Microsoft BASIC

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Microsoft BASIC(マイクロソフト ベーシック)とは、マイクロソフトが開発・販売するBASIC言語の処理系である。

概要

マイクロソフトの基盤を築いた製品である。最初に登場したのは1975年、ホビースト向けマイクロコンピュータMITS Altair 8800用のAltair BASICであった。

Altair BASIC インタプリタは、マイクロソフト社を設立したポール・アレンビル・ゲイツ(およびゲイツの同級生のモンティ・ダビドフ)が開発した。

開発にはミニコンピュータ PDP-10 を使用した。紙テープの形で販売され、初期バージョンは 4Kバイトのメモリを使用した。拡張した8Kバイトバージョンは、いろいろなプラットフォームに移植された。BASIC-80(8080/85とZ80)、BASIC-68 (MC6800)、BASIC-69 (MC6809)、6502-BASIC、そして 16ビットの BASIC-86 (8086/8088)である。

Altair BASICでの成功の後、Microsoft BASIC は儲かるソフトウェアライセンスビジネスの基盤となっていく。1970年代から(特に)1980年代にかけて、様々なホームコンピュータパーソナルコンピュータに移植され、拡張されていった。オリジナルのAltair BASIC とは対照的に、多くのパソコン用のBASICはROM-BASICの形でROMに格納され、マシンの電源を入れると"READY."(または"Ok")などのプロンプトを表示して直ちにBASICが起動するようになっていた。つまり、Microsoft BASIC とその派生品は初歩的なオペレーティングシステム (OS) としての役割を担っており(スタンドアロンBASIC)、そのような機種は"BASICターンキーモデル"などと呼ばれていた。

Microsoft発売の主なバージョン

当初DOS向けではインタプリタとコンパイラが別系統の商品として販売された後、QuickBASICによって統一され、 その後プロフェッショナル向けが分離された後、Microsoft Visual BasicのStandard/Professional版の形で再統一されている。 一時期Macintosh向けにもインタプリタとQuickBASICが発売されていた。

インタプリタ系

  • BASIC-80 : 8ビット(8080/85とZ80)版
  • BASIC-86 : 16ビット(8086/8088)版、DOS向けの最終版は V5.28(1983)。
  • GW-BASIC : IBMがPC DOSにバンドルしたBASICAのMicrosoft版。IBM PCのROM BASIC無しで動作し、CGAEGAのグラフィックをサポートする。最終版は V3.23(1988)。VGAはサポートされていないので、DOS/V機ではグラフィックが使えない。
  • QBasic : MS-DOS 5以降にバンドルされた。QuickBASICからコンパイル・リンク等の機能を除いた物。

コンパイラ系

  • Microsoft BASIC Compiler (BASCOM) : CP/M-80やMS-DOS用に販売されており、DOS向けの最終版は5.36(1984)。
  • QuickBASIC (1985) : BASCOMの後継で4.5が最終版、この後Visual BASICに移行する。
  • Microsoft Visual Basic (1991) : 先にWindows 3.0向けが発売され、その後DOS向けの最終版が発売された。

プロフェッショナル向け

  • Microsoft BASIC Compiler 6.0 (1988) : QuickBASIC 4.0から派生した。MS-DOS,OS/2両対応で後のVisual Basic Professional版の先駆け。
  • Microsoft BASIC PDS 7.x
  • Microsoft Visual Basic with Professional Toolkit
  • Microsoft Visual Basic for DOS Professional Edition : DOS版のプロフェッショナル向けの最終版

Microsoft BASIC の派生品