N・K・ジェミシン

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N・K・ジェミシン 1972-

N・K・ジェミシン(N. K. Jemisin 1972年9月19日 - )はアメリカ合衆国ファンタジースペキュレイティブ・フィクション作家、ブロガー。

来歴[編集]

アイオワ州アイオワシティで生まれた[1]。ニューヨーク市ブルックリン在住。1990年から1994年までニューオーリンズテュレーン大学心理学とカウンセリングを学び修士号を取った[2][1]

2004年の小説家デビュー以来、キャリア・カウンセラーとして勤務するかたわら、「クラークスワールド」「ストレンジ・ホライズンズ」などのSFや主流文学の雑誌に多数の思弁的短編小説を発表しつづけている[2]。作風は、SFやファンタジー的な設定のもとで、異文化や異集団の衝突が描かれることが多い[2]

2015年発表の『第五の季節』に始まる《破壊された地球》三部作で、史上初となる3年連続ヒューゴー賞長編部門受賞を達成。同シリーズの第三部『輝石の空』はヒューゴー賞・ネビュラ賞(長編部門)・ローカス賞(ファンタジイ長編部門)のトリプルクラウンに輝いた。

黒人女性作家で、フェミニスト・ブロガーを自称しており、人権問題に対する意識が高い[2]タニス・リースティーブン・キングよしながふみから影響を受けたと公言しており、よしながの漫画『大奥』を愛読していた[2]。最も精神的に影響を受けたのは、黒人女性作家の先達であるオクティヴィア・E・バトラー[2]

著作リスト[編集]

長編[編集]

The Inheritance Trilogy
The Dreamblood series
The Broken Earth trilogy(《破壊された地球》三部作)
  • The Fifth Season, 2015(『第五の季節小野田和子訳、創元SF文庫、2020年)
    • 2016年ヒューゴー賞 長編小説部門受賞、2016年ネビュラ賞 長編小説部門ノミネート、2016年世界幻想文学大賞 長編小説部門ノミネート、2016年ローカス賞 長編小説部門ノミネート
  • The Obelisk Gate, 2016(『オベリスクの門』小野田和子訳、創元SF文庫、2021年)
    • 2017年ヒューゴー賞 長編小説部門受賞、2017年ネビュラ賞 長編小説部門ノミネート、2017年世界幻想文学大賞 長編小説部門ノミネート
  • The Stone Sky, 2017(『輝石の空』小野田和子訳、創元SF文庫、2023年)
    • 2018年ヒューゴー賞 長編小説部門受賞、2018年ネビュラ賞 長編小説部門受賞、2018年ローカス賞 ファンタジイ長編小説部門受賞

The Great Cities series[編集]

  • The City We Became, 2020
  • The World We Make, 2022

短編集[編集]

  • How Long 'til Black Future Month?, 2018

邦訳短編[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b N.K. Jemisin: Rites of Passage”. Locus Magazine (2010年8月18日). 2018年8月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g A・U「解説」『空の都の神々は』ハヤカワ文庫FT、2011年
  3. ^ Locus Online News - World Fantasy Nominees and Lifetime Achievement Winners LocusMag.com 2014年4月30日閲覧
  4. ^ 2011年度 第7回Sense of Gender賞 海外部門 大賞 ジェンダーSF研究会
  5. ^ World Fantasy Award nominees 20132014年4月30日閲覧
  6. ^ N・K・ジェミシン 雨宮孝 翻訳作品集成

外部リンク[編集]