Simutrans

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Simutrans logo.png
Simutrans Transport Simulator
ジャンル 経営シミュレーションゲーム
対応機種 BeOS, Linux, Mac OS X, Windows,iPhone,iPod touch(iPhone,iPodtouchは非公式)
開発元 Hansjörg Malthaner (-2004)
Markus Pristovsek "Prissi" (現在)
ライセンス Artistic License 1.0
人数 1人、複数人
メディア ダウンロード
最新版 112.3/ 2013年05月24日(13か月前) (2013-05-24
その他 Simutrans Official Website
テンプレートを表示
Simutrans 101 map

Simutransシムトランス)はフリーオープンソースシミュレーションゲームWindowsBeOSLinux用に開発されている、各種交通機関を運営し安定した経営を目指すことを目標とする経営シミュレーションゲームである。

ハンスイゥルク・マルトハナー (Hansjörg Malthaner 愛称: Hajo) によって1997年より製作が始まった。マルトハナーが退いた2004年12月以降は、マルクス・プリストフゼク (Markus Pristovsek 愛称: prissi) を中心とする開発チームがプログラムを引き継いでいる。さまざまな新機能の追加やバグフィックスを精力的に行っており、更新版が頻繁にリリースされる。漢字入力や地下スロープツール(後述)は彼の功績である。以下に述べるように翻訳やアドオン、シナリオは、ユーザーも作成したり開発に参加することができる。

概要[編集]

太陽光発電所
建物
列車 (pak64)

プレイヤーはゲーム開始時にマップを作成し、町や工場の需要に応じた各種交通機関を建設して、旅客や貨物を輸送し、利益を得ていく。MicroProseより発売されたトランスポートタイクーンに似ている。マップ作成時には起伏や街の数などの様々な設定を変更できるため、自分好みのマップを作成することができる。

ゲーム内で使用できる交通機関には、鉄道路面電車モノレールリニアモーターカー新交通システム自動車船舶飛行機がある。旅客貨物郵便を輸送することができ、その収入によって利益を得ることができる。ただ、闇雲に建設していけばよいわけではなく、黒字となるように建設、運営していかなければならない。赤字が3ヶ月以上続くと破産してしまう(フリープレイモードではない場合)。

ある程度年月や季節が実装され、指定された年月になると新しい乗り物が登場する。また、冬になれば雪景色も楽しむことができる。ただし、年月を無効に設定した場合と、アドオン側で登場年月を指定していない場合については最初から登場する。収入はその時点で利用可能な車両によって決定するため、古い車両のまま運行していると収入が減ってしまうという仕組みである。

プレイヤーカラー(車両の色に反映される)によって分けられた11個までのコンピュータプレイヤーと競うことができるが、AIはまだ発展途上である。このため、SNSサービスなどの普及によってNetSimutransを始めとするプレイヤー同士で対戦するイベントが頻繁におこなわれるようになった。プレイヤーカラーは30種類から選択でき、configからRGBで指定することも可能である。

決まったマップで一定の条件を達成するとクリアとなる、シナリオを指定してプレイすることも可能である。シナリオはフレームワークが用意され、Squirrelで記述されている。

バージョン110.0からはネットワーク機能が搭載され、オフラインにある一部の機能が制限されるがオンラインでの共同プレイが可能となった。

Simutransは多言語化されており、現在世界約15言語に翻訳されている。最近はUnicodeの対応によって漢字の表示もできるようになり、完璧な日本語化が可能となった。古いバージョンでは別途日本語化ファイルが必要なものもある。日本語に関しては、ゲームの基本的な部分はほぼ完全に翻訳されているが、ゲーム内の一つ一つの建物に関するユーモアあふれる逸話の翻訳はまだ完成していない。SimuTranslator と呼ばれるPHPを利用したウェブサイト上でゲーム内に登場するほぼ全てのテキストが編集可能で、アカウントを取得すれば誰もが翻訳作業に参加できる。

SimutransはHansjörg Malthanerによって作られたが、これはオープンなプロジェクトである。たとえば、様々なプログラマがバグ修正や新機能追加を手伝っている。全てのプレイヤーはバグの報告やアドオン(これを入れるとゲーム内に好きな乗り物や建物を追加できる。国内の鉄道車両は90%以上が網羅されている。さらに現時点でも増加)の製作を通して、ゲームの開発に貢献することが可能である。これによって、このゲームは世界中の輸送シミュレーションゲームプレイヤーの間に広まった。

Simutransの種類[編集]

実行ファイル (native) の種類[編集]

Simutransの実行ファイル (native) にはナイトリー版と安定版がある。

ナイトリー版は、日々行われる新機能の実装やバグの修正などを反映したバージョンで、ほぼ毎日更新される。新機能の実装に伴い、未知のバグがある可能性がある。プレイしている途中にエラーを起こすこともあるが、新機能をプレイしたいという人は、ナイトリー版を選ぶと良い。 以前は開発版と呼ばれ、新機能の実装が多かったが、最近ではバグフィックスなども行われている。 そのため安定版の動作が不安定な場合に、そのバージョンと近いリビジョンのナイトリー版が代わりに使われることもある。

安定版はナイトリー版の中で比較的バグが少ないとされたバージョンのことで、2014年7月8日現在は112.3が安定版とされている。初めてプレイする場合や、新機能が無くともエラーが出ない方がよい人は、この安定版を選ぶと良い。 しかし極希に深刻なバグが放置されたままという事もあったため、必ずしも動作が安定している意味合いでの安定版というわけではない。

基本的な交通機関[編集]

鉄道[編集]

 これが一番基本的な交通機関である。現実とは違って旅客、貨物輸送どちらでも基本的には花形となる交通機関である。アドオンは、最も基本的なもののため今では膨大にあり、それを駆使して現実の配線のようにつくるプレイヤーも居る。似たようなものにトラム・軽便鉄道があり、こちらは道路の上に軌道を敷く事ができる。

自動車[編集]

 市街地の旅客輸送に一番使われる手段。また、鉄道では運べない貨物を運ぶのに使われる。アドオンの総数は、鉄道に続いて二番目に多い。 鉄道のように信号を敷設することも無く、そのため柔軟性が高い。また、その柔軟性を活かすために高速道路を作る人もいる。

[編集]

 マップによっては水郷地帯のように湖沼が多くを占めるマップもあるため、場合によってはかなり多用される交通機関である。 青函連絡船やジェットフォイルなどのアドオンがある。

航空機[編集]

 速度が最速で搭乗人員も比較的多いが、運航コストが非常に高いため、初心者には扱いにくい交通機関である。 それを逆用して縛りとして使うプレイヤーも数は少ないが居るようである。

スロープツール[編集]

本来交通機関ではないが結構使うため記載しておく。これは簡単にいえば整地である。しかし隣接した土地より二段以上高低差が付けられない。地下スロープとは、線路や道を引いた後スロープ(直方体がある二つ)を使うことで、銀座線赤坂見附駅のように地下で高さを変えられるという物。

アドオン[編集]

このゲームでは、建物や乗り物、産業など様々なアドオンが組み込まれている。Webサイトには様々な種類のアドオンが公開され、自分の好きなアドオンをダウンロード、追加することが可能である。プレイヤーが管理するアドオン投稿専用のWebサイトもある。
Simutransにおいて、アドオンなどのすべての画像を含むデータはすべて.pakという拡張子のファイルで管理されている。このことから一部のプレイヤーはアドオンのことをpakpakファイルなどと呼ぶ。
また、テキストエディタで性能を組み、ペイントソフトpng形式の画像を作ることでどんなものでもアドオンにすることができる。また、各アドオンは新しく作られたものでも日本語訳を作成できる。

公開されてるアドオンの例[編集]

pakセット[編集]

ゲームをインストールする際、nativeのほか、アドオンファイル (pakセット) をダウンロード・インストールしなければならない(詳しくはインストール方法参照)。pakセットには、画像のサイズの違いによる種類がある。主なpakセットとして、pak64とpak128があげられる。pak64版よりpak128版の方が画像が大きく、車両や建物がよりリアルに描かれている。 pak64版は、simutransの最も基本的なpakセットであり、現在発売されているパソコンであれば十分動作する。pak128版は、pak64版に比べてパソコンが高性能である必要があるが、2000年以降のミドルエンド性能のパソコンであればpak128版はほぼ十分動作する。また、両方のpakを導入することも可能で、導入した場合、pakファイルが検索され起動時に選べるようになる。

pak128版の方がゲームバランスがシビアであるため、初めてプレイする場合はpak64版を選ぶと良い。Ver99以降では、pak64版のゲームバランスもある程度の変更がなされたため、違いは画像のサイズが主となった。最近のバージョンでは初心者モードが搭載され、初心者でも黒字になりやすくなった。

pak128版は64版よりも後に作られたが、64版には無いアドオンが作られるようになった。 他にも32、48、96等の独自のpakが作られ、Sourceforgeから入手することができる。

なお、これらの数字は、アドオンを作成する

pakセット一覧[編集]

太字は現在特に日本のプレイヤー数が多いpakである。

32サイズ[編集]

  • pak32.comic
漫画のようなグラフィック

48サイズ[編集]

  • pak48.Excentrique
近未来的なデザイン

64サイズ[編集]

  • pak64
公式pakセット。公開されてるアドオンの数が豊富。基本的なpakセットである。
  • pak.japan
日本の車両や建物が多く、生産量が少ない。海外のプレイヤーが作成。
  • pakHajo Evolution
Ver88.xxの車両や建物をリバイバル公開したもの。
  • pak64.ho-scale
pak64よりも少し車両が大きい。
  • pak.german
ドイツ車両建物が多い。
  • Pak Contrast
を基調とした車両や建物。
  • pakAbo
開発終了。
追加アドオンセット[編集]

64サイズのpakセットは、公式サイトから産業などのセットが配布されており、それを自由に導入することができる。
単体では動作しないので、必ず上の基本セットを導入する必要がある。以下のふたつは代表的な追加アドオンである。

food64pak(食料生産パック)
パンや缶詰など食料品を原料から生産・加工・販売する産業チェーンを追加するアドオン。
waste64pak(ごみ処理パック)
都市・町からゴミ焼却施設へゴミを輸送する産業チェーンを追加するアドオン。
デフォルトで同梱されている。(旧来のpak64では追加されていない。)

96サイズ[編集]

  • pak96.comic
漫画を基調とした車両や建物。

128サイズ[編集]

  • pak128
グラフィックが細かく、ゲームバランスが厳しい。pak64とともに基本的なpakセットである。
  • PAK128.german
pak64germanを128版に移植したもの。
  • pak128.Britain
イギリスの車両や建物が多い。
  • pak128.japan
pak128よりも車両が大きい。日本の車両や建物が多い。64のpak.japanとは違い、こちらは日本のユーザーによって開発されているpakセットである。

192サイズ[編集]

  • pak192.comic
現時点で公式からリリースされている最も画像の大きさが大きいpakセット。


日本でのSimutrans[編集]

日本ではSimutransが広まり始めてからある程度の年数が経ち、ほぼ全てのテキストが日本語に翻訳された。しかし操作が複雑であったり、システムが異なったりと知名度は他の経営シミュレーションゲームよりも低いという現状である。
しかし解説は日本語化Wikiでかなり網羅されており、アドオンもそのサイトでかなりの数を無料で入手することができる。前述のとおり、近年プレイヤーによってアドオン投稿専用のサイトが開設された。また、2012年以降ニコニコ動画やTwitterなどの動画共有サイト・SNSを利用して、自分のマップをプレイ・解説する動画を公開している人も多い。

日本での主なイベント[編集]

NetSimutrans

Simutransのネットワークゲーム機能を利用した複数人プレイ。 他社の競合路線と乗客の奪い合いをしたり、直通運転を行い協力したりと、一人ではできないことが楽しめる。すべて思い通りにいかないこともあり、一人でのプレイとはまた違ったおもしろさがある。 Twitterで参加者を募ることが多い。

対戦型Simutrans(Battle Simutrans)

NetSimutransと同じように複数人が参加する。NetSimutransとは違いセーブデータをやりとりして遊ぶイベント。決められた一定の期間プレイし、そのデータを次の人へ渡して進めていく。 最近ではNetSimutransに取って代わられている。

Simutrans セーブデータ審査会

決められたマップでプレイし、そのセーブデータを審査、投票してもらうイベント。 似たようなものにスクリーンショットコンテストが存在する。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]