THE 有頂天ホテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
THE有頂天ホテルから転送)
THE 有頂天ホテル
The Wow-Choten Hotel
監督 三谷幸喜
脚本 三谷幸喜
製作 亀山千広
島谷能成
製作総指揮 石原隆
佐倉寛二郎
出演者 役所広司
松たか子
佐藤浩市
香取慎吾
篠原涼子
戸田恵子
生瀬勝久
麻生久美子
YOU
オダギリジョー
角野卓造
寺島進
浅野和之
近藤芳正
川平慈英
堀内敬子
梶原善
石井正則
原田美枝子
唐沢寿明
津川雅彦
伊東四朗
西田敏行
音楽 本間勇輔
撮影 山本英夫
編集 上野聡一
製作会社 フジテレビジョン
東宝
配給 東宝
公開 日本の旗 2006年1月14日
中華民国の旗 2009年1月16日
上映時間 136分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 60.8億円
テンプレートを表示

THE 有頂天ホテル』(ザ うちょうてんホテル、The Wow-Choten Hotel)は、2006年1月14日に全国で公開された日本映画三谷幸喜監督作品の第3作。主演の役所広司がホテルの支配人を演じた。興行収入60.8億円を記録し、2006年の邦画第3位の好成績を収めたヒット作品[1]。観客動員470万人。

制作[編集]

キャッチコピーは「最悪の大晦日に起きた最高の奇跡 最悪の大晦日は、最高の奇跡の始まりだった。」

大晦日の夜10時から年明けまでの2時間に、ホテル・アバンティで起こる人間模様を描いた、グランド・ホテル形式のコメディである。

タイトルは、グレタ・ガルボの『グランド・ホテル』と、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースの『有頂天時代』に由来。

公開から8日で100万人を動員した。

「THE」は、その後に続く「有頂天」の語頭が「ウ」という日本語表記では母音/u/なので、監督も英文法の通則通り、当初は「ジ」と発音していたが、作品名の英文表記が「The Wow-Choten Hotel」であるため、「ザ」と発音する。

オリジナルサウンドトラック(本間勇輔作曲・CD及びiTunes Store)では、YOUがクライマックスで歌った「Sweet Charity」(ミュージカル・映画)のナンバー「If My Friends Could See Me Now!」と、映画では演奏しか流れなかった讃美歌風の「Farewell to the old year」に、三谷幸喜が作詞して客室係役の堀内敬子が歌った「大晦日に想う」を含む27曲が収録されている。ミュージカル女優として活躍していた堀内が透明感溢れる美しいソプラノを披露しており、三谷は堀内を「とてつもなく歌がうまい」と絶賛している。

あらすじ[編集]

『ホテル・アバンティ』は慌ただしい大晦日を迎えていた。カウントダウン・パーティーの出演者は相方の生きたアヒルが逃げ出したと騒ぎ、醜聞でホテルに隠れた政治家を追って、正面玄関にはマスコミが殺到している。様々な宿泊客のトラブルに誠実に対応する副支配人の新堂。優秀で頼れる新堂だが、実は舞台演出家を目指した過去があった。ホテル内で演出家当時に別れた元妻と出合い、転職を知られたくない一心で客を装う新堂。他の従業員たちも、様々な客のトラブルに巻き込まれ、翻弄されて行く。

ホテルでは、功績のあった人物を表彰する『マン・オブ・ザ・イヤー』の授賞式が開かれようとしていた。元妻の手前、その授賞者だと嘘をつき、一方で副支配人としてトラブルに対処して行く新堂。シンガーソングライター志望のベルボーイ只野は、全てを諦めて田舎に帰るはずが、もう一夜だけと頼まれて仕事復帰。歌うことへのこだわりも、まだ捨て切れない。

客室係のハナは、実は潜伏中の政治家・武藤田の昔の愛人だった。武藤田からは身を隠したが、不倫カップルの別れ話に巻き込まれて行くハナ。コールガールのヨーコは、ホテルから出禁を食らいながら性懲りもなく入り込み、武藤田と知り合った。見栄えばかり気にする武藤田が、醜聞から逃れるために自殺する気だと察するヨーコ。

知らぬ間に歌で武藤田を勇気づけ、自殺を止めるベルボーイ只野。不倫カップルを円満にまとめた客室係のハナは、武藤田と対面し、生きて政治家を続けたい彼の本音を指摘した。新堂たちの協力でマスコミから逃れる武藤田。数々のトラブルが解決したホテルでは、賑やかにカウントダウン・パーティーが始まった。

キャスト[編集]

ホテル従業員[編集]

客たち[編集]

芸能人[編集]

その他[編集]

スタッフ[編集]

協力[編集]

受賞歴[編集]

ソフト化[編集]

発売元はフジテレビジョン、発売・販売元は東宝。

  • THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション(DVD1枚組、2006年8月11日発売)
    • 映像特典
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
    • 音声特典
      • オーディオコメンタリー(監督:三谷幸喜vs高島彩)
  • THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション(DVD2枚組、2006年8月11日発売)
    • ディスク1:本編DVD(スタンダード・エディションと同様)
    • ディスク2:特典DVD
      • 23人の主役たち
      • 長回しへの飽くなき挑戦
      • 新撮! ホテルアバンティの世界ができるまで
      • 未公開シーン集(オーディオコメンタリー・隠しコマンド付き)
      • イベント映像集
      • インタビュー集
      • 新撮! 84歳の三谷幸喜が語る・製作四十周年記念特別インタビュー
      • 新撮! 老け講座
      • ホテルアバンティヒストリー
      • ロケ地紹介
      • ペーパークラフト
      • フォトギャラリー
      • 映画評集
      • キャスト・スタッフ最新プロフィール
    • 封入特典
      • リーフレット
    • 特製アウターケース付きデジパック仕様

テレビ放送[編集]

回数 テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 放送分数 視聴率
1 フジテレビ 土曜プレミアム 2006年12月30日 21:00 - 23:54 174分 14.5%
2008年6月7日 21:55 - 24:50 175分 14.9%
2015年10月31日 19:57 - 23:10 193分 8.7%
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

脚注[編集]

  1. ^ 映画制作者連盟2006統計
  2. ^ a b みんなのいえ』からの客演
  3. ^ 第30回日本アカデミー賞優秀作品 日本アカデミー賞公式サイト

外部リンク[編集]