R・A・ディッキー

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R.A.ディッキー
R.A. Dickey
トロント・ブルージェイズ #43
R.A. Dickey.jpg
トロント・ブルージェイズ時代
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テネシー州ナッシュビル
生年月日 1974年10月29日(39歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1996年 MLBドラフト1巡目(全体18位)
初出場 2001年4月22日
年俸 $5,000,000(2013年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
五輪 1996年
WBC 2013年
オリンピック
野球
1996 野球

ロバート・アラン・ディッキーRobert Alan Dickey1974年10月29日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル出身のプロ野球選手投手)。現在は、MLBトロント・ブルージェイズに所属する。

経歴[編集]

1993年MLBドラフトデトロイト・タイガースから10巡目に指名されるもテネシー大学に進学。

1996年MLBドラフトテキサス・レンジャーズから1巡目(全体18位)で指名を受け、当初81万ドルの契約金を提示されていたが、直後のメディカルチェックで右肘にあるはずの靱帯のうち1つ(内側側副靱帯)を生まれつき持っていないことが判明し、契約金が7.5万ドルに引き下げられた[1]。同年7月にはアトランタオリンピック野球アメリカ合衆国代表メンバーとして銅メダルを獲得。

2001年にメジャーデビューを飾り、2003年には9勝8敗で防御率5.09、2004年には6勝7敗で防御率5.61という成績を残した。

それまではフォークボールを決め球としていたが、メジャーで生き残るためにはナックルボールを習得するしかないと判断し、2005年からチャーリー・ハフの指導を受けてナックルボールを習得していった[1]2006年には先発登板するも3回を投げて6本塁打を喫するなど散々な内容となり、AAAのオクラホマシティ・レッドホークスに即降格となった。

2007年1月13日ミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結んだ。このシーズンをAAAのナッシュビル・サウンズで過ごし、12勝6敗、防御率3.80を記録した。その後フリーエージェントとなり11月28日ミネソタ・ツインズとマイナー契約を結んだ。しかしルール・ファイブ・ドラフトにより12月6日シアトル・マリナーズに移籍した。2008年は5勝8敗で防御率5.21という成績を残した。12月23日にツインズとマイナー契約を結び、2009年はメジャーで35試合に登板した。

2010年1月5日ニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、バッファロー・バイソンズでシーズンをスタートさせた。5月19日にメジャー昇格し、翌日のワシントン・ナショナルズ戦で先発登板し6回を投げて2失点で勝敗はつかなかった。次の登板となったフィラデルフィア・フィリーズ戦では6回を無失点と好投し勝利投手となった。8月13日、フィリーズ戦では1安打を許しノーヒットノーランを逃したが、コール・ハメルズとの投げ合いを制した。唯一打たれた安打もハメルズからであった。

2012年は、開幕から好調で勝ち星を積み重ね、同年のオールスターで球宴初出場を決めた。成績ではディッキーがオールスターの先発投手に相応しかったが、先発捕手のバスター・ポージーナックルボールを受けるのが困難という理由で先発から外れた[2]。当日はリリーフとして登場し、カルロス・ルイーズを相手に1イニングを投げた。最終的にリーグ2位の20勝、防御率2.73、リーグトップの奪三振230を記録し、11月14日にナックルボーラーとして史上初のサイ・ヤング賞を受賞した。10月31日に500万ドルのオプションが行使された[3]。一方で、放出の噂も絶えず、テキサス・レンジャーズトロント・ブルージェイズがトレード先として浮上してきた。12月17日トラビス・ダーノージョン・バックノア・シンダーガードウィルマー・ベセラとのトレードで、ジョシュ・トーリーマイク・ニッカースの捕手2名と共にトロント・ブルージェイズへ移籍した[4]。同時に、2014年から2年2400万ドル(3年目は1200万ドルのオプションまたは100万ドルのバイアウト)で契約を延長した[5]。サイ・ヤング賞投手が受賞年のオフにトレードで放出されたのは1994年デビッド・コーン1997年ペドロ・マルティネス1998年ロジャー・クレメンスに次いで史上4人目である[6]

2013年第3回WBCアメリカ代表に選出された[7]。シーズンでは、前年から防御率を大幅に悪化させ(2.73→4.21)、14勝13敗で僅かに勝ち越し1だった。ほか、投球イニングが減ったにもかかわらず、被安打・被本塁打・失点・自責点等の良くない部門の成績を悪化させた。

2014年、3年連続となる2ケタ勝利(14勝)をマーク。一方で敗戦も前年と同数(13敗)だった。しかし被安打・被本塁打を減らし、防御率を改善した。

プレースタイル・人物[編集]

投球の約85%がナックルボールであり、平均的なナックルボーラーより速い120~130km/hの球速を有している。キャリアハイの2012年は230奪三振をマークする一方で四死球は54個と少なく、制球が難しいナックルを巧みにコントロールしていた[8]。カウントを整えたい時や打者のタイミングを狂わすために平均84マイル(約135km/h)程度のツーシームも投げる[9]

ディッキーの登板時には、捕手は大型のソフトボールミットを着用する[10][11]

8歳の夏に13歳の女のベビーシッターと17歳の男から性的虐待を受けていたことを2012年に出版された自伝「Wherever I Wind Up」の中でカミングアウトした[12]インドにおける性的人身売買の被害者を支援する活動に取り組んでおり、2011年シーズン終了後には慈善活動のPRのためキリマンジャロ山に登頂した[13]2012年には優れた社会貢献を行った選手に贈られるブランチ・リッキー賞英語版を受賞した[14]2013年1月にはムンバイを訪れ、慈善活動を行った[15]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2001 TEX 4 0 0 0 0 0 1 0 -- .000 53 12.0 13 3 7 1 0 4 1 0 9 9 6.75 1.67
2003 38 13 1 1 0 9 8 1 3 .529 513 116.2 135 16 38 5 5 94 5 2 68 66 5.09 1.48
2004 25 15 0 0 0 6 7 1 0 .462 480 104.2 136 17 33 1 4 57 5 1 77 65 5.59 1.61
2005 9 4 0 0 0 1 2 0 0 .333 134 29.2 29 4 17 0 2 15 2 0 23 22 6.67 1.55
2006 1 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 18 3.1 8 6 1 0 0 1 0 0 7 7 18.90 2.70
2008 SEA 32 14 0 0 0 5 8 0 0 .387 500 112.1 124 15 51 4 2 58 11 1 65 65 5.21 1.56
2009 MIN 35 1 0 0 0 1 1 0 1 .500 293 64.1 74 8 30 1 4 42 4 0 34 33 4.62 1.62
2010 NYM 27 26 2 1 0 11 9 0 1 .550 713 174.1 165 13 42 3 4 104 11 0 62 55 2.84 1.19
2011 33 32 1 0 0 8 13 0 1 .381 876 208.2 202 18 54 2 9 134 9 1 85 76 3.28 1.23
2012 34 33 5 3 2 20 6 0 0 .769 927 233.2 192 24 54 2 9 230 4 1 78 71 2.73 1.05
2013 TOR 34 34 3 1 0 14 13 0 0 .519 943 224.2 207 35 71 0 10 177 7 1 113 105 4.21 1.24
通算:11年 272 173 12 6 2 75 69 2 6 .521 5450 1284.0 1285 159 398 19 49 916 59 7 671 574 4.02 1.31
  • 2013年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

獲得タイトル・表彰[編集]

背番号[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b New Twist Keeps Dickey’s Career Afloat New York Times
  2. ^ Knuckleball may cost R.A. Dickey chance to start in All-Star Game | Big League Stew Yahoo! Sports
  3. ^ R.A. Dickey Makes Knuckleball History BBWAA
  4. ^ R.A. Dickey deal official as Blue Jays acquire ace MLB.com
  5. ^ Blue Jays, Dickey Agree To Extension MLBTradeRumors.com
  6. ^ Mets trade Cy Young winner R.A. Dickey to Blue Jays SI.com
  7. ^ USABaseball.com: News: Team USA final roster for WBC announced
  8. ^ 魔球ナックルで打者幻惑=米国支える38歳ディッキー
  9. ^ Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Player Card: R.A. Dickey
  10. ^ New York Mets' R.A. Dickey wants ball to start All-Star Game ESPN New York
  11. ^ All-Star Game 2012: The Glove To Catch R.A. Dickey Baseball Nation
  12. ^ New York Mets' R.A. Dickey chronicles discovery of syringe, sexual abuse in memoir ESPN New York
  13. ^ R.A. Dickey climbed Mount Kilimanjaro, the Mets' knuckleballer again beats fear with staunch belief Yahoo! Sports
  14. ^ Dickey earns Rickey Award for philanthropic efforts
  15. ^ R.A. Dickey of Toronto Blue Jays in India to help fight vs. sex trafficking ESPN

関連項目[編集]

外部リンク[編集]