PDC ワールド・カップ

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PDC World Cup of Darts
概要
開催国 ドイツの旗 ドイツ
開催地 フランクフルト
会場 Eissporthalle
初開催 2010年
主催団体 PDC
賞金総額 £450,000
開催月 6月
現在のチャンピオン
ウェールズの旗 ウェールズ (2023)

ワールドカップ・オヴ・ダーツ (World Cup of Darts) は、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション（PDC）が開催するダーツのトーナメントである。 ダーツにおけるワールド・カップの1つであり、ナショナル・チームで争われる。大会はSky Sportsで生中継される[1]。

このイヴェントは、PDCが2010年に新たに導入した3つのトーナメントの1つであり[1]、ダブルズと敗者先攻という特徴的なルールを持つ[2]。

導入の背景[編集]

2009年10月、PDCのチェアマンであるバリー・ハーンは、£1,000,000でBDOを買収し、さらにPDCが£1,000,000を投じアマチュア・ダーツを発展させることをBDOに提案した。

しかし、BDOは、この提案を拒否する決定を下す。 声明書の中で、ハーンは、「BDOに対する我々の提案の目的は、ダーツというスポーツを1つにする事だった。BDOのカウンティ・アソシエイションズによる決定にもかかわらず、これは、私達の長期にわたる目標であることに変わりはない。」と、述べている。

BDOの決定の後、PDCは、まだ熟練していない全てのプレイヤーに、ダーツで生計を立てている精鋭達と戦う機会を提供し、プロフェッショナル・ダーツを拡大するために動き出した。 その第1段階として、3つの新しいトーナメントを設置したとしている。 それが、PDC アンダー21・ワールド・チャンピオンシップ、PDC ウィメンズ・ワールド・チャンピオンシップ、そしてこのPDC ワールド・カップ・オヴ・ダーツである[1]。

形式[編集]

PDC ワールド・カップ・オヴ・ダーツを特徴付ける形式は、次の2つである[2]。

  • ダブルズ
  • 敗者先攻

出場国と出場者の決定[編集]

ワールド・グランプリ終了後、10月末のPDC オーダー・オヴ・メリットにプレイヤーが2人以上いる国のみが対象となる。 各国の最もランクが高いプレイヤーの中で、上位40名の国が出場国となり、彼らと各国2番のプレイヤーが出場者となる。

なお、2人のワールド・ランキングの累積が、各国のシードを決定する。 この合計の最も低い国が、最も有利なシードとなり、上位4カ国は、第2ラウンドから開始となる。

地域別の出場国は、以下の通りである[3]。

年 全世界 イギリス ヨーロッパ オセアニア 北アメリカ 南アメリカ アフリカ アジア
2010 24 4: イングランドの旗 ウェールズの旗 スコットランドの旗 北アイルランドの旗 15: オランダの旗 アイルランドの旗 ドイツの旗 スペインの旗 フィンランドの旗 オーストリアの旗 スウェーデンの旗 ロシアの旗 ジブラルタルの旗 スロベニアの旗 デンマークの旗 ポーランドの旗 ベルギーの旗 チェコの旗 スロバキアの旗 2: オーストラリアの旗 ニュージーランドの旗 2: カナダの旗 アメリカ合衆国の旗 0 0 1: 日本の旗

本戦[編集]

本戦の形式は、以下の通りである。 なお、シングルズ、ダブルズとも、全て501で行われる[4]。

曜日 ラウンド 出場国 相手国 内容 ポイント 解説 レッグズ
(ベスト・オヴ) 		先攻
金 1 9-24位の国 順位の和が33位になる国 (例: 9位 vs 24位) ダブルズ - - 11 敗者
2 1-8位の国 + 第1R勝国 1-8位 vs 第1R勝国 (無作為抽選) - -
土 グループ 第2Rの勝国 (4カ国からなるグループ内総当戦[5])
グループA: 2、3、6、7位の国 / これらに勝利した国
グループB: 1、4、5、8位の国 / これらに勝利した国 		シングルズ x 2 1pt x 2 各国1位 vs 相手国2位 5
ダブルズ 2pts -
延長戦 (ダブルズ) - ポイントが2-2の時のみ 1 ブルアップ
日 準決勝 グループA, Bの
それぞれ上位2カ国 		グループAの1位 vs グループBの2位
グループBの1位 vs グループAの2位
シングルズ x 4 1pt x 4 ラウンドロビン 11 敗者
ダブルズ 2pts 必要に応じて
延長戦 (ダブルズ) - ポイントが3-3の時のみ 1 ブルアップ
決勝 準決勝の勝国 シングルズ x 4 1pt x 4 ラウンドロビン 15 敗者
ダブルズ 2pts 必要に応じて
延長戦 (ダブルズ) - ポイントが3-3の時のみ 1 ブルアップ

決勝[編集]

年 優勝 スコア 準優勝 会場 賞金 (組ごと) スポンサー
国 選手 国 選手 総額 優勝 準優勝
2010 オランダの旗 オランダ レイモンド・ファン・バルネフェルト
コ・ストンプ 		4–2 ウェールズの旗 ウェールズ マーク・ウェブスター
バリー・ベイツ 		イングランドの旗 イングランド
Rainton Meadows Arena
Houghton-le-Spring 		£150,000 £40,000 £20,000 Cash Converters
2012 イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー
エイドリアン・ルイス 		4–31 オーストラリアの旗 オーストラリア サイモン・ウィットロック
ポール・ニコルソン 		ドイツの旗 ドイツ
Alsterdorfer Sporthalle
Hamburg
2013[6] イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー
エイドリアン・ルイス 		3–1 ベルギーの旗 ベルギー キム・ハイブレクト
ロニー・ハイブレクト 		Betfair
2014[7] オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン レイモンド・ファン・バルネフェルト 3–0 イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー
エイドリアン・ルイス 		£200,000 Bwin
2015 イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー
エイドリアン・ルイス 		3–2 スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン
ピーター・ライト 		ドイツの旗 ドイツ
アイススポーツハレ
フランクフルト・アム・マイン 		£250,000 £50,000 £26,000
2016 イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー
エイドリアン・ルイス 		3–2 オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン
レイモンド・ファン・バルネフェルト 		Betway
2017 オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン
レイモンド・ファン・バルネフェルト 		3–1 ウェールズの旗 ウェールズ マーク・ウェブスター
ガーウィン・プライス 		£300,000 £60,000 £32,000
2018 オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン
レイモンド・ファン・バルネフェルト 		3–1 スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン
ピーター・ライト
2019 スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン
ピーター・ライト 		3–1 アイルランドの旗 アイルランド スティーブ・レノン
ウィリアム・オコナー 		ドイツの旗 ドイツ
バークレイカード・アレーナ
ハンブルク 		£350,000 £70,000 £40,000 BetVictor
2020 ウェールズの旗 ウェールズ ガーウィン・プライス
ジョニー・クレイトン 		3–0 イングランドの旗 イングランド マイケル・スミス
ロブ・クロス 		 オーストリア
ザルツブルクアレーナ
ザルツブルク
2021 スコットランドの旗 スコットランド ジョン・ヘンダーソン
ピーター・ライト 		3–1  オーストリア メンサー・スルホビック
ロウビー＝ジョン・ロドリゲス 		ドイツの旗 ドイツ
Sparkassen-Arena
Jena 		Cazoo
2022 オーストラリアの旗 オーストラリア デーモン・ヘタ
サイモン・ウィットロック 		3–1 ウェールズの旗 ウェールズ ガーウィン・プライス
ジョニー・クレイトン 		Eissporthalle
ドイツの旗 ドイツ, フランクフルト
2023 ウェールズの旗 ウェールズ ガーウィン・プライス
ジョニー・クレイトン 		10–2 スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン
ピーター・ライト 		£450,000 £80,000 £50,000 My Diesel Claim


記録と統計[編集]

決勝進出回数[編集]

国別[編集]

国 優勝 準優勝 決勝 大会出場
イングランドの旗 イングランド 4 2 6 13
オランダの旗 オランダ 4 1 5 13
スコットランドの旗 スコットランド 2 3 5 13
ウェールズの旗 ウェールズ 2 3 5 13
オーストラリアの旗 オーストラリア 1 1 2 13
ベルギーの旗 ベルギー 0 1 1 13
アイルランドの旗 アイルランド 0 1 1 13
オーストリアの旗 オーストリア 0 1 1 13

チーム[編集]

国 選手 優 準 決 出
イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー and エイドリアン・ルイス 4 1 5 6
オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 3 1 4 6
ウェールズの旗 ウェールズ ガーウィン・プライス and ジョニー・クレイトン 2 1 3 6
スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン and ピーター・ライト 1 3 4 6
オーストラリアの旗 オーストラリア デーモン・ヘタ and サイモン・ウィットロック 1 0 1 4
スコットランドの旗 スコットランド ピーター・ライト and ジョン・ヘンダーソン 1 0 1 2
オランダの旗 オランダ レイモンド・ファン・バルネフェルト and コ・ストンプ 1 0 1 1
オーストリアの旗 オーストリア メンサー・スルホビック and ロウビー=ジョン・ロドリゲス 0 1 1 8
オーストラリアの旗 オーストラリア サイモン・ウィットロック and ポール・ニコルソン 0 1 1 5
ベルギーの旗 ベルギー キム・ハイブレクト and ロニー・ハイブレクト 0 1 1 5
アイルランドの旗 アイルランド スティーブ・レノン and ウィリアム・オコナー 0 1 1 5
イングランドの旗 イングランド マイケル・スミス and ロブ・クロス 0 1 1 3
ウェールズの旗 ウェールズ マーク・ウェブスター and ガーウィン・プライス 0 1 1 2
ウェールズの旗 ウェールズ マーク・ウェブスター and バリー・ベイツ 0 1 1 1

選手[編集]

国 選手 優 準 決 大会出場
オランダの旗 オランダ レイモンド・ファン・バルネフェルト 4 1 5 8
イングランドの旗 イングランド エイドリアン・ルイス 4 1 5 6
イングランドの旗 イングランド フィル・テイラー 4 1 5 6
オランダの旗 オランダ マイケル・ヴァン・ガーウェン 3 1 4 9
スコットランドの旗 スコットランド ピーター・ライト 2 3 5 9
ウェールズの旗 ウェールズ ガーウィン・プライス 2 2 4 8
ウェールズの旗 ウェールズ ジョニー・クレイトン 2 1 3 6
スコットランドの旗 スコットランド ゲイリー・アンダーソン 1 3 4 9
オーストラリアの旗 オーストラリア サイモン・ウィットロック 1 1 2 13
オーストラリアの旗 オーストラリア デーモン・ヘタ 1 0 1 4
スコットランドの旗 スコットランド ジョン・ヘンダーソン 1 0 1 3
オランダの旗 オランダ コ・ストンプ 1 0 1 1
ウェールズの旗 ウェールズ マーク・ウェブスター 0 2 2 7
アイルランドの旗 アイルランド ウィリアム・オコナー 0 1 1 13
オーストリアの旗 オーストリア メンサー・スルホビック 0 1 1 13
ベルギーの旗 ベルギー キム・ハイブレクト 0 1 1 12
オーストリアの旗 オーストリア ロウビー=ジョン・ロドリゲス 0 1 1 8
ベルギーの旗 ベルギー ロニー・ハイブレクト 0 1 1 5
オーストラリアの旗 オーストラリア ポール・ニコルソン 0 1 1 5
アイルランドの旗 アイルランド スティーブ・レノン 0 1 1 5
イングランドの旗 イングランド ロブ・クロス 0 1 1 4
イングランドの旗 イングランド マイケル・スミス 0 1 1 4
ウェールズの旗 ウェールズ バリー・ベイツ 0 1 1 1

最高平均[編集]

W杯1試合平均上位10
平均 選手 年 (+ ラウンド) 相手 結果
118.10

(WR)

ポーランドの旗 クリストフ・ラタイスキー and クシシュトフ・クチュク 2023, グループステージ リトアニアの旗 ダリウス・ラバナスカス and ミンダウガス・バラウスカス 4–1

(L)

117.88 オランダの旗 マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 2014, 準決勝 (sub match) 北アイルランドの旗 ブレンダン・ドーラン and ミッキー・マンセル 4–0 (L)
111.33 オランダの旗 マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 2017, 2回戦 (sub match) アメリカ合衆国の旗 ダリン・ヤング and ラリー・バトラー 4–0 (L)
109.33 オランダの旗 マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 2017, 1回戦 チェコの旗 カレル・セドラセク and フランチシェク・フンプラ 5–1 (L)
109.31 オーストラリアの旗 デーモン・ヘタ and サイモン・ウィットロック 2022, 準々決勝 ベルギーの旗 ディミトリ・バン・デン・バーグ and キム・ハイブレクト 4–0 (L)
108.41 オーストラリアの旗 サイモン・ウィットロック and ポール・ニコルソン 2010, グループステージ カナダの旗 ジョン・パート and ケン・マクニール 3–1 (L)
107.77 オランダの旗 マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 2016, 準々決勝 (sub match) オーストラリアの旗 サイモン・ウィットロック and カイル・アンダーソン 4–3 (L)
107.31 スペインの旗 アントニオ・アルシナス and カルロス・ロドリゲス 2010, 2回戦 イングランドの旗 フィル・テイラー and ジェームズ・ウェイド 6–5 (L)
105.48 ベルギーの旗 キム・ハイブレクト and ロニー・ハイブレクト 2013, 準決勝 (sub match) フィンランドの旗 Jani Haavisto and ヤルコ・コムラ 4–0 (L)
105.17 オランダの旗 マイケル・ヴァン・ガーウェン and レイモンド・ファン・バルネフェルト 2017, 準々決勝 (sub match) ドイツの旗 マックス・ホップ and マーティン・シンドラー 4–1 (L)

ジョッキー・ウィルソン・カップ[編集]

PDC ワールド・カップの導入に先立ち、2009年12月5日、イングランドとスコットランドの国際試合であるジョッキー・ウィルソン・カップが、グラスゴーで行われた。

ナショナル・チームによる戦いであったことや、ダブルズもシングルズも取り入れた形式であったこと、ベスト・オヴ・11・レッグズであったこと、ポイント制であったことなど、PDC ワールド・カップと類似点も多いが、ダブルズが501ではなく1001であったことや、3-3 (ポインツ) となった場合、180が多い方の勝利という形式は、ワールド・カップにもないこのイヴェントの特徴である。 なお、1001の形式は、PDCのイヴェントで初のことだった[8]。

この模様は、Sky Sportsで生放送され[9]、イングランドが6-0でスコットランドに勝利し、ジョッキー・ウィルソン・カップは、閉幕した[10]。

参照・注釈[編集]

  1. ^ a b c PDC announces 3 new tournaments Archived 2010-04-30 at the Wayback Machine. Retrieved 15 July 2010, PDC.tv
  2. ^ a b World Cup of Darts Preview PDC
  3. ^ PDC World Cup Teams PDC
  4. ^ Cash Converters World Cup Format PDC
  5. ^ ポイントが同点の場合は、レッグ差により順位を付ける。
  6. ^ “Betfair World Cup of Darts Tickets”. pdc.tv. Professional Darts Corporation. 2012年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月9日閲覧。
  7. ^ “Bwin World Cup of Darts Schedule”. Professional Darts Corporation. 2014年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月31日閲覧。
  8. ^ Jocky Wilson Cup Format PDC
  9. ^ Jocky Wilson Cup Preview PDC
  10. ^ England Win Jocky Wilson Cup PDC

外部リンク[編集]

メジャー大会
PDCプロツアー（英語版）
ワールドシリーズ・オブ・ダーツ
その他の大会
過去の大会
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