PMP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

PMP(ピーエムピー、プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル、Project Management Professional)は、アメリカ合衆国非営利団体であるProject Management Institute (PMI) が主催しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格である。

試験[編集]

試験コンピュータで行われる。4時間で200問の選択式(4者択一)問題を回答する。但し、そのうちの25問は採点に関係しないダミー問題である。

PMIウェブサイトによると、現在はPMBOKガイド第5版をベースに出題され、出題分野と割合は以下の通りである[1]

  • プロジェクトの立ち上げ ・・・13%
  • プロジェクトの計画 ・・・24%
  • プロジェクトの実行 ・・・30%
  • プロジェクトの監視コントロール ・・・25%
  • プロジェクトの終結 ・・・8%

試験終了と同時に採点され、合否は即座に判明する。受験者には各出題分野の習得度を以下3段階で示したスコアレポートが還元されるが、具体的な得点は判らない形となっている。

  • Proficient (該当ドメインについて平均以上の知識を示す成績)
  • Moderately Proficient (該当ドメインについて平均程度の知識を示す成績)
  • Below Proficient (該当ドメインについて平均以下の知識を示す成績)

受験資格[編集]

以下の2点を満たす必要がある。

プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験
試験申込時から遡って8年以内に、一定時間以上の実務経験(大卒者:4500時間/高卒者:7500時間以上)と、一定期間以上のプロジェクトマネジメントの経験(大卒者:36か月/高卒者:60か月以上)があること。試験申込時は、これを証明する書類を提出する必要がある。
35時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講
PMIが認定した教育機関による研修を35時間以上受講し、修了証明書を試験申込時に提出する必要がある。

なお、経験に関しては必ずしもプロジェクトマネージャーに限らず、プロジェクトリーダーやコンサルタント、あるいはそれに関係する立場でも構わない。

受験申請は米国のPMI本部で行うため、実務経験などを英文で入力する必要がある。そのため、ある程度の英語力を必要とする。

資格の維持[編集]

PMP資格取得後、3年ごとにCCR (Continuing Certification Requirements Program) と呼ばれるプロジェクトマネジメントの学習(研修など)の履行が求められる。学習を履行することでPDUと呼ばれる単位が取得できるが、資格維持にあたり、このPDUを3年ごとに60ポイント以上取得する必要がある。

取得できなかった場合、翌年から1年間資格が一時停止される。その間に研修受講などでPDUを過去の3年間とあわせて60ポイント以上取得できれば資格を復活できるが、取得できなかった場合はPMP資格が消失する。

試験の評価[編集]

PMPは取得するにあたり、PMBOKガイドの知識だけが求められているわけではなく応用的かつ実践的な判断能力を問われるため、難易度は高い。加えて、資格の維持にはPMIが定めるPDUの取得が必要であるため、資格の価値が落ちないことも魅力の1つである。

試験は4択の選択式問題であるが、PMBOKガイドの内容を覚えれば合格できる性格のものではない。問題文中に記載された内容をよく理解し、今どこのプロセスにいるか、次のプロセスで必要なことは何かが問われる。よって、自分の頭の中に引き出しを準備し、効率よく回答していくことが重要である。一般的にIT分野にカテゴライズされ、記述・論述試験があるプロジェクトマネージャ試験と、言語や文化、特定の業種に依存しないグローバルなプロジェクト統合マネジメントの構築を目指し、4択問題と実務経験の有無で合否を判断するPMP試験との難易度の比較は、試験の性格を考えると意味はない。プロジェクトマネージャ試験とは違って業務経歴書が必要であり、業務経歴書の内容が事実かどうかを判断する仕組みとして、監査制度が準備されている。

合格率は非公開だが、難関資格の割には高いとされている。これはそもそも実務経験の無い者が受験できないことに加え、受験申請書を全て英文で記載しなければならない言語の壁、単なる腕試しでは受験を躊躇してしまうほどの高額な受験料(PMI非会員の場合USD555ドル/回)、4時間に及ぶ長い試験時間など、相当の「覚悟」が無いと受験できないためである。こうした特徴から、PMP受験者は実務経験豊かな社会人がその多くを占める。また、事前申し込みを行えば指定のテストセンターでいつでも受験可能(ただし年3回まで)であり、申し込み後でも実施48時間前までならば試験日を変更(延期)可能という、試験実施面の特徴も合格率に寄与している。

試験対策としての和書の対策本は少ないが、洋書では充実しており、国際資格としての側面が窺える。なお、有名な試験対策本として、Rita Mulcahy(著)のPMP Exam PrepやPMP Pocket Examがある。

PMPはその特性によって民間資格でありながらも評価は高く、日経BP社の情報処理分野のサイトであるITProが提供している『2012年版「いる資格、いらない資格」』では、ITベンダーの技術者及びユーザー企業のシステム部員が取得すべき資格として上位に位置している[2]。しかし、PMPは資格取得のための教育から取得までに数万円から数十万円はかかるなど、資格維持のためにも継続的な学習費用が必要となる。情報処理分野の国家資格である情報処理技術者試験などは5100円の受験料だけで済むことから、これらに比べると情報処理分野を収益源にしている企業にとって負担が大きいことは確かであるが、グローバルな視点でプロジェクト統合マネジメントの適用を目指すかそうでないかの差により、積極的に取得に動く企業とそうでない企業の二極化が進んでいるとみられる。

前述のような情報処理分野の日本市場を対象にしたランキングで上位や下位であろうと、それにつられるように資格自体が目指す本質・グローバルな視点での価値が大きく上下するわけではない。

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]