ニート
ニート(Not in Education, Employment or Training, NEET)とは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指した造語である[1]。ただし、この訳は日本におけるニートの定義・用法とは異なる。なお、以下では特に断り書きの無い限り、日本における無業者(15歳〜34歳の若年者)について解説をする。
目次 |
[編集] 概説
元は、1999年にイギリスの政府機関・社会的排除防止局が作成した調査報告書『BRIDGING THE GAP』の中にある一文「Bridging the Gap:New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training」(日本語訳「ギャップを埋める:教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者に対する新しい機会」)の"Not in Education, Employment or Training"という部分の頭文字を採り、"NEET"と略したものが始まりである。そのためイギリスにおける“ニート”とは、教育、雇用、職業訓練のいずれにも参加していない、義務教育修了後の16〜18歳(もしくは19歳)までの者と定義されている。なお、BBCニュースの報道によると、2005年時点で"NEET"に該当する若者がイギリス全土に15万人いると推計されており、これは、16〜18歳(19歳)人口のおよそ9〜10%に相当する数字だという[2]。
[編集] 定義について
現在、日本におけるニートの算出方法は、総務省が毎月実施している労働力調査の『特定調査票集計』の中の「詳細集計」に基づいており、そのうち、15〜34歳の年齢層の非労働力人口[3]の中から学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者を厚生労働省においては日本における若年無業者(ニート)と定義している。なお、いわゆる家事手伝いの扱いについては、自営業者の家族従業員が含まれているのを理由として、現在はニートに含めていない[4][5]。
[編集] 内閣府の定義による二重基準
一方、過去の内閣府による定義では、現在の総務省が1956年からほぼ3年毎、1982年以降は5年毎に実施している『就業構造基本調査』を根拠にしており、2005年に内閣府が実施した『青少年の就労に関する研究調査』においては、「各種学校(高等学校、大学、専門学校の他、予備校も含まれる)に通学しておらず、独身であり、ふだん収入になる仕事をしていない、15歳以上35歳未満の個人」と定義していた。この点は前述した厚生労働省のそれと差異は無いが、決定的に違うのは家事手伝いの女性を含めている点である[5]。これは、同研究調査の企画分析委員長にして東京大学社会科学研究所の助教授(いずれも当時の肩書き)である玄田有史が、家事手伝いとニートに差異はないと判断したためである。玄田は本調査の中で、「女性の若年無業者が家庭外での社会参加活動をしていない場合、自らの現状を表す言葉に窮し、“家の手伝いをしている”と回答する女性が多く見受けられた」ことを理由としている[6]。
[編集] 類型
更に内閣府は、前述の就業構造基本調査を基に以下の類型を設けていた。
- 求職型
- 無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就業希望(収入になる仕事をしたいと思っている)を表明し、その仕事を探したり開業の準備をしている個人。
- 非求職型
- 無業者のうち、就業希望を表明しながら、求職活動や開業の準備をしていない個人。
- 非希望型
- 無業者のうち、就業希望を表明していない個人。
[編集] 現在の定義
しかし、2006年3月22日の参議院経済産業委員会において、前述した定義の二重基準が存在する事実を取り上げられ、「政府としては厚生労働省の定義を採用している」という旨の答弁がなされたことにより、現在は同省による定義が「政府の公式見解」とされている。これを受けて、内閣府によるニートの推計調査は、2005年に行った『若年無業者に関する調査』を最後に実施されていない[5]。
[編集] 失業者やフリーターとの区別
定義上、失業者は労働力人口の「失業者数」に分類されており、そのうち常用雇用(定義では正社員や派遣労働者)での就労を希望する無業者であれば、具体的な求職活動に至っていない場合でも「ニート」には分類しないこととしている。その一方で、アルバイトまたはパートタイマーでの就労を希望する者の場合には扱いが少々異なる。アルバイトやパートでの雇用形態で就労を希望する無業者のうち、求職活動に至っていない者であれば「ニート」、これらの雇用形態での就労を希望して具体的な求職活動に至っている者であれば「フリーター」に分類している[4]。この差異の理由については明らかではない。
[編集] 「引きこもり」との区別
厚生労働省の定義では、いわゆる引きこもりを若年無業者(ニート)の「就業希望を有しない者」(2009年の調査でおよそ33万人)に含めており、実質的に引きこもりを「ニート」として扱っている[4]。ところが、2010年に内閣府が行った初の引きこもり全国実態調査(15〜39歳対象)では、引きこもりに該当する者は69.6万人いると推計されることが発表され[7]、この数と「就業希望を有する」ニートの数およそ30万人を合わせれば、単純計算でニートの推計は実に100万人にも及ぶ。これは厚労省の定義や上記の分類とは明らかに矛盾したものだが、本調査の分析委員らは「引きこもりの増加に危機感を持ち、定義を広くとった」としている[8]。
[編集] 実態に関する調査
[編集] 推移
| 年 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総数 | 40 | 42 | 45 | 40 | 42 | 46 | 48 | 44 | 49 | 64 | 64 | 64 | 64 | 62 | 62 | 64 | 63 |
| 年齢\年 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15〜19歳 | 12 | 11 | 10 | 9 | 10 | 9 | 9 | 10 |
| 20〜24歳 | 17 | 16 | 18 | 16 | 17 | 16 | 16 | 16 |
| 25〜29歳 | 18 | 18 | 19 | 20 | 18 | 18 | 18 | 18 |
| 30〜34歳 | 17 | 18 | 18 | 19 | 18 | 18 | 19 | 18 |
「総数」の表を見ると、若年無業者人口は2002年に前年の49万人から64万人へと急増している。これは、2004年の労働経済白書よりニートに該当する存在を「若年層無業者」として捉えたためで、2005年以降の白書では、ニートの定義に「家事を行わない既婚者」やいわゆる不登校の状態にある学生を新たに加え、定義が変更されたからである。従って、2002年以前の数値にはこれらの者が含まれていない。また、いずれの表を見ても、厚生労働省が定義するニートの数は2002年以降わずかな増減を繰り返すのみで、特段増加していないことが分かる。
[編集] 最終学歴
| 年齢\学歴 | 中学卒 | 高校卒 | 大学卒 |
|---|---|---|---|
| 15〜19歳 | 16 | 9.3 | - |
| 20〜24歳 | 10.5 | 4.5 | 1.9 |
| 25〜29歳 | 9 | 3.3 | 1.3 |
| 30〜34歳 | 8.6 | 2.4 | 1.1 |
| 35〜39歳 | 8.7 | 2 | 0.8 |
| 40〜44歳 | 10.4 | 1.8 | 0.9 |
- 資料出所:「平成19年版就業構造基本調査」労働政策研修・研究機構による再集計
- 資料出所:2010年12月3日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」[4]
最終学歴は高校の中退を含めた中学校卒(中卒)が最も多い。特に学歴が中卒の場合、職業の選択肢が狭まるだけでなく、各種専門学校や教習所・職業訓練校などへの入学も制限されることと、中卒でも取得可能な免許・資格(ただし普通自動車免許などは所定の年齢に達すれば中卒でも取得できる)も制限されるため、無業者に陥る割合が高くなる様子が窺える。
[編集] 求職活動をしない(できない)理由
| 理由\学歴・就業経験 | 合計 | 中学卒 | 高校卒 | 大学卒 | 就業経験あり | 就業経験なし |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 探したが見つからなかった | 7.8 | 6.9 | 7.8 | 6.6 | 8.4 | 6.9 |
| 希望する仕事がありそうにない | 7.2 | 8.6 | 6.5 | 7.2 | 6.9 | 7.7 |
| 知識・能力に自信がない | 11.1 | 11.5 | 12.4 | 9.1 | 10.9 | 11.5 |
| 病気・けがのため | 28.7 | 26.1 | 29.1 | 29.7 | 32.3 | 22.8 |
| 育児や通学のため | 0.6 | 0.3 | 0.9 | 0.4 | 0.8 | 0.3 |
| 家族の介護・看護のため | 0.8 | 0.1 | 1.2 | 0.8 | 1.1 | 0.3 |
| 急いで仕事に就く必要がない | 6.1 | 5.1 | 6.5 | 6.2 | 7.1 | 4.5 |
| 進学や資格取得などの勉強中 | 12.3 | 5.6 | 9.2 | 20.4 | 11.7 | 13.3 |
| その他 | 25.3 | 33.2 | 26 | 19.6 | 20.8 | 32.7 |
- 資料出所:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状-平成19年版「就業構造基本調査」特別集計-」
- 資料出所:2010年12月3日付・厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室「勤労青少年を取り巻く現状について」[4]
全階級を通じて、病気や怪我などの「健康上の理由」や親の介護などで就労に向けての各種活動を行えないと回答する者が3割前後を占めている。学歴別だと、「探したが見つからなかった」、「希望する求人がありそうにない」が中卒で最も多く、「知識・能力に自信がない」も高卒に次いで2番目に多い。一方大卒では、「知識・能力に自信がない」とする理由が最も少ない半面、キャリアアップに向けて「進学や資格取得などの勉強をしている」とする者が他の学歴と比して突出している。
[編集] 就労意欲
2008年4月に横浜市の「こども青少年局」が市内在住のニートや引きこもり状態にある15歳〜34歳までの若年無業者およそ750人を対象に実態調査したところ、8割を超す若年無業者が就労を希望すると回答した。内訳は、「正社員としてある」との回答が46.6%、「パート・アルバイト・派遣社員などとしてある」が1.7%、「あるが不安が残る」が34.5%で、合計すると8割を超えた。一方、「あるが今は休みたい」が1.7%、「ない」も1.7%で、現状で就労意欲の無いのはごく僅かであることが分かった[9]。
[編集] その他
2007年に厚生労働省委託により実施された、若者自立塾や地域若者サポートステーションなどの支援機関の利用者約830人へのアンケートによると、出身家庭の経済状況について、47.1%が「ふつう」、28%が「やや苦しい」、10.8%が「やや余裕がある」と回答している。就業経験については、過去に連続1か月以上就労した経験がある者は79%で、就労回数は平均2.6回となっている。就職活動については、75.8%がハローワークに通ったことがあり、68.2%が面接を受けるため企業に問い合わせた経験がある他、64.8%が実際に面接を受けている。生活面では、49.5%が現時点で引きこもりで、49.5%が精神科または心療内科を受診した経験があるという[10]。
[編集] 主な要因
[編集] 対策・支援
詳細はリンク先を参照。
- ヤングハローワーク
- 地域若者サポートステーション(同)
- 若者人間力強化プロジェクト(発案)
- 若者自立塾(委託、2010年3月31日に事業終了)
- 私のしごと館(雇用・能力開発機構が設置運営、後に委託、2010年3月31日に事業終了)
- ヤングジョブスポット(雇用・能力開発機構が設置運営、2008年3月31日までに事業終了)
- ジョブカフェ(所管)
- 文部科学省 他
- 再チャレンジ(再チャレンジ担当室、2008年度に終了)
- 塾教育学院(通称:長田塾) - 関連:長田百合子
- 「育て上げ」ネット
- 青少年自立援助センター(通称:タメ塾)
- ニュースタート事務局 - 関連:レンタルお姉さん
- NEWVERY
- 不登校情報センター
- キッザニア(メキシコ発祥の子供向け職業体験型テーマパーク)
- 鳥居徹也(2005・06年度厚生労働省委託事業「フリーター・ニートになる前に受けたい授業」講師)
- 松本隆博(ダウンタウン・松本人志の実兄。学生向け「フリーター・ニート予防」の講演活動を行う)
[編集] 課題・問題点
[編集] 利権問題
東京大学教授の本田由紀は、ニートの支援に関連する諸々の対策は利権の温床となっており、上に挙げた様な各省庁や地方自治体、更には支援に携わるNPO法人等の民間団体や企業までもが、「ニートの自立支援」を名目とした予算の争奪戦を繰り広げている現状があると、著書『「ニート」って言うな!』の中で指摘している。また、本田は「これまで、引きこもりへの支援を細々と行っていた様な(民間の)団体が、“ニート”への支援を謳い始めた途端に、お金が降りて来るというような現象が起きている」と述べ、これらの者が従来行われていた引きこもり対策を「ニート対策」と改称するなどして利権を拡大させたと分析している。
本田はこれらを踏まえて、今日においてニートが「金づる」にされている現実を指摘、加えて、本来はその種の支援を希望、または必要としていない非求職型のニート(就労を希望しているものの、具体的な行動を起こしていない無業者)までもが「集団生活の中で、生活訓練や労働体験等を通じて、勤労観の醸成を図り、働く自信と意欲を身に付けさせる」などといった、方向性を誤った“支援”の対象とされてしまっていることを危惧している[11]。同様の主旨の発言は、この書の共著者である内藤朝雄と後藤和智も行っており[12]、また、引きこもり問題の第一人者である精神科医の斎藤環は、「ニート支援は将来的にビジネスとして成立すると思う」と予見していた[13]。
[編集] 偏見・差別
本田由紀や後藤和智らは、「ニート」という語が大きな誤解を招き、偏見や差別が助長され、それによりニートの状態にある者の社会参加が困難になったと主張する。前述の通り玄田有史によってアルファベットの"NEET"が“ニート”と言い換えられただけではなく、玄田がイギリスのそれとは異なる「教育を受けておらず、労働や職業訓練もしていない“15歳”から34歳の若者”」と定義したことや、玄田以外の学識経験者や教育関係者らの持論(「働く意欲のない若者が増えている」など)に基づいたマスメディアの報道などが寄与したと指摘し、「ニートという語を使用すべきではない」と強く訴えている[14]。
[編集] マスメディアの報道姿勢
「#ニートに関する主な発言」も参照
ニートという語が使用されるようになって以降、テレビ・新聞などのマスメディア上では一種のニートバッシングがなされていることに対し、懐疑的な見方をするテレビ視聴者も少なくはなく、放送倫理・番組向上機構(BPO)などには、差別や偏見の助長を懸念する旨の意見が寄せられている。寄せられた指摘の中には、「たとえ自らの意志で就労を拒否したとしても、それを他人が攻撃する資格も権利もない」という意見もあった[15][注釈 1]。
また、いわゆる「やらせ」の疑義も持たれている[16][17]。確認出来るものでは、2006年6月9日放送の『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』(日本テレビ系列)に出演したニートを自称する男性は「ニートスズキ」の名でその他のテレビ番組(同局の『報道特捜プロジェクト』など)やイベントに出演しているタレントのような立場にあった[18]。
[編集] 企業の採用姿勢
2008年4月に横浜市が市内の企業(約1,000社中、316社が回答)に対して実施したアンケートによると、83.3%の企業が「就労困難な若年無業者を雇用する意向はない」と回答する一方、雇用する意向のあるは14.2%に止まり、無業者らの社会参加が厳しい状況にある結果となった[19]。
[編集] ニートに関する主な発言
[編集] 否定的もしくは批判的なもの
[編集] 政治家
- 自民党衆議院議員の武部勤は2004年12月に行った講演の中で、フリーターやニートの状態に置かれている若者に対して、「1度自衛隊にでも入って(イラクの)サマワみたいなところに行って、緊張感を持って活動してみるといい。そうすれば、3か月ぐらいで瞬く間に変わるのではないかと思う」となどと語った[20][21]。
- 民主党衆議院議員の小沢一郎は2005年3月当時夕刊フジで連載していた『剛腕コラム』にて、「本人たちは『誰の迷惑にもなっていない』と言っているらしいが、親の稼ぎで食わせて貰って、公的なサービスも享受している。病気でもないのに他人に寄生して生きているなど、とんでもない話だ」と不快感を示し、続けて「彼ら自身も問題だが、何よりも厳しくせずにただ甘やかしている親たちが問題だ。僕は自宅で小鳥を飼っていて、親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期が来ると冷たく突き放して巣立ちさせる。それが出来ないニートの親は動物にも劣るといっても過言ではない」などと持論を展開した[22]。
- 東京都知事の石原慎太郎は2005年8月に各国の高校生・大学生らを招いて開かれたトークディスカッションの中で、「ニートの問題というのは、国家の緊張感の問題に関係があると思う。私の友人である精神科医・斎藤環君が、彼が扱っている登校拒否や引きこもり・ニートの連中に『もし日本に徴兵制度があればどうするか』と尋ねると、9割は自ら志願すると答えたそうだ。例えば、韓国には徴兵制度がある。途上国には貧困や食糧の問題がある。そうした色々な問題が緊張感を生んでいるから、恐らくニートが非常に多いのは日本とアメリカだろう」と言い切り、経済的に豊かで平和な国において発生する現象との持論を述べた[23][24]。
- 更に、「結局、これは私たち大人の責任で、社会全体が子供たちを甘やかしすぎた。動物行動学者のコンラッド・ローレンツは、子供の時に(虐待ではない)肉体的な苦痛を味あわなかった子供は、大人になって非常に不幸な人間になると言っている。要するに我慢だ。暑かろうが寒かろうが冷暖房を控えるとか、お腹が空いてもまだご飯の時間ではないから水で我慢するとか、遊ぶのを我慢して親に命じられた手伝いをするといった作業の中でこらえ性が身に付く。日本の子供はこらえ性がないから結局ニートになってしまう。ニートなんて格好いいように聞こえるけど、みっともない。無気力・無能力な人間のことだ」と批判した[23]。
- タレントの矢口真里は2011年5月放送のテレビ番組『青春リアル』でニートがテーマとなった放送回において、「すごく怠けてるんですよ。とにかく親の脛をかじって、誰かに頼って生きていくのもいいんじゃないかっていう考え方は」、「現代社会をすごく見ている感じ。あ、これが現代社会なんだなって」と述べ、親の脛をかじり働こうとしない(とされる)“ニート”とは、現代社会の産物であるとの見方を示した。また、この回のテーマ提案者である自称ニートの男性については、「いつか痛い目にあうんじゃないかなと思いますけどね(笑)。見ている人もきっと「何なんだあいつ」って反感を買うようなことをしているのに、怖がってない。それがすごいなと思うんですよ。ま、なめてるよね、社会をね(笑)」などと嘲笑した[25]。
- アイドルグループ・NMB48の山本彩は2011年9月放送のテレビ番組『なにわなでしこ』内でのモノボケ(物を使ってボケて笑いを取る)企画でドッグフードを手に取り「ニートの主食」と発言した[26]。当該シーンは日本テレビで放送されたが、遅れネットの読売テレビではカットされた。
[編集] 肯定的もしくはニート批判に懐疑的なもの
[編集] 中高年層の無業者
ニートの定義は前述の通り15歳~34歳であり、定義上では35歳以上はニートと見なされない。しかし、実際には、35〜49歳の中年層の無業者は増加傾向で、そのうちの非求職型+非希望型[27]の人は、2002年において48.6万人いるとされ、「青少年の就労に関する研究調査[28]」においては中年ニートと呼ばれている。ニートは若年者だけの問題と思われがちだが、中年ニートの状況も深刻である。
このような状況があるものの、定義上ではニートと見なされないために、支援策などは講じられておらず、自殺や社会保障費の増加などが懸念されている。
家族に扶養されているニートの場合、扶養者である家族の高齢化や死去以降の生計手段が問題となってくる。遺産や貯蓄などが尽きしだい行政は生存権保証のために生活保護を行う必要があり、これによって福祉財政を圧迫すると指摘されている。
[編集] 実態に関する調査
中年層の無業者を求職型、非求職型、非希望型に分けた時、2002年において、職業経験については無職業者の23.4%が職業経験を持っておらず、特に非希望型は57.6%に及ぶ。また、非求職型の中年が働けない理由として挙げられているのが、「病気やけが」であり、2002年において非求職者20.3万人のうち8.5万人がこれにあたり[29]、中年ニートでも、職業経験がない非就職希望者や、健康上の理由で働けない非求職者が多い。
[編集] 関連書籍
- 玄田有史・曲沼美恵共著『ニート—フリーターでもなく失業者でもなく』幻冬舎、2004年7月。978-4344006386
- 文庫版(『幻冬舎文庫』)2006年8月。978-4344408258
- 斉藤環『「負けた」教の信者たち—ニート・ひきこもり社会論』(『中公新書ラクレ』)中央公論新社、2005年4月10日。978-4121501745
- 二神能基『希望のニート 現場からのメッセージ』東洋経済新報社、2005年5月13日。978-4492222621
- 本田由紀・内藤朝雄・後藤和智共著『「ニート」って言うな!』(『光文社新書』)光文社、2006年1月17日。978-4334033378
他、多数
[編集] 脚注
[編集] 注釈
- ^ 同様の意見は2006年5月以降にもある。
[編集] 出典
- ^ 「ニート85万人時代を打破せよ - 働かない若者…その理由は」『日経スペシャル ガイアの夜明け 終わりなき挑戦』 テレビ東京報道局、日本経済新聞出版社〈日経ビジネス人文庫〉、2005年11月1日、第8刷 (2007-06-11)、315ページ。ISBN 978-4-532-19321-8。
- ^ “A 'Neet' solution”. BBC NEWS ※英文表記. (2005年8月25日) 2011年2月12日閲覧。
- ^ “統計データ>労働力調査”. 総務省統計局. 2011年2月17日閲覧。
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- ^ a b c “フリーター数・ニート数の推移”. 社会実情データ図録 (2010年8月3日). 2011年2月17日閲覧。
- ^ “就業構造基本調査 第1章 若年無業者の実情(玄田 有史) (PDF)”. 内閣府政策統括官(共生社会政策担当) (2005年7月). 2011年2月17日閲覧。
- ^ “若者の意識に関する調査(ひきこもり調査)骨子 (PDF)”. 内閣府 (2010年7月26日). 2011年5月24日閲覧。
- ^ “ひきこもり70万人、予備軍も155万人…内閣府推計”. ヨミドクター. (2010年7月24日) 2011年5月24日閲覧。
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- ^ “支援機関を利用するニートの8割が就労経験有す〜厚生労働省まとめ〜”. 労働調査会 (2007年6月29日). 2011年5月24日閲覧。
- ^ 本田由紀・内藤朝雄・後藤和智 『「ニート」って言うな!』 光文社(光文社新書)、2006年、57-58ページ。
- ^ “政府は大変な錯誤をしでかしていきました@「ニート“対策”」”. 後藤和智の雑記帳 (2007年9月24日). 2010年1月11日閲覧。
- ^ 斎藤環 『「負けた」教の信者たち - ニート・ひきこもり社会論』 中央公論新社(中公新書ラクレ)、2005年、246-247ページ。
- ^ “現場にアタック 『「ニート』って言うな!』〜本田由紀さんインタビュー”. TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』 (2006年1月9日). 2010年6月14日閲覧。
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- ^ 職を探していないタイプと、就職を希望していないタイプ
- ^ H17 青少年の就労に関する研究調査 中年無業者の実情
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