T2 タンカー

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T2級の一隻ハットクリーク(1943年8月撮影)

T2 タンカー(T2たんかー、英: T2 tanker)、あるいはT2とは、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国において大量建造された石油タンカーである。当時世界最大のアメリカ海軍給油艦であり、1940年から1945年にかけておよそ500隻が建造された。

各型[編集]

T2基本型[編集]

基本型のT2タンカーの全長は152.9m、全幅21m。総トン数は9,900トン、載貨重量トンは15,850トン、基準排水量は21,000トンだった。蒸気タービンによる1軸推進で、最高速度は15ノット。

メリーランド州ベスレヘム造船所スパローズ・ポイント工場にて、商用に6隻が建造されたが、アメリカの第二次世界大戦参戦に伴い、そのすべてがアメリカ海軍に買収された。

T2-A型[編集]

T2-A型は、建造初期のdesign variationである。全長は160m、排水量は22、445トンで、総トン数は10,600トン、載貨重量トンは16,300トンと船体が大型化しているが、速度は向上し、最高速力は16.5ノットだった。

T2-SE-A1型[編集]

折損事故を起こしたスケネクタディー

T2型タンカーの中でもっとも多く建造されたバリエーションがT2-SE-A1型である。これはもうひとつの商用向けバリエーションで、1940年にサン造船社がニュージャージー州スタンダード・オイル向けに建造したものであった。

全長は159m、全幅は21mで、総トン数は10,448トン、載貨重量トンは16,613トンであった。ターボ電機機関を搭載し、軸馬力は6,000馬力、最大で7,240馬力を発揮し、最高速力は15ノット、航続距離は20,300km(12,600浬)に達した。参戦後、米国海事委員会は、すでに生産が拡大していた軍艦への補給のため、この型のタンカーを一括大量発注した。

アラバマ州モービルのアラバマ船渠造船社(en)オレゴン州ポートランドカイザー造船所(en)スワン島工場、カリフォルニア州サウサリートのマリンシップ社(en)、そして、ペンシルベニア州チェスターのサン造船船渠社(en)の各造船所で、この型の481隻の建造が驚くほど短期間に進められた。

平均建造期間は、竜骨の据え付けから竣工まで、70日間だった。最短建造期間の記録としては、マリンシップ造船所がハンチントン・ヒルズを建造した際の、海上公試まで33日というものがある。

カイザー造船によりスワン島の造船所で建造された最初のタンカー、スケネクタディーは、粗悪な鋼材と不適切な溶接工程によって折損事故を起こした。リバティ船では同種の事故が重大事故だけで既に10件発生していたが、スケネクタディーの事故は新聞報道によって、広く知られる事となった。事故の詳細はスケネクタディーの記事を参照のこと。

T2-SE-A2型[編集]

T2-SE-A2型はT2-SE-A1型とほとんど同型で、A1型とA2型の違いは機関出力が7,240馬力から10,000馬力に向上したことだけである。T2-SE-A2型は、サウサリートのマリンシップ社でのみ建造された。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]