Simutrans

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Simutrans Transport Simulator
ジャンル 経営シミュレーションゲーム
対応機種 BeOS, Linux, Mac OS X, Windows,iPhone,iPod touch(iPhone,iPodtouchは非公式)
開発元 Hansjörg Malthaner (-2004)
Markus Pristovsek "Prissi" (現在)
ライセンス Artistic License 2.0
人数 1人、複数人
メディア ダウンロード
最新版 112.3/ 2013年05月24日(15か月前) (2013-05-24
その他 Simutrans Official Website
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Simutrans 101 map

Simutransシムトランス)はフリーオープンソースシミュレーションゲームWindowsBeOSLinux用に開発されている、各種交通機関を運営し安定した経営を目指すことを目標とする経営シミュレーションゲームである。

ハンスイゥルク・マルトハナー (Hansjörg Malthaner 愛称: Hajo) によって1997年より製作が始まった。マルトハナーが退いた2004年12月以降は、マルクス・プリストフゼク (Markus Pristovsek 愛称: prissi) を中心とする開発チームがプログラムを引き継いでいる。さまざまな新機能の追加やバグフィックスを精力的に行っており、更新版が頻繁にリリースされる。漢字入力や地下スロープツール(後述)は彼の功績である。以下に述べるように翻訳やアドオン、シナリオは、ユーザーも作成したり開発に参加することができる。

概要[編集]

太陽光発電所
建物
列車 (pak64)

プレイヤーはゲーム開始時にマップを作成し、町や工場の需要に応じた各種交通機関を建設して、旅客や貨物を輸送し、利益を得ていく。MicroProseより発売されたトランスポートタイクーンに似ている。マップ作成時には起伏や街の数などの様々な設定を変更できるため、自分好みのマップを作成することができる。

ゲーム内で使用できる交通機関には、鉄道路面電車モノレールリニアモーターカー新交通システム自動車船舶飛行機がある。旅客貨物郵便を輸送することができ、その収入によって利益を得ることができる。ただ、闇雲に建設していけばよいわけではなく、黒字となるように建設、運営していかなければならない。赤字が3ヶ月以上続くと破産してしまう(フリープレイモードではない場合)。

ある程度年月や季節が実装され、指定された年月になると新しい乗り物が登場する。また、冬になれば雪景色も楽しむことができる。ただし、年月を無効に設定した場合と、アドオン側で登場年月を指定していない場合については最初から登場する。収入はその時点で利用可能な車両によって決定するため、古い車両のまま運行していると収入が減ってしまうという仕組みである。

プレイヤーカラー(車両の色に反映される)によって分けられた11個までのコンピュータプレイヤーと競うことができるが、AIはまだ発展途上である。プレイヤーカラーは30種類から選択でき、configからRGBで指定することも可能である。

決まったマップで一定の条件を達成するとクリアとなる、シナリオを指定してプレイすることも可能である。シナリオはフレームワークが用意され、Squirrelで記述されている。

バージョン110.0からはネットワーク機能が搭載され、オフラインにある一部の機能が制限されるがオンラインでの共同プレイが可能となった。

Simutransは多言語化されており、現在世界約15言語に翻訳されている。最近はUnicodeの対応によって漢字の表示もできるようになり、完璧な日本語化が可能となった。古いバージョンでは別途日本語化ファイルが必要なものもある。日本語に関しては、ゲームの基本的な部分はほぼ完全に翻訳されているが、ゲーム内の一つ一つの建物に関するユーモアあふれる逸話の翻訳はまだ完成していない。SimuTranslator と呼ばれるPHPを利用したウェブサイト上でゲーム内に登場するほぼ全てのテキストが編集可能で、アカウントを取得すれば誰もが翻訳作業に参加できる。

SimutransはHansjörg Malthanerによって作られたが、これはオープンなプロジェクトである。たとえば、様々なプログラマがバグ修正や新機能追加を手伝っている。全てのプレイヤーはバグの報告やアドオン(これを入れるとゲーム内に好きな乗り物や建物を追加できる。国内の鉄道車両は90%以上が網羅されている)の製作を通して、ゲームの開発に貢献することが可能である。これによって、このゲームは世界中の輸送シミュレーションゲームプレイヤーの間に広まった。

Simutransの種類[編集]

実行ファイル (native) の種類[編集]

Simutransの実行ファイル (native) にはナイトリー版と安定版がある。

ナイトリー版は、日々行われる新機能の実装やバグの修正などを反映したバージョンで、ほぼ毎日更新される。新機能の実装に伴い、未知のバグがある可能性がある。プレイしている途中にエラーを起こすこともあるが、新機能をプレイしたいという人は、ナイトリー版を選ぶと良い。 以前は開発版と呼ばれ、新機能や試作的要素の実装が多かったが、最近ではバグフィックスなども頻繁に行われている。 そのため安定版の動作が不安定な場合に、そのバージョンと近いリビジョンのナイトリー版が代わりに使われることもある。

安定版はナイトリー版の中で比較的バグが少ないとされたバージョンのことで、2014年8月14日現在は112.3が安定版とされている。初めてプレイする場合や、新機能が無くともエラーが出ない方がよい人は、この安定版を選ぶと良い。 稀に深刻なバグが放置されたままという事もあったため、必ずしも動作が安定している意味合いでの安定版というわけではない。 また、安定版のリリースがなされる間隔が長いことが多く、慣れた人であればナイトリー版を主として使う人も多い。

インストール方法[編集]

このゲームは種類が多いため、ダウンロード・インストール方法が他のゲームと比べ、かなり複雑である。 まず公式サイトから使用するパソコンの種類に応じて実行ファイル (native) を選び、それから好みのパックセット(pakset) を選ぶ。 それからそれぞれをダウンロード・展開をするのだが、パックセットを配置する場所は注意しなければならない。実行ファイルを展開したフォルダの中にあるSimutransという名前のフォルダの中 (Simutransのアイコンがある。) にパックセットのフォルダ(フォルダ名はpak64ならpak,pak128ならpak128など)を入れる。パックセットが無い場合、ゲームを起動することができない。詳しくはsimutrans日本語化・解説のインストールを参照すると良い。

基本的な交通機関[編集]

①鉄道 一番基本的な交通機関である。現実とは違って旅客、貨物輸送どちらを取っても基本的には花形となる交通機関である。熟練のプレイヤーであれば現実の配線を組み、現実のようにプレイすることがある。 アドオンの数は64版、128版両方とも非常に多く、実在車両以外に過去に存在した車両や、実在しない、架空の車両を作る人も存在する。 似たようなものにトラム・軽便鉄道があり、こちらは道路の上に軌道を敷く事ができる。

②自動車 市街地の旅客輸送に一番使われる手段。鉄道よりも小回りが効き、輸送量もほどほどあることから鉄道の次に良く使われている交通機関である。 利用の頻度と比例するように、アドオンの数も鉄道ほどではないが多い。 鉄道のように信号を敷設することも無く、そのため柔軟性が高い。また、その柔軟性をより活かすために高速道路を作る人もいる。

③船 シナリオやマップによっては水郷地帯のように湖沼が多くを占めるマップで主に使われる交通機関である。 鉄道や自動車ほどではないが、特徴が非常に分かりやすく、サイズによる制限を受けにくいことから航空機と併せて精密なアドオンが作られることが多い。 青函連絡船やジェットフォイルなどのアドオンが存在する。

④航空機 速度が他の交通機関を差し置いて最も速く、輸送できる量も多い。 ただし運航していくためのコストや購入費がその分高く、上手く使いこなすのには時間やある程度の知識が必要となっている。 64版のパックセットには飛行船も入っており、空を飛ぶものであれば船と同様にほとんど制約がない。

(スロープツール)本来交通機関ではないが結構使うため記載する。いわゆる整地や山を作るためのツールであり、盛り土などで線路や道路を立体交差させる時に使う。 しかし隣接した土地より二段以上高低差が付けられないなどの制約が存在する。 地下スロープと呼ばれる地下の線路や道路の高さを変える機能を併せ持っており、銀座線赤坂見附駅のように地下で高さを変えつつ立体交差をさせることも可能となっている。

アドオン[編集]

このゲームで最も重要な存在となっているのがアドオン(addon)と呼ばれる追加データである。 性能データ(datファイル)と画像データ(pngファイル)を作ることでアドオンを作ることができ、製作もペイントソフトとメモ帳から行うことができる。 また、Webサイトなどで公開されているアドオンをダウンロードし、自分で追加することも可能となっている。 アドオンを集めて一つのセットにしたのがパックセットと呼ばれるものとなっている。

パックセット (pak) の種類[編集]

ゲームをインストールする際、nativeのほか、パックセット (pak) をダウンロード・インストールしなければならない(詳しくはインストール方法参照)。パックセットには、画像のサイズの違いによる種類がある。主なパックセットとして、pak64とpak128があげられる。pak64版よりpak128版の方が画像が大きく、車両や建物がよりリアルに描かれている。 pak64版はsimutransにおいて最も基本的なパックセットとなっており、最低でもWindows95から起動することが可能となっている。その軽さがゆえにユーザが非常に多い。 pak128版はpak64にはない、高精密なグラフィックが特徴で、pak128から始めるユーザも多い。

pak128版はpak64版と比べ、ゲームバランスが比較的厳しいため、できればpak64版から始めることを望ましいとされている。 Ver99以降ではpak64に対してもゲームバランスがある程度の変更がなされたため、現在ではpak128とpak64の間に大きな違いはない。

近年では初心者モードと呼ばれる初心者向けにゲームバランスを調整する機能が標準で搭載されており、知識が全くない場合でも楽しめるような配慮がなされている。 また、pak128版とpak64版では各々にのみ存在する車両や、その作者ごとの違いがあることからその違いを楽しむユーザも存在する。

上記で紹介した以外にも32、48、96等の特徴のあるパックセットが作られ、主にSourceforgeから入手することができる。

追加アドオンセット[編集]

公式サイトから産業などの追加アドオンセットが配布されており、それを自由に導入することもできる。単体では動作しないため、必ず基本セットを導入する必要がある。 以下の3つは代表的な追加アドオンである

food64pak(食料生産パック)
パンや缶詰などの食料品を原料から生産・加工・販売する産業チェーンを追加するアドオン。
waste64pak(ごみ処理パック)
都市・町からゴミ焼却施設へゴミを輸送する産業チェーンを追加するアドオン。
最近のバージョンではデフォルトで同梱されている。
pak.japan(日本パック)
車両や建物などが日本風にアレンジされるパックセット。正確には追加アドオンではなく、pak64やpak128とは別個に存在するパックセットである。日本で公開され、最適化されたアドオンを一部含み、アドオン導入によるリスクを回避した上で日本風にしたい場合に最適。ただ、「油田」など一部産業施設のサイズ・性能が変わるなど、プレイ感も若干変化する。128版も存在するが、pak.japanとはまたひと味違ったグラフィックやゲームバランスとなっている。

pakセット一覧[編集]

ここではsimutrans日本語化・Pakセットに書かれているpakセットを紹介する。

pak32
pak32.comic
漫画のようなグラフィック
pak48
pak48.Excentrique
他とは全く異なる、近未来を主体としたパックセット。
pak64
pak(pak64)
simutrans公開時から存在する公式パックセット。アドオンの数が最も豊富。
pakHajo
Ver88.xxの車両や建物をリバイバル公開したもの。
pak.german
ドイツをテーマとしたパックセット。
simutransの鉄道アドオンでは最速の500km/hを出すことができる。
pak.japan
日本の車両や建物が多く、生産量が少ない。
pak64.ho-scale
pak64よりも一回り大きい車両や線路。
Pak Contrast
を基調とした車両や建物。
pakJL
pak64の線路や建物はそのままに、車両のみを大きくしたパックセット。
軽便鉄道の車両が特徴で、1980年代の日本を彷彿とさせる内容となっている。
pak.nippon
pak.japanから更に日本風を目指したパックセット。
車両が同梱されていないため、自分で追加する必要がある。
また、ナイトリー版のみに対応しているため、現状では導入は自己責任となっている。
現在開発中。
pak96
pak96.comic
漫画を基調とした車両や建物。
pak128
pak128
グラフィックが細かく、ゲームバランスが厳しい。pak64とともにsimutransの双璧を成すパックセット。
PAK128.german
pak64.germanと同じく、ドイツをテーマとしたパックセット。
pak128.Britain
イギリスをテーマとしたパックセット。
pak128.japan
pak128よりも車両が大きい。日本の車両や建物が多い。
日本ではpak64、pak128に次いで第三にユーザの数が多い。
pak192
pak192.comic
現時点で公式からリリースされている最も画像の大きさが大きいpakセット。


日本でのSimutrans[編集]

日本ではSimutransが広まり始めてからある程度の年数が経ち、ほぼ全てのテキストが日本語に翻訳された。しかし操作が複雑であったり、システムが異なったりと知名度は他の経営シミュレーションゲームよりも低いという現状である。しかし解説は日本語化Wikiでかなり網羅されており、アドオンもそのサイトでかなりの数を入手することができる。また、2012年以降ニコニコ動画やTwitterなどの動画共有サイト・SNSを利用して、自分のマップをプレイ・解説する動画を公開している人も多い。

日本での主なイベント[編集]

対戦型Simutrans(Battle Simutrans)

複数人が参加し、セーブデータをやりとりして遊ぶイベント。

決められた一定の期間プレイし、そのデータを次の人へ渡して進めていく。他社の競合路線と乗客の奪い合いをしたり、直通運転を行い協力したりと、一人ではできないことが楽しめる。 オフラインでの個人プレイとは全く性質が異なっているため、こちらを主としてプレイしている人も多い。 最近ではNet Simutransに取って代わられつつある。

Simutrans セーブデータ審査会

決められたマップでプレイし、そのセーブデータを審査、投票してもらうイベント。 似たようなものにスクリーンショットコンテストが存在する。

Net Simutrans

Simutransのネットワークゲーム機能を利用した複数人プレイ。近年ではTwitterで参加者を募ることが多い。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]