SONG IS LOVE

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SONG IS LOVE
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
録音
  • 1976年8月15日 – 9月2日 (1976-08-15 – 1976-09-02)
  • ROCKWELL KITCHEN in Hakone
ジャンル
レーベル EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI
プロデュース
チャート最高順位
  • 34位(オリコン)
  • 登場回数10回(オリコン)
オフ・コース アルバム 年表
  • SONG IS LOVE
  • (1976年 (1976)
『SONG IS LOVE』収録のシングル
  1. ひとりで生きてゆければ ⁄ あいつの残したものは
    リリース: 1976年5月5日 (1976-05-05)
  2. めぐる季節 ⁄ ランナウェイ
    リリース: 1976年10月5日 (1976-10-05)
  3. こころは気紛れ ⁄ あなたがいれば
    リリース: 1977年2月5日 (1977-02-05)
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SONG IS LOVE』(ソング・イズ・ラヴ)は、1976年11月5日に発売されたオフコース(当時の表記はオフ・コース)通算4作目のオリジナル・アルバム

解説[編集]

かつて武藤敏史がディレクターを担当していた経緯から、ザ・ジャネットの元メンバー大間ジロー松尾一彦が初参加[注釈 1]、箱根ロックウェル・キッチンにて合宿によるレコーディングが行われた。また、「オフコースはオフコース自身にプロデュースさせる」という武藤の方針により、小田和正鈴木康博の2人がはじめてプロデュースも手がけた。このアルバムについて武藤は「『ワインの匂い[注釈 2]が仕事(音楽)で一所懸命格闘したものであれば、『SONG IS LOVE』は人間的に彼らといろいろ格闘した、という感じがする。とにかく一日中一緒に過ごし、夜になると毎晩のように酒を酌み交わしながら、音楽の話はもとより、様々な話をする。こうしてメンバーの人間的な面に深く触れ合うことができたのは、僕にとっても実に貴重な体験であった」と後のインタビューでこのように語り、「この時期以降、僕もメンバー同様オフコースの一員として、オフコースの音楽に深くのめりこんでしまったと言えそうだ」と当時を振り返っていた。なお、清水仁はこの頃既にサポートメンバーとしてオフコースのライブに参加していたが、当時彼の所属していたザ・バッド・ボーイズの契約上の理由から演奏ではレコーディングに参加していない。代わりにベースを担当したのは、小田が「テクニックだけなら仁でなく彼を選んでいた」と評した小泉良司。

A-6「青春」はライブ・アルバム『秋ゆく街で / オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート[注釈 3]に収録されていたが、このアルバムへの収録に際し、歌詞を一部書き換えている。また、後に鈴木が『BeSide[注釈 4]と『FORWARD[注釈 5]でセルフカヴァーした。

B-6「歌を捧げて」のあとに続いて収録されている1分ほどのアウトロは、次作『JUNKTION[注釈 6]のA-1「INVITATION」にイントロとして採用されている。本作では小田のソロ、次作では小田と鈴木が交互に歌っている。また、「歌を捧げて」は後にハイ・ファイ・セットによってカヴァーされたが、この曲は「赤い鳥」とのジョイントで、ボーカル山本潤子のために書かれたもの。当時も、ハイ・ファイ・セットのアルバム「閃光」収録時も、一番の歌詞だけしかなかった。2000年に小田が八景島シーパラダイスで「カウントダウン・コンサート」を開催した際、ゲストの山本潤子とこの曲をデュエットすることになり、急遽リハーサルの際に二番の歌詞を書いた。

このアルバムにはオフコースとしては珍しく、“僕”の一人称を使用した曲が収録されていない。

このアルバム以降、『FAIRWAY[注釈 7]まで小田はフルートも演奏している。当時、新しい音の広がりを模索していた小田と鈴木は、小学生の頃習っていたバイオリンも候補に挙がったが、「それじゃオダじゃなくサダになる」と小田が嫌がり、代わっていつの間にかフルートをマスターしてきたので驚いたと、ライブのMCで鈴木が語っている。なお、小田自身は「フルートもピアノも独学」とギターブックでのファンからの質問への回答で語っている[注釈 8]

このアルバムからグラフィック・デザインを木暮溢世が手がけるようになり、ロゴが“SONG IS LOVE”を併せたデザインに統一された。このロゴは「風に吹かれて[注釈 9]までのすべてのアルバムとシングルに継続使用された。

この年、それまで所属していたサブ・ミュージックから独立し、自らのオフィスであるオフコース・カンパニーを設立。また、小田は早稲田大学大学院を卒業、プロのミュージシャンとして活動していくことを決断した。そして、このアルバムに参加していた大間、松尾に加えて、アルバムリリース直後の全国ツアーから清水も正式にサポートメンバーに参加。3人が正式にメンバーとなるのは3年後の1979年からだが、事実上、この年からオフコースは2人組から5人組のバンドへと変わっていく事になる。

収録曲[編集]

SIDE A[編集]

  1. ランナウェイ (4'18")
    鈴木康博  作詞・作曲
  2. ピロートーク (3'44")
    鈴木康博  作詞・作曲
  3. こころは気紛れ (3'52")
    小田和正  作詞・作曲
  4. ひとりで生きてゆければ (3'43")
    小田和正  作詞・作曲
  5. ひとりよがり (1'38")
    鈴木康博  作詞・作曲
  6. 青春 (3'25")
    鈴木康博  作詞・作曲

SIDE B[編集]

  1. めぐる季節 (3'55")
    小田和正  作詞・作曲
  2. おもい違い (3'48")
    鈴木康博  作詞・作曲
  3. 青空と人生と (3'13")
    小田和正  作詞・作曲
  4. 恋はさりげなく (2'48")
    鈴木康博  作詞・作曲
  5. 冬が来るまえに (5'47")
    小田和正  作詞・作曲
  6. 歌を捧げて (3'14")
    小田和正  作詞・作曲
歌・編曲 : オフ・コース

クレジット[編集]

スタッフ[編集]

Keyboards & Flute
KAZUMASA ODA
Guitars & Drums
YASUHIRO SUZUKI
Drums & Percussions
HITOSE “Jiro” OMA
Electric Bass & Percussions
RYOJI KOIZUMI
Harmonica & Guitars
KAZUHIKO MATSUO
 
Produced by
TOSHIFUMI MUTOH
KAZUMASA ODA, YASUHIRO SUZUKI
Arranged by
OFF COURSE
Engineer
KENJI MURATA, RYOJI HACHIYA
MASAKAZU KAWAMURA, KENICHI YAMAGUCHI, YOSHIO OKAZAKI
Graphic Concept, Design & Photography
ISSEY KOGURE
 
Recorded at ROCKWELL KITCHEN in Hakone
from August 15 to September 2,1976.
Remixed at TOSHIBA EMI STUDIO 1.
Thanks to JIN TERADA (ROCKWELL KITCHEN)

TOCT-25635, TOCT-95035[編集]

SONG IS LOVE
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
録音
  • 1976年8月15日 – 9月2日 (1976-08-15 – 1976-09-02)
  • ROCKWELL KITCHEN in Hakone
ジャンル
時間
プロデュース
EANコード
EAN 4988006195950 (TOCT-25635)
EAN 4988006218406 (TOCT-95035)
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解説[編集]

2005年、レコード・デビュー35周年にあわせ“オリジナル・アルバム15タイトル紙ジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍中のオリジナル作品がリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁を復刻した紙ジャケット仕様にてリリースされた。2009年にはSHM-CDフォーマット、通常のプラ・ケース仕様で再発された。

収録曲[編集]

  1. ランナウェイ
  2. ピロートーク
  3. こころは気紛れ
  4. ひとりで生きてゆければ
  5. ひとりよがり
  6. 青春
  7. めぐる季節
  8. おもい違い
  9. 青空と人生と
  10. 恋はさりげなく
  11. 冬が来るまえに
  12. 歌を捧げて

クレジット[編集]

  • リマスタリング・エンジニア:行方洋一
  • ジャケット資料協力:喜多雅美 (サウンドステーション)
  • ライナーノーツ:田家秀樹

リリース履歴[編集]

# 発売日 リリース 規格 品番 備考
1 1976年11月5日 (1976-11-05) エキスプレス ⁄ 東芝EMI LP ETP-72212  
2 1979年 (1979) CT ZT25-322  
3 1983年11月21日 (1983-11-21) CD CA35-1041 初CD化(以降全てアーティスト非監修による再発)。
4 1985年9月28日 (1985-09-28) CD CA32-1159 品番および価格改定。
5 1987年7月5日 (1987-07-05) CD CA25-1484 オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)の中の1枚。
CT ZH22-1854 オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12本組カセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)の中の1本。
6 1991年6月7日 (1991-06-07) CD TOCT-6204  
7 1992年6月24日 (1992-06-24) CD TOCT-6563 音蔵シリーズでの再発。
8 1998年2月25日 (1998-02-25) CD TOCT-10087 Q盤シリーズでの再発。
9 1998年11月18日 (1998-11-18) CD TOCT-10545 オリジナル・アルバム+ライブ・アルバム全13タイトルの14枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)の中の1枚。
10 2001年9月7日 (2001-09-07) CD TOCT-10775 スーパーリマスタリングシリーズでの再発。
11 2005年3月24日 (2005-03-24) CD TOCT-25635 紙ジャケット仕様。24ビット・デジタル・リマスタリング音源による再発。
12 2009年1月21日 (2009-01-21) エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン SHM-CD TOCT-95035  

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 松尾はハーモニカで4曲にのみ参加。
  2. ^ ワインの匂い1975年12月20日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72123
  3. ^ 秋ゆく街で / オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート1974年12月20日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72024
  4. ^ BeSide1996年10月23日発売 ZIG ZAG ⁄ BMG VICTOR CD:BVCR-772
  5. ^ FORWARD2004年12月8日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI CD:TOCT-25563
  6. ^ JUNKTION1977年9月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-72269
  7. ^ FAIRWAY1978年10月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-80040
  8. ^ 小田が初めて人前でフルートを披露したのは高校2年生の時のクリスマス・パーティー。
  9. ^ 風に吹かれて1979年6月5日発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI EP:ETP-10583

出典[編集]

  1. ^ 【CD】SONG IS LOVE<初回生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。
  2. ^ 【SHM-CD】SONG IS LOVE<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。

外部リンク[編集]

音楽配信サイト[編集]

ハイレゾ配信[編集]