RM-70
チェコ陸軍のRM-70 | |
基礎データ | |
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全長 | 8.75m |
全幅 | 2.5m |
全高 | 2.7m |
重量 | 33.7t |
乗員数 | 6名 |
装甲・武装 | |
装甲 | mm |
主武装 | 40連装122mmロケット発射器(予備ロケット弾x40発) |
副武装 |
7.62mm口径Vz.59汎用機関銃x1挺(キャビン上のキューポラに搭載) RPG-7対戦車擲弾発射器x1挺 Vz 58自動小銃x4挺 |
機動力 | |
整地速度 | 85km/h |
エンジン |
タトラT930-34 V型12気筒空冷ディーゼル 310hp |
懸架・駆動 | 8x8、ジョイントレス・スイングアクスルサスペンション。 |
行動距離 | 400km |
出力重量比 | hp/t |
RM-70は、1972年にチェコスロバキアが開発した自走多連装ロケット砲であり、ソビエト連邦のBM-21と同系列の122mmロケット弾の40連装発射器を装備している。
開発と概要
RM-70は1972年にチェコスロバキア陸軍とinitial operational capability (IOC)によって開発された。オリジナルのBM-21が土台をソ連製の6輪式ウラル-375Dトラックであるのに対し、RM-70はチェコスロバキア国産の8輪式タトラ813トラックを土台に使用している。さらに運転席周りのキャビンに装甲が施された上に、前部のガラスには防炎と防弾のためのシールドが装備され、BM-21よりも小火器の銃弾や榴弾の破片からの防御性が向上している。RM-70/85では装甲とシールドが撤去されている
冷戦中はチェコスロバキア以外では東ドイツ軍やポーランド軍などで運用され、冷戦終結後のビロード離婚でチェコとスロバキアに分離した後も両国で運用が続けられ、アジアやアフリカ、南米などに輸出されている。
兵装
40連装発射器に装填済みのロケット弾以外にもキャビンと発射器の間に予備の122mmロケット弾40発を積み込んでおくことが可能であり、比較的簡単に予備のロケット弾を発射器に装填することが可能である。
また、RM-70はT-813ブルドーザーブレードを設置することが可能であり、RM-70のキャビン右側(助手席)の屋根の上にはキューポラが設置され、そこには自衛用の7.62mm口径Uk vz. 59汎用機関銃を装備するための銃架が設置されている。ただし、RM-70/85にはキューポラと銃架が省略されている。
2000年10月、スロバキア国防省とDhiel BGT Defenceは保有するRM-70に、従来の122mmロケット弾と共にMLRS用M26 227mmロケット弾の運用能力を付与するNATO標準化改修計画をドイツと共同で立ち上げ、2005年5月20日に改修済みの最初の1両を受領した。スロバキアは、RM-70を運用するほかの国に対してもこの改修案を積極的に売り込んでいる。
派生型
- RM-70
- 基本型。タトラT813を土台としている。
- RM-70/85
- タトラT815を土台とし、キャビン周りの装甲と防炎シールド、キューポラを省略した上にブルドーザーシールドの運用能力を外すなど、全体的に簡略化されている。
運用国
- アンゴラ
- ミャンマー
- カンボジア
- コンゴ民主共和国
- エクアドル
- フィンランド
- ジョージア
- ギリシャ
- ガーナ
- インドネシア
- リビア
- ナイジェリア
- 北朝鮮
- ポーランド
- ルワンダ
- スロバキア
- スリランカ
- ウガンダ
- ウルグアイ
- イエメン
- ジンバブエ
退役国
関連項目
- ロケット砲
- BM-21 - RM-70の基となったソ連製の多連装ロケットランチャーで、使用するロケット弾は共通。
- ダナ 152mm自走榴弾砲 - RM-70と同様にタトラ製のトラックを土台としたチェコスロバキア製の152mm自走榴弾砲。