Someday Somewhere

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Someday Somewhere
チューリップスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル EXPRESS
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
CD:VICL-62852/3
チューリップ オリジナル・ アルバム 年表
Upside-down
1978年
Someday Somewhere
1979年
THE LOVE MAP SHOP
1981年
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Someday Somewhere』(サムデイ・サムホエア)は、チューリップの10枚目のスタジオ・アルバム1979年7月20日発売。

解説[編集]

チューリップが1979年に発売した、初の2枚組アルバム(他には2007年の現時点での最新アルバム『run』がある)。

また、本作を最後に吉田彰上田雅利が脱退したため、チューリップ第一期メンバーによる最後の作品になった(上田は1997年の再結成で復帰)。全編オリジナルで、シングルカットは一曲もない。また、本作の『まだ闇の内』が、安部俊幸が生前ボーカルを取った最後の曲となった(本作以降は作詞・作曲とコーラスのみ)。

ビートルズなどのブリティッシュロックの影響下からスタートしたチューリップだったが、本作ではシンセサイザーサウンドエフェクト(「サーカスは青い空」)を使用するなど、1980年代のチューリップサウンドの原型が出来上がっている。アルバム全体では、失恋を歌った曲が多い。

本作では、5枚目のアルバム『無限軌道』以来5作ぶりに、青木望がストリングスアレンジで参加している(「愛の窓辺」、「8億光年の彼方へ」の2曲)。

ジャケット写真は両面共にメンバー5人が横並びで写っており、表面の吉田と裏面の吉田が手を繋いでいる。

2005年には限定で紙ジャケット版が発売された。

逸話[編集]

本作には「わがまま」という曲が収録される予定だったが、急遽シングル曲候補となったため、歌詞の一部と曲のAメロ部分を大幅にアレンジしたのち、「虹とスニーカーの頃」と曲名を改めて7月5日に発売された[1]。この「わがまま」は「虹とスニーカーの頃(メロ違いバージョン)」として、1970年代から1980年代に録音された未発表音源を集めた企画アルバム『TULIP Anthology 1〜Rare Tracks〜』(2000年発売)に収録されている。

収録曲[編集]

[2]

Disc.1[編集]

Morning Side[編集]

  1. 愛の窓辺
    • 作詞/作曲:財津和夫 編曲:チューリップ青木望 ボーカル:財津和夫
    • 財津は「レコーディング当時もっと自分の歌が上手ければ、とてもいい曲になったはず」と語っている。
  2. 今日と明日の間に
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫 
  3. Silent Love
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
  4. Blue Eyes(この小さな星のうえで)
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
    • 当時のライブでは、3曲目と4曲目は続けて演奏されることが多かった。
  5. いま、友へ
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫

Moon Side[編集]

  1. まだ闇の内
    • 作詞:財津和夫 作曲:安部俊幸 編曲:チューリップ ボーカル:安部俊幸
    • 安部がチューリップでボーカルを担当した最後の楽曲である。
  2. Give me a chance
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
  3. サーカスは青い空
    • 作詞:財津和夫 作曲:安部俊幸 編曲:チューリップ ボーカル:姫野達也
  4. 思い出のフリスビー
    • 作詞:上田雅利 作曲:安部俊幸 編曲:チューリップ ボーカル:上田雅利
  5. 8億光年の彼方へ
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ・青木望 ボーカル:財津和夫

Disc.2[編集]

Twilight-time Side[編集]

  1. 悲しみに挨拶を
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
    • 2022年のデビュー50周年ライブの冒頭で披露されている。
  2. I Love You
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
  3. ムトウス
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
    • タイトルの意味は「ライチョウ(正確には旧学名のLagopus "mutus")」。
    • 2018年のツアーでは、鳥に関するエピソードを交えたMCからこの曲の演奏に入った。
  4. 哀別の日
    • 作詞:財津和夫 作曲:姫野達也 編曲:チューリップ ボーカル:姫野達也・財津和夫。
  5. 神様に感謝をしなければ
    • 作詞:安部俊幸 作曲:姫野達也 編曲:チューリップ ボーカル:姫野達也
    • 当初はシングルの候補とされていた。
    • ビートルズ的なアコースティック・ギターによる綺麗なメロディを意識して作られた。
    • また、「神様」は宗教のいう「神様」としてではなく、「物理」の代語として用いられている。
  6. 愛の窓辺
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
      • 1枚目1曲目の同名の曲の短縮版。

Night Side[編集]

  1. 刹那居季節
    • 作詞/作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:姫野達也
  2. 雨が降る
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
  3. あなたのなかへ
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
  4. 居留守番電話
    • 作詞:財津和夫 作曲:吉田彰 編曲:チューリップ ボーカル:吉田彰
    • 吉田がチューリップでボーカルを担当した最後の楽曲である。
  5. Someday Somewhere
    • 作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ ボーカル:財津和夫
    • ライブでは安部のギターソロやコーラスワークなど、聴き所に溢れていた。失恋した幼なじみの友人の話を聞くという、異色のクリスマスソングである。

クレジット[編集]

SHOO KUSANO- SHINKO PRODUCTIONS

SUPERVISION- SHIRO NISHIDA

ALL SONGS COMPOSED, ARRANGED, PLAYED BY TULIP

RECORDING PRODUCER- KAZUNAGA NITTA

RECORDING DIRECTOR- KEIICHI YONEDA

RECORDING ENGINEER- TAKESHI ITOH

ASSISTANT- KOUSEI FUJITA, KOUJI NODA

INSTRUMENTS ENGINEER- SHINICHI ABE, AKIHIKO FURUTA, MASAHIRO SATOH

ALBUM ART DIRECTION- TAKUYA ONO

ALBUM DESIGN- TOSHIO MATSUMOTO, NORIO MATSUSHITA

PHOTOGRAPHY- KENJI TAGUCHI

ASSISTANT- SEIJI OTSUKA, SHINJI TAGUCHI

STRINGS ARRANGE (Moring Side- 1, Noon Side- 5)- NOZOMI AOKI

MANAGEMENT- SHUNJI UENO


Recorded at Toshiba EMI, ROCKWELL Studio, ONKIO HAUS, MEDIA Studio


I dedicate this record to the Marine Corps.

脚注[編集]

註釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 『TULIP Anthology1〜Rare Tracks〜』ライナーノーツの解説より。
  2. ^ チューリップ/Someday Somewhere”. tower.jp. 2022年4月19日閲覧。