Virtual Studio Technology
Steinberg's Virtual Studio Technology(一般的にはVST)とは、ソフトウェア・シンセサイザーやエフェクター・プラグインと波形編集ソフトウェアやデジタルオーディオワークステーション(DAW)間のデータの受け渡しを繋ぎ、マニピュレートを容易にするためのGUIをプラグインに提供するための標準的な規格の一つである。
パッケージソフト、シェアウェア、フリーウェアの形態で数千ものVSTプラグインが存在しており、また多くのDAWで扱えることから、この種の規格の中では最も普及している規格と言える。VSTのライセンスは開発したスタインバーグが保持している。
[編集] 概要
VSTはハードウェアを持った音源やエフェクターと同じようにスイッチやノブをマウスで操作できるようなインターフェイスを提供し、また多くのプラグインはキーボードなどのMIDIコントローラー経由で操作することも可能である。
一部のVSTインストゥルメント(VSTiとも呼ばれる。詳細は後述)は、よく知られたハードウェア音源やサンプラーを、オリジナルのものの音源的性格に加え、外見をもGUIで模倣したものが存在する。これらは、オリジナルそのものが入手困難な(多くは製造停止になっていたり、あまりにも高額である)場合であっても、バーチャルな形ではあるがオリジナルよりも容易に入手・使用できる、という大きなメリットを持つ。しかしながら個人で作られたソフトの中には実在の製品のリバースエンジニアリングに基づいたものや、サンプルの出所や権利について不明瞭なプラグインも少なくない。利用する際には知的財産権の侵害にあたらぬよう注意が必要である(商用の作品に使用する場合は特に)。
この他にも、古いハードウェアをエミュレートせずに全く新しい音源として制作されたプラグインも多数存在する。いまではむしろ、前述のようなエミュレートされたプラグイン音源はVSTi市場全体のごく一部を担っているに過ぎない。
全てのVSTプラグインはDAWの中で走らせることが可能となっており、この場合DAWはホストと呼ばれる。VSTプラグインはこのホストに自分の持った機能を追加することとなる。 全てのホストではないが、多くのホストはユーザーがVSTにあるノブを回したり、ボタンを押したりという情報を記録することが可能である。
[編集] VSTプラグインの種別
VSTプラグインには3つの種別がある。
- VSTインストゥルメント (VSTi)
- 音そのものを作り出すプラグイン。この種のプラグインは大抵はソフトシンセかソフトサンプラーである。一番初めに作られたVSTiはCubaseに付属していた「Neon VSTi」。
- VSTエフェクト(VSTe、または狭義での "VST")
- インプットした音(外部音源や生楽器、歌などの録音やVSTiが出力した音など)にリバーブ(反響効果)やオーバードライブ(歪み)などを付加するプラグイン。また、音そのものを加工しなくとも、インプットした音を波形や周波数分布などの形で可視化するようなプラグインもある。多くのホストでは、これらのプラグインを複数接続させることが可能。
- VST MIDIエフェクト
- 受け取ったMIDIメッセージをインタラプトし、例えばキーを変えたり(トランスポーザー)、分散和音を作り出したり(アルペジエーター)するプラグイン。
[編集] 参照
- Audio Units (通称AU)- Appleが開発したほぼ同等の技術。
- DirectX Instruments(通称DXi) - Microsoftが開発したほぼ同等の技術。