PPTS (宇宙船)

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PPTS
PTK NP MAKET MAKS 2009.jpg
2009年MAKSの展示
所属 ロシア連邦宇宙局
主製造業者 RKKエネルギア
任務 有人探査
周回対象 予定: 地球
可能性: 火星
輸送ロケット Rus-M
打上げ場所 ボストチヌイ宇宙基地
提案されたCSTSの概念図
PPTS
PPTS
PPTS

PPTSProspective Piloted Transport System)はロシア連邦宇宙局により開発が進められている次世代の宇宙船である。非公式にRusと呼ばれる。正式名称はPilotiruemyi Transportny Korabl Novogo PokoleniyaまたはPTK NPで次世代の有人輸送船を意味する。この計画の目的は40年以上前にソビエト時代に開発されたソユーズ宇宙船を更新する為の次世代の有人宇宙船を開発する事である。

PPTS計画はロシア連邦宇宙局とヨーロッパ宇宙機関によるCSTS(2006年半ばまでACTSという名称だった)の共同開発計画が失敗した事によって始められた。これに伴いロシア連邦宇宙局は自国の宇宙産業に新型有人宇宙船の最終的な提案を要求した。[1]

計画の概要[編集]

1967年ソユーズ1号以来、40年以上に渡ってソ連・ロシアの有人宇宙飛行を担い、改良が続けられてきたソユーズロケットであるが、PPTSはこの陳腐化したソユーズを代替する目的で開発されている。

ソユーズとの相違点[編集]

最新型のソユーズTMAが3人乗りであるのに対しPPTSは最大で6名の宇宙飛行士を乗せることができ、月周回軌道上への飛行も視野に入れている。

歴史[編集]

クリーペル計画が明らかになった当時、当局者はコストを意識した実用的な設計にもかかわらず、ロシアと外国からの大規模な経済支援を受けずに実現する可能性は少なかった。それ故にロシア連邦宇宙局とRKKエネルギアはクリーペルの市場を海外のパートナーに売り込んだ。

NASAはコンステレーション計画の一環としてオリオン宇宙船を開発していたのでロシアはヨーロッパを将来のパートナーとして狙いを定めた。 以前、ESAの首脳陣はアメリカのコンステレーション計画に参加できるかどうか打診したが、彼等は否定的な回答を受け取った。[2] その為、ヨーロッパはロシアの次世代型有人宇宙船の共同開発に加わる事を決めた。しかし、ESAはロシアの設計したクリーペルよりも共同設計を主張した。その結果、ロシアとヨーロッパの共同のCSTSになった。 2006年9月から2008年春までの18ヶ月間続いたCSTSは初期の調査段階は完了して2008年11月のESAの会議前に計画は打ち切られた。ESAはCSTS計画を有人版の欧州補給機(ATV)として進める事を決めた。[3]

同時期、ロシア連邦宇宙局はモスクワを拠点とするクルニチェフから再三にわたり新しいアンガラ・ロケットで打ち上げられる予定のTKSを基にした次世代型有人宇宙船の提案を受けていた。

新型の有人宇宙船の作業を開始する為、ロシアは全て独自に計画を前に進める事を決定した。[4]

2009年の第一半期にロシア連邦宇宙局は最終的な次世代有人宇宙船への要求仕様とRKKエネルギアとクルニチェフからの提案の受領した。これがPPTS計画の実質的な始まりだった。宇宙局は最終的な宇宙船の主開発社の名前を用意した。公式に新しい有人宇宙船の開発の入札に参加したの事業者はRKKエネルギアとクルニチェフの2社のみである。[5] 宇宙局は計画に関しては堅く口を閉ざしているが、計画の複数の段階に関して当局者はいくつかの声明をだした。2009年1月21日ロシア連邦宇宙局の局長のアナトーリー・ペルミノフはロシアの新聞社のRossiyskaya Gazeta誌に対してロシアは独自の次世代有人宇宙船を開発中であると述べた。 さらにペルミノフは宇宙局と主研究と認証センターであるTsNIIMashは既に次世代有人宇宙船を含む輸送システムの課題に関して科学と技術の会議を拡大していると述べた。

政府による新宇宙船の開発社を選択する入札が予定される。新型宇宙船はオリオン宇宙船が運用開始される時期と重なること予想されるがより細部の開発計画は予備設計の段階で2010年半ばであるとペルミノフは述べた。

2009年の第一半期にPPTS計画の作業の技術調査結果に基づく要求仕様を発表した。この計画の予備開発で2009年3月から2010年6月までに 800,000,000 rubles ($2400万ドル)かかると予想される。作業は地球周回仕様のみで基盤を構築しながら月周回仕様た火星探査仕様を開発する予定である。

宇宙局は要求仕様として宇宙船を国際的な標準機として開発して同時にできる限り既存の技術を取り入れる事を求めた。[5]

初期の設計[編集]

ロシア連邦宇宙局は複数の宇宙船の形式を想定している。地球周回用は12トンの重量で6人と500kg未満の貨物を輸送する。30日間の自動ミッションまたは軌道傾斜角51.6°ISSかロシアのボストチヌイ宇宙基地から打ち上げられる軌道傾斜角51.8°の未来の宇宙ステーションに1年間ドッキングする事が想定される。[6]

月探査用は16.5トンで4座席で100kgの貨物を運ぶ能力を有する。月周辺を14日間飛行または月周回ステーションに最大200日ドッキングする事が想定される。

無人の貨物輸送用は2000kg未満の貨物を地球周回軌道へ運び、500kgを帰還させる能力が必要とされる。

2009年3月時点において宇宙局はロシア領内に10kmの精度で着陸できるように開発企業へ要求した。緊急脱出と着陸能力は救助と回収チームが到着するまでの生存性がミッションのいかなる段階においても強制される。[5]

ソユーズ宇宙船のような宇宙船は翼がなく完全に自動で飛行でき手動でドッキングして軌道上のステーションや低軌道プラットフォームや無人宇宙船やモジュールへ到達して接続、分離する十分な推進力と大気圏に再突入して安全に帰還する能力を備える。 再突入カプセルは大気圏内の飛行段階においては環境に安全な推進剤のみを携行する。円錐形のカプセルの使用は15年間で最大10回と見積もられており、ロシア連邦宇宙局は再使用できる乗員モジュールの選択を保留している。[6]

着陸時の減速にパラシュートも併用するソユーズとは異なりロケット推進機のみで減速する事が提案されている。[7]

打ち上げロケット[編集]

PPTS打ち上げ用ロケットの開発の入札が産業界全体に正式に開始された事が2009年初頭に明らかになった。宇宙局は入札社の公表を遅らせたので多くの非公式の情報源からはサマーラを拠点とするTsSKBプログレスとKB Mashinostroeniaが新型ロケットの開発に有力視される。[8]

3段式のロケットで第一段は3基のブースターでそれぞれのブースターには液体酸素とケロシンを燃焼する強力なRD-180エンジンが使用されると見られる。このエンジンはモスクワを拠点とするNPO エネゴマシュがアトラスVロケットに使用する為に開発したもので、これの性能を高めるとみられる。 新型有人ロケットの第2段は現在ソユーズ-2に使用されるRD-0124エンジンがおそらく使用されると見られる。従って未来のロケットは最新の既存のエンジンを搭載する事によってロケット全体の費用とリスクを大幅に減らす。[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b (17 March 2009) "Russia Reviews Bids For New Moon-Bound Space Rocket" redorbit.com
  2. ^ http://www.spiegel.de/wissenschaft/weltall/0,1518,443901,00.html
  3. ^ http://www.flightglobal.com/articles/2008/07/21/225944/esa-aims-for-manned-capsule-by-2020.html
  4. ^ http://www.russianspaceweb.com/tks_followon.html
  5. ^ a b c Anatoly Zak (11 February 2009) "PPTS - Prospective Piloted Transport System" russianspaceweb
  6. ^ a b Anatoly Zak (3 April 2009 ) "Russia to unveil spaceship plans" BBC
  7. ^ Anatoly Zak (29 April 2009) "Russia mulls rocket power 'first' " BBC
  8. ^ http://www.russianspaceweb.com/ppts_lv.html

外部リンク[編集]