NHK水戸放送局

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NHK水戸放送局
水戸放送会館(2012年7月撮影)
所在地 310-8567
水戸市大町3丁目4-4
総合テレビ
放送対象地域 茨城県
親局 水戸 20ch (キーID 1)
Eテレ
親局 水戸 *13ch (キーID 2)
FM
放送対象地域 茨城県
親局 83.2MHz
特記事項:
かつてのコールサインはJOAXだった[1]
*は中継局。
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NHK水戸放送局(エヌエイチケイみとほうそうきょく)は茨城県放送対象地域としたNHK地方放送局総合テレビFM放送で県域放送を行っている。NHK EテレとAM放送(ラジオ第1放送ラジオ第2放送)については関東広域圏扱いとして、管轄の東京本局からカバー・中継されている。

概要

総合テレビ

県域放送(放送開始:2004年10月1日、リモコンキーID:1、呼出符号:JOEP-DTV)。県域放送での放送開始はデジタル放送としては初で、アナログ放送を含めれば津放送局以来31年ぶりである。

県内における地上デジタルの中継局の設置は東京タワー(当時)からの電波が届かない県北・県央・鹿行の3地域が優先されたため、これらの地域では山間部などを除くほぼ全世帯で県域放送が受信できる。

東京タワー(2013年5月31日以降は東京スカイツリー)からの放送エリアのめやす[2]となる県南・県西において、県域放送を送出する中継局は筑波中継局、筑波神郡中継局、筑西中継局、八郷南中継局、古河中継局かすみがうら中継局[2][3]の6局である。なお、県西の坂東市に岩井中継局の設置が一時検討されたが、後に置局不要と判断されている[4]

これらの地域では、アナログ放送終了以前は混信を防ぐために筑波中継局に指向性がかけられ、岩瀬中継局は出力が小さく、水戸局の電波も石岡市など一部を除いて届かなかったため、多くの地域で受信できなかった[5]。県南地域では指向性のかけられていた筑波中継局の限られた受信範囲内の地域と県域放送の再送信を行っているケーブルテレビのサービスエリア以外では県域放送を受信する手段がなく、また県西地域では唯一中継局がある桜川市の岩瀬地区以外ほぼ全域が受信エリア外であった。

アナログ停波後の2011年9月5日に筑波中継局が無指向性化され、県内のほぼ全域で県域放送が受信可能となった[6]

鹿行地区においては、2013年1月に神栖中継局が新たに設置され[7]、翌2014年1月末にはかすみがうら中継局も新たに設置された。

FM放送

県域放送(放送開始:1970年4月6日、呼出符号:JOEP-FM)。

茨城県には県域放送を行う民放FM局が存在せず、NHKが唯一の県域FM放送である。唯一の民間県域放送である茨城放送はAM局である[8]

沿革

  • 1941年(昭和16年)12月9日 - 水戸市黒羽根町に社団法人日本放送協会水戸臨時放送所を開設、電波管制に伴う措置として放送開始(中波、呼出符号なし)。
  • 1942年(昭和17年)4月10日 - 水戸市元白金町に社団法人日本放送協会水戸出張所を開設(水戸放送局の始まり)。
  • 1945年(昭和20年)
    • 8月2日 - 戦災により水戸出張所が焼失、茨城会館ほかに移転。
    • 10月26日 - 水戸臨時放送所を水戸中継放送所と改称。
  • 1946年(昭和21年)
  • 1948年(昭和23年)
    • 5月1日 - 水戸出張所を水戸支局と改称。
    • 7月1日 - 水戸中継放送所のコールサインJOAXに変更(このコールサインは後に日本テレビが使用)。
    • 8月16日 - 水戸中継放送所を廃止。
  • 1949年(昭和24年) - 水戸市大町1-2-6(現・三井生命会館)に木造2階建て局舎を建設。
  • 1950年(昭和25年)6月1日 - 放送法施行に伴い、社団法人日本放送協会が解散。特殊法人としての日本放送協会が設立され、一切の権利義務を継承。
  • 1951年(昭和26年)7月1日 - 水戸支局を水戸放送局と改称(送信施設なし)。
  • 1959年(昭和34年) - 鉄筋コンクリート局舎を建設。
  • 1960年(昭和35年) - 土浦通信部を開設。
  • 1961年(昭和36年)12月1日 - 日本初のUHF放送局・日立テレビ中継放送所の実験運用を開始。
  • 1962年(昭和37年) - 日立通信部を開設。
  • 1963年(昭和38年) - 日立テレビ中継放送所の本放送を開始。
  • 1967年(昭和42年) - 鹿島通信部を開設。
  • 1970年(昭和45年)4月6日 - 水戸放送局、FM放送を開始(呼出符号:JOEP-FM)。
  • 1973年(昭和48年) - 現在の水戸放送会館が落成、現在地に移転。
  • 1976年(昭和51年)7月17日 - 水戸放送局、テレビの中継放送を開始。
  • 1991年(平成3年) - 土浦通信部を廃止、つくば報道室を開設。
  • 1998年(平成10年) - かしま報道室を開設。
  • 2004年(平成16年)10月1日 - 水戸放送局、地上デジタル総合テレビの放送を開始(呼出符号:JOEP-DTV)、地上デジタル教育テレビの中継を開始。
  • 2005年(平成17年)3月 - NHK水戸児童合唱団を設立。
  • 2006年(平成18年)4月1日 - 茨城県を含む全国29都府県でワンセグ放送を開始(総合テレビ、教育テレビともに、放送センターからの放送をサイマル放送)。
  • 2007年(平成19年)2月1日 - 水戸放送局、総合テレビのワンセグ放送を開始(放送センター発総合テレビのサイマル放送を終了)。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 - 東日本大震災が発生、茨城県内の災害報道に当たる。
    • 7月24日 - アナログ放送終了、同放送の中継放送所を停波、地上デジタル放送へ完全移行。
  • 2012年(平成24年)4月10日 - 水戸放送局、開局70周年。
  • 2014年(平成26年)
    • 10月1日 - 水戸放送局、総合テレビ放送開始10周年。
    • 10月4日 - 総合テレビ放送開始10周年を記念し、水戸放送会館にて「満てん!いばらきフェスタ」を開催(〜5日)。

放送局の主な周波数一覧

テレビ

  • 総合テレビは呼出符号:JOEP-DTVリモコンキーID1、親局所在地は水戸市森林公園。
  • それ以外は、全てNHK放送センターの管轄となっている。このため、筑波中継局は現段階では教育テレビは存在しない。
  • 2011年7月24日で放送を終了したアナログ放送は歴史的経緯により、日立中継局が茨城県内の基幹局となっていた。
局名 デジタル アナログ
総合 教育 空中線
電力
総合 教育 空中線
電力
水戸 20ch 13ch 300W 44ch 46ch 30W
筑波 49ch 20W 45ch 47ch 10W
十王 47ch 39ch 10W 51ch 49ch 100W
日立 20ch 13ch 3W 52ch 50ch
山方 26ch 51ch 49ch 30W
常陸鹿島 31ch 16ch
日立神峰 13ch 40ch 42ch 0.3W
御前山 16ch 26ch 43ch 45ch 30W
竜神平 39ch 1W 10W
北茨城 42ch 40ch
奥久慈男体 31ch 26ch 35ch 37ch
里美 20ch 13ch 43ch 45ch
水府 51ch 49ch
笠間 31ch 39ch
岩瀬 52ch 26ch 44ch 55ch
大子 20ch 13ch 0.3W 51ch 49ch 3W
那珂湊 31ch 26ch 0.05W 37ch 39ch 10W
筑西(加波山) 52ch   3W  
神栖(千葉県銚子市) 44ch
古河(旭町) 52ch 1W
八郷(加波山) 20ch 13ch
局名 アナログ
総合 教育 空中線
電力
石岡 40ch 42ch 30W
江戸崎 50ch 48ch 10W
大洗 37ch 35ch 3W
日立中里 51ch 49ch
盛金 42ch 44ch
上金沢 43ch 45ch
町附 42ch 44ch
北茨城平潟 52ch 50ch 1W
美和高部
大子頃藤 43ch 45ch
鉾田
大洋北浦 44ch 46ch
日立白銀 51ch 53ch 0.5W
常陸太田 47ch 45ch
那珂湊平磯 36ch 34ch 0.1W
筑波神郡 50ch 52ch
水戸谷津 59ch 61ch
水戸金山 60ch 62ch


ラジオ

AM2波はNHK放送センターの管轄であり、中継局を設けていない。FM放送のみ。

  • 呼出符号:JOEP-FM
  • 水戸 83.2MHz 1kW
  • 日立 84.2MHz
  • 大子 84.8MHz
  • 北茨城 82.9MHz

県域テレビ放送開始の経緯

茨城県では1971年郵政省(現・総務省)から県域民放テレビ局用の電波(周波数:アナログUHF34ch、映像出力:5kW、音声出力:1.25kW)が割り当てられた。これに対して、県域民放ラジオ局の茨城放送を含む8社が放送免許の申請を行ったが、多額の設備投資が必要であること、スポンサーの獲得が難しいことから、2004年までに全社が免許申請を取り下げた。また、デジタル化のため、電波の割り当てが取り消されることになった。

一方、委託放送事業者つくばテレビ(本社・東京都)は、1997年開局のパーフェクTV!(現在のスカパー!プレミアムサービス)で県域テレビ局のない茨城県の情報発信を目的とした「HITチャンネル・ほっと茨城テレビ」を開局した。しかし、スポンサーの獲得が難しく、加入者数も伸び悩んだため、わずか1年で閉局となり、グラビアアイドルなどが出演するセクシー女優専門チャンネル(現在のエンタ!959など)に転換した。

茨城県も、郵政省などに対して県域テレビ放送の開始を要望してきた。平成に入り、「那珂川水害」(1998年)や「JCO臨界事故」(1999年)などの大規模災害が発生したことから、住民に対する避難誘導や情報提供の体制を強化する目的で、県域テレビ放送の必要性が盛んに論議されるようになった。

アナログ総合テレビについては、関東地方の各都県では放送電波の逼迫などの理由から県域放送を見送り、放送センターからの広域放送を続けてきたが、デジタル化によって同一周波数中継(SFN)が可能になったことなどから、デジタル総合テレビでの県域放送の開始が検討されるようになった。ところが、茨城県を除く1都5県に所在する既存の県域民放テレビ局から経営圧迫を懸念する意見が出されたため、まずは県域民放テレビ局が存在しない茨城県のみで開始することになった。当時のNHK会長だった海老沢勝二は茨城県出身であり、県域放送開始に大きく貢献したといわれている。

2009年度から3か年の経営計画では、前橋宇都宮の両局について、地上デジタル放送への完全移行後に県域放送開始の検討を行うことが盛り込まれ、2012年4月1日に県域放送へ移行した。

報道室、通信部

報道室

通信部

情報カメラ

主な水戸局制作番組

総合テレビ

※この他、クラシックコンサートやイベント中継などで茨城が特集された番組をマルチ編成のサブチャンネルで放送することがある。

茨城のニュース・気象情報

月曜日 - 金曜日
  • 6:55 - 7:00 ニュース・気象情報(おはよう日本内)※2015年3月終了
  • 7:56 - 8:00 ニュース・気象情報(同上)
  • 11:57 - 12:00 いばらき気象情報(いばっチャオ!内)
  • 12:15 - 12:20 ニュース
  • 18:54 - 18:58.55 茨城の気象情報(茨城ニュース いば6内)
  • 20:45 - 21:00 茨城ニュース845
土曜日・日曜日・祝日
  • 12:10 - 12:15 ニュース
  • 18:45 - 18:58.55 ニュース・気象情報(18:53 - 18:55は全国の気象情報)
年末年始(12月29日1月3日
  • 12:10 - 12:15 ニュース
  • 18:50 - 19:00 ニュース・気象情報(18:55 - 18:57は全国の気象情報)

新聞番組表の掲載

現在、以下の新聞で関東1都6県向けの朝刊テレビ面に茨城県向け独自内容の番組を掲載している。

FM放送

平日のみ県域ニュース、天気予報、交通情報、お知らせを放送。

  • 7:20 - 7:25 ニュース・天気予報
  • 11:50 - 12:00 天気予報・交通情報・おしらせ
  • 12:15 - 12:20 ニュース・天気予報
  • 18:50 - 19:00 ニュース・天気予報・交通情報

終了した番組

アナウンサー・キャスター

アナウンサー

氏名 前任地 主なジャンル 主な担当番組
辻智太郎 和歌山 地域報道 ニュース など
金子哲也 東京アナウンス室 アナウンス担当副部長 ニュース など
杉岡英樹 東京アナウンス室 スポーツ スポーツ中継など
高橋康輔 秋田 地域報道 ニュースワイド茨城
南山吉弘 帯広 特になし ニュース など

キャスター

氏名 所属・前職等 主な担当番組 備考
阿部佳乃 佐渡テレビジョンアナウンサー
新潟テレビ21アナウンサー
いばっチャオ!ひるまえ ほっと(首都圏)
おはよう日本(茨城県内ニュース)など
井上智惠 徳島局契約キャスター いばっチャオ!
金田優香 宇都宮局契約キャスター いばっチャオ!、ひるまえ ほっと(首都圏)
おはよう日本(茨城県内ニュース)など
杉尾美幸 茨城ニュース いば6(キャスター)
高橋温美 釧路局青森局契約キャスター 茨城ニュース いば6(キャスター) 夫は秋田局高橋篤史
二宮佳純 いばっチャオ!、ひるまえ ほっと(首都圏)
おはよう日本(茨城県内ニュース)など
細谷翠 いばっチャオ!、ひるまえ ほっと(首都圏)
おはよう日本(茨城県内ニュース)など
宮田英里 茨城放送アナウンサー いばっチャオ!、茨城ニュース いば6(リポーター)
向笠康二郎 オフィス気象キャスター株式会社所属 いばっチャオ!、茨城ニュース いば6 気象予報士

脚注

  1. ^ 現・日本テレビ放送網のコールサイン。
  2. ^ a b 放送エリアのめやす(Dpa)
  3. ^ 2012年10月9日開催・同年10月26日公表の日本放送協会第1175回経営委員会議事録より。
  4. ^ NHK関東広域圏、地上デジタルテレビ放送中継局ロードマップ、総務省2009年9月28日
  5. ^ 茨城県地上デジタルテレビ放送のエリアのめやす” (PDF). 茨城県域地上デジタル放送受信ガイド. 日本放送協会. 2009年9月28日閲覧。
  6. ^ 関東総合通信局『茨城県筑波中継局の放送エリアの拡大』
  7. ^ 銚子中継局を受信している世帯向けの域外中継局として千葉県銚子市に設置。
  8. ^ ただし、茨城放送では2015年8月17日よりFM補完放送が開始されている。

外部リンク