Low voltage differential signaling
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Low voltage differential signaling、LVDSは、安価でツイストペア銅線を使って非常に高速に動作することができる電気信号システムである。これは1994年に導入され、コンピュータの世界では高速ネットワークやバスなどで大変普及している。1998年頃からは液晶パネルの標準画像インターフェースとして普及し、ノートパソコンをはじめ液晶モニタ、薄型テレビなどに広く応用されている。
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[編集] ディファレンシャル伝送 vs. シングルエンド伝送
LVDSは差動信号システムであり、2つの異なる電圧を送信し受信側で両者を比較するものである。TIA/EIA-644にてその規格が定められている。詳細は差動伝送を参照のこと。
LVDSは信号伝送のために二線間での電圧の違いを利用する。トランスミッターは非常に少ない電流、通常は信号線一本当たり3.5mAを送出する。この値は送信される論理レベルに依存する。電流は約100から120Ω(ケーブルのインピーダンス特性に合った)抵抗値を通って受信端に流れる。そして、もう一方の線に沿って反対方向へ戻ってくる。オームの法則から、抵抗の両端での電圧の違いはおよそ350mVになる。受信側はこの電圧の極性を検知して論理レベルを決定する(これはカレントループ伝送方式の一種である)。
小信号の増幅や2線間の電磁場カップリングにより、電磁波ノイズの放射量を減らすことができる。
約1.25Vと低いコモンモード電圧(2線上の平均電圧)により、LVDSは2.5Vないしそれ以下の電圧で電源供給される集積回路の広い箇所で使うことができる。先に350mVと述べた低いディファレンシャル電圧により、LVDSは他のシステムと比べて非常に少ない電力しか消費しない。例えば、RS-422の負荷抵抗内で静的に消費される電力は90mWに対し、LVDSでは1.2mWである。負荷抵抗がなければ信号線すべてがデータ1ビットごとにドライブしなければならない。高周波や負荷抵抗の利用により、信号線の一部のみで1ビットを(光速に近い速度で)送れることからより電力効率がよい。
LVDSのみが差動伝送システムを利用しているのではない。差動伝送を利用している他のシステムの表を参照すること。現在では、LVDSは高速伝送時に伴う電力消費を抑える一つの手段である。
[編集] 応用分野
LVDSのみが1990年代後半から普及してきた。それ以前は、コンピュータが動作するより信号伝送の方が速かった。データ送信量を2倍にあげる場合は信号線を増やさなければならなかった。マルチメディア処理とスーパーコンピュータを利用するユーザーは、何メートルもの長さ(例えばハードディスクからワークステーションへ)にわたって大量のデータをやり取りする必要があったので、LVDSに対して大変関心を持っていた。
コンピュータバスでのLVDSの2つの利用例はHyperTransportとFireWireである。両者ともSCIの流れを汲む次世代Futurebusを先祖とする。LVDSはSCSI標準(Ultra-2 SCSIおよびその後継)でサポートされ、より高速なデータ伝送とより長いケーブル長を実現した。シリアルATAやRapidIO、SpaceWireは高速データ転送を可能とするためにLVDSを利用している。
LVDSはまたグラフィックアダプターからコンピュータモニタへ映像データを伝送するのにも使うことができる。薄型パネル向け応用は、National Semiconductor社がFlat Panel Display Link(FPD-Link)という商標名で提案したのが先駆けである。TIA/EIA-644には電気的な伝送仕様のみが規定されていたが、FPD-Linkで画像クロック信号を7逓倍してシリアル伝送する仕様が初めて定義された。その後、パネルの高解像度化に合わせてOpenLDIという規格も提案された。これらの方式は最大ピクセル周波数は112MHzで1400 x 1050@60Hz(SXGA+)のディスプレイ解像度には十分である。デュアルリンクにより最大2048 x 1536@60Hz(QXGA)の解像度まで拡張できる。FPD-Linkは約5mまでのケーブル長を延ばすことができ、LDIは同じく約10mまで延長できる。
現在では、VESAにおいて、LVDSが大型液晶パネルの標準仕様として採用され、ノートパソコン用、液晶モニター用、テレビ用パネルに広く普及している。高速化に制限のあるTTLで多数のパラレル伝送する方式に比べ、LVDSでシリアル伝送する方式では、配線数を減らせるためにコストを抑えられる上、消費電力を減らし、EMIも抑制できる利点がある。LVDSには、コンテンツ保護やスキュー調整の機能を定義した規格がないため機器間接続は制限されるが、重たいロジック回路が必要ない利点から機器内の基板間伝送に利用されている。また、最近の色深度拡張の要求に応えて、当初は6bitにしか対応できなかった仕様が10bitまで拡張されている。
しかしながら、近年(2008年現在)、映像信号を伝送する規格としてLVDS以外に多くの方式が提案され、用途に応じて棲み分けが進んでいる。TMDS方式を用いたDVIやHDMIは、バイアスと終端方法がLVDSの仕様とは異なるが、HDCPの採用でコンテンツ保護が可能で、チャネル間スキューの調整機能がついているため長距離接続に向き、主として機器間の接続に利用されている。また、V-by-One®HSは、テレビ内部配線用にLVDSに代わるものとして提案されており、4K×2K(3840×2160)の超高解像(UD)でも、LVDS を用いると96 対のケーブルが必要なのに対し、18 対のみで対応可能になる。
PCI Expressでは1つもしくは複数(x1,x2,x4,x8,x16,x32レーンから選択)のLVDSチャネルを用い、従来のPCIバスよりも高速なデータ転送が行えるコンピュータの内部バスとして利用されている。
[編集] SerDes(Serializer/Deserializer)
LVDSはしばしばシリアルデータ伝送として使われていて、1本の線でデータを1ビットずつ直列にして送信する(これに対してパラレル転送は複数ビット、通常8の倍数のビットを多数の信号線で一度に送信する)。パラレルバスよりもたった数本しか使わないシリアルデータの方が速い伝送速度が必要であるため、高速動作とチャンネル内同期を利用する。デバイスによるデータのシリアルパラレル間変換はserializer/deserializerと呼ばれ、SerDesと略される。
[編集] マルチポイントLVDS
LVDSはもともと、1つの伝送路上に1つのトランスミッタと1つのレシーバが存在することを想定している(伝送方向は片方向のみ)が、1つの伝送路上に複数のトランスミッタやレシーバを配置しバスとして利用する(双方向)ものも存在する。このやりかたはBus LVDSもしくはBLVDSと呼ばれる。 標準のLVDSトランスミッターはポイントツーポイント接続用に設計されているが、マルチポイントバスは複数の終端抵抗をドライブするための大電流出力が可能な変形LVDSトランスミッターを使っている。Bus LVDSやLVDM(TI社が推進)はマルチポイントLVDS規格のデファクトスタンダードである。マルチポイントLVDS(MLVDS)はTIA標準(TIA-899)でより発展させられ、クロック配送のひとつであるAdvancedTCAを使っている。
MLVDSは受信側は2種類ある。Type-1はほとんどLVDSと互換であり、0Vスレッショルドを用いている。Type-2は回路が開放や短絡するなどのさまざまなエラーをある一定のやり方で扱うために100mVスレッショルドを用いている。MLVDSの例を以下に示す。
| 最小/最大入力電圧 | 最小/最大出力コモンモード電圧 | 最小/最大出力電圧 |
| -1.4 / 3.8 V | 0.3 / 2.1 V | 0.480 / 0.650 V |
[編集] SCI-LVD
現在のLVDSの形式になるまでには、SCI-LVDと呼ばれる方式が試みられていた。これはScalable Coherent Interconnect (SCI)のサブセットでIEEE 1596.3で規定された。これは複数のプロセッサ間通信のために設計された。
[編集] 標準
ANSI/TIA/EIA-644-A (2001年発行)でLVDSは定義されている。この標準ではツイストペア銅線では最大655Mbit/sまでと推奨しているが、理想的な伝送路では1.9Gbit/sを超える速度も可能だと予測している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- LVDS tutorial
- LVDS オーナーズ・マニュアル 第3版, ナショナル セミコンダクター, 2004

