Wikipedia:スタイルマニュアル (フィクション関連)

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ウィキペディアには、フィクションに関連した主題や、フィクションの世界、フィクションに登場する事物といったものを扱う記事が多数存在します。

新しい記事が作られるときには、特筆性のガイドラインに従い、独立した信頼できる二次資料を含むことによって、その記事主題の現実世界における特筆性が確立されているべきです。特筆性が確認できるということはまた同時に、その記事主題を包括的に書くために、また事実性に関する正確性を確保するために必要な程度の充分な情報源が存在するということでもあります。

その主題がウィキペディアの記事になるべき正当な理由があれば、次に編集者は、その主題に関するどのような事柄を記述するべきか、そしてそれらの情報の最適な提示の仕方はどのようなものであるかを考えるべきです。この二つの事柄は相補的な関係にあり、互いを切り離して解釈するべきではありません。そしてよりよい記事を書くためには、編集者はこの二つの問題に同時に取り掛かるべきです。

このページはガイドラインであり、方針ではありません。ここに書かれていることを参考にする際には、良識を持ち、また時折の例外の存在を意識しながら行ってください。しかしながらこのガイドラインに書かれている基本的な見解は、一般にフィクションに関する記事を改善するために役立つものと考えられます。

現実世界の観点に立って記述する[編集]

フィクションに関する記事は、ウィキペディアに存在する他のすべての記事と同様に、その第一の基準系が現実世界に置かれているべきです。具体的なアプローチの方法としては、そのフィクション作品と、その出版や公表とがともに含まれるところの現実世界の観点に立って主題を記述する、ということになります。そのためには一次情報と二次情報の両方を情報源として使用することが必要です。

現実世界の観点は典型的には以下のような側面を含みます。

  • フィクション作品そのものと、その作品の製作過程と、そのフィクション作品が現実世界に及ぼした影響などの発表の側面とを注意深く峻別すること。
  • 一方で語りの時間と架空の世界の時系列とを注意深く峻別し、他方で物語世界の時間と現実世界の時系列とを注意深く峻別すること(特に映画作品とテレビ番組に関するトピックとに関係します)。
  • フィクションの素材の提示方法。
    • 特に映画・テレビ関連では、撮影という側面が含まれるでしょう。
    • 文学であれば、作風や文体、文芸技法といったことが含まれるでしょう。
  • 物語の要素としての、架空の人物、場所、機器に関する解説。
  • 作者の意図の解説(検証可能性に注意)。

「現実世界の観点」は、すべての記事が備えているべき一般的かつ基本的な基準です。けっして付随的なものではないということに注意してください。

物語世界内の観点に立った記述の問題点[編集]

物語世界内の観点は、物語をそのフィクション世界内の登場人物の観点から記述するものです。フィクションの出来事をあたかも現実世界の出来事であるかのように扱い、現実世界の文脈や、情報源によって裏付けられた作品に対する評価・分析の存在を無視します。物語世界内の観点に立った記述の発端は、現実世界の情報を排除することによって作品世界の幻影を再創造し、維持しようと種々の努力を払うところから始まります。

多くのファンサイトやファンによって運営されるウィキサイトではこのようなアプローチを取りますが、ウィキペディアの記事ではこのような方法を採用するべきではありません。物語世界内の観点は不正確で誤解を招きやすく、検証不可能な独自研究を招き入れます。何よりもウィキペディアは何ではないかということに関してのコミュニティの合意を無視しています。

物語世界内の観点に関する問題点には以下のようなものが含まれます。

  • フィクション作品の、創作努力の成果としての側面をほぼあるいは完全に無視すること。 
  • 歴史的事実であるかのように書かれたあらすじ。
  • 伝記のような形式で書かれた登場人物の記事あるいは節。
  • 実在の地理のように書かれた架空の土地の解説。
  • あらすじやその要素を論じるのに過去形を使うこと。
  • 物語に矛盾があったり連続性が絶たれている箇所があるときに、それをそのまま伝えずに想像で補ってしまうこと。
  • メインの作品に登場する事物と、著名でないスピンオフに登場する事物とを同様の詳細さで解説すること。
  • ある作品に影響を受けている後発の作品を、その作品の続編であるかのように記述すること。
  • ちょっとしたコメントやジョークを情報源として利用すること。
  • 現実のものに使われることが想定されている情報テンプレートを架空のものに使用すること。
  • 映画のスチールやスクリーンショットに、映画の一シーンとしてではなく、キャラクターの一シーンとしてのキャプションをつけること。
  • フィクション作品そのもの(「第○作」「第○章」など)ではなく、物語の中の出来事や日付を参照事項にすること。
  • その作品が出版された順序ではなく、物語の時系列にしたがって作品を並べ替えてしまうこと。

一次情報と二次情報[編集]

上の節では、記事を書く際の基本的な観点の据え方、および現実世界の観点を物語世界内の観点とを明確にすべきであるということについて論じました。この節では記事への情報の編入について論じます。「一次資料」と「二次資料」については関連する方針も参照してください。

一次情報[編集]

ここで言う「一次情報」とは、フィクションの世界に関する一次資料に由来する情報、すなわち作品そのもの、あるいはその作品に関連する作品(同じシリーズの別のエピソードなど)に由来する情報を意味します。厳格に現実世界の観点に立って書かれた記事であっても、フィクションに関する記述は常にフィクション作品そのものを情報源として使用します。

一次資料における利用可能な情報には以下のようなものがあります。

  • 登場人物の生没年月日。
  • 架空の乗り物や機器の性能。
  • 架空の土地や組織・団体の歴史。
  • 架空の生物の素性。
  • 物語の筋そのもの。

二次情報[編集]

「二次情報」とは、フィクションの世界に対して外部に位置する情報のことです。二次情報は通常、創作作品やフィクション世界に関する二次資料、あるいは作者ないし製作の周辺事情に関する一次ないし二次資料から引き出されます。なお「公式ファンブック」のように、あるフィクション作品自体と商業的な提携・協力関係の元で出された出版物は、対象から十分に独立した二次資料ではありません。こうした資料は、特に作品の評価などの、中立性が問われやすい事柄に関して参照する際には慎重に取り扱ってください。しかしながら、そのような出版物はファンブックそのものに関する記事、あるいは別の関連するトピックに関する記事においては、適切な一次ないし二次資料となりうるかもしれません。

経験則として、二次情報は記事に現実世界の観点を与えるのに必要かつ役立つかぎりにおいて過不足なく使用するのが適切です。また別の経験則として、ウィキペディアの記事にするために必要な特筆性を満たすトピックなのであれば、必ず利用可能な二次情報が存在しているはずであり、望むらくはすでに記事の中に含まれているべきです。

有益な二次情報の例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 著者や製作者。
  • その他の作品制作関係者。映画の撮影者や小説の著名な翻訳者など。
  • 映画・ソフトウェアの製作・販売会社や出版社。
  • デザイン。
  • 作品の発表以前から、物語の進行までをふくむ作品展開。
  • 作品や作中の物事に影響を与えた現実の事物。
  • 映画、ドラマへの翻案であれば、俳優、および俳優のその役へのアプローチの仕方。
  • 別の言語への翻訳。
  • 公衆の間での人気。
  • 売り上げの数値。
  • 批評家の間での評価。
  • 主題の批評的な分析。
  • 他の作家や作品への影響。

情報に文脈を与える[編集]

物語内容の要約[編集]

一般的に、考慮されるべき二つの論点が存在すると考えられます。製作側の文脈と作品側の文脈です。フィクション作品そのものが記事の主題になっている場合であれば、すべての物語世界外の情報は(例えば作品の「あらすじ」を記事に含めたりすることによって)作品側の文脈に位置づけられていなければなりません。もっとも記事が扱っているものが、例えばあるフィクション作品の製作についてのドキュメンタリーであるような場合であれば、必ずしももとのフィクション作品そのものの内容を記事の中で論じる必要はないでしょう。

物語の筋、登場人物、作品の舞台といった、フィクションの中の特定の要素に関わる創作の経緯や進展の詳細は、その要素が物語の中でどのような役割を果たしているのかを読者が理解できるのであればより有用な情報になります。これにはしばしば物語の要約の提示や、登場人物の概略、作中の文言の引用などが伴います。慣習的に、こうした梗概を書く際には、実際に作品を読んだり視聴したりする際の物語の経験に対応する時制である現在形を基本とした文体が使用されます。物語の中では、ある特定の時点で「過去」であったり「未来」であったりしても、何が「過去」で何が「未来」かは物語が進むにつれて変化していきます。そのため全体の説明を持続する「現在」として統一するのがもっとも簡便で一般的な方法なのです。

フィクション作品の記事の中で作中の素材を紹介することは、それが短い文章で、適切な文脈に組み入れられており、かつ記事の主要な部分になってしまわない限りはよいことです。そのような部分がもし解釈の領域にまで踏み込んでしまう場合には、独自研究を避けるために二次資料を提示することが必要になります。

物語の要約(あらすじ)は、作品構成に具体的に言及して参照を行ったり(「第一巻では・・・」「第二章からは・・・」)、著者・製作者の視点から記述したり(「作者はここで物語を・・・」「物語はこのように・・・」)することによって、現実世界の観点から書くことが可能です。これによって要約はより根拠付けられた調子になり、また作品を知らない人々を実際の情報源に近づきやすくすることができます。この書き方はシリーズ小説や長期連載漫画などの長い作品のあらすじをまとめるときに特に有効になりますが、一巻で完結する小説や単発の映画作品といった短いものであればそれほど重きを置かなくてもよいでしょう。いずれにしても、こうした要約のはじめに現実世界の観点に立った何らかの言葉を置くことはおおむね良い方法です。あらすじの長さは記事の中のほかの節の長さとの間で注意深くバランスを取ってください。ほとんどあらすじしかない記事、あるいはあらすじと登場人物など作品世界の解説しか存在しない記事の作成は努めてしないようにしてください。

記事の分割[編集]

記事が長くなると、記事の中の特定の節を一つの記事として独立させることがあります(Wikipedia:ページの分割と統合を参照)。このような場合には、もとの記事のなかではより簡潔な要約を残しておきます。分割された記事を元の記事に対して子記事あるいは分割記事と呼びます。フィクション作品の場合では、子記事は概して登場人物のリストや他の物語の要素のリストであり、それらの子記事はしばしば情報源を通しての現実的な観点を欠いています。特定の一人の登場人物や、作中のある一つの道具を独立した記事にすることは非常に稀なケースであるべきです。こうした場合にはその個々の事物に、元の作品とは独立した特筆性があるということが情報源によって示されねばなりません。それができない場合には元の記事に統合するか、あるいはすでに存在する別の子記事に統合するべきです。

子記事ではその作品内の特定のトピックの詳細を簡潔な仕方で提示してください。分割によって書く余地が与えられたからといって、過剰に詳細なあらすじや架空の人物の詳細な伝記を書いていいということにはなりません。他のフィクション作品の記事と同様に、フィクション作品の子記事は「作品世界外の観点」に立って記述されるべきです。そして他のウィキペディア上の記事と同様に、子記事も検証可能性を満たしていなければならず、独自研究を含んではならず、そして中立的な観点が保たれていなければなりません。

エピソード一覧の分割[編集]

「各話のエピソード一覧」のようなものが長くなるようであれば、他のセクションとの分量のバランスをとるため、小説や漫画では各巻単位、ドラマやアニメでは各話単位で内容をまとめ、「○○のエピソード一覧」といった名称でスピンアウト記事を作成することを検討してください。

こうした形式で作成された一覧記事の例は以下のカテゴリなどで参照できます。

トリビア[編集]

トリビア的な雑多で瑣末な内容の記述は避けるべきです。こうした記述は主題の特性を理解するには役に立たず、記事の全体的なバランスを損ないます。特に箇条書きのような形式は冗長化を招きやすくなります。また分量が増えても分割して単独の記事として成立するだけの特筆性はほとんど見込めません。

特筆性[編集]

Wikipedia:特筆性には、記事の主題となるものが備えているべき特筆性の条件が示されています。前述したように、経験則として、あるトピックが充分に特筆すべき事柄なのであれば、適切な二次資料が存在するはずであり、また理想的には、記事が作成されたときにすでに二次資料が含まれているべきです。

正確さとバランス[編集]

記事を中立的な観点に立って、その主題のすべての側面をそれぞれの重要度に応じてバランスよく書くということはむろん重要ですが、記事本文以外の記事の要素、すなわち情報テンプレートやそれ以外のテンプレート、画像やそのキャプションといったものについても適切なバランスを考慮してください。目標は記事主題に対して可能な限りの精度を達成することであり、このことはまた、バランスを欠いた長すぎるあらすじや物語世界内の視点によって書かれた文章を排除するべき根本的な理由でもあります。

最新の情報[編集]

最新の情報を反映させることは時には適切な編集となりますが、その場合には最新の情報を強調したり他の情報と違う扱いにすべきではありません。常にバランスを心がけた記述を行ってください。またその記述が検証可能性を満たしているか、瑣末な内容でないかを確認してください。もし最新の情報が過去の前提を覆すような内容であった場合、単に記述を付け足すのではなく文面の全面改稿も検討してください。

結論[編集]

フィクションに関連する記述では、以下のことに注意してください。

  • 記述の第一の基準系は、フィクション作品とその出版とがともに含まれるところの現実世界におかれる必要があります。現実世界の観点に立って記述してください。
  • 現実世界の観点には一次情報と二次情報の双方が必要になります。一次資料と二次資料をバランスよく使用してください。
  • 個人の見解・記事主題に対する解釈・一次情報源は、未出版であったり広く公表されていないものは使用できません。独自研究を避けてください。
  • 記事中のすべての情報は信頼できる情報源に基づいた検証可能なものである必要があります。またすべての情報源(一次資料を含む)は記事の中で適切に参照されていなければなりませせん。すべての情報に情報源を明示してください。
  • 本文ばかりでなく、画像、テンプレート、記事のタイトルなど記事のすべての要素に対して相応な注意を払ってください。記事のバランスに注意してください。
  • 読みやすさと包括性。すべての情報を当のフィクション作品の文脈に位置づけてください。
  • トリビアのリストを作らないでください。その代わりに記事本文の中に関連する情報を加筆してください。

インフォボックス[編集]

通常、記事の右上部分に置かれているインフォボックスのテンプレートはテーブル形式で記事の主題についての重要なデータを提供します。フィクション関連の主題において役立つデータとしては、作者や役者、初出などがあり、あるいは作品の世界観を理解するのに(説明するのに)「不可欠」な情報があると思われます。不可欠だとみなされるものは作品の性質によって異なります。ストーリーやシリーズの異なったポイントによって事実が変化する項目は、世界の情報として記載することは全く適していないかもしれません。対照的に、複数の勢力がいる作品での登場人物のインフォボックスでは、その人物の所属勢力を示すデータは有用かもしれません。

上記、雑多な内容でも述べられたように、インフォボックスでも同じくトリビア的な詳細は避けられるべきです。実在する俳優のインフォボックスには「好きな食べ物」や「趣味」といった項目は存在しません。こうした詳細は主題の重要な特性を理解する際には読者の助けにはなりません。また同様に、設定やバックストーリーとして存在する細かい情報を掘り下げたようなデータを載せることは避けるべきです。このような理由で、現実に存在するものへの使用が意図されたインフォボックスを、よく似たフィクションの主題に適用すべきではありません。例えば実在する企業の記述に重要なデータはフィクションの企業にとっては脱線したものであるかもしれません。マイクロソフトの年商は重要なデータですが、架空の企業がxxxx年にxxx億を稼いだといったデータはおそらく重要ではないでしょう。

関連項目[編集]