Microsoft Visual Basic .NET

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Visual Basic .NET
パラダイム 構造化プログラミング, 命令型プログラミング, オブジェクト指向, 宣言型プログラミング
登場時期 2001年(13年前) (2001
設計者 マイクロソフト
開発者 マイクロソフト
最新リリース 2010 SP1 (10.0) / 2010年3月11日(4年前) (2010-03-11
型付け 強い静的型付け
主な処理系 .NET Framework, Mono
方言 .NET 2002, .NET 2003, 2005, 2008, 2010
プラットフォーム Microsoft Windows
ウェブサイト msdn.microsoft.com/ja-jp/vbasic
拡張子 .vb

Visual Basic .NET (ヴィジュアル ベーシック ドットネット)はマイクロソフトが開発したプログラミング言語VB.NETと略されて呼ばれることが多い。

概説[編集]

プログラミング初心者にも比較的使いやすいといわれているが、本格的なソフトウェアの作成にも使用でき、現に多くの開発現場で採用されている。マイクロソフトが推し進めている.NETの一環で、.NET Framework上で動作したり、オブジェクト指向が本格的に取り入れられるなど、前バージョンのVisual Basic 6.0からの変更点はかなりの数にのぼり、言語仕様の互換性は低い。そのため、.NETには移行せず既存のVisual Basicを使ってソフトウェアを開発する利用者もいる。これを懸念したマイクロソフトは、Visual Basic 2005より従来のVisual Basicの一部機能を採り入れた。

コンパイラはマイクロソフトから無料で提供されているので、Windows付属のメモ帳等を使ってプログラムすることもできるが、専用に開発された統合開発環境を使って開発するのが一般的である。

Visual Basicと同様、製品は有償でのみ提供されていたが、バージョン2005、2008、2010では主に個人向けとして位置付けられている Express Editionが無償で配布されている。

Visual Basicとの文法の差違[編集]

これらはVisual BasicとVisual Basic .NETの文法の類似点を示したサンプルコードである。どちらもメッセージボックスに"Hello, world"のメッセージとOKボタンを表示させるものである。

従来のVisual Basicコード例:

 Private Sub Command1_Click()
    MsgBox "Hello, World"
 End Sub

Visual Basic .NET コード例:

 Private Sub Button1_Click(ByVal sender As System.Object, _
              ByVal e As System.EventArgs) Handles Button1.Click
    MessageBox.Show("Hello, World")
 End Sub

Visual Basic 6.0からの変更点[編集]

オブジェクト指向への対応[編集]

VB6ではクラスモジュールを作ることができ、変数やメソッドのカプセル化ができた。しかし、これは継承ポリモーフィックをサポートするものではなくオブジェクト指向プログラムと呼び難いものであった。VB.NETではこれらがサポートされ本格的なオブジェクト指向言語となった。

.NET Frameworkライブラリ[編集]

VB6ではVisual Basicに固有のステートメントによってフォームの制御や文字列の操作をプログラムしていたが、VB.NETではC#などと共通に使われる.NET Frameworkの標準ライブラリに従ったプログラミングが必要となった。このため、従来のVBプログラマのノウハウが通用しにくい状況が生まれた。このことがVBプログラマがVB6からVB.NETへの移行が進まない原因の一つではないかとの指摘がある。

エラー処理[編集]

VB6ではエラー発生時にOn Error GOTO文によってメソッド内のエラー処理にジャンプさせる方式であった。VB.NETではC++Javaなどと同様に、TryCatchFinallyによる例外処理を記述できる。これによって呼び出し先メソッド内部で生じたエラーを、呼び出し側メソッドで一括して取り扱うことができるなど、プログラムの柔軟性が増した。

固定長文字列の廃止[編集]

UNICODE対応のため、固定長文字列の扱いができなくなった。Visual Basic 6.0互換関数が用意されているが、マルチバイト文字では正常に動作しないため、目的の出力形式にエンコードしてバイト数をカウントしてから処理を行うといったコーディングが必要となる。

Visual Basic.NET の歴史[編集]

Visual Basic.NET (2002)[編集]

2002年、Visual Basicを基に強いオブジェクト指向の概念を取り入れた新しい言語Visual Basic.NET (VB.NET) が開発された。VB.NETはVB6の後継言語とされ、マイクロソフト社の.NET Frameworkという新しい技術基盤に対応している。

対応する.NETのバージョンは.NET Framework 1.0。

Visual Basic.NET 2003[編集]

対応する.NETのバージョンは.NET Framework 1.1。

Visual Basic 2005[編集]

名称からは「.NET」という名前がなくなったが、上記のVB.NETと連続性がある言語である。

対応する.NETのバージョンは.NET Framework 2.0であるが、Visual Studio用の拡張を入れることで.NET Framework 3.0向けアプリケーションの開発も可能になる。

Visual Basic 2008[編集]

対応する.NETのバージョンは.NET Framework 3.5、3.0、2.0。

Visual Basic 2010[編集]

対応する.NETのバージョンは.NET Framework 4.0、3.5、3.0、2.0。

C#の言語設計者として知られるアンダース・ヘルスバーグ氏が設計に携わり、VBとC#との間の言語間の格差の低減が図られるようになった[1]

脚注[編集]

  1. ^ Visual Basic 2010の新機能 - @IT”. 2011年11月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]