パワードール
パワードール (POWER DoLLS) は工画堂スタジオ・うさぎさんちーむの戦術シミュレーションゲームである。なお、いるかさんちーむよりパワードールの入門編と言える「ブルーフロウ」が発売されている。
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[編集] 概要
移民惑星オムニを舞台に、人型陸戦兵器パワーローダーを使う機械化特殊部隊DoLLS (Detachment of Limited Line Service) を指揮し、困難な任務を遂行する。
プレイヤーは、パワーローダーユニットに移動、索敵、戦闘などを適切に指示し、「目標構造物の破壊」「人質救出」「一定時間戦線を保持する」といった目標を果たさなければならない。
女性のみで編成されたDoLLSの設定など見た目の軟派さに反して難易度は高く、勝利のためには綿密な作戦立案(輸送部隊の進入方向、降下ポイント、支援車両の配備、ローダーの装備)と、各状況での高度な判断を要求されるため、硬派なゲームプレイヤーに好まれている。このことから、ギャルゲーのひとつとして見られることに不満を持つファンもいる。その一方、従来「駒」でしかなかったウォーゲームのユニットに強いキャラクター性を持たせた点を評価する声もあり、そういう意味では(広義の)キャラゲーと見ることも可能であろう。ただし、マニュアルや関連書籍などで各々の性格や嗜好などは細やかに設定されているが、ゲーム内でのキャラクターの掘り下げや交流(会話など)の描写は一般的なギャルゲーやキャラゲーに比べると非常に希薄である。
ゲームではあるが政治的背景、メカ設定、武器、装備、航空機などが非常によく作りこまれており、そのままSFアニメが製作できるほどである。
後にOVA化され、1996年3月1日には『POWER DoLLS〜オムニ戦記2540〜』(全1話)、1998年3月1日には『POWER DoLLS Detachment of Limited Line Service プロジェクトα』(全1話)のタイトルで発売された。
ファン(「パワードール1」のパッケージでは「DoLLer」と呼称される)からは「パワドル」、「パワド」等の略称で呼ばれる。
[編集] ストーリー
パワードールシリーズのストーリーは、地球政府軍との戦いから、反政府組織ジアスとの戦いまでを描いた第1世代と、サイフェルト共和国との戦いを描いた第2世代の2つに大きく分けることができる。
システム面でも両者には違いがみられる。第1世代の作品はオーソドックスな戦術級ウォーゲームであったが、プラットホームの主体を移した第2世代からは、リアルタイム性の導入、ポリゴンによる3D描画などの新しい試みを行っている。パワードール5からはトップビューからクォータービューに視点が変わり、特にパワードール6ではTPS的な要素が大胆に取り込まれている。
[編集] 第1世代
- 「パワードール」(PC-98,FM TOWNS,DOS/V,Windows)
- 「パワードールFX」(PC-FX)
- 「パワードール1」(Windows) … 「パワードール」を「パワードール5」のゲームシステムでリメイクしたもの
- 惑星オムニは探査機が偶然発見した唯一の殖民可能な惑星である。人口爆発の危機に陥っていた地球は、長距離航行可能な移民船団をオムニに送り、およそ100年の歳月をかけて到着した先行移民団によってオムニは地球人類が生活可能なように開発されている。しかし、その後地球で超光速航行技術が確立され、地球から一足飛びにオムニに到達できるようになると地球政府は一方的にオムニ星の接収を宣言し、地球政府配下に置こうとした。これに反発した「オムニリング」を名乗るオムニ先住人類と地球政府側の対立が激化。西暦2535年、オムニ星と地球政府との間の対立は、遂に両者を戦争状態に突入させた。物量とおよそ100年のテクノロジーギャップに優れる地球軍に対し、オムニ軍は惑星開発で十分なノウハウを得た歩行車両パワーローダーを兵器化した、戦闘用パワーローダー「装甲機動歩兵」を使ったゲリラ戦で対抗してゆく。そして、2540年、オムニ軍はパワーローダーのみで構成された特殊部隊「第177特務大隊」を投入、戦いは新たな展開を迎える。
- 「パワードール2」(PC-98, FM TOWNS, DOS/V, プレイステーション)
- 「パワードール2ダッシュ」(PC-98, DOS/V)
- 「パワードール2plusダッシュ」(Windows) … 「パワードール2」と「パワードール2ダッシュ」を一体化したもの
- 独立戦争終結後から38ヵ月後。地球政府軍の残党、迫害を受けてきた新規移住者、そして、それらを利用して利益を食もうとする企業によって生まれた組織「ジアス」が蜂起。全面戦争に発展すると判断したオムニはこれに対抗すべく軍に総動員令を発令。かつての第177特務大隊第3中隊隊長、ハーディ・ニューランド海兵隊大佐のもと、ドールズも再編され、再び困難な任務に就くこととなった。
- 「アドヴァンスドパワードール2」(PC-98, DOS/V, Windows)
- 敗色濃厚となったジアスは、オムニ政府との和平を結ぼうとしていた。しかし、それをよしとせず、内部分裂によって誕生した過激派組織「ジアスPLA」は組織的抵抗を続けていた。これを鎮圧すべく、一度は解散したドールズも再編成され、戦列に加わるのだった。
- 「パワードール2コンプリートボックス」 … 「パワードール2plusダッシュ」と「アドヴァンスドパワードール2」、OVA2作等を収録
[編集] 第2世代
- 「パワードール3」(Windows)
- 「パワードール4」(Windows)
- 「パワードール5」(Windows)
- 「パワードール5X」(Windows)
- 「パワードール5plusX」(Windows) … 「パワードール5」と「パワードール5X」を一体化したもの
- 「パワードール6」(Windows)
- ジアス動乱から約100年後。オムニ連邦のサイフェルト州はジョン・ブラウンを初代大統領とし、サイフェルト共和国として独立した。しかし、ジョン・ブラウンが暗殺され、その次の大統領となったジミー・ブラウンは混乱した政治、経済を建て直すことができず、2642年、この事態を打開すべく、オムニ連邦に対し侵攻を開始した。
「パワードール2ダッシュ」は「パワードール2」の、「パワードール5」「パワードール5X」は「パワードール4」の外伝的な内容になっている。また、「パワードールFX」はストーリーこそ「パワードール」だが、登場するオムニ軍の機体が「パワードール2」のものであった。そして、ゲームシステムも大きく異なっている。「パワードール6」はTPSの要素を取り入れた。
[編集] 第177特務大隊とは
第177特務大隊とは、オムニ独立戦争時、X-1シリーズ開発終了とともに設立された、パワーローダーの特性を生かした運用法や戦術を研究するための、オムニ国防総省直属の特殊部隊である。この部隊は、目的を別とする3つの中隊から成っている。
- 第1中隊
- 最初に結成された、山岳などにおけるゲリラ戦を行うレンジャー部隊。
- 第2中隊
- 市街や要塞の攻略を行う突撃部隊。パワーローダーによる制圧をはじめて実行した部隊でもある。
- 第3中隊
- X-3A完成後に結成された、破壊工作、要人救出等あらゆる戦場への緊急展開を行う即応部隊。
「DoLLS」として知られているものは第3中隊であり、女性のみで編成されている。女性のみで編成された理由には、以下のような説がある。
- X-3Aに適性のある男性パイロット[1]が、大方他の部隊に出払っていたため
- 厭戦気分を解消するための「アイドル部隊」という面を持たせるため
- 戦況上急がれていたメンバー選抜の結果女性兵士が多く、余計なトラブルを防ぐために男性兵士をすべて落としたため
この中で、2.と3.が最も真実に近いといわれている。アイドル部隊としての活動は小説版にて描かれており、第2世代のDoLLSも当初は本当にアイドル部隊になる予定だった。
第3中隊はその任務の性質上、パワーローダーのみではなく支援車両や航空兵力を持ち、自己完結性が高い。ジアス動乱以降に再編成された第177特務大隊は即応部隊、つまりDoLLSのみの編成である。
[編集] ゲーム以外の作品
[編集] ラジオドラマ「ステレオドラマ・パワードール」
文化放送系「久川綾のShiny Night」中で放送された作品。「パワードール2」の世界を下敷きにしているが、細部の設定が異なる。
[編集] OVA
「パワードールFX」をベースとした「パワードール・オムニ戦記2540」と、「ステレオドラマ・パワードール」をベースとした「パワードール・プロジェクトα」の2作が発売された。
[編集] POWER DoLLS〜オムニ戦記2540〜
- ストーリー
- 作戦開始早々自分のパワーローダーを撃破されたフェイルンは、機体を回収するついでに戦争孤児の兄妹を拾ってきた。これらは作戦と何ら関係のないことで、何故そんなことをしたのかとクァンメイに問い詰められたフェイルンは、「ローダーの機密も子供たちの命も放っておけない」と言う。彼女もまた、親を亡くした孤児だったからだ。
- その後、ドールズに新たな任務が言い渡された。それは地球政府軍に接収されているシャトー村の軍用ダムを爆破するというものであった。しかし、この任務にフェイルンは気が進まなかった。作戦目標のダムは、彼女の父が生前建設に携わったものだったからである。
- 任務と父への思いの二つに心を引き裂かれ、苦悩に満ちた作戦が始まる。
- 「フェイルンは孤児だった」という設定は、本作オリジナルである。
- スタッフ
- エグゼクティブプロデューサー - 鬼羅あきら(工画堂スタジオ)
- プランニングプロデューサー - 鈴木敏充(ARTMIC)
- プロデューサー - 安部和広(工画堂スタジオ)、福島宏之(ARTMIC)
- スーパーバイザー - 土井新也(工画堂スタジオ)、柿沼秀樹(DARTS)
- 原作 - 工画堂スタジオ
- 脚本 - 卯木碧(DARTS)
- キャラクター原案 - 土井新也(工画堂スタジオ)
- アニメーションキャラクターデザイン・作画監督 - 谷口守泰
- メカ作画監督 - 崎山知明
- メカニックデザイン - 小笠原智史(工画堂スタジオ)、那倉政幸(ARTMIC)、福地 仁
- 美術監督 - 松宮正純
- 撮影監督 - 菅谷英夫
- 音響監督 - 三間雅文
- 音楽 - 斎藤博人(工画堂スタジオ)、インナーブレイン
- 監督 - 富永恒雄
- 制作 - ARTMIC
- 製作・著作 - 工画堂スタジオ
- 登場人物・声の出演
- ハーディ・ニューランド - 高乃麗
- ヤオ・フェイルン - 冬馬由美
- セルマ・シェーレ - 西原久美子
- ファン・クァンメイ - 根谷美智子
- アリス・ノックス - 高田由美
- ジュリア・レイバーグ - 山崎和佳奈
- ヤオの父 - 藤本譲
- 長官 - 石井康嗣
- パイロット - 遠近孝一
- 兄 - 嶋村薫
- 妹 - 本井英美
- 主題歌
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- ED「STORM SONG」
- 作詞 - スエナガヤスコ / 作曲・編曲 - 齋藤博人 / 歌 - 高乃麗
[編集] POWER DoLLS Detachment of Limited Line Service プロジェクトα
- ストーリー
- 独立戦争末期、ドールズは戦闘中、奇妙な友軍のパワーローダーを目撃する。甲虫のような姿をした六本脚のそのローダーは、あっという間に敵を粉砕して戻ってきた。話によると、このローダーは次世代のシステムを積んだ試作機なのだという。結局、その後このローダーを見かけることはなかった。
- そして時は流れ、反政府組織ジアスとの戦いが始まった。その日、ドールズに与えられた任務は、「内通者からの通報があった島から、その内通者を救出する」というものであった。その島に上陸したドールズは、地下施設内で、謎のローダーと遭遇する。それは、かつて独立戦争時に見かけた、あの奇妙なローダーだった…。
- スタッフ
- 原作 - 工画堂スタジオ
- 企画 - 伊藤梅男、鬼羅あきら
- プロデューサー - 平山博志、安部和広、土井新也、神田修吉
- アシスタントプロデューサー - 鷲尾実保
- コーディネーター - 谷逸平
- 脚本 - 冨岡淳広
- キャラクターデザイン・作画監督 - ゴトウマサユキ
- メカニックデザイン - 西中康弘
- メカ作画監督 - 長野伸明
- メカニックスーパーバイザー - 小笠原智史
- 美術監督 - 池田祐二
- 撮影監督 - 吉田光伸
- 音楽 - 斎藤博人(工画堂スタジオ)
- 音響監督 - 鶴岡陽太
- 監督 - 日高政光
- アニメーション制作 - オー・エル・エム
- 製作 - バップ、工画堂スタジオ
- 登場人物・声の出演
- ハーディ・ニューランド - 久川綾
- ヤオ・フェイルン - 三石琴乃
- タカス・ナミ - 横山智佐
- セルマ・シェーレ - 野上ゆかな
- アリス・ノックス - 永島由子
- エイミー・パーシング - 氷上恭子
- ミリセント・エヴァンス - 白鳥由里
- デボラ・ヒューズ - 榊原良子
- スタン・フィンケル - 中田譲治
- アルファのパイロット - 木村歌音
- 兵 - 小形満、山崎たくみ
- オペレーター - 深水由美、本田貴子、室園丈裕
- 主題歌
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- OP「HEAVEN」
- 作詞・作曲・歌 - 森若香織 / 編曲 - 朝本浩文
[編集] 漫画
『月刊ニュータイプ』にて、松原あきらによる漫画が連載されていた。「パワードールFX」の世界観をベースとしているが、「パワードール2」からの登場人物も登場し、その中の一人であるミリセント・エヴァンスを主人公に据えている他、漫画オリジナルのメンバーが登場するなど、独自色が強い。
[編集] 小説
角川スニーカー文庫より1996年1月に刊行された、全一巻 (ISBN 4044110182) 。ノベライズは柿沼秀樹が担当し、挿絵は松原あきらによる。「パワードール」を下敷きに、ドールズの前日譚などを盛り込んだストーリーとなっている。
[編集] その他のキャラクター
- マフィル・ハティ
- ライザ・モリーナ
- アニタ・シェフィールド
- マーガレット・シュナイダー
- エリィ・スノウ
- ミチコ・ネイデル
- コウライ・ミキ
- ジュリィ・レイバーグ
- ハンナ・ウィンクラー
- アヤセ・ミノル
- フェイス・スモーレット
- フレデリカ・アイクマン
- マーク・ピアスン
- セシル・フェリクス
- マリー・エシコル
- リサ・キム
- メリサ・ラザフォード