Mk 12 5インチ砲

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フレッチャー級駆逐艦搭載のMk.30単装砲塔

Mk 12 5インチ砲は、アメリカ海軍が1934年に制式化した38口径長5インチ砲。各種の砲架砲塔と組み合わされて艦載両用砲システムを構成する。

概要[編集]

1920年代、アメリカ海軍では、5インチ口径の砲としては、51口径長の平射砲を戦艦の副砲として、また、25口径長の高角砲を各種艦艇の対空砲として運用していた。しかし、特に対空射撃能力の相対的陳腐化もあり、これらを兼用できる新型の両用砲が求められた。これに応じて開発されたのが本砲であり、1934年よりファラガット級駆逐艦に搭載されて装備化されたのち、駆逐艦級艦艇の主砲、あるいは大型艦の対空砲として広く搭載された[1]

基本的には38口径長5インチ口径のMk.12砲身を、旋回砲座上の砲架に搭載したかたちとなっており、この上にガンハウスを搭載するものと、搭載しないものがある。このうち、特にガンハウスを有する単装砲塔であるMk.30には多くのサブタイプがあるが、おおむね、砲座の下に揚弾薬機構を有するものと、これを持たないものとに分けられる[1]

本砲システムは、アメリカ海軍が採用した砲としては最多の生産数を達成したものと見られており、5インチ38(5"/38)の通称で有名である。本砲システムは、多くの場合射撃指揮装置としてMk.37 GFCSと組み合わされて、武器システムを構成することとなった[1]

本砲の各種実装[2]
形式 砲身数 重量 構成 搭載艦
Mk.21 単装 31,200 lb (14,200 kg) 露天砲架 1930年代の戦闘艦、補助艦等
Mk.22 連装 75,250 lb (34,130 kg) 砲塔 1935年前後の嚮導駆逐艦
Mk.24 mod.1 単装 29,260 lb (13,270 kg) 露天砲架 1930年代の航空母艦
Mk.28 mod.0 連装 156,295 lb (70,894 kg) 砲塔 アイオワ級以前の戦艦
Mk.28 mod.2 170,635 lb (77,399 kg) アイオワ級戦艦
Mk.29 mod.0 108,000 lb (49,000 kg) 巡洋艦
Mk.30 mod.0 単装 40,900 lb (18,600 kg) 駆逐艦、補助艦、沿岸警備隊カッター
Mk.30 mod.1 33,500 lb (15,200 kg) 露天砲架 駆逐艦の後部砲塔、護衛空母
Mk.30 mod.69 45,000 lb (20,000 kg) 砲塔 護衛駆逐艦用:ヘッジホッグの射界確保のため、砲塔後部が斜面とされている[3]
Mk.32 mod.0 連装 105,600 lb (47,900 kg) 巡洋艦、航空母艦
Mk.32 mod.4 120,369 lb (54,598 kg)
Mk.37 mod.0 単装 34,700 lb (15,700 kg) 露天砲架 補助艦艇、徴用民間船
Mk.38 mod.0 連装 95,700 lb (43,400 kg) 砲塔 駆逐艦、「アトランタ

仕様[編集]

出典: www.navweaps.com (2013年2月24日). “USA 5"/38 (12.7 cm) Mark 12” (英語). 2013年12月29日閲覧。

諸元

作動機構

性能

  • 砲口初速: 762メートル毎秒(2,500fps)
  • 最大射程: 15,903m(AAC Mk.49)/21,735m(RAP弾)
  • 最大射高: 11,887m
  • 発射速度: 12-15発/分(通常)、15-22発/分(砲塔統合ホイスト使用時)

砲弾・装薬

  • 弾薬: 分離装薬筒



採用艦艇[編集]

 アメリカ海軍

 アメリカ沿岸警備隊

 イタリア海軍

Naval Ensign of Japan.svg 海上自衛隊

 デンマーク海軍


参考文献[編集]

  1. ^ a b c 梅野和夫 『世界の艦載兵器 砲熕兵器篇』 光人社2007年、91-94頁。ISBN 978-4769813590
  2. ^ www.navweaps.com (2013年2月24日). “USA 5"/38 (12.7 cm) Mark 12” (英語). 2013年12月29日閲覧。
  3. ^ Franklin, Bruce Hampton (1999) The Buckley-class Destroyer Escorts Naval Institute Press ISBN 1-55750-280-3 p.34