M74 (天体)

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M74
Messier 74
渦巻銀河 M74
渦巻銀河 M74
仮符号・別名 NGC 628[1]
星座 うお座
見かけの等級 (mv) 9.39[1]
視直径 6.777' × 5.828'[2]
分類 SA(s)c (渦巻銀河)[1]
発見
発見日 1780年9月末[3]
発見者 ピエール・メシャン[2]
発見方法 望遠鏡による観測
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  01h 36m 41.772s[1]
赤緯 (Dec, δ) +15° 47′ 00.46″[1]
赤方偏移 0.002188[1]
視線速度 (Rv) 655 km/s[1]
距離 3500万光年[2]
M74の位置
M74の位置
物理的性質
直径 95000光年[2]
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座標: 星図 01h 36m 41.772s, +15° 47′ 00.46″ M74(NGC 628)はうお座にある渦巻銀河である。

概要

渦巻きの回転軸が太陽系を向いているフェイスオン銀河である。銀河系と同じくらいの径10万光年の大きさを持つ。メシエ天体の中でも見えにくい部類のものである[2]。近くにある銀河 NGC 660、UGC 891、UGC 1176、UGC 1195、UGCA 20とともにM74銀河群を形成している[2]

アメリカのアマチュア天文家ジョン・マラスは「口径4cmのファインダーで見えた。中心部が星状。光度が淡いので、不用意にみると見失う。中心部には星塊。表面構造はよく分かる。見るには低倍率がよい」としている。一般には口径5cmの望遠鏡では見ることは難しい。口径15cmの望遠鏡で、僅かな広がりを感じるようになる。口径20cmになるとたやすく見ることができるようになる。口径30cmの望遠鏡で渦巻き部分の濃淡が分かる程度で、腕を見るためには、口径40cmの望遠鏡を必要とする。口径50cmの望遠鏡では腕をはっきりと見ることができる。

2002年にSN 2002ap、2003年にSN 2003gdと立て続けに超新星が観測された。SN 2002apは日本のアマチュア天文家広瀬洋治が発見したもので[4]、少なくとも太陽質量の40倍もの質量を持つ恒星が超新星爆発を起こした、大変珍しい極超新星である[3]。2013年にもSN 2013ejが発見されている。

観測史

1780年の9月末にピエール・メシャンによって発見された[3]。メシャンは「この星雲には星がない。かなり大きく非常に微か。みるのは酷く難しい。よく晴れた霜を置くような夜にははっきりするだろう」と記した[3]シャルル・メシエは「うお座η星に近い星のない星雲で、1780年9月下旬にメシャンが見たとおりである」とした[3]ジョン・ハーシェルは1864年のジェネラルカタログに「球状星団で、微かで非常に大きい。中央は周辺から急に明るくなっている。部分的に分解される」とした[3]。1848年にロス卿は「渦状か?渦状という自信がある。中心部は星からできている。たやすく見え、星雲を通じて星がある」と記した[3]。ロス卿により渦巻構造が確認された14の銀河の一つである[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g h SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M74. 2016年3月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2013年8月14日). “Messier Object 74”. SEDS. 2016年3月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年3月30日). “Messier 74 Observations and Descriptions”. SEDS. 2016年3月12日閲覧。
  4. ^ 日本人が発見した超新星一覧”. 国立天文台 (2016年2月24日). 2016年3月12日閲覧。