SBIRS (人工衛星)

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SBIRS-High

SBIRS(Space-Based Infrared System、宇宙配備赤外線システム)はアメリカ合衆国早期警戒衛星。敵対する国の弾道ミサイルの発射を探知するとともに、ミサイル防衛計画の一部として、弾道ミサイルが発する赤外線を識別・追尾し、迎撃指示のための情報を取得する。高軌道の衛星SBIRS-Highと低軌道の衛星SBIRS-Lowにより構成される衛星ネットワークの構築が計画されている。主契約企業はロッキード・マーティン

現行の早期警戒衛星であるDSP衛星に代わって、冷戦後の戦略環境の変化に対応し、報復核攻撃からミサイル防衛の運用へ重点を移した宇宙配備の早期警戒網センサー網として1996年に開発が開始されたが、その開発は順調に進まず運用開始目標は延期を重ねており、費用も当初見込みの40億ドルから大幅に超過し120億ドルまで膨れ上がっている。

SBIRS-High[編集]

静止軌道に4基と長楕円軌道に2基の合計6基の衛星を配備し、DSP衛星を代替することが計画されており、その開発運用はDSP衛星から引き続きアメリカ空軍が管轄する。高緯度の監視が可能な長楕円軌道を取る2基のセンサーは他の衛星に搭載され2006年(NROL-22)と2008年(NROL-28)にそれぞれ打ち上げられた。静止軌道1号機は2011年5月7日に、静止軌道2号機は2013年3月19日に、アトラスVロケットによって打ち上げられた。ただし計画全体の大幅な予算超過によるナン・マッカーディー制度の適用のため、最終的に実現するSBIRS-Highの衛星数は不透明である。

SBIRS-Low(STSS)[編集]

SBIRS-Low

捜索用と追跡用の2種類の光学センサーを持つ20基以上の衛星を低軌道に配置する計画である。弾道ミサイルが高温の熱源であるブースト段階の噴射を終了した後も、SBIRS-Low衛星は低軌道から宇宙空間を背景とした弾道ミサイルの熱を捕捉し、弾道ミサイルが飛行する全行程に渡って最も観測に適した位置にある衛星が追跡を引継いでその詳細な弾道データを地上の管制センターへ送信する。

2001年に開発計画が空軍からミサイル防衛局に移管され、2002年にはSBIRS-LowからSpace Tracking and Surveillance System(STSS)へ改称されている。2009年9月25日に実証試験衛星2基が打ち上げられた。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]