M3 37mm砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
M3 37mm砲
M-3 Antitank Gun 37mm Towed.jpg
制式名 37mm Gun M3 on Carriage M4
口径 37mm
全長 3.92 m (13 ft)
全幅 1.61 m (5.28 ft)
全高 0.96 m (3.14 ft)
重量 413.68 kg (912 lbs)
砲身長 1,980mm (53.5口径)
仰俯角  -10°to +15°
左右旋回角 60°
運用要員 4~5名
初速 884 m/s (2,900 ft/s)
最大射程距離 6.9 km (4.28 mi)
生産期間 1940年–1943年
生産総数 18,702門

M3 37mm砲とは第二次世界大戦アメリカ軍が使用していた対戦車砲である。

概要[編集]

M3 37mm砲は1930年代に対戦車砲として設計された。

第二次世界大戦では北アフリカ戦線イタリア戦線に投入された。37mm口径の対戦車砲としては砲弾重量が重く、砲弾の初速も高く、優秀な貫通性能を持っていたが、ドイツ戦車の装甲強化についていけず、装甲を撃ち抜けない「ドアノッカー」と化してしまった。このため1943年には生産が終了し、後継にイギリスオードナンス QF 6ポンド砲ライセンス生産したM1 57mm砲が新たに配備された。

太平洋では、日本軍の戦車は防御力でドイツ戦車に大きく見劣りしたため終戦まで使用が続けられており、対戦車戦闘だけでなく榴弾やM2キャニスター弾を用いての火力支援にも使用された。

島での戦闘では5人程度の人力で移動できる軽量な37mm砲は便利で、キャニスター弾を用いた大型ショットガンとして直接射撃に多用され、日本軍の突撃を破砕したり、射線を遮るジャングルの下生えを刈り取るのにも使われている。

平地であれば5人程度の人員で牽引して移動させることが出来る

バリエーション[編集]

M3 37mm砲は戦車砲としても使用されており短砲身化されたM5と従来の砲身長のM6がある。

  • 対戦車砲
    • 試作型
      • T3 - 初期試作品
      • T7 - 半自動式の横スライドするブロック尾栓によるプロトタイプ
      • T8 - ネジ方式尾栓によるプロトタイプ
      • T10 - 1938年にM3として正式採用された垂直尾栓型
    • 生産型
      • M3 - 基本形。牽引式。手動式閉鎖器付き
      • M3A1 (1942) - マズルブレーキを取り付けるために砲身先端にねじが切られた型。ただしマズルブレーキが支給されることはなかった。
      • M5 (1939) - 短砲身化された戦車搭載型。基本的構造は対戦車砲のままなので駐退復座機が砲塔外に露出。
      • M6 (1940) - M3と同じ砲身長の戦車搭載型。半自動式閉鎖器付き。駐退復座機を砲塔内に収納するように改良。
  • 車輛搭載砲
    • T1、T1E1 - 試作品
    • T5 - 最終試作品、M4として正式採用される。
    • M4 - 最初の量産型
    • M4A1 - 1942年に改良された。
M5 37mm砲, 戦車の主砲として使用された

搭載車輛[編集]

車載砲としても多くの車輛に搭載された。

弾種[編集]

M3はは37×223R弾薬を使用していた。

Available ammunition
種類 型番 重量, kg (round/projectile) 内容物 初速, m/s (M3&M6/M5)
徹甲弾 M74徹甲弾 1.51 / 0.87 - 884 / 870
APCBC-T APC M51 Shot 1.58 / 0.87 - 884 / 870
榴弾 M63榴弾 1.42 / 0.73 TNT, 39 g 792 / 782
HE HE Mk II Shell 1.23 / 0.56
キャニスター弾 M2キャニスター弾 1.58 / 0.88 122発の散弾 762 / 752
曳光弾 TP M51 Shot 1.54 / 0.87 -
Drill (simulates APC M51) Drill Cartridge M13 1.45 / 0.87 - -
Drill (simulates HE M63) Drill Cartridge T5 1.45 / 0.73 - -
Blank Blank Cartridge 10-gage with adapter M2 0.93 / - - -

装甲貫通力[編集]

装甲貫通力一覧表, M3 又は M6
弾種(命中角度) 500yd / 457m 1,000yd / 914m 1,500yd / 1,371m 2,000yd / 1,828m
AP M74弾 (0°) 36
AP M74弾 (20°) 25
APC M51弾 (0°) 61
APC M51弾 (20°) 53
APC M51弾 (30°, 圧延装甲) 53 46 40 35
APC M51弾 (30°, 表面硬化装甲) 46 40 38 33
註:装甲に対する貫通力の試験基準・方法は各国や時代によって異なるため、他の砲と単純に比較することはできない。

M5の貫通力はどの距離でもおおむね3mmずつ低かった。

関連項目[編集]