オプラ・ウィンフリー・ショー

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The Oprah Winfrey Show
オプラ・ウィンフリー・ショー
番組司会者のオプラ・ウィンフリー(2004年)
ジャンル トーク番組
出演者 オプラ・ウィンフリー
放送
放送国・地域アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
放送期間1986年9月8日 - 2011年5月25日
放送分60分
回数4,561[1]
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オプラ・ウィンフリー・ショー』(The Oprah Winfrey Show)は、シンジケイション1986年9月8日から2011年まで放送されていたトーク番組オプラ・ウィンフリーが司会を務めていた。

シカゴABC直営局WLSのローカルトーク番組として始まり、CBSディストリビューションによりシンジケーション番組として全米で放送されている。そのほか世界140ヶ国で放送されており、アメリカでは4600万人の週間視聴者数を誇る[2]

番組はシカゴ近郊にある、Harpo Productions[3]で収録されている。Harpo Productionsは、オプラ本人が設立したプロダクションである。

概説[編集]

アメリカのテレビ界で最も評価されているトーク番組である。特に女性に人気が高い。

評判が高い番組だけに、シンジケイションで購入できたローカル局のほとんどが、夕方の自主制作のニュース番組の前(夕方の4・5時台)にオプラ・ウィンフリー・ショーを放映している。実際、オプラ・ウィンフリー・ショーを放映しているローカル局の多くは自主制作のニュースの視聴率でも地域のトップに立っている。

1998年、「タイム」誌が発表した『20世紀最高のテレビシリーズリスト』に入った。また、2002年には『古今、最も素晴らしいアメリカのテレビ番組トップ50』というリストにも入った[4]

歴史[編集]

1984年にオプラはシカゴのABC直営局・WLS-TVの朝のトークショー「AM Chicago」の司会者を務めることになった。当時の「AM Chicago」は全国放送のシンジケート番組などに押されていたが、見る見るうちに人気番組へ上り詰めた。この「AM Chicago」が全米向けの番組としてリニューアルされることになり、1986年9月8日にオプラ・ウィンフリー・ショーが始まった。

2007年9月10日時点で3000回以上放送されている。2008年アメリカ合衆国大統領選挙では早い段階でバラク・オバマ候補の支持を表明し、その後のオバマ旋風のきっかけの一つとなったとされている[5]

オプラは2011年まで放送契約を更新しており、1990年代には永久にこの番組を続けたいと語ったこともあったが、2009年11月19日、番組を2011年9月9日をもって終了させる意向を示した[5][6]。制作会社であるHarpo Productionsもこの予定を公式に発表した[7]

2011年1月1日、ケーブルテレビ局「オプラ・ウィンフリー・ネットワーク(OWN)」を開局[8]。2017年12月4日、オプラはOWN株式を初めて売却、共同出資するケーブルネットワーク会社ディスカバリー・コミュニケーションズは出資比率を約45%から70%に高め、7000万ドル(約78億7000万円)を支払うことに合意した[9]。オプラはOWNの最高経営責任者(CEO)職にとどまり、独占的な関与を2025年まで延長する[9]

主な企画[編集]

Oprah's Book Club[編集]

番組当初から続くコーナー。オプラが本を紹介し、主に著者のインタビューが中心である。ここで紹介された本はベストセラーになり、中には100万部以上を売り上げた本もある。2002年に一旦中断し、2003年に復活した。現在は古典作品を紹介することが多い。

作品名 著者
1996年 9月 ディープエンド・オブ・オーシャン ジャクリーン・ミチャード
10月 ソロモンの歌 トニ・モリスン
11月 The Book of Ruth ジューン・ハミルトン
12月 She's Come Undone ウォーリー・ラム
1997年 2月 Stones from the River アーシュラ・ヘギ
4月 カナンの果て シェリ・レイルズ
5月 The Heart of a Woman マヤ・アンジェロウ
6月 Songs In Ordinary Time メアリー・M・モーリス
9月 The Meanest Thing To Say ビル・コスビー
ジェファーソンの死 アーネスト・ゲインズ
10月 正しい女 ケイ・ギボンズ
エミー・フォスター
12月 The Treasure Hunt ビル・コスビー
The Best Way to Play
1998年 1月 パラダイス トニ・モリスン
3月 Here on Earth アリス・ホフマン
4月 黒と青 アンナ・クィンドレン
5月 Breath, Eyes, Memory エドウィージ・ダンティカ
6月 この手のなかの真実 ウォーリー・ラム
9月 What Looks Like Crazy on an Ordinary Day パール・クリージ
10月 Midwives クリス・ホジャリアン
12月 ビート・オブ・ハート ビリー・レッツ
1999年 1月 Jewel ブレット・ロット
2月 朗読者 ベルンハルト・シュリンク
3月 パイロットの妻 アニータ・シュリーヴ
5月 ジャネット・フィッチ
6月 Mother of Pearl メリンダ・ヘインズ
9月 タラ通りの大きな家 モーヴ・ビンキー
10月 River, Cross My Heart ベレーナ・クラーク
11月 ヴィネガー・ヒル マネット・アンセイ
12月 A Map of the World ジューン・ハミルトン
2000年 1月 Gap Creek ロバート・モーガン
2月 Daughter of Fortune イサベル・アジェンデ
3月 バック・ローズ タウニ・オーデル
4月 青い眼が欲しい トニ・モリスン
5月 わたしがいないあいだに スー・ミラー
6月 ポイズンウッド・バイブル バーバラ・キングソルヴァー
8月 オープン・ハウス エリザベス・バーグ
9月 湖の記憶 クリスティーナ・シュワルツ
12月 砂と霧の家 アンドレ・デュバス3世
2001年 1月 ウイ・ワー・ザ・マルヴェイニーズ ジョイス・キャロル・オーツ
3月 Icy Sparks グウィン・ハイマン・ルビオ
5月 Stolen Lives: Twenty Years in a Desert Jail マリカ・ウフキル
6月 Cane River Lalita Tademy
9月 コレクションズ ジョナサン・フランゼン
12月 A Fine Balance ロヒントン・ミストリー
2002年 1月 Fall on Your Knees アン・モリス・マクドナルド
4月 スーラ トニ・モリスン
2003年 6月 エデンの東 ジョン・スタインベック
9月 輝きの大地 アラン・ペイトン
2004年 1月 百年の孤独 ガブリエル・ガルシア=マルケス
4月 愛すれど心さびしく カーソン・マッカラーズ
5月 アンナ・カレーニナ レフ・トルストイ
9月 大地 パール・S・バック
2005年 6月 響きと怒り
死の床に横たわりて
八月の光
ウィリアム・フォークナー
9月 ア・ミリオン・リトル・ピースィズ ジェームズ・フライ
2006年 1月 エリ・ヴィーゼル
2007年 1月 The Measure of a Man:A Spiritual Autobiography シドニー・ポワチエ
3月 ザ・ロード コーマック・マッカーシー
6月 ミドルセックス ジェフリー・ユージェニデス
10月 コレラの時代の愛 ガブリエル・ガルシア=マルケス
11月 大聖堂 ケン・フォレット
2008年 1月 ニュー・アース エックハルト・トール
9月 The Story of Edgar Sawtelle デイビッド・ウルブレフスキー
2009年 9月 Say You're One of Them ウウェム・アクパン

Oprah's Favorite Things[編集]

感謝祭クリスマスなどに放送される。オプラが個人的に気に入っている商品などを観客にプレゼントするというもの。2006年11月にはスタジオに来ていた観客全員にビデオカメラ、1000ドル分が使えるクレジットカードをプレゼントした。彼女はその際、「他の人を助けるために使ってほしい」とメッセージを送った。

オプラの資産家としてのエピソードを語るときによくこのコーナーが紹介される。

Tuesdays With Dr. OZ[編集]

毎週火曜日に放送。メフメトC.オズ博士(NYCコロンビア長老教会派の会員。「オズ博士」として多くの番組視聴者に知られている)が担当するコーナー。

その他[編集]

  • What's The Buzz
  • Remember Your Spirit

外部リンク[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ Hollingshead, Iain (2011年5月20日). “Oprah WInfrey retires: Those in the spotlight can't bear the final curtain”. The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/news/celebritynews/8524304/Oprah-Winfrey-retires-those-in-the-spotlight-cant-bear-the-final-curtain.html 2011年5月23日閲覧。 
  2. ^ asahi.com (2008年9月4日). “オプラ・フィンフリー、五輪選手の帰国を祝うパーティーを主催”. 2008年10月17日閲覧。
  3. ^ プロダクションの名前は、オプラ(Oprah)のスペリングを逆さまにしたものである。
  4. ^ Time (2002年). “Happy 50th Anniversary TV Guide!!!”. 2008年10月17日閲覧。
  5. ^ a b “オバマ旋風の立役者、米人気トーク番組終了へ”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2009年11月21日). https://web.archive.org/web/20091124121757/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091121-OYT1T00811.htm 2009年11月21日閲覧。 
  6. ^ Oprah Winfrey Show" to End in 2011”. MSNBC (2009年11月19日). 2009年11月19日閲覧。
  7. ^ Oprah Winfrey to End Her Talk Show”. New York Times (2009年11月19日). 2009年11月19日閲覧。
  8. ^ O・ウィンフリーのケーブルテレビ局が開局、好調なスタート”. Reuters (2011年1月4日). 2018年3月5日閲覧。
  9. ^ a b 人気司会者ウィンフリー氏、OWNの一部株式をディスカバリーに売却”. Bloomberg (2017年12月5日). 2018年3月5日閲覧。