Microsoft Windows RT

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Windows RT(ウィンドウズ アールティー)は、ARMMicrosoft Windowsである。タブレットなどタッチスクリーンを搭載した端末の専用オペレーティングシステム (OS) である。 2012年4月に正式名称が発表[1]されるまでは「Windows ARM (Windows on ARM)」と呼ばれていた。 このOSは、デスクトップパソコンなどのPCにプレインストールされた形で配布されるため、単体で販売されることはない[1]

2012年10月26日にWindows RTを搭載したタブレット端末Surfaceが発売された。

沿革[編集]

2011年
  • 1月6日 - 開発を公式に発表。ARMアーキテクチャに対応することを明らかにし、同日デモも行われた[2]
  • 6月1日 - インターフェイスが初公開された[3]
2012年
  • 4月17日 - 正式名称が「Windows RT」に決定された。
  • 6月18日 - Windows RT搭載のタブレット端末、「Surface」を発表。
  • 7月31日 - 「Surface」の発売日が10月26日になることを公式に発表。
  • 8月1日 - 開発完了。
  • 10月26日 - Windows RT 8搭載の「Surface」の販売が開始される。
2013年
  • 6月26日 - Windows RT 8のアップデート「Windows RT 8.1 Preview」が配布開始となった。
  • 10月17日 - Windows RT 8.1配布開始。
  • 10月22日 - Windows RT 8.1搭載の「Surface 2」販売開始。日本は10月25日、日本の法人向けは11月1日販売開始。

Windows RT 8[編集]

Windows RT 8
Microsoft Windows ファミリー
Windows RT logo (PNG version).png
開発者
マイクロソフト
リリース情報
リリース日 2012年8月1日 (OEM)
2012年10月26日 (一般)   [info]
最新版 6.2 (Build 9250) 2012年8月26日   [info]
ソースモデル プロプライエタリ
ライセンス マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項
カーネル ハイブリッド
対応プラットフォーム ARM

特徴[編集]

Windows RT 8は、Windows 8に搭載される機能やアプリのほとんどが搭載されているものの、Windows Media PlayerWindows Media Centerなどは搭載されない。一方でOffice 2013のアプリケーション(WordExcelPowerPointOneNote)が標準搭載される[4]。.NET FrameworkとWinRT APIをベースとするModernアプリは、.NET Frameworkの共通中間言語ベースであるため、基本的に動作する。.NET Frameworkの共通中間言語ベースではない、従来のx86/x64版Windows向けに開発されたアプリケーションはCPUに互換性がないため、動作しない[1]

制限事項[編集]

Windows RTでは、OS添付アプリケーションと端末メーカーが添付したアプリケーションのみがデスクトップで実行できる。エンドユーザが追加で導入できるアプリケーションは、Windows Storeから取得したModern UI版アプリのみとなる[5]。なお、Windows Storeには、マイクロソフトによる審査を受ければ、提供範囲を指定したうえで、有償で誰でも公開できる。マイクロソフトによる審査は、基本的には書類審査と、使用しているAPIのホワイトリストによる機械的な審査のみで、公開後に約款や法律に違反するものやセキュリティに問題があるものを削除する方法がとられる予定である。審査については、多少差異があるがiOSApp Storeと同程度のものとなる。

ブラウザ
上記のModern UI版アプリのみしか配布できない制限を、ブラウザ各社が批判している。Windows RTにはInternet Explorer 10が標準のウェブブラウザとして搭載される。Modern UIではデフォルトのブラウザしか実行できないが[6]、デスクトップアプリが実行できるクラシック環境ではIE以外のブラウザが稼働できないようにされる見込みである[7]サードパーティー製のブラウザは不公平な扱いを受けることから、競合ブラウザの開発元であるMozilla FoundationGoogleなどは自由な競争を阻害するとして批判をしている[7]
アンチウイルスソフト
上記の Modern UI 版アプリのみしか配布できない制限により、標準添付の Windows Defender 以外のアンチウイルスソフトウェアを使用することができない。Modern UI 版アプリでは、サンドボックス内で実行されるため、アンチウイルスソフトウェアが要求するシステムレベルでのファイルI/Oの監視やメモリ使用状況の監視等が実行できないためである。もっとも、ファイルの静的チェックはできる。
デバイス管理
ドメインへの接続やログイン、デバイス管理のためのグループポリシー適用はサポートしない。しかし企業環境においては、Microsoft ActiveSync や、Windows Intune サービス、 System Center Configuration Manager 2012 SP2 を使用して、セキュリティーポリシーの適用や企業内アプリケーション取得のためのポータルの提供などの Windows RT デバイス制御が可能である。

売上の低迷[編集]

Microsoftは2013年7月19日(日本時間)にWindows RTを搭載したSurface RTが大量に売れ残り、在庫処分のために9億ドルという巨額の減損処理を売れ残ったSurface RTのために行ったと発表した[要出典]。アメリカ市場では、PCメーカーも不人気なWindows RTデバイスの在庫処分のために一気に価格を下げている[要出典]。日本においては、2013年6月14日から1か月間限定で、Windows RT搭載のタブレット端末「Surface RT」シリーズを一律で1万円値下げした[8]

Windows RTは機能の制限が多すぎる上に、消費者がわざわざ既存のWindowsアプリケーションと互換性のないWindows RTを買う理由を見いだせなかったのが原因の一つだとアナリスト達[誰?]は指摘している。[要出典]

Windows RT 8.1[編集]

Windows RT 8.1
Microsoft Windows ファミリー
開発者
マイクロソフト
リリース情報
最新版 6.3 2013年10月17日   [info]
ソースモデル プロプライエタリ
ライセンス マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項
カーネル ハイブリッド
対応プラットフォーム ARM

Windows RT 8.1(ウィンドウズ アールティー エイト ポイント ワン)はWindows RT 8の改良版・Windows 8.1のRT版。コードネームは「Windows Blue」。2013年10月17日にWindows Storeを通じて無料でアップデートすることができるようになった。内部バージョンは6.3[9]

マイクロソフトは2013年3月26日に開発を公式に認め、5月8日にはパブリックプレビュー版が6月26日〜28日にかけて開催されるBUILD 2013カンファレンスで公開されることを明らかにし、正式リリース時期を公式ブログで明らかにした[10][11]。5月14日に開催されたJ.P.モルガンテクノロジー主催のカンファレンスでTami Rellerによって正式名称が「Windows RT 8.1」に決定したことが明らかになった[12]。 5月30日には新機能の一部詳細が明らかにされた[13]。 6月26日にストアを通じて、プレビュー版のダウンロードが開始された[14]

新機能および変更点[編集]

スタートボタン
  • 従来のスタートボタンではなく、スタート画面を表示するためのボタンとなる。
  • スタート画面にもデスクトップと同じ壁紙を設定することが可能。
  • ライブタイルの大きさをWindows RTの2段階から4段階に設定できる。また、タイルを誤って移動させてしまうことを防止するため、タイルの移動方法も変更されている。
  • アプリの一括アンインストールが可能となる。
  • スタート画面を下から上方向にスワイプことで、アプリの一覧が表示可能となる。マウスの場合は、下部の矢印をクリックすることで表示可能となる。
  • アプリの新規インストール時に、タイルがスタート画面に自動追加されなくなる。また、新しくアプリをインストールすると「新規」と表示される。
エクスプローラー
  • 「コンピュータ」の名称が「PC」へ変更。英語版では「This PC」。ライブラリと統合されている。また、「ミュージック」フォルダが「音楽」に名称変更されている。
ロックスクリーン
  • ロック画面からSkypeの呼び出しやカメラの起動が可能となる。
  • より多くのカラー壁紙、壁紙が設定可能で、デスクトップの壁紙も設定可能。フォトフレーム機能も搭載。
Windows ストア
  • より細かな機能が搭載され、刷新される予定。
  • アプリのアップデートがある場合は、バックグラウンドでの自動アップデートが可能となる。
フォト
  • 新しい編集機能の搭載
ミュージック
  • 大幅に刷新される模様
SkyDrive
  • ファイルを直接保存できる。オフラインでもファイルにアクセス可能となる。
Internet Explorer 11
  • より高速化。タブ同期機能の他いくつかの新機能が搭載される。タッチパフォーマンスの改善。Windows 8スタイル「IE11」では、アドレスバーを常時表示可能。
設定、その他
  • Windows RTではコントロールパネルでしかできない設定がPC設定アプリから可能となる。
  • 3Dプリンタの利用が標準でサポートされる。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c “Microsoftの「Windows 8」、製品エディションは4つに”. ITmedia. (2012年4月27日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/17/news027.html 2012年5月14日閲覧。 
  2. ^ “MS、次期WindowsでのSoCサポートを明らかに--CES”. CNET Japan. (2011年1月6日). http://japan.cnet.com/news/service/20424690/ 2012年5月14日閲覧。 
  3. ^ “MSのシノフスキー氏、「Windows 8」を披露--タイルUIなど採用”. CNET Japan. (2011年6月2日). http://japan.cnet.com/news/service/35003477/ 2012年5月14日閲覧。 
  4. ^ “笠原一輝のユビキタス情報局 MicrosoftがARM版Windowsの詳細を公開 〜Office 15が標準バンドル”. PC Watch. (2012年2月10日). http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20120210_511221.html 2012年5月31日閲覧。 
  5. ^ “MS、「Windows 8」アプリストアのプレビューイベントを開催へ--米国時間12月6日に”. CNET Japan. (2011年12月5日). http://japan.cnet.com/news/service/35011361/ 2012年5月13日閲覧。 
  6. ^ “Windows 8版Firefoxのプロトタイプの画像をMozilla開発者が公開”. ITmedia. (2012年4月4日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/04/news047.html 2012年5月14日閲覧。 
  7. ^ a b “Microsoftの「Windows RT」対応ブラウザにMozillaが懸念を表明 Googleも支持”. ITmedia. (2012年5月11日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1205/11/news047.html 2012年5月14日閲覧。 
  8. ^ 日本マイクロソフト、「Surface RT」を1万円値下げ、6月14日から1カ月限定で”. インプレス (2013年6月13日). 2013年7月21日閲覧。
  9. ^ ゼロからはじめる「Windows 8.1プレビュー」 - ISOインストール編 マイナビニュース パソコン 2013年6月29日閲覧。
  10. ^ 「Windows Blue」の開発者向けパブリックプレビューは6月のBUILDで公開へ - ITmedia
  11. ^ Julie Larson-Green at the Wired Business Conference - Blogging Windows
  12. ^ Microsoft: Windows Blue to be named Windows 8.1, will be free - Neowin.net
  13. ^ Continuing the Windows 8 vision with Windows 8.1 - Blogging Windows
  14. ^ 「Windows 8.1 Preview」のダウンロード提供開始

関連項目[編集]

外部リンク[編集]