MOON.
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『MOON.』(ムーン)とは、『鬼畜サイコ涙腺弛まし系ADV』として企画された[1]ネクストンの1ブランドであるTacticsより1997年11月27日に発売されたアダルトアドベンチャーゲームである。
麻枝准、折戸伸治、樋上いたるら現在Keyの主要メンバーが初めて集結した作品で、「Keyの原点」、「事実上の第1作目」として扱われることが多く、Keyの作品群とほぼ同等に扱われるのが通例である[2]。閉鎖的宗教団体が舞台であり、陵辱描写があるなど後のKeyの作品群と比較すると異色な部分もある。しかし、何らかの形で家族との間で確執を持っているキャラクターが多く、個々のキャラクターの心象風景を描くことに重点が置かれている。また音楽の評価も高い。これらは後のAIR、CLANNADにも共通するKeyの特徴が既にこの作品で現れている。
尚、一般的にアダルトゲームでは主人公(=プレイヤー)は男性であるが、本作品は主人公が女性であるところが特徴的である。
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[編集] 歴史
- 1997年11月21日 - 「MOON.」発売。
- 1998年7月31日 - 小説(ISBN 4-89601-387-5)発売。
- 1998年8月21日 - タクティクスから、操作性を向上させた「MOON.RENEWAL」発売。
- 1999年10月31日 - 設定原画集(ISBN 4-87763-014-7)発売。
- 2000年9月14日 - エーアイシステム販売から、「メモリアルセレクション MOON.」(いわゆる廉価版)発売。
- 2002年7月12日 - ネクストンから、CGなどを修正してフルボイス化されメディアがDVDに変更された「MOON.DVD~Final Version~」と「MOON.~DVD LimitedEdition~」発売。(おまけRPGは削除されている)
- 2002年9月20日 - ネクストンから、「MOON.~DVD LimitedEdition~」のCD-ROM版(3枚)である「MOON.~CD LimitedEdition~」発売。
- 2003年1月30日 - ネクストンから、DVD PlayersGame化された「MOON.DVDPG Edition」発売。
[編集] スタッフ
- 製作総指揮:吉沢務
- 企画:麻枝准
- 脚本:麻枝准、久弥直樹
- 原画:樋上いたる
- グラフィック:みらくる☆みきぽん、しのり~
- 音楽:折戸伸治(がんま、がんまん)、YET11(吉沢務)、いしさん、前田純(麻枝准)
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
『不可視の力』とよばれる力を得ることを目的とする宗団FARGOより6年ぶりに帰ってきた主人公の母が怪死を遂げる。彼女は母の復讐のため、宗団施設に潜入するが・・・。
[編集] 用語
- FARGO宗団
- この物語の舞台である宗教団体。精神に負荷をかけることによって、『不可視の力』という超能力を人間に植え付けることを目的としている。それまでの人生での過酷な経験による精神レベルの大きさによってClass A、B、Cの三つのランクで構成されており、入信者は宗団施設の入所初日にクラス分けされる。
- MINMES
- FARGOの隔離施設内に設置されている、過去の痛みを精神の一定の位置に固定させ、精神の強化をはかる装置。
- ELPOD
- FARGOの隔離施設内に設置されている、もう一人の自分と対峙させ、過去の醜態を回顧させることによって精神の強化を測る装置。
- 不可視の力
- FARGO宗団が求めている超能力のこと。人間の自我を崩壊させてしまうほどの強い力を持つため、精神に負荷をかけることを必要としている。
- ロスト体
- 「不可視の力」によって自我が崩壊してしまった人間のこと。
[編集] 登場人物
A棟の郁未と葉子は最愛の家族の死に直面しているという点で共通しており、後の作品と同様に『家族』が重要な位置を占めているといえる。
- 天沢郁未(あまさわ いくみ)
- (声優:Ruru)
- 主人公。怪死を遂げた母の復讐のため、母が所属していた宗団の隔離施設へと潜入する。A棟の住人で番号はA-12。真面目で強気な性格。運動神経は抜群で、陸上部では花形選手だった。小学生の時に父親は死亡しており、母の失踪後、どのように生計をたてていたかは不明。
- 巳間晴香(みま はるか)
- (声優:AYA)
- 宗団の一員として働く兄を帰るように説得するために施設へ潜入したところ、主人公と出会い、共に行動することになる。C棟の住人で番号はC-219。跳ね返り。
- 名倉由依(なくら ゆい)
- (声優:芹園みや)
- 帰らぬ姉を捜しに主人公たちと共に行動する。脳天気な性格だが、陰惨な過去がある。しかし彼女は自身の痛ましい過去については記憶がない。B棟の住人で番号はB-73。
- 鹿沼葉子(かぬま ようこ)
- (声優:児玉さとみ)
- 敬虔な宗団の信者。自身の母親に関する陰鬱な過去を持つ。宗団の秘密を探る主人公達と対立することになる。子供の頃から母とともにFARGO施設に居て、C棟の住人で番号はC-112だった。母親に関するある出来事をきっかけにA棟に移る。番号はA-9。
- 天沢未夜子(あまさわ みよこ)
- 主人公の母親。クリームシチューが得意料理。FARGOから6年ぶりに主人公のもとへ帰ってくるが怪死する。郁未がMINMESという思い出を呼び覚ます装置にかけられているときに、過去の記憶として登場。子供時代は両親から愛されていなかったらしい。
- 巳間良祐(みま りょうすけ)
- (声優:神無月季)
- 巳間晴香の義兄。FARGO施設のB棟で働いている。
- 名倉友里(なくら ゆり)
- (声優:西田こむぎ)
- 名倉由依の姉。自分が妹を救うことが出来なかったことを悔やみ、『不可視の力』を得るために宗団に入信する。C棟の住人で番号はC-188。
- ドッペル郁未(- いくみ)
- (声優:Ruru)
- 精神に負荷をかけるELPODという装置にかけられてるときに登場。主人公と同じ姿をしており、彼女が目を背けたいと思っている過去や本性と対面させる。
- 少年(しょうねん)
- (声優:津波嵐)
- 『不可視の力』の鍵を握る最重要人物。宗団に所属する人物であり、施設内で主人公と同居生活を送る。名前は最後まで明らかにされない。無垢かつ温厚であり、浮世離れしている。
- 高槻(たかつき)
- (声優:後野祭)
- 宗団側の人物。FARGO施設のB棟で働いている。宗団の人物の中でも特に傍若無人な振る舞いをとる。下の名前は登場しない。そのため二次創作などではしばしば「ARMS」の主人公の名前が使われる。
- 月(つき)
- 宗団の象徴であり、黒幕といえる存在。
- 天沢未悠(あまさわ みゆ)
- 郁未の娘。
[編集] 社会的背景
オリジナル版の発売当初、関連情報雑誌などでつけられたコピーは「商業ゲームのタブーに挑む」。当時は新興宗教といえどそれを揶揄するようなフィクションは槍玉に挙げられる事が多く、アダルトゲームとは言え、一般市場で流通される作品として、メインにカルトを(否定的に)扱った点で本作は非常に冒険的な作品であるといえる。
1995年にオウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件の記憶もまだ新しい中、本作の内容は非常にショッキングなものであった。実際、宗団施設内部で拳銃が使用されたり、暴行、一般人には理解しがたいであろう洗脳システムの存在など、オウム真理教を彷彿とさせる要素も多くあった。
[編集] サブタイトル
- PRELUDE TO THE CRUELNESS
- SUFFER FATE WORSE THAN DEATH
- TERRIBLE SIGHT
- SEEKER
- SHE SAID, "YOU MARDERER!"
- COLLISION I
- FAREWELL (ADMIRABLE LITTLE GIRL)
- THE NEXT PURPOSE
- THE WARMTH OF HUMAN
- DISAPPEARANCE
- LAST WISH
- THE TRUTH ALREDAY EXIST
- SHUDDER RUNNING
- COLLISION II
- A FAMILY
- A CREATURE OF EMOTION
- DESPAIR I
- DESPAIR II
- SAND CASTLE (DESPAIR III)
- STARTING OVER
[編集] おまけRPG
ゲームクリア後に遊べるおまけ要素。スタッフルーム兼RPG。T棟という場所でスタッフたちを倒すために、広大な正方形のT棟地下で雑魚モンスターと戦ってレベル上げをする。パーティーは郁未、晴香、由依の3人だが、戦闘は1対1。レベルが上がるとそれぞれゲーム内でのエピソードに関連するような技を覚える。技で戦闘中のメンバー交代も可能。DVD版では削除されている。
[編集] 註
- ^ Tactics 『タクティクス設定原画集』 コンパス、1998-10-31、初版、130-131。ISBN 4-87763-014-7。
- ^ コミックマーケットのジャンルコードやleaf,key掲示板(葉鍵板)等

