U.S.NAVY

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U.S.NAVY』(ユー・エス・ネイビー)は、カプコン1990年10月に発売したアーケードゲーム。日本国外版タイトルは Carrier Air Wing(空母航空団)。

基本的には同社の業務用ゲーム『エリア88』のシステムをそのまま踏襲した横スクロールシューティングゲーム。2人同時プレイ可能。

概要[編集]

ゲームの流れは、「各ステージスタート時に作戦説明→サブウェポン購入→プレイ開始(撃墜数に応じてサブウェポン購入資金が稼げる)→ステージクリア→余ったサブウェポンの下取り→次のステージへ」のようになっており、これとアイテム出現の法則は『エリア88』と同様のものである。

最大の違いはダメージに関する扱い。『エリア88』ではライフゲージが「装甲強度」を示し、被弾するごとにゲージが減っていくのに対し、本作では「エネルギー残量」を示しており、被弾だけでなく時間経過でもゲージが減る仕様になっている。そのため、サブウェポンのシールド(一定数被弾を防げる)が重要になってくる。

※但し、エネルギー回復アイテムの出現頻度は高い。ステージによってはボスとの戦闘中にも出現する。

ストーリー[編集]

1997年、X国による極東J国侵攻をきっかけに各国で局地戦争が勃発。米国に入った極秘情報によると、この戦争の裏でX国に最新兵器を供給している死の商人組織「ラブー」が存在していることが判明。戦争終結には武器の供給源を絶つしかないと判断した米国は、海軍原子力空母「カールビンソン」をラブー壊滅部隊に任命。作戦を開始する。

エンディングはラブー壊滅により、X国は各地での兵力撤退を余儀なくされ、戦いは終わった…というもの。

プレイヤー機について[編集]

次の三機種から選択可能。

空中戦闘タイプ。ワイドショットの性能が一段優れるが、他のショットの性能が劣るため上級者向き。
パイロットはリック・フォード。ニューヨーク出身でトップガンを首席で卒業したらしい。空中戦闘では米海軍ナンバーワンのテクニックを持つ。(ちなみに『エリア88』ではミッキー・サイモンがこの機体に搭乗していた)
空中戦闘と地上攻撃のマルチタイプ。ラパイドガンの性能に優れ、他のショットも大きく劣らないため初心者向き。
パイロットはジェームス・ロイ。ルイジアナ州出身で米海軍アクロバットチームブルーエンジェルスのメンバー。
地上攻撃タイプ。プレシジョンガンの性能に優れ、ワイドショットの性能が劣る。
パイロットはマーク・オルソン。ミシガン州出身で元アメリカ海兵戦闘攻撃飛行隊隊長という肩書きを持つ。

本作では『エリア88』程の性能差は設けられていないため、それほど大きなプレイ感覚の違いはないと思われる。

メインショット[編集]

本作では三種類のメインショットを使用できる。パワーアップは赤い編隊を全滅すると出現するパワーアップアイテムによって行う。

  • ワイドショット(赤)
幅が広いショット。一度に複数の弾を発射するが連射性能が極端に劣り使いどころが難しい。「張り付き」状態ならば連射が効くので使いどころ次第では有効。
  • プレシジョンガン(青)
威力が大きいが幅が狭いショット。雑魚敵を貫通する。連射性能が余り高くないため総合的には緑に劣る。
  • ラパイドガン(緑)
連射性能が高いショット。バランスが良く最初から最後までこのショットで通すことが出来る。

どのショットにもある程度自動連射機能があるが、自力(もしくは連射装置)で連射した方が早い。

サブウェポン[編集]

ステージ毎に購入できるサブウェポンの種類が違う。また機種毎に性能が異なるが、基本的に性質は同じである。同じ名前でも高価な方が発射数が多いなどの差がある。

F-14 F/A-18 A-6
STAGE1 MISSILE DISPENSER 2 MISSILE DISPENSER 1
MISSILE DISPENSER 2
MISSILE DISPENSER 1
STAGE2 STANDARD MISSILE SHRIKE MISSILE
STANDARD MISSILE
SHRIKE MISSILE
STAGE3 BOMB
SUPER BOMB
SUPER BOMB
NAPALM BOMB
NAPALM BOMB
SUPER NAPALM
STAGE4 APACHE APACHE
SUPER BOMB DISPENSER
SUPER BOMB DISPENSER
STAGE5 AMRAAM MISSILE
PHOENIX MISSILE
SIDE WINDER
AMRAAM MISSILE
SPARROW MISSILE
SIDE WINDER
STAGE6 STANDARD MISSILE SHRIKE MISSILE
STANDARD MISSILE
SHRIKE MISSILE
STAGE7 MISSILE DISPENSER 2
MISSILE DISPENSER 3
MISSILE DISPENSER 2 MISSILE DISPENSER 1
MISSILE DISPENSER 2
STAGE8 SUPER BOMB
NAPALM BOMB
NAPALM BOMB
SUPER NAPALM
SUPER NAPALM
BIG BOY
STAGE9 SUPER BOMB DISPENSER
NAPALM DISPENSER
SUPER BOMB DISPENSER APACHE
SUPER BOMB DISPENSER
STAGE10 SUPER SHELL POD1 SUPER SHELL POD1
SUPER SHELL POD2
SUPER SHELL POD2
  • 貫通ミサイル(Stage2,Stage6)
自機の周囲に展開してから前方へ発射。雑魚敵は貫通する。
  • 誘導ミサイル(Stage5)
敵に誘導するミサイル。ステルス風の敵機には誘導しない。
  • 爆弾(Stage3,Stage8)
自由投下爆弾。効果範囲が広く、A-6の物ならば爆風が画面端まで覆う。
  • ミサイルディスペンサー(Stage1,Stage7)
誘導する小ミサイルを発射するディスペンサー。最後はディスペンサー自体が飛び込んでいく。
  • ボムディスペンサー(Stage4,Stage9)
小爆弾を投下するディスペンサー。なぜか上方向にも投下する。
  • スーパーシェルポッド(Stage10)
小型の貫通ビームを発射するディスペンサー。最後はディスペンサー自体が火の玉となって飛んでいく。

ディスペンサー(ポッド)系のサブウェポンは発射されるとしばらく自機の周りを浮遊しメインショットにあわせて内蔵兵器を発射する。ディスペンサーの弾が切れるか、もう一度サブウェポンボタンを押すと前方へ射出される。ディスペンサーには敵の弾を防ぐ効果もある。

ステージ内容[編集]

『エリア88』と同じく、全10ステージ。

  • MISSION1 首都奪回作戦~制空権奪取
J国首都上空に居座る敵航空部隊を殲滅する。ボスは爆撃機ブラックジャック。小型ロケットと炸裂弾で反撃してくる。
  • MISSION 2 首都奪回作戦~敵占領部隊壊滅
J国首都地上付近。ビルや高速道路の合間を通り抜けながら首都を占拠している敵部隊を駆逐していく。ボスは移動要塞ムラチョフ(オリジナル兵器)。強力な主砲と多数のミサイルランチャーと備えるオリジナルの歩行兵器。
  • MISSION 3 敵艦隊上陸阻止作戦
おそらく北海道が舞台。J国へ上陸を企てる敵艦隊を攻撃する。ボスはミサイル巡洋艦キーロフ。ブリーフィングでは戦艦と説明される。
  • MISSION 4 造船所爆破作戦
敵が山中に築いた秘密基地。後半は洞窟内に潜入する。ボスは空母トビリシ。ブリーフィングでは「空母」と説明されるが、X国は一応巡洋艦としている。
  • MISSION 5 兵器実験エリア攻撃作戦 1 (空中戦)
北極海上空。出てくる敵はステルス機が多くサブウェポンがあまり役に立たない。ボスは早期警戒機メインステイ。空中機雷とミサイルで反撃してくる。
  • MISSION 6 兵器実験エリア攻撃作戦 2 (地上戦)
北極海海面付近。雪原や氷の洞窟を抜けていく。ボスは原子力潜水艦タイフーン
  • MISSION 7 敵爆撃機編隊攻撃
地中海上空。途中火山地帯を抜けていく。ボスは爆撃機ブラックジャック改。ステージ1の色違いだが攻撃手段がレーザーと画面外から飛んでくる巡航ミサイルに変化している。
  • MISSION 8 砂漠基地攻撃作戦
中東某国。ブリーフィング時に提示されるボスは真のボスを輸送している装甲列車に過ぎない。ボスは列車砲台カール。実在したカール自走臼砲にそっくりだがレーザー砲とVLS式弾道ミサイルを備える。
  • MISSION 9 要塞攻撃作戦
『エリア88』の3面ボス「バンバラ森林要塞」に酷似したラブーの秘密要塞(隠しアイテムの位置まで似ている)。地上部を破壊すると要塞内部の秘密基地へと潜入。ボスはレーザー砲台ガーマ(オリジナル兵器)。回転式のレーザー砲を備えた防衛システム。パーツを破壊する順序を間違えると凄まじい弾幕を放つ。
  • MISSION 10 成層圏
ラブーの最終兵器を積んだソ連版宇宙往還機ブランを追跡し成層圏へ。ブースタを破壊しブラン本体にある程度ダメージを与えると内部から最終兵器(ラストボス)であるレーザー攻撃衛星を放出。

雑記[編集]

  • 『エリア88』の続編の予定であったが版権が取れなかったためオリジナル作品となった。
  • U.S.NAVY(アメリカ海軍)は正規の軍隊である。しかしゲームが『エリア88』のシステム(傭兵制)を踏襲しているため、プレイヤーキャラクターは正規軍の兵士であるにもかかわらず武装が支給されず、武器購入資金を自力で稼がねばならないばかりか、しかも司令官が出撃前に武器を売りつけるという奇妙な設定になっている。なお、この司令官はショーン・コネリーそっくりである。
  • 「ラパイドガン」は"Rapid gun"の誤読らしい。
  • 日本版は"J国"と伏せられているが、海外版では(現地語で)日本と明記されている。
  • X国の兵器の殆どはソ連軍の兵器をモチーフにしているが、ステルス機早期警戒機など一部の兵器はアメリカ軍のデザインが使用されている。
  • コンティニューの有無で多少エンディングが変化する。コンティニューした場合は機体が空中で爆発しパイロットが海上で救助される事になるが、ノーコンティニューの場合は炎上しながらも空母まで辿り着く。さらにノーコンティニューでクリア時のスコアが2,000,000を越えているとパイロットが降りてくる。

万引き技[編集]

司令官が作戦を指示しているときに、ショットとサブウェポンのボタンを高速で連打すると即座にゲームが始まるが、この際資金が減らずにサブウェポンを入手できるというバグがある。更にレバーを右に連打していると、高価な武器を購入できる。これはプレイヤーから「万引き技」と通称され、ハイスコアを稼ぐときも必須のテクニックとなった(使用しなかったサブウェポンはステージクリア時に売却される。また全クリア時に保有している資金は全て得点に換算される)。 これは連射装置などで一定以上の連射速度があれば、入手だけは確実にできたため、連射装置のついたボタンをこのゲームに限り「万引きボタン」と呼ぶことがある。

後年のシューティングゲームにはソフトウェア側で連射機能を備えているものが多く見られるが、本作の発売された当時、アーケードゲームにおいて自動連射を実現するにはゲーム筐体に連射用の回路を取り付ける改造が必要であった。このため、楽に「万引き技」の恩恵にあずかれるのはこのような配慮をしてくれた店舗に限られた。

関連項目[編集]