)は、マイケル・ジャクソン1991年に発表した楽曲。作詞・作曲ともジャクソン自身による。アルバムデンジャラス』からの7枚目のシングル・カットである。本作は1993年に公開された映画『フリー・ウィリー』(Free Willy)の主題歌として、1994年MTVムービー・アワード「最優秀映画音楽賞」(Best Song From a Movie)を受賞した。

解説[編集]

この曲では聖歌隊が大きな役割を持ち、壮大で厳粛な雰囲気を作り上げていく。聖歌隊の担当は『Man in the Mirror』(アルバム「バッド」収録曲)にも出演した「アンドレ・クラウチ・シンガーズ」である。10年以上前に『She's Out Of My Life』(アルバム「オフ・ザ・ウォール」収録曲)で弦楽編曲を担当したジョニー・マンデルが、本作のオーケストラ編曲と総指揮を担当した[1]

アルバム・バージョンで7分半を超える長大な曲であることから、シングル・バージョンやショート・フィルムなどでは一部箇所がカットされることも多い。本記事では、最も長いアルバム・バージョンを基に解説する。アルバム・バージョンには前奏(Prelude)があり、ベートーヴェン交響曲第9番の第4楽章合唱部より、最後の部分にあたる“Ihr stürzt nieder, Millionen? …(中略)… Über Sternen muß er wohnen.”を引用している。使用された音源はジョージ・セル指揮のクリーヴランド管弦楽団ソニー・クラシカル)であった[2]。それから聖歌隊による合唱が始まり、ピアノのイントロを経てジャクソンが歌い始める(注:ショートフィルムでは、ベートーヴェンの第9交響曲は“Ihr stürzt nieder”の4音だけを残して「Will You Be There」の画面が現れ、聖歌隊合唱から曲が開始される。「フリー・ウィリー」の映画にも使用されたシングル・バージョンでは聖歌隊合唱もカットされ、ピアノのイントロから始まる)。

曲はニ長調で始まり、単純な音型を繰り返しながら進んでいく。頂点を極めた人間が背負う計り知れない苦しみのゆえに、人間よりもはるかに大きな存在への強い憧れを歌う。それから、曲はジャクソンと聖歌隊の掛け合いに移り、ここからホ長調変ト長調嬰ヘ長調と異名同音調)へと転調を繰り返して、最終的に変イ長調へ落ち着く。その後、聖歌隊合唱と管弦楽伴奏のみによる間奏部分が1分ほど続く(ラジオ・エディットなど短縮された形では、この部分で終える場合がある)。

本作最大の特徴として、曲の最後にジャクソンが自作の詩を朗読する。人生における様々な逆境を並べながら“どんな時も、そこにいてくれますか”という趣旨の詩を朗読する彼は、終始涙声で語っている。

収録曲[編集]

  1. ウィル・ユー・ビー・ゼア(シングル・バージョン、5分22秒)
  2. マン・イン・ザ・ミラー(5分15秒)--アンドレ・クラウチ・シンガーズの聖歌隊が登場する作品。
  3. ガールフレンド(3分04秒)
  4. ウィル・ユー・ビー・ゼア(アルバム・バージョン、7分40秒)

脚注[編集]

  1. ^ ベストアルバム「エッセンシャル・マイケル・ジャクソン」の解説書で一括確認が可能。「オフ・ザ・ウォール」と「バッド」の歌詞解説書でも個々の曲の楽器編成を確認できる
  2. ^ 「デンジャラス」歌詞解説書のクレジット表示による。