SEVENTH HEAVEN (BUCK-TICKのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
SEVENTH HEAVEN
BUCK-TICKスタジオ・アルバム
リリース 1988年6月21日
録音 1988年2月13日 - 3月11日[1]
Onkio Haus
Sound Atelie
ジャンル ロック
時間 40分35秒
レーベル ビクター音楽産業Invitation
プロデュース BUCK-TICK
チャート最高順位
  • 3位(オリコン
  • 1位(オリコンLPチャート)
ゴールド等認定
BUCK-TICK 年表
ROMANESQUE
1988年
SEVENTH HEAVEN
(1988年)
TABOO
1989年
テンプレートを表示

SEVENTH HEAVEN』(セブンス・ヘヴン)は、日本ロックバンドであるBUCK-TICKの2枚目のオリジナルアルバム、およびアルバムの10曲目に収録されている楽曲である。

アルバムは1988年6月21日ビクターインビテーションよりリリースされた。アナログ盤の初回限定版は、ブックレット付のボックス仕様となっている。

解説[編集]

ボーカル桜井敦司作詞が増えたことによりエロスなど破滅的なテーマの曲が増えた。ギターの今井寿は「過剰なポップ性」を本作で目指していたが、桜井から「もっとダークにしたい」との要望があり、「PHYSICAL NEUROSE」のように極端にポップな曲と「VICTIMS OF LOVE」のような暗い曲が混在する結果となった[2]

後のインタビューでは「忙しすぎてレコーディングの記憶が無い」と語るほど、この頃メンバーのスケジュールは多忙を極めていた。にも関わらず、本作ではインディーズ時代からあった曲は「…IN HEAVEN…」と「SEVENTH HEAVEN」の元となった曲のみで、他は全て新曲であった[1]。そのため、今井は1日に1曲を書かなければ間に合わない、リハーサルは3時間、当日にスタジオで曲を合わせる、という状態であった。ドラムスヤガミトールは歌メロやどんな曲かも知らない状態でレコーディングした曲もあり、本作での自分のプレイに満足できておらず「録り直したい」と発言している反面、「楽曲に救われた」「これで楽曲が悪かったら最悪のアルバム」とも語っている[3]

SOFT BALLET結成前の森岡賢キーボードで参加している。また「FRAGILE ARTICLE」のコーラスにも参加している。

リリース履歴[編集]

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1988年6月21日 ビクター音楽産業Invitation LP
CT
CD
VIH-28330 (LP)
VCF-19357 (CT)
VDR-1514 (CD)
3位
2 2002年9月19日 ビクターエンタテインメント/HAPPY HOUSE CD VICL-60982(初回盤)
VICL-60962(通常盤)
- デジタルリマスター盤(監修:比留間整)
初回盤のみボーナストラック2曲収録、オリジナルステッカー封入
3 2007年9月5日 ビクターエンタテインメント/Invitation CD VICL-62542 - デジタルリマスター盤、アナログ盤初回仕様、写真集、ブックケース収納

収録曲[編集]

全編曲:BUCK-TICK

A面[編集]

  1. FRAGILE ARTICLE [1:21]
    「SEVENTH HEAVEN」を三拍子アレンジしたインストゥルメンタル。当初は今井が英語の歌詞をつけていたが、仮歌で桜井がスキャットで「ラララ」と歌ったところ、メンバーの反応が良かったため、こちらが採用された[2][4]
  2. …IN HEAVEN… [3:51]
    ドライブ感のある8ビートをテーマに作られ、今井自身は「ライブ向けの曲」と語っており、発売前にライブで演奏されていた[5][6]。現在でもライヴの定番曲である[7]。サビでのハイトーンコーラスは星野英彦によるもの[1]。歌詞は心中がテーマになっている[2][4]
  3. CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III- [4:44]
    • 作詞・作曲:今井寿
    アイルランド音楽をイメージしてアレンジされた曲。歌詞はアンデルセン物語をヒントにしている[5][6]。アルバム発表当時のタイトルツアー「SEVENTH HEAVEN TOUR」のオープニング曲[1]
  4. CASTLE IN THE AIR [4:29]
    • 作詞・作曲:今井寿
    最初にサビが思い浮かび、今井が以前から持っていた「空中に浮かぶ楼閣」というイメージに合うと思い、そこから膨らませた曲。メロディやアレンジを試行錯誤し完成まで苦労したという。歌詞は近未来を暗いイメージで想像した時のドロドロした感じを出した[5][6]。桜井は何度も違う歌い方を試し、最終的に限界まで低く淡々とした表情のない声で歌い、そこにファルセットを加えることにより絶妙なニュアンスが生まれた[2][4]
  5. ORIENTAL LOVE STORY [6:23]
    • 作詞:桜井敦司、作曲:今井寿
    今井はメロディアスでありながら感情を抑えたリードと、音数を減らし空間と広がりのあるアレンジを目指した。樋口豊が始めてフレットレスベースを使用した曲で、今井は「曲のイメージにあったおおらかな味が出ている」と評している[5][6]。桜井はストーリー性のある歌詞を目指し「風景画が風に吹かれて1枚1枚めくれて飛んでいき、それが物語になっていて、最後に真っ白な絵が残る」というイメージで作詞した。タイトルにはこの情緒的な歌詞が日本的、東洋的であるという意味が込められている[2][4]
    後に発売された再録アルバム『殺シノ調ベ』ではアップテンポなロックナンバーに生まれ変わっている。

B面[編集]

  1. PHYSICAL NEUROSE [2:53]
    • 作詞・作曲:今井寿
    今井は「スコーンと抜けた感じのB級ポップ」を目指したという。歌詞も世紀末の危うさをモチーフにしながら、逆説的な能天気さで、ブラックユーモア風に書かれている[5][6]GLAYHISASHIは、この歌詞を『天使のたまご』(押井守監督のアニメーション作品)と同等の難解さを持っていると評している[8]。また「NEUROSE」とはドイツ語の"ノイローゼ"であり、ドイツ語と英語である「PHYSICAL」とが混じったタイトルになっている。なお英語でノイローゼを指す単語は「neurosis (pl. neuroses)」(ニューロシス)となる。
    TVの歌番組でも「…IN HEAVEN…」とセットでよく演奏された。[要出典]
  2. DESPERATE GIRL [3:20]
    星野が初めて作曲を手掛けた曲。「8ビートだよ、おっかさん」[2][9]という仮タイトルが示すとおり、オーソドックスなロックンロール。他にもデモを聴いた桜井が「ジルバだ」と言って命名された「ジルバで踊ろうZE」[2][4]という仮タイトルもある。歌詞について星野から桜井へ「曲調とは裏腹で哀しいものを」という支持があった。タイトルには「絶望的な少女」といったニュアンスが込められている[5][6]
  3. VICTIMS OF LOVE [4:25]
    • 作詞:桜井敦司、作曲:今井寿
    ベースのリフがリードをとるミディアム・テンポの曲[5][6]後に桜井自身が作詞において転機となった曲であると語っている。[要出典]
    『殺シノ調ベ』の再録ヴァージョンではさらに妖しさが増しており、ライブでの演奏時間は10分近くにも及ぶ。
  4. MEMORIES… [3:48]
    • 作詞:桜井敦司、作曲:今井寿
    原型だけ昔からあったものを作り直した曲。今井が夢の中で聴いたメロディが元になっている[5][6]。「SEVENTH HEAVEN TOUR」でのラストの曲[1]
  5. SEVENTH HEAVEN [5:21]
    • 作詞・作曲:今井寿
    原曲はインディーズ時代から演奏していた「CHATTY BUNNYにささやいて」という曲で、歌詞とアレンジを変更したもの[1]ジューシィ・フルーツの「27分の恋」や広瀬隆の「危ない話」にあるような、核戦争原発など知らないうちに大きななにかに巻き込まれて死んでしまうかもしれない、そうなる前に愛する人に本当のことを伝えたいという歌であるという。歌詞の「KISS」は地球とミサイルのKISS、コバルト放射能を表している。偶然にも「MEMORIES…」の歌詞と共通する部分があり、桜井は「今井にしては血の気のある詞」と評している[2][4][5][6]

ボーナストラック(2002年初回盤)[編集]

  1. SEXUAL INTERCOURSE (unreleased version) [3:38]
    • 作詞:桜井敦司、作曲:今井寿
  2. …IN HEAVEN… 〜MOONLIGHT (Climax Together Live) [9:48]
    • 作詞:桜井敦司、作曲:今井寿

参加ミュージシャン[編集]

ゲストミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 「HYP NO.3 」(FOOL'S MATE 1990年6月号増刊 シンコーミュージック・エンタテイメント
  2. ^ a b c d e f g h 「WORDS BY BUCK-TICK 1987-2002」(2002年 シンコーミュージック・エンタテイメント)
  3. ^ 「BT8992」(1992年 ロッキング・オン
  4. ^ a b c d e f 「B-PASS」(1988年7月号 シンコーミュージック・エンタテイメント)
  5. ^ a b c d e f g h i 「Oral History」(2006年 ソニー・マガジンズ
  6. ^ a b c d e f g h i 「PATi PATi」(1988年7月号 ソニー・マガジンズ)
  7. ^ BUCK-TICK WEB SITE LIVE DATA”. 2012年5月3日閲覧。
  8. ^ RX-72 〜HISASHI (GLAY) VS 茂木淳一〜」2010年 今井ゲスト回
  9. ^ 「B-PASS」(1988年5月号 シンコーミュージック・エンタテイメント)