NFL
NFL | |
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競技 | アメリカンフットボール |
コミッショナー | ロジャー・グッデル |
開始年 | 1920年 |
参加チーム | 32 |
国 | アメリカ合衆国 |
前回優勝 | デンバー・ブロンコス |
公式サイト | NFL.com |
ナショナル・フットボール・リーグ(英語: National Football League, NFL)は、アメリカ合衆国で最上位に位置するプロアメリカンフットボールリーグである。
概説
1920年にアメリカン・プロフェッショナル・フットボール・アソシエーション(英語: American Professional Football Association, APFA)として4チームにより発足し、2年後の1922年に現在の名称であるナショナル・フットボール・リーグ(以下、NFL)に改名した。
過去、NFLに対抗したプロフットボールのリーグがいくつか創設されたが、その対抗リーグよりNFLに編入されたチームがいくつか存在する。その中でも、1960年から1969年に存在したアメリカン・フットボール・リーグ(AFL)はNFLの最大のライバルとなり、1970年に両リーグがほぼ対等合併の形でリーグ統合を行い、現在の形のNFLが誕生した。
現在のNFLは32チームにより編成されており、アメリカン・フットボール・カンファレンスとナショナル・フットボール・カンファレンスの二つのカンファレンスに16チームずつが所属している。さらに各カンファレンスには東、北、南、西の4つの地区があり、各地区に4チームずつが所属している。試合形式は9月から12月もしくは1月にかけて行われるレギュラーシーズンで各チームが16試合を戦い、各カンファレンスの上位6チームが1月に行われるプレーオフに進出し、一発勝負のトーナメント方式でカンファレンス優勝を争う。各カンファレンスで優勝したチームは、2月上旬に行われるリーグ優勝決定戦のスーパーボウルに出場し、その試合の勝利チームがNFLの年間王者となる。また、オールスターゲームであるプロボウルはスーパーボウルの前週に開催される。
NFLは北米4大プロスポーツリーグの中で最も人気が高く[1]、レギュラーシーズンの1試合平均観客動員数は6万7000人を超えている[2]。特にスーパーボウルは同国最大のスポーツイベントであり、毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、圧倒的な注目を集めている。また2014年シーズンの年間収益は120億ドルであり[3]、メジャーリーグベースボールなどを大きく引き離し、経済的に世界最大のプロスポーツリーグである。レベニュー・シェアリングという利益公平分配制度に代表されるように、各チームの戦力や資金力の均等化を追求することによってリーグの活性化を図っていることでも知られる。
加盟チーム
地区編成
全米各地の32チームから成り、アメリカン・フットボール・カンファレンス (American Football Conference , AFC)と、ナショナル・フットボール・カンファレンス (National Football Conference , NFC) の2つのカンファレンスに16チームずつが所属している。カンファレンスはさらに東、北、南、西の4つの地区(ディビジョン)に別れ、4チームずつが所属している。
1970年にAFLとNFLが統合したことによりAFC東中西、NFC東中西の6地区が成立し、2002年に現行の2カンファレンス各4地区制に移行した。
アメリカン・フットボール・カンファレンス
ナショナル・フットボール・カンファレンス
シーズン
プレシーズン
プレシーズンは8月に通常各チームが4試合を戦う。ホール・オブ・フェイム・ゲームが伝統的にプレシーズンの最初に行われる試合である。プレシーズンゲームは公式戦ではないため、主力選手は調整のために出場を控えることも多い。それにもかかわらず好カードは主要ネットワークによって全米中継されており、MLBのリーグ優勝決定戦シリーズの全米視聴率を上回る試合もある。
レギュラーシーズン
フォーマット
レギュラーシーズンは9月第1週〜12月第4週にかけての17週であり、その間に各チームが16試合を戦う(全256試合)。各チームには「バイ・ウィーク」としてシーズン中に1週の休みが設けられている。
16試合の内訳について、現在のフォーマットは以下のとおり。
- 同カンファレンスの同地区の3チームと2試合ずつ(計6試合)。
- ホーム・アンド・アウェー形式による。
- 同カンファレンスの別地区の4チームと1試合ずつ(計4試合)。
- 対戦する地区は1シーズンごとにローテーションする。3シーズンで1周期(ホーム・アンド・アウェーの観点では6シーズンで1周期)。
- 別カンファレンスの1地区の4チームと1試合ずつ(計4試合)。
- 対戦する地区は1シーズンごとにローテーションする。4シーズンで1周期(ホーム・アンド・アウェーの観点では8シーズンで1周期)。
- 同カンファレンス内で対戦のない2地区における、前シーズンの地区順位が同じチームと1試合ずつ(計2試合)。
ホームゲームが8試合、アウェーゲームが8試合行われる。同地区内の4チームは、16試合のうち14試合で共通の相手と対戦する仕組みとなっている。
開催日
試合はアメリカ東部時間の木曜、土曜、日曜および月曜日の午後に開催される。開催日についてはテレビ放送の拡充に伴って変遷がある(テレビ放映権#経緯の項も参照)。
- 木曜日
- 第1週にはキックオフゲームとして前年度のチャンピオンチームの試合が開催される。
- サンクスギビング・デー(11月第4木曜)には3試合が行われる。長年の慣習としてダラス・カウボーイズとデトロイト・ライオンズのホームゲームが行われているが、2006年シーズン以降はこの2チーム以外のホームゲーム1試合が追加された。
- サンクスギビング・デーを除く第2週から第16週までは、サーズデーナイトフットボール (TNF) としてナイトゲーム1試合が開催される。
- 土曜日
- カレッジフットボール(毎週土曜に試合が開催される)がシーズンオフに差し掛かる12月以降には土曜開催が設定されることがある。
- 開催頻度はシーズン毎に一定しておらず、2013年シーズンは開催がなかった一方で、2014年シーズンは第16週のみ2試合、2015年シーズンは第15週、第16週に各1試合が開催される。
- 日曜日
- 最も多くの試合が日曜にデーゲームで開催される。
- プライムタイムにはサンデーナイトフットボール (SNF)としてナイトゲーム1試合が開催される。
- 月曜日
- 第1週から第16週までマンデーナイトフットボール (MNF) としてナイトゲーム1試合が開催される。ただし、 第1週のみ2試合が開催される。
- 何らかの理由で日曜以前の試合が開催不能になった場合、代替で月曜日に開催されることがある。
- 第17週はMNFの放映権が地上波のABCからスポーツ専門局のESPNに移行した2006年シーズン以降、開催されていない。
スケジュール
対戦スケジュールは、例年4月中旬に発表される(なお、現在のシステムでは対戦カード自体は機械的に決まるため、前年度のレギュラーシーズン終了までに確定する)。
- 前シーズンに好成績だったチーム(プレーオフ出場チーム)は、3試合程度、ナイトゲーム(曜日は問わず)が設定されるのが通例。
- ナイトゲームは、全米中継され、注目カードを設定する傾向がある。
- ただし、シーズン終盤のサンデーナイトフットボールは、日曜午後の試合と差し替えが可能となっており、特に最終節については対戦カードを予め決めず、直前になって決定する(NBCサンデーナイトフットボール#フレキシブル・スケジューリングの項参照)。
- 近年、前シーズン好調だったチームの成績が振るわないことが多く、シーズン終盤に注目対象になり得ない対戦が増えたため、放送局に配慮した措置。
- 2010年シーズンより、最終週の全ての試合を同地区対決とするなどシーズン終盤に多くの同地区対決試合を編成するようにしている[4]。
- 2007年シーズン以降「NFLインターナショナルシリーズ」としてイギリスのロンドン(ウェンブリー・スタジアム)で試合を行っている。2007年シーズンから2012年シーズンまでは1試合が開催された。2013年シーズンから4年間については、ジャクソンビル・ジャガーズがホームゲーム扱いとして1試合を開催する予定。これを含め2013年シリーズは2試合が開催され、2014年シリーズは3試合を予定している。
ポストシーズン
レギュラーシーズンの成績によって選出された AFC・NFC両カンファレンスの地区優勝4チームとそれ以外の成績上位2チーム(ワイルドカード)の計6チームずつ(両カンファレンスあわせて12チーム)によってプレーオフが行われる。
プレーオフはノックアウト トーナメントで行われ、スーパーボウルを含む11試合は「ポストシーズンゲーム」と呼ばれる。
トーナメントフォーマット
- 基本的なトーナメント表(AFC2/NFC2でシード3が勝利した場合のパターン。シード6が勝利した場合はそれぞれの3・4の組み合わせが変わる。後述)
ワイルドカードプレーオフ (カンファレンス1回戦) |
ディビジョナルプレーオフ (カンファレンス準決勝) |
カンファレンスチャンピオンシップ (カンファレンス決勝) |
スーパーボウル (リーグ決勝) | |||||||||||
AFC1 | ||||||||||||||
シード4 | ||||||||||||||
AFC3 | ||||||||||||||
シード5 | ||||||||||||||
1勝者 | ||||||||||||||
シード1 | ||||||||||||||
AFC5 | ||||||||||||||
3勝者 | ||||||||||||||
AFC2 | ||||||||||||||
4勝者 | ||||||||||||||
シード3 | ||||||||||||||
AFC4 | ||||||||||||||
シード6 | ||||||||||||||
2勝者 | ||||||||||||||
シード2 | ||||||||||||||
AFC5勝者 | ||||||||||||||
NFC1 | ||||||||||||||
NFC5勝者 | ||||||||||||||
シード4 | ||||||||||||||
NFC3 | ||||||||||||||
シード5 | ||||||||||||||
1勝者 | ||||||||||||||
シード1 | ||||||||||||||
NFC5 | ||||||||||||||
3勝者 | ||||||||||||||
NFC2 | ||||||||||||||
4勝者 | ||||||||||||||
シード3 | ||||||||||||||
NFC4 | ||||||||||||||
シード6 | ||||||||||||||
2勝者 | ||||||||||||||
シード2 | ||||||||||||||
各カンファレンスのプレーオフ進出6チームは、レギュラーシーズンの成績に応じてシード順位が決められる。まず、地区優勝4チームの成績を比較し、良い方からシード1位〜4位となる。次にカンファレンス内の地区優勝4チームを除いた12チームの成績を比較し、上位2チームがワイルドカードとなる[5]。なおワイルドカードはシード5位または6位固定であり、別地区の地区優勝チームを成績で上回っても、地区優勝チームが上位扱いとされる[6]。平年の場合、レギュラーシーズン10勝がプレーオフ進出のボーダーラインの目安とされているが、他チームの成績によっては10勝以上の成績を残してもプレーオフに進出できないことも当然ながらありうる。
- トーナメント1回戦(ワイルドカード プレーオフ)
- シード3位とシード6位が対戦。
- シード4位とシード5位が対戦。
- シード1位とシード2位は2回戦からの参加となる。
- トーナメント2回戦(ディビジョナル プレーオフ)
- シード1位と「ワイルドカード プレーオフの勝者でシード下位のチーム」が対戦。
- シード2位と「ワイルドカード プレーオフの勝者でシード上位のチーム」が対戦。
- 組み合わせがそのつどシード順で決まるため、NFL のプレーオフは開始時に固定的なトーナメント表を描くことができない(ワイルドカードプレーオフ、シード3位対6位で、3位が勝てば2位と、6位が勝てば1位との対戦になり、他方の勝者の対戦相手にも影響する)。
- トーナメント3回戦(カンファレンス チャンピオンシップ)
- ディビジョナル プレーオフの勝者同士が、それぞれAFCチャンピオンシップ・NFCチャンピオンシップで対戦。
プレーオフすべての試合は、シード上位のチームのフランチャイズ(ホームスタジアム)での一発勝負である(MLB・NBA・NHLのプレーオフで採用されている番勝負ではない)。シード1位チームは、プレーオフ全試合をホームで行うことが確定していることになる。
アメリカンフットボールでは、観客の声援によって相手チームのオーディブル(QBが作戦の変更をチームメイトに伝えること)が遮られることがあり、移動による負担などとも合わせ、ホームで戦う優位性が高い。このため、プレーオフをより有利に戦う為にもレギュラーシーズンの成績が重要となる。
プロボウル
カンファレンス チャンピオンシップ ゲーム と スーパーボウルとは2週空けており、間の1週に「プロボウル」と呼ばれるオールスターゲームが開催される。
2008年シーズン(試合開催は翌2009年)までの30年近く、プロボウルは、スーパーボウルの翌週に、ハワイ州ホノルルのアロハ・スタジアムに開催されていた。
2009年シーズンより、スーパーボウル前週に開催することとなった。これは「スーパーボウルでシーズンチャンピオンを決めることで、シーズン最後に最大に盛り上がる」というコミッショナーの意向に基づくものである。
また2008年シーズンにハワイ州との契約が切れたこともあり、リーグから開催週の変更とスタジアム改修を申し入れたところ、ハワイ州から断られたため、スーパーボウルと同じスタジアム(2009年シーズンはマイアミ)で開催することを決めた。
スーパーボウルの前週に開催するため、スーパーボウル進出チーム所属の選手が出場しない。このことでプロボウルの価値は下がり、ハワイ州が断った要因とされている。
選出された選手にとっては、ハワイというリゾート地で家族と一緒に1週程度滞在できるなど慰安・ご褒美の意味もあり、選手からもハワイに戻すことを熱望されていた。 それらを踏まえてNFLとハワイ州は、2010年、2011年シーズン(開催は翌2011年、2012年)の2シーズンについて、アロハスタジアムで開催することで契約した。 スーパーボウルの前週開催であること、スーパーボウル進出チーム所属の選手はプレーしないことは変わらないが、それらの選手がサイドラインに立つなど、プロボウル チームに帯同することになっている。
スーパーボウル
両カンファレンスの優勝チーム同士がスーパーボウルで対戦し、全米王者が決定する。スーパーボウルは毎年2月の第1日曜日に行われる。 この試合は全米はもとより世界各地で中継放送され、アメリカンフットボールのシーズンを締めくくるにふさわしい一大祭典といわれ、全米視聴率は毎年年間最高である。
タイブレーク
レギュラーシーズン終了後、プレーオフ進出チーム、次シーズンの対戦フォーマット、およびドラフトの指名順決定のために、順位を確定する。
順位は勝率をもとに決定するが、32チームそれぞれが16試合ずつしか行わないため、同じ勝率となるチームが複数存在する。
同じ勝率のチーム同士の順位を確定させる手続きを「タイブレーク」と呼ぶ。
なお、勝率の計算では引き分けを0.5勝0.5敗として計算する。
地区内順位決定のためのタイブレーク
- 直接対決の試合(計2試合)の勝率
- 同地区チームと対戦した試合(計6試合)での勝率
- 共通のチームと対戦した試合(計12試合)での勝率
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合(計12試合)での勝率
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得失点差順位
- リーグ内での総得失点差順位
- 共通のチームと対戦した試合(計12試合)での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失TD差
- コイントス
以上の手順で確認し、2チームが同順位のまま残った場合、その2チームだけでもう一度最初からやり直す。
カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク
- 地区内順位を決定する
- 地区内上位扱いのチーム同士で順位を決定する(決定方法は、後述)
- 上位扱いとするチームが決定したら、そのチームと同地区の次位のチームを繰り上げて、残ったチームと比較する。
たとえば、3チームA、B、Cが同じ成績で、チームAとチームBが地区X、チームCが地区Yに所属する場合:
- まず、同地区のチームA、Bの間で順位を決める。仮にチームBが上位とする。
- 上位扱いのチームBとチームCで順位を決定する。
- もし、チームCがチームBより上位と判断すれば、チームBはチームAより上位なので、3チーム全体として上位からC、B、Aの順。
- もし、チームBがチームCより上位と判断すれば、チームBと同地区のチームAが繰り上がり、チームCとチームAであらためて判断する。
- チームCがチームAより上位と判断すれば、3チーム全体として上位からB、C、Aの順。
- チームAがチームCより上位と判断すれば、3チーム全体として上位からB、A、Cの順。
2チーム間のタイブレーク
- 直接対決があれば、その試合の勝率
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合での勝率
- 共通のチームと対戦した試合での勝率(2試合以下の場合、適用しない)
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得失点差順位
- リーグ内での総得失点差順位
- 共通のチームと対戦した試合での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失TD差
- コイントス
3チーム以上のタイブレーク
以下の手順で確認し、2チームが同順位のまま残った場合、その2チームだけで「2チーム間のタイブレーク」の手順を最初からやり直す。
- 直接対決の試合の勝率(1チームが他のチームにすべて勝利しているか、すべて敗戦している場合のみ適用)
- 同じカンファレンスのチームと対戦した試合での勝率
- 共通のチームと対戦した試合での勝率(3試合以下の場合、適用しない)
- 勝利した試合の対戦相手の合計勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- 同じカンファレンス内での総得失点差順位
- リーグ内での総得失点差順位
- 共通のチームと対戦した試合での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失点差
- レギュラーシーズン16試合での総得失TD差
- コイントス
プレーオフ進出チーム内の順位
- 地区優勝チームが上位
- 地区優勝チーム同士で「カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク」で順位を判定
- ワイルドカードチーム同士で、同地区のチームが存在する場合「地区内順位決定のためのタイブレーク」で順位を決定し、その上で「カンファレンス内順位決定のためのタイブレーク」で順位を決定。
ドラフトの指名順位
ドラフトにおける指名順位は以下の条件により決定される。
- プレーオフに出場しなかったチーム :1〜20位
- ワイルドカード プレーオフで敗退したチーム :21〜24位
- ディビジョナル プレーオフで敗退したチーム :25〜28位
- カンファレンス チャンピオンシップで敗退したチーム :29〜30位
- スーパーボウル敗退チーム :31位
- スーパーボウル勝利チーム :32位
各枠内での順位は以下の基準によって決められる(成績決定時とは逆順)。
- レギュラーシーズンの勝率
- レギュラーシーズンの対戦相手の合計勝率
- (同一ディビジョンのチームの場合)ディビジョン内での順位
- コイントスで決定
同じ勝率の場合、同一セグメントに含まれるとして順位を設定する。 同一セグメント内の順位は、1巡目で最上位だったチームを2巡目で同セグメント内の最下位に移動し、他のチームを1つずつ繰り上げる。3巡目以降も同様。
試合運営
概要
基本的なルールは、NCAAや日本で行われるそれと同じである。
- 15分4クオーター(全体の競技時間60分)で行う。
- 第4クオーター終了して、より得点の多いチームが勝利する。
- 各チームには、前後半それぞれにタイムアウトが3回ずつ与えられる。
ただし、細かい点で、興業面やテレビ中継、選手の怪我防止を意識したルールの差異がある。
主な違いは、アメリカンフットボール・NFLとNCAAのルールの差異を参照。
プレー一般
出場選手
- 各チームは、試合ごとに53人の選手を登録することができる。
- 各チームは、53人中46人をアクティブ、残る7人をイナクティブとして、各試合前に事前に登録する必要がある。
- プレーできるのは、アクティブ登録の選手のみ。イナクティブ登録の選手は、サイドラインにいることはできる。
装備
- 攻撃、守備それぞれには1名だけヘルメット内に無線レシーバーを装備することができる。
これは自チームのコーチからの指示を受信するためである。- 攻撃は、QBとして登録されている選手に装備する。
- 控えQBがプレーに参加する場合、レフリーに申告しなければならない。
- 守備は、チーム全体で2名まで装備して、1人目をプライマリー、2人目をバックアップとして扱われる。
- バックアップの守備選手が、プレーに参加する場合、アンパイアに申告しなければならない。
- 1つのプレーで、1つのチームからレシーバーを装備した選手が2人参加することはできない。
- 攻撃は、QBとして登録されている選手に装備する。
ユニフォーム
- 各チームは、カラージャージ、ホワイトジャージいずれか着用する。
- カラー、ホワイトいずれかを着用するかは、ホームチームが選択する。
この選択はシーズンを通して固定ではなく、試合ごとに選択する。
多くのチームは、チームカラーを基調としたカラージャージを選択する。
ダラス・カウボーイズは、勝率の良さのジンクスからホワイトジャージを選択している(紺色のカラージャージは、敵地での試合で相手チームがホワイトジャージを選ばない限り着用することはない)。
マイアミ・ドルフィンズとタンパベイ・バッカニアーズは、日差しの強いホームで熱がこもらないようにホワイトジャージを選択することが多い(逆に言えば相手チームに熱がこもるようにカラージャージを着用させるため)。ただし日差しの弱いナイトゲームではカラージャージを着用することもある。 - 近年、各チームは、サードジャージ(3rd jersey, alternate jersey)と呼ばれるジャージを着用することがある。
元来は、1995-96シーズンにリーグ創設75周年を記念し、“スローバックジャージ”と称して昔のユニフォームを着用した。
これが好評であり、グッズ売り上げにも貢献したこともあり、それ以降も着用するチームが多くなった。
その中から新しいデザインのジャージを着用するチームが増えて、サードジャージとして定着した。
サードジャージは、チームによって、スローバックジャージであったり、セカンドカラーを基調としたカラージャージであったり、カラージャージのレイアウトで色の位置の組み替えたジャージであったり様々である。
主にホームのナイトゲームで着用することが多い。 - ジャージの色がカラー、ホワイトの区別がつけば良く、パンツの色についてはカラーでも、ホワイトでもどちらでも良い。
そのため、カラージャージ、ホワイトジャージの2種類に、カラーパンツ、ホワイトパンツの2種類の組み合わせで4種類のユニフォームを、サードジャージさらにサードジャージ仕様のパンツも組み合わせれば9種類のユニフォームを着用するチームも存在する。
インスタントリプレイ(チャレンジ)
NFLにはプレーの判定が疑わしい場合、ビデオ判定することがあり、これを「インスタントリプレイ」と呼ぶ。
- 両チームのヘッドコーチは、審判にインスタントリプレイを要求する「チャレンジ」ができる。
- チャレンジする権利は各チームに1試合に2回まで。
ただし2回とも判定が覆った場合のみ、さらにもう1回権利が与えられる。
この回数を超えてチャレンジすると、15ヤード罰退。 - チャレンジする場合、ヘッドコーチはあらかじめ提供された「赤いフラッグ」をフィールドに投げ込む。
- 投げ込むと行っても、審判が視認できればよく、審判の目の前で「赤いフラッグ」を落とすだけでも良い。逆に言えば審判が気づかれなければ無効である。
- チャレンジを受けた場合、レフリーは、ビデオリプレイを確認し、フィールド上の判定が正しいか判断する。
- ビデオリプレイは60秒以内で終了し、速やかに判断を下すことがレフリーに求められている。
- 判定を覆すには、覆すだけの証拠が必要とされ、疑わしい場合は、フィールド上の判定が優先される。
- 判定が覆らなかった場合、チャレンジしたチームからタイムアウト1回が没収される。
- タイムアウトがないチームには、チャレンジする権利はない。
タイムアウトなしにチャレンジすると15ヤード罰退。 - 判定が覆っても、覆られなくても、チャレンジ回数はカウントされる。
- タイムアウトがないチームには、チャレンジする権利はない。
- 「前後半の残り2分以降」、「オーバータイム」、「すべての得点プレーの直後」、「ターンオーバーとなったプレー」ではチャレンジはできない。
- これらのタイミングで疑わしい場合は、ビデオリプレイ担当の審判の発議によるインスタントリプレイ(オフィシャル・レビュー)を行う。
- チームからチャレンジを求めると、15ヤード罰退。
- 2012シーズンまでは、チャレンジするとオフィシャル・レビューも行われなかった。
- 2013シーズンより、チャレンジした場合、15ヤード罰退となるが、オフィシャル・レビューは実施する。2012シーズンにデトロイト・ライオンズのシュワンツHCが誤って投げ込んでしまい、レビューされなかった事態が問題となり、ルールを改正した。このことから「ジム・シュワンツ・ルール」とも呼ばれる。[7]
- 得点ではないと判断されたプレーについて、「得点ではないかという疑義」についてはチャレンジ可能。
- オフィシャル・レビューの場合でも、判定を覆すか否かは、フィールドにいるレフリーが判断する。
- プレーすべてについてチャレンジできるわけではなく、以下のようなことに限定されている。
- プレーでサイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインの各ラインに対してどうであったか。
- 得点プレーでラインを超えていたか(アウト・オブ・バウンズであったか否か)。
ボールキャリアがゴールラインを超えたか否か。 - パスが成功、失敗、インターセプトの成立の判断材料として、サイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインに対してどうだったか。
- ランナーがフィールドの中か外か。
- ルースボールのリカバリーがフィールドの中か否か。
- 得点プレーでラインを超えていたか(アウト・オブ・バウンズであったか否か)。
- パスプレー
- パスが成功したのか、不成功となったのか、インターセプトが成立したか。
- 有資格レシーバーや守備選手によるボールのタッチがあったのか。
(タッチしていないことはパスキャッチ妨害の成立要因) - パッサー(QB)がパスを投げたのか、ファンブルしたのか。
(フォワード・プログレッション(前方へのパスが投げられる過程)の有無) - スクリメージ・ラインを超えてからの不正な前方へのパスであったか。
- ターンオーバー後に不正な前方へのパスであったか。
- スクリメージ・ライン後方での、前方へのパスだったか、後方へのパスだったか。
- その他
- ランナーが守備選手の接触でダウンしなかったとする判定に対する判断。
ダウン・バイ・コンタクトがあったのでないかという疑義。 - ファンブルが発生したプレーで、ダウン・バイ・コンタクトとする判定に対する判断。
ファンブルであったのではないかという疑義。 - パッサーのファンブルと思われるプレーで、パス不成功であったとする判定に対する判断。
ファンブルであったのではないかという疑義。 - ルース・ボールがアウト・オブ・バウンズであったとする判定に対する判断。
リカバーがあったのでないかという疑義。 - キックにタッチしたか。
- フィールドゴール、トライのキックが成功したか。
- スナップしたときの選手の人数。
- 不正な前方への手渡し。
- ランナーが守備選手の接触でダウンしなかったとする判定に対する判断。
- プレーでサイドライン、ゴールライン、エンドゾーン、エンドラインの各ラインに対してどうであったか。
- 以下の項目は、リプレイの対象外。
- 計時の状態。
- ダウン数。
- 反則の有無。
- 他のインスタントリプレーの判断の過程で露呈した反則は採用する。
たとえば、タッチダウン・パスと認定したプレーをレビューした結果、レシーブした選手が自らアウト・オブ・バウンスに出ていたことが判明した場合、「無資格レシーバーのタッチ」の反則と判断する。 - 逆に他のインスタントリプレーの判断の過程で、反則の立脚根拠がなくなった場合、反則を取り消す。
たとえば、パス・インターフェアレンスの反則と判断したプレーで、他の理由でレビューしたとき、インターフェアレンス発生前に、ボールへの正当なタッチがあったと判明した場合、インターフェアレンスの反則が成立しないため、反則を取り消す。 - レビューしたプレーで反則があり、反則の施行の有無を宣告した後に、レビューして判断が変わった場合、あらためて罰則の施行をすべきか否かを判断する。
オフェンスのタッチダウンと判断されたプレーでディフェンスのオフサイドがあったとき、いったん罰則辞退を宣告した後に、レビューした結果タッチダウンを取り消した場合、オフサイドの罰則を採用して、ディフェンス側の5ヤード罰則を適用する。
- 他のインスタントリプレーの判断の過程で露呈した反則は採用する。
- ランナーが守備選手の接触でダウンしたとする判定に対する判断。
- タッチダウンやファーストダウン獲得とは関係のない前進位置。
- 不用意なホイッスル。
人気
NFLはアメリカで最も人気のあるプロスポーツリーグである。アメリカ大手世論調査会社ハリス・インタラクティブの2014年12月時点での調査[1]によると、最も好きなスポーツのトップはプロアメリカンフットボールであり、他の北米4大プロスポーツリーグを大きく引き離している。大手世論調査会社ギャラップの調査によると、アメリカンフットボールは1968年に野球の人気を初めて上回り、それ以降不動の全米一番人気スポーツという地位を維持し続けている[8]。2012年12月時点の調査では、返答者の63%がプロアメリカンフットボールのファンであると回答している[9]。
NFLで最も人気のあるチームは、ハリス・インタラクティブの世論調査によると、ダラス・カウボーイズであることが多い[10]。カウボーイズは、NFL屈指の名門チームであり、アメリカを象徴するチームとして『アメリカズチーム』と称されている。スーパーボウルの最多優勝記録を持つピッツバーグ・スティーラーズとNFLの最多優勝記録を持つグリーンベイ・パッカーズも人気チームの常連であり、2011年の調査では前者が2位、後者が3位になった[10]。パッカーズは、人口10万人程度の小さな都市を本拠地にしながら、1試合平均7万人以上の観客動員数を誇る。シーズンチケットのキャンセル待ちの人数が非常に多いことでも知られており、入手まで平均956年を要するとされる[11]。近年人気が高まっているチームとしては、2001年以降6回のスーパーボウル出場と4回のスーパーボウル制覇を達成したニューイングランド・ペイトリオッツやNFLの代表的なスター選手であるペイトン・マニングがかつて所属しており、プレーオフ進出の常連であったインディアナポリス・コルツなどが挙げられる[10]。
全米で圧倒的な人気を誇るNFLは、テレビ中継の視聴率が非常に高いことに特徴を持つ。2013年の年間視聴者数ランキング上位10番組の中では、NFL中継の番組が9つを占めた(NFL以外では唯一アカデミー賞授賞式中継番組が7位にランクイン)[12]。8月から始まる公式の練習試合に相当するプレシーズンの試合では、好カードになればNHLの優勝決定戦であるスタンレー・カップ・ファイナルの視聴率を遥かに上回る[13][14]。9月以降のレギュラーシーズンの試合では、多くの試合がワールドシリーズやNBAファイナルの視聴率を上回り[14]、特にNBCが中継するNBCサンデーナイトフットボールは、2011-2012年の全米テレビシーズンにおいて、プライムタイムの平均視聴者数が全番組シリーズでトップになっている[15]。1月から開始されるプレーオフの試合ではさらに視聴率が高まり、各カンファレンスのチャンピオンシップゲームは、視聴者数が4000万人を超えており[14]、同年のアカデミー賞授賞式中継の3930万人を上回った[16]。NFLのリーグ優勝決定戦であるスーパーボウルは、毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録しており、1991年以降23年連続で視聴率40%を超えている。スーパーボウルの視聴者数は増加傾向にあり、2012年の第46回スーパーボウルでは、アメリカのテレビ史上最高の視聴者数である1億1130万人を記録した[17]。2013年の第47回スーパーボウルでは、少なくとも6分以上を視聴した視聴者数が1億6410万人と推定されており、昨年比で3%増加し、史上最高を記録した[18]。
経営
リーグ
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1チーム平均の資産価値
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NFL | 19億6531万ドル | |
MLB | 11億9950万ドル | |
NBA | 11億617万ドル | |
NHL | 5億507万ドル | |
出典: フォーブス(2015年)[19][20][21][22] |
NFLの年間の総収入は、2014年シーズンで120億ドルと推定されており、世界最大のプロスポーツリーグである[3]。アメリカの経済誌フォーブスが2015年に発表したアメリカメジャースポーツの各チームの資産価値の格付けランキングでは、ダラス・カウボーイズが40億ドルであり、NFLで最も資産価値が高いチームであると同時に、サッカークラブのレアル・マドリードなどを上回り、全世界のスポーツチームで1位となった[19]。カウボーイズは年間の収入が6億2000万ドル、営業利益が2億7000万ドルであり、どちらもNFLのチームで最も大きい数字である[19]。また、NFLの全32チームで最も資産価値が低いチームはバッファロー・ビルズの14億ドルであるが、それでも欧州サッカーのビッグクラブであるチェルシーFCの資産価値を上回っている[19][23]。アメリカの4大スポーツリーグで最も健全な運営を行うリーグであり、ほぼ全チームが黒字経営である。ただし、年によっては赤字経営となったチームもあり、2005年度はニューオーリンズ・セインツが唯一の赤字経営球団となったが、これはハリケーン・カトリーナの影響でホームスタジアムが使えず、サンアントニオなどで公式戦を行ったからである。サラリーキャップというチームに所属する全ての選手の年俸の総額を毎年一定の上限金額を設けて規定する制度を導入しているものの、NFL選手の年俸は特にトップクラスの選手を中心に非常に高い。フォーブスの2012年時点での調査によると、世界のアスリートの年収ランキングトップ100では、NFLの選手が最多の30名ランクインしており、メジャーリーグの22名、NBAの13名、プロサッカーの10名などを凌いでいる[24]。NFLの選手で最も年収が多いのは、デンバー・ブロンコスのペイトン・マニングであり、推定4240万ドルである[24]。
NFLの1試合の平均観客動員数は、2012年シーズンのレギュラーシーズンで6万7000人を超えている[2]。最も多かったのはダラス・カウボーイズの8万8531人であり、最も少なかったのはオークランド・レイダーズの5万4216人である[2]。レギュラーシーズンの試合数自体が各チーム16試合と非常に少なく、チケットの入手が容易ではないこともあって、観客動員は1試合の平均収容可能人員の90%以上に相当する動員を記録している[2]。収益力においてはレギュラーシーズン各チーム162試合のメジャーリーグや82試合のNBAなどを圧倒的に凌駕している。
戦力均衡の追求
NFLのリーグ運営は設立当初から「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という理念のもとに行われている。そのため、戦力や資金力が特定のチームにだけ片寄ってしまうことのないように様々な戦力均衡のための制度が導入されている。
レベニュー・シェアリング (Revenue sharing) 、サラリーキャップ、ウェーバー制ドラフトなどにより戦力や資金力を均衡させ、ニューヨークのような大都市にあるチームも、グリーンベイのような地方の小都市にあるチームも、可能な限り対等な条件で戦う仕組みを作っている。レベニュー・シェアリングは40年以上前にその仕組みの原型は完成している。NFLの年俸総額上位3チームと下位3チームの格差は1.47倍である。これはMLBの4.55倍の3分の1以下である。
試合日程の編成も前年度の成績のよいチームがより厳しい日程になるように組まれる(移動距離、対戦相手の強さ)。
対戦チーム分析のカギとなるスカウティング映像(対戦相手の戦術分析用の映像)についても、リーグ機構がこれを撮影・管理しており、これを全チームが同条件で共有している。また、ドラフトで指名される可能性のある大学選手の情報についても、同様である。 例えば、あるチームが知名度の低い大学に知られざる逸材を発見したとしても、その選手に関する調査を開始する前にリーグに通知しなければならない。リーグは直ちにその選手のスカウティング映像を得るため撮影チームを送り込み、その映像は全チームで共有されることになる。また、その選手を見つけたチームが、他チームより前にその映像を見ることは許されない。
さまざまな戦力均衡策が実を結び、サラリーキャップが導入された1994年以降でスーパーボウル連覇を達成したチームは、サラリーキャップ導入をまたいで連覇したダラス・カウボーイズを含めて、わずか3チームしかなく(93-94ダラス・カウボーイズ、98-99デンバー・ブロンコス、04-05ニューイングランド・ペイトリオッツ)、3連覇を達成したチームはスーパーボウル史上1チームも出ていない(2016年現在)。
テレビ放映権
NFLのテレビ放映権は、レギュラーシーズン・ポストシーズンともに、全試合がNFLと放送局との間で契約が結ばれる。放映権料は各チームにほぼ均等に配分され、レベニュー・シェアリングの源泉となっている。
なお、他のメジャースポーツ (MLB , NBA , NHL) では、リーグが放映権を管理するのは全国放送やポストシーズンなど一部であり、それ以外のローカル放送はチームが放送局と直接契約することから、チームによって収入に大きな差が出ている。
ちなみに、「試合開始72時間(3日)前までにチケットが完売できない場合、スタジアムから75マイル(約120km)以内のエリアでは試合が放送されない」という特別なルール(ブラックアウトルール)が設けられている[25]。これは「ホームゲームはあくまでスタジアムで観戦するべきものであり、テレビ中継は遠征先での試合を観るための手段」という考え方に基づいている。
最新の放映権料は次の通り(金額は推定)[26]。
- FOX:NFL on FOX (アウェーチームがNFCの試合) 11億ドル/年(2014年 - 2022年)
- CBS:NFL on CBS (アウェーチームがAFCの試合) 10億ドル/年(同上)、Thursday Night Football 1.25億ドル/年[27](2014年)
- NBC:Sunday Night Football 9.5億ドル/年(同上)
- ESPN:Monday Night Football 19億ドル/年(2014年 - 2021年)
- NFL Network :Thursday Night Football 不明
- DirecTV:NFL SUNDAY TICKET 19億ドル/年(2015年 - 2022年)[28]
経緯
1956年、CBSにより、NFLのレギュラーシーズンの中継が始まる(それ以前はチャンピオンシップゲームなど一部の試合のみ中継されていた)。
1960年に発足したAFLは、ABCと5年間にわたる放映権契約を結び、その放映権収入を各チームに分配することにより、NFLに対抗して誕生し、すぐに消滅したほとんどの競合リーグと異なり、AFLの運営を軌道に乗せることを可能とした。
1961年、プロスポーツリーグが一つのTVネットワークとの独占契約を可能とする法律が可決されたことを受け、1962年シーズンよりNFLがCBSとの独占契約を結び、AFLに追随する形で放映権収入を各チームに分配した。AFLは1965年よりNBCと独占契約を結んでいる。
1966年、NFLとAFLの合併が合意に達し、翌1967年に行われた第1回のNFL-AFLワールドチャンピオンシップゲーム(のちのスーパーボウル)をCBSとNBCが共に放送した。第2回以降はCBSとNBCが交互に放送した。
1970年の旧NFLとAFL合併による新NFL発足後は、CBSが旧NFLの流れを汲むNFC、NBCがAFLの流れを汲むAFCの放映権を保有することになった。NFC所属チームとAFC所属チームが対戦する際には、アウェイチームが所属するカンファレンスの放映権を保有する局が放送を担当する。また、同年シーズンより、ABCによりマンデーナイトフットボールが新設された。
1982年の放映権更新以降、スーパーボウルの放送はマンデーナイトを放送するABCも加わり3社による持ち回りになった(ABCによる初の中継は1985年の第19回)。放映権の変動があった現在では、NBC(第49回(2015年)、第52回(2018年)、第55回(2021年))、CBS(第50回(2016年)、第53回(2019年)、第56回(2022年))、FOX(第51回(2017年)、第55回(2020年)、第58回(2023年))の順に担当することになっている。
1987年シーズンより、ESPNによりサンデーナイトフットボールの放送を開始。野球中継との兼ね合いからシーズン後半のみの放送だったが、1990年シーズンにはTNT(「NFL on TNT」)によって、シーズン前半にも編成されるようになる。
1993年末、1956年以来CBSが放映権を保有していたNFCの放映権を当時新興であったFOXが破格の放映権料(4年間15.8億ドル、その前の4年間にCBSが払った放映権料は2.9億ドル)で獲得。4大ネットワークの仲間入りを果たすきっかけになった。一方、CBSは放映権とともにいくつかの有力な加盟局もFOXに奪われ、経営的に打撃を受けた。
1998年には、4シーズン前FOXに放映権を奪われたCBSがNBCの保有していたAFCの放映権を獲得。また、同年シーズンよりサンデーナイトの放送がESPNに統一された。
2005年シーズンをもってABCがマンデーナイトから撤退、翌2006年シーズンより同じディズニー傘下であるESPNが引き継ぐことになる。サンデーナイトは新たにNBCが獲得、「NBCサンデーナイトフットボール」として放送される。また、サンクスギビングデーのゲームのうち新設された1試合(従来、ダラス・カウボーイズ、デトロイト・ライオンズのホームゲームが行われてきた)とシーズン終盤に行われる木曜日・土曜日のゲームの計8試合はNFL自ら所有するNFLネットワークが「サーズデーナイトフットボール」・「サタデーナイトフットボール」のタイトルで放送することになった。
2012年シーズンより、サーズデーナイトはWeek2からWeek15まで拡張(この年のみ開幕戦は水曜夜に変更)、サンクスギビングデーの放送はNBCに譲ったものの、NFLネットワークの中継は13試合となった。2014年シーズンはWeek2からWeek16までの14試合に加え、Week16の土曜日に開催される2試合の計16試合が放送されるが、Week2からWeek8までの7試合、およびWeek16土曜日のうち1試合はCBSでもサイマル放送されることになった[29]。
2014年シーズンからは、日曜午後の中継を担当するFOXとCBSとの間で注目度の高いゲームが片方の局に偏ることを防ぐことを目的とする「クロスフレックス」制度が採用され、本来FOXが放送するNFC所属チーム同士の対戦やNFC所属チームがアウェーとなるゲームがCBSで、逆に、本来CBSが放送するAFC所属チーム同士の対戦やAFC所属チームがアウェーとなるゲームがFOXで放送されることがある[30]。プレイオフについても変更があり、NBCは従来ワイルドカードプレイオフ2試合を担当していたが、ワイルドカードプレイオフ、ディヴィジョナルプレイオフ1試合ずつとなり[31]、ESPNが新たにワイルドカードプレイオフ1試合を担当する[32]。2015年シーズンは、ESPNが放映権を持つワイルドカードプレイオフ1試合がABCでも放送される[33]。
この他、1994年より衛星放送のディレクTVが日曜午後に行われる全試合(最大14試合。地上波では地元チーム中心に3(通常NFC・AFC担当局のいずれかダブルヘッダーを組む)- 4試合(Week17は両担当局ともダブルヘッダー)しか視聴できない)を放送する「NFL SUNDAY TICKET」を開始している。2014年10月、NFLと2022年までの契約延長に合意した[34]。
日本での放送
スーパーボウルについては、テレビ朝日やTBS(「月曜ロードショー」枠)で放送していた時期もあったが、シーズン通じての放送は、地上波では1970年代に東京12チャンネル(アメリカン・プロフットボールアワー)で放送した後、1988年から日本テレビが放送を始め(1994年から1996年までは放送せず)、衛星放送では1986年頃から試験放送がされ[35]、1989年にNHK BS1によって開始された。その後、1990年より、CS放送のスペースビジョンネットワーク(現GAORA)が参入。
1998年にはスカパー!のパーフェクト チョイスで週4〜5試合生中継を含むパッケージ「NFLシーズンチケット」を開始したが採算がとれず、放送4年目の2001年シーズンをもって放送終了した。翌2002年シーズンよりGAORAで生中継を開始した。
また、日本テレビ系のBS日テレでは開局後の2001年シーズンから2006年シーズンまで、日テレG+でも開局後の2002年シーズンより現在までNFL中継を放送している。
2013・2014年シーズンの放送実績は以下の通り。
- NHK BS1(NFL中継 (NHK))
- レギュラーシーズン 原則週3試合(うちシーズン開幕戦とMLBシーズン終了後のマンデーナイトは生中継あり)。マンデーナイトはほぼ全試合中継。
- ポストシーズン ワイルドカード - ディヴィジョナルプレイオフ(各1試合)、チャンピオンシップ(全試合)・スーパーボウルは生中継。それ以外も全試合放送
- GAORA(NFL (GAORA))
- 日テレG+(NFL on 日テレG+)
- レギュラーシーズン 週3 - 5試合(うち生中継1 - 3試合)。サンデーナイトはほぼ全試合中継(2014年シーズンは全試合生中継予定)。
- ポストシーズン ワイルドカード - チャンピオンシップ(1日1試合)・プロボウル生中継。2012年よりスーパーボウルも生中継。それ以外も全試合放送。
- 日本テレビ
- ポストシーズン スーパーボウルのみローカル放送。
NFLとロサンゼルス
アメリカ国内で圧倒的な人気を誇るNFLであるが、ロサンゼルスは全米を代表する大都市にも関わらず、長年NFLに対するフランチャイズを持っていなかった(2015年12月現在)。
かつてラムズ、レイダースと2チームが本拠地として持っていたにも関わらず、1994年を以って両チームとも他都市に本拠地を移転した。
ラムズの場合、チームは弱小だったゆえに興行収入も冴えず、また、アナハイム地区を本拠としながらロサンゼルスと名乗っていたことから、市民がスタジアムの改修費用を拒否したためである。そこでかねがね、NFLの誘致に力を入れていたセントルイスに白羽の矢が立ち、同チームは移転するや、すぐさま市民に受け入れられ、NFL屈指の観客数を誇るチームへ成長した。
レイダースは元々、オークランドにフランチャイズを持っていたが、さらなる顧客獲得を目指してより人口の多いロサンゼルスへ引っ越した。しかし、チームが低迷すると途端に市民は応援しなくなり、興行収入が激減したため、数年でオークランドに戻った。
2002年に行われたエクスパンションでもロサンゼルスは新チームの誘致に名乗りを上げた。一旦は、ロサンゼルスに決まったが、スタジアム建設・改修の遅延、オーナー・サポートの脆弱性を指摘され、ヒューストンに変更された。その時でさえ、市議会の熱気とは裏腹に、市民の関心は薄かったといわれている。実際住民の多くは、フットボールに関しては、南カリフォルニア大学などNCAAの強豪校があることから、大学フットボールには興味があるものの、NFLに対する興味は他の大都市でのそれに比べて低いことが同結果につながっている。
また、2006年シーズンのスーパーボウル直前恒例の会見では、グッデル・コミッショナーが、ロサンゼルスにチームを設立する意思や調査は認めつつ、エキスパンションは当分しない旨を発言している。一方、既存チームについては、現在のホームを維持することに注力することを明言しており、チーム移動による設立も、困難な見通しを明らかにしていた。
さらに、NFLでのプレイが脳障害を引き起こすという研究結果が報告され、2000人以上の元NFL選手がリーグを相手に訴訟を起こしている中[36]、労働者保護の手厚いカリフォルニア州への移転はますます難しくなったと言われていた[37]。
しかし近年、NFL側は更なる興行収入アップのためにロサンゼルスに再びフランチャイズを持って行きたいと考えており、地元でもロサンゼルスで複数のプロスポーツ団体を運営するAEGがステイプルズ・センター近隣に計画したものなど誘致を前提とした新スタジアムの構想が複数発表されていた。2015年頃からオーナーミーティングの場において、再三ロサンゼルスへの本拠地移転について話し合われており、かつてロサンゼルスを本拠地にしていたラムズやレイダースの他、チームのルーツをロサンゼルスに持つサンディエゴ・チャージャーズの移転の可否が取り沙汰されていた[38]。
ラムズはロサンゼルス空港にほど近いイングルウッド市のハリウッドパーク競馬場跡地に8万人収容のスタジアムを建設する計画を提示しており、チャージャーズとレイダースはロサンゼルスから南方20キロほどの位置にあるカーソン市に17億ドル(約2,000億円)をかけてスタジアムを建設し、両チームで共有する計画を提示していた[39]。
その結果、2016年1月12日に行われたオーナー会議において、ラムズのロサンゼルス移転が承認された。その一方で、チャージャーズとレイダースはラムズとスタジアムを共用する場合に限って移転が承認されることになった[40]。
NFL設立のエピソード
1920年8月20日、オハイオ州カントンにあるジョーダン&ハップモービル社という小さな自動車ショールームの一角で、当時アメリカ・オハイオ州に存在したアメリカン・フットボールリーグ「オハイオ・リーグ」に所属するアクロン・プロス、カントン・ブルドッグス、クリーブランド・タイガース、デイトン・トライアングルスの4チームからなる、アメリカン・フットボールの将来を決める会議が行なわれた。
9月17日には第2回目の会議が同じくオハイオ州カントンで開かれたが、この時には上記4チームに加えて、インディアナ州からハモンド・プロスとマンシー・フライヤーズ、ニューヨーク・プロフットボール・リーグからロックアイランド・インディペンデンツ、イリノイ州からディケーター・ステーリーズ(現シカゴ・ベアーズ)とランシー・カーディナルス(現アリゾナ・カーディナルス)が参加し、APFA(American Professional Football Association)の設立が決められた。
このAPFAが現在、アメリカ合衆国におけるメジャースポーツのひとつNFL(National Football League)の前身となった。
更にバッファロー・オールアメリカンズ(ニューヨーク・プロフットボール・リーグ)、シカゴ・タイガーズ、コロンバス・パンハンドルス、デトロイト・ヘラルズが加わり、そしてカントン・ブルドッグスのジム・ソープがAPFAの初代プレジデントに任命された。
しかし、対戦スケジュールなどは各チーム毎の任意となり、よって試合数や対戦相手もバラバラで正式な(平等な)記録はないに等しいシーズンとなったが、唯一の無敗チームだったアクロン・プロスが、翌1921年4月30日にカントンで開かれた会議で栄光ある初代王者であると認定され、Brunswick-Balke Collender Cupが授与された。 この対戦は非公式に「NFL 1920シーズン」と呼ばれている。
NFLインターナショナルシリーズ
イギリスのロンドンには、1991年から1998年までワールドリーグ・オブ・アメリカンフットボール(後にNFLヨーロッパ)のロンドン・モナークが存在していた。
NFLの国際戦略の一環として、2007年よりレギュラーシーズンのゲームをロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催するようになった試合が、NFLインターナショナルシリーズ(ロンドンゲーム)と呼ばれている[41]。開催には多額の費用がかかることからNFLは2010年には2試合目の開催を断念していたが[42]、2013年からは2試合、2014年からは3試合が開催されている[43]。2013年から2016年までは、ジャクソンビル・ジャガーズが1試合ホームゲームを行うこととなっている[44]。
NFLの国際部門の成長は鈍く、最大の利益を上げているカナダでも人員が8人から減らされる状況の中、ロンドンに一点集中して投資が行われている[45]。
スイートルーム以外の座席収入は、ホームチームの収入ではなく、NFL32チームで分配されている[46]。
チケットは毎年のように発売後数分で完売となっているが[47]、2012年にプロフットボール・ウィークリーの記者が、ロンドン・デイリー・エクスプレスのNFL担当記者に尋ねたところ、それほどの人気ではなく、最も知名度の高い選手は、20年近く前に引退したウィリアム・ペリーだという[46]。
2013年の試合に先立ってリージェント・ストリートで行われたブロックパーティーには50万人が訪れた[48]。
アトランタ・ファルコンズのアーサー・ブランクオーナーは、楽観的な見方をしており、2014年に将来はロンドンにチームができるのではないかと語っている[49]。
なお、2011年2月のNBCスポーツの報道によれば、イギリス国内でのスーパーボウルの視聴者は、300万人から500万人と推測されている[50]。
関連項目
- NFLネットワーク
- NFLフィルムズ
- NFLヨーロッパ - NFLがアメフト普及を目的に、主に欧州で開催していたリーグ。NFLはアメリカ国内ではいわゆるマイナーリーグはもとより、独立リーグ(セミプロ)的なリーグもないため、NFLヨーロッパが事実上のマイナーリーグと見なされていたが、2007年をもってその活動を停止した。
- CFL(カナディアン・フットボール・リーグ) - カナダのカナディアンフットボールのプロリーグ。カナディアンフットボールはアメリカンフットボールと非常によく似たスポーツだが、プレイ人数やフィールドの大きさ、いくつかのルールが異なっている。
- AFL(アリーナフットボールリーグ) - 1987年にアメリカで創設された、室内で行うアメフト(アリーナフットボール)のプロリーグ。AFLのマイナーリーグとしてaf2 (arenafootball2) がある。
- 他のアメリカの団体プロスポーツ
- メジャーリーグベースボール (MLB)
- NBA
- NHL
- メジャーリーグサッカー (MLS)
- フランチャイズ・タグ
- NFLの一覧記事
- モトローラ - 2012年までのスポンサー。コーチが使う「NFLスタイルヘッドセット」を製造している。
脚注および参考文献
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- ^ このため、成績によっては同一地区の1位から3位までがプレーオフに進出する場合もあり、最近では2014-15シーズンのAFCで北地区から3チームがプレーオフに進出した事例がある。
- ^ 2014-15シーズンにおいて、NFC南地区は4チームすべてがレギュラーシーズン負け越しという散々たる状況の中、カロライナ・パンサーズが7勝8敗1分で地区優勝、これはもちろん地区優勝成績の最下位(第4シード)。一方ワイルドカードの2チームの成績はともに11勝5敗であった。
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