Vine Linux

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
Vine Linux
Screen vine42.png
Vine Linux 4.2 のデスクトップ画面
開発元企業 / 開発者 Project Vine
OSの系統 Linux
開発状況 開発中
ソースコード オープンソース
最新安定版リリース

6.0

/ 2011年8月6日
アップデート方式 APT-RPM
パッケージ管理 rpm
カーネル種別 モノリシックカーネル
ライセンス Vine Linux General Public License 4.0[1]
ウェブサイト vinelinux.org

Vine Linux(ヴァイン・リナックス)は、RPM系の日本国産Linuxディストリビューションである。以前はRed Hat Linuxの派生であったが、現在はProject Vineのメンバーを中心に独自に開発が進められている[2]。開発版の名称は VineSeed。各バージョンのコードネームはワインの名称から採られている[注釈 1]Linux Standard Baseには準拠していない[3]。Vine Linuxは主に日本でしか使われていないので、以下では日本での状況について記述する。

目次

[編集] 特徴

1990年代後半、海外製のLinuxディストリビューションがまだ日本語にまともに対応していなかった時代に登場したVine Linuxは、日本語をそのままで扱うことができるようになった日本語対応のLinuxディストリビューションの先駆けの一つである[4]。1990年代後半、海外製のLinuxディストリビューションがまだ日本語にまともに対応していなかった時代に登場した。当初から2010年1月現在まで、日本語のみで開発・テストを行っている[注釈 2]。 2001年頃まで日本語環境を必要とするユーザに人気があった[5]。しかし、Linuxが広まるにつれて、FedoraUbuntuなどの初心者にやさしくなったディストリビューションが登場し[6][7][8]、インターネット上ではVine Linuxについて言及される回数が減少しているのとは対照的にそれらのディストリビューションに話題が集中するようになった[9]。また、2007年時点では、利用率が落ち込んだ[10]

開発は、Project Vineを中心に比較的少人数で開発が行われており、他のディストリビューションと比べ人的リソースが極端に少ない[11]

リリース間隔を長くとっており[12]、採用しているソフトウェアのバージョンは最新版ではないことが多い[13]。また、新たな機能の取り入れに時間をかける傾向がある[要出典]

kernelやglibcなどの特に重要なパッケージはProject Vineでメンテナンスを行うが、それ以外のパッケージについては個人に委ねられている。そのため、セキュリティの更新が追いつかないこともある[14]。他のメジャーなディストリビューションに比べセキュリティー上の問題の修正の遅さが目立つ[15]

他には、EmacsLaTeXの日本語環境などのデフォルト設定、プログラミング環境(GCC など)、JM Projectの日本語マニュアルの採用という特徴がある。また、Project Vineメンバーが開発しているVLゴシックフォントファミリが標準で採用されている。

なお、大学や高専といった教育機関に採用されたことがある[16]

[編集] サポート

Project Vineによってセキュリティ上の修正を主とした修正パッケージが提供されている。修正パッケージの提供期限はリリース時ではなく、将来のバージョンのリリース日によって決定される[17]

修正パッケージはソフトウェアのバージョンアップではなく不具合箇所の修正のみを行うことが基本方針となっている[注釈 3]。これは、セキュリティ上の修正のためにソフトウェアの挙動が変更されてしまう問題を起こさないためである。

マイナーバージョン同士では大きな変更がされていないために修正パッケージが共用できる可能性が高いが、バージョンアップが推奨されている。これは、新しいマイナーバージョン環境[注釈 4]で修正パッケージを作成しているためである。

ppc版は相対的にサポートが手薄である。PowerPCG3、ヨセミテマザーボード搭載機での起動不成功例が少なからず報告されているが、この不具合に対処はされておらず、2009年上半期現在オフィシャルフォーラムでもこの種の質問に対する確実な対処法は1件も投稿されていない[要出典]。また、ppc版もver.4.2までリリースされているが、サイトの「ppc版情報」は4.0のリリースを2006年11月22日に報じたきり更新されていない。

[編集] VinePlus

Vine Linuxには、VinePlusというVine Linux対応のRPMパッケージが存在する。VinePlusについてもProject Vineが管理するサーバで配布されているが、Vine Linuxをアップグレードした場合に動作しなくなる可能性があるなど、利用者の自己責任で利用する必要があるRPMパッケージ群である。

過去には、VinePlusにあるRPMパッケージのインストールに必要なパッケージがサーバに置かれていないという事例も存在した[18]

バージョン3.0からは、VinePlusは細分化された。過去にあったVinePlusのうちメンテナが不在でメンテナンス頻度が極度に低いパッケージはextrasやorphanedというリポジトリに分離された。これらのパッケージもapt-getを使ってインストールすることもできるが、そのためには利用者がaptの設定ファイルを書き換える必要がある。

殆どのディストリビューションがFHS 2.3に準拠する中[要出典]、VinePlusは原則としてFSSTND1.2に準拠している[19]

[編集] nonfreeリポジトリ

多くのLinuxディストリビューションと同様にVine Linuxではオープンソースソフトウェアのみを対象としており、再配布に制限があるソフトウェア(Adobe Readerなど)は配布しないというポリシーになっている[要出典]

また、フリーソフトウェアではあるが、特許が取得されている機能を実装しているソフトウェアのように使用に制限があるソフトウェア[注釈 5]についてもソースコードやバイナリの配布を行わないというポリシーになっている[要出典]

これらのソフトウェアをVine Linuxで利用するためには利用者自身がインストールする必要がある。VinePlusでは、それらのソフトウェアのRPMパッケージを作成するためのSRPMパッケージをnonfreeリポジトリに用意している。利用者は、これらのSRPMパッケージを用いてRPMパッケージを作成し、インストールすることができる。

SRPMパッケージでは、ソフトウェア自体のソースコードなどを利用者が別途取得する必要があったが、2007年11月にnonfreeリポジトリに公開されたself-buildパッケージを用いることによって、インターネット経由でソースコードを取得し、RPMパッケージの作成とインストールまでをほぼ自動化することができるようになった[20]

[編集] 歴史

Vine Linuxは1998年PJEのメンバー主体で開発がはじまった[21]。プロジェクト開始当初、他のディストリビューションは日本語環境が整っていなかったこともあって、2001年頃まで日本語環境を必要とするユーザに人気があった[4][22]。しかし、Linuxが広まるにつれて利用率が落ち込んでいる[23]

Vine 3.0以降、Red Hat Linuxベースから独自開発に移行した[2]

2007年11月に、プリインストールしたノートPCが発表された[24]

[編集] 年表

  • 1998年 - PJEのメンバーを主体としてRed Hat LinuxベースのLinuxディストリビューションの開発が始まる。
  • 1999年3月28日 - Vine Linux 1.0 リリース
  • 1999年6月4日 - Vine Linux 1.1 リリース
  • 2000年4月14日 - Vine Linux 2.0 リリース
  • 2000年7月3日 - Vine Linux 2.0 for PowerMac リリース: PowerPCに対応
  • 2000年11月4日 - Vine Linux 2.1 リリース: PowerPC、SPARCAlphaに対応
  • 2001年3月24日 - Vine Linux 2.1.5 リリース: SPARC版はこれが最終リリースとなった
  • 2002年4月15日 - Vine Linux 2.5 リリース
  • 2002年10月25日 - Vine Linux 2.6 リリース
  • 2002年10月28日 - Vine Linux 2.6r1 リリース: Webminパッケージのセキュリティホールのためのリリース[25] Alpha版はこれが最終リリースとなった
  • 2003年12月5日 - Vine Linux 2.6r3 リリース
  • 2004年2月10日 - Vine Linux 2.6r4 リリース
  • 2004年8月2日 - Vine Linux 3.0 リリース: Red Hat Linuxベースから独自開発に移行[2]
  • 2004年11月26日 - Vine Linux 3.1 リリース
  • 2005年9月18日 - Vine Linux 3.2 リリース
  • 2006年11月22日 - Vine Linux 4.0 リリース
  • 2007年2月22日 - Vine Linux 4.1 リリース
  • 2007年12月25日 - Vine Linux 4.2 リリース
  • 2009年8月24日 - Vine Linux 5.0 リリース
  • 2010年2月26日 - Vine Linux 5.1 リリース
  • 2010年11月30日 - Vine Linux 5.2 リリース: PowerPC版はこれが最終リリースとなった
  • 2011年8月6日 - Vine Linux 6.0 リリース
  • 2012年2月2日 - Vine Linux 6 特別版を配布: 震災復興支援プロジェクトへの支援として日本OSS推進フォーラムに提供[26]

[編集] 主要なバージョンの一覧表

Vine Linuxの主要なバージョンにはコードネームがつけられており、VinePlusなどのパッケージやサポート期限もそれに応じて用意される。

本項ではコードネームによって分類した一覧表を記す。それ以外の詳細や補足情報については歴史を参照のこと。

Vine Linuxのリリース履歴
バージョン コードネーム リリース日 サポート期限
1.0 Nahe 1999年3月28日 〜2000年1月11日?(サポート終了)
1.1 Rheingau 1999年6月4日 〜2000年1月11日?(サポート終了)
2.0 Sociando-Mallet 2000年4月14日 〜2003年4月7日?(サポート終了)
2.1 Cissac 2000年11月4日 〜2003年4月7日?(サポート終了)
2.1.5 Calon-Segur 2001年3月24日 〜2003年4月7日?(サポート終了)
2.5 Domaine de Chevalier 2002年4月15日 〜2006年2月28日?(サポート終了)
2.6 La Fleur de Bouard 2002年10月25日 〜2006年2月28日[27]
3.0 Valandraud 2004年8月2日 〜2007年11月22日?(サポート終了)
3.1 Pichon Lalande 2004年11月26日 〜2007年11月22日?(サポート終了)
3.2 Ducru Baucaillou 2005年9月18日 〜2007年11月22日[17]
4.0 Latour 2006年11月22日 〜2010年8月23日?(サポート終了)
4.1 Cos d'Estournel 2007年2月22日 〜2010年8月23日?(サポート終了)
4.2 Lynch Bages 2007年12月25日 〜2010年8月23日(サポート終了)
5.0 Lafite 2009年8月24日 未定[17]
5.1 Cheval Blanc 2010年2月26日 未定[17]
5.2 Palmer 2010年11月30日 〜2012年8月6日
6.0 Haut Brion 2011年8月6日 未定[17](現在のリリース)

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

[ヘルプ]

[編集] 注釈

  1. ^ ただし、名称になったのは2.0以降。1.0と1.1は産地から採られている。
  2. ^ 英語のページなどについては必要最小限しか用意されていない。
  3. ^ この方針はRed Hat Enterprise LinuxDebianなどと同様。
  4. ^ バージョン3.xの場合はバージョン3.2
  5. ^ FFmpegLAMEDVD-VideoCSSを扱うlibdvdcssなど

[編集] 出典

  1. ^ http://vinelinux.org/manuals/license.html
  2. ^ a b c Vine Linux 3.0の特徴 (その1) (1/2)
  3. ^ https://www.linuxfoundation.org/lsb-cert/productdir.php?by_prod
  4. ^ a b http://www.vinelinux.org/PR/press19981116.html
  5. ^ @IT:リアルタイムアンケート集計結果 使用ディストリビューションは?
  6. ^ Fedora、ライブCDをリリース
  7. ^ Open Tech Press | Ubuntu 7.10は秀逸なリリース
  8. ^ Ubuntu Linuxが注目される理由
  9. ^ Google Trendsでの検索結果[1]
  10. ^ Linux Foundationが行った2007 Linux Desktop/Client SurveySurvey Results - Japanese
  11. ^ Vineのメンバー一覧 Debianの開発者
  12. ^ ロードマップ
  13. ^ DistroWatch.com: Vine Linux
  14. ^ 78: 更新希望: openoffice
  15. ^ 例えば次のような例。
  16. ^ ヴァインカーブ、教育機関向け Vine Linux を大阪大学に 850 台導入 〜 4月から全学一斉稼働へ 〜
  17. ^ a b c d e Vine Linux Security Watch Team Web Pageの「Errata 発行期間について」を参照。
  18. ^ vine-users:069713 Re: arts-develのインストール
  19. ^ VinePlus のパッケージングルール (暫定版)
  20. ^ vine-users:077794 self-build パッケージ追加のお知らせ
  21. ^ About Project Vine?
  22. ^ @IT:リアルタイムアンケート集計結果 使用ディストリビューションは?
  23. ^ Linux Foundationが行った2007 Linux Desktop/Client SurveySurvey Results - Japanese
  24. ^ 「Windows Vista」と「Vine Linux」のデュアルブート構成済みノートPC
  25. ^ Vine Linux errata webmin にセキュリティホール(10/30 更新)
  26. ^ Vine Linux News - 日本OSS推進フォーラムの復興支援プロジェクトで Vine Linux 6 特別版を配布
  27. ^ [2]

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語