Plasma (KDE)

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Plasma
KDE SC 4.x の Plasma デスクトップ
開発元 Aaron Seigoを代表とする開発チーム
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS LinuxUnix系
種別 ウィジェットエンジン、デスクトップ
ライセンス GNU Lesser General Public License
公式サイト http://plasma.kde.org
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Plasma(プラズマ)は、Linuxデスクトップ環境であるKDEがメジャーバージョンアップに伴って行った根本的な変更の一つである。KDE 4以前のバージョンに搭載されていたKDesktopシェル、KickerタスクバーやSuperKarambaウィジェットエンジンを、一つの統一されたワークスペースに置き換えること、また、画面の解像度に依らないインターフェイスを導入し、どの画面の大きさや解像度であってもデスクトップの表示を理想的なものにすることを目的とするデスクトップ・パネルウィジェットエンジンである。

PlasmaのアプレットはPlasmoidと呼ばれ、情報の表示を行うウィジェットや電卓、辞書のようなアプリケーションなどがある。

Plasmaの重要な機能の一つには、タスクバーのようなパネル、デスクトップアイコンやウィジェットは同じ方法で作成されるようになるため、それらをもはや区別しないということが挙げられる。

Plasmaにおいて、各コンポーネントは「データエンジン」とコンポーネントの表示を担当する部分に分けられる。これによって、与えられたデータを表示しようとする際に必要なプログラミングの労力を削減することや、データエンジンとヴィジュアル面のコードを独立して容易に記述できるようにすることが意図されている。KDE 4の後期にKmenuを置き換えるRaptorは、Plasmaを積極的に利用することが見込まれている。

機能

Plasmaは“コンテナ”と呼ばれる「他のアプレットを含むアプレット」を扱うことができる。コンテナの例にはデスクトップの背景とタスクバーを挙げられる。コンテナは画像やSVG、動画、OpenGLなど開発者が任意に構成できる。コンテナには主に画像が用いられるが、ユーザーはどのアプレットでもその機能を損なうことなくデスクトップの背景に指定することが可能。

また、アプレットはデスクトップとタスクバー(すなわち、2つの異なるコンテナ)間でドラッグして移動することが可能であり、タスクバーと分割して表示することができる。

Plasmaのウィジェットはスケーラブルであるため、どんなサイズへの変更や回転もわずかな時間で再描画できる。また、Krossスクリプティング・フレームワークが導入されるため、開発者はウィジェットをC++以外のプログラミング言語でも記述できるようになると見られている[1]。また、ウィジェットは自身のサイズを認識できるので、それに合わせた情報量を表示できる。

Plasmaは他のウィジェットもサポートする。SuperKaramba(KDE 3シリーズで使われていたウィジェットエンジン)は既にサポートされており、Mac OS Xに搭載されているDashboardや、OperaブラウザウィジェットはKDE 4の以降のリリースでサポートされることが予想されている[2]

ロードマップ

Plasmaに予定されている改良点のほぼ全ては、キャンバスモジュールによるウィジェット表示機能やウィジェット内部でHTMLCSSを容易にレンダリングするためQtに移植されたWebKitなど、Qt 4.4に含まれる新機能を利用するものである。

他にもドキュメントの整備や既存のウィジェットの改善、冗長コードの置き換え作業などが行われる予定である。

脚注

  1. ^ Linux.com :: KDE's Plasma is heating up
  2. ^ commit-digest.org - 22nd July 2007

外部リンク