Live USB

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Live USB で起動したUbuntuFirefoxOpenOffice.orgNautilus が動作中

Live USB とは、USBメモリまたはUSB接続の外付けハードディスクドライブ (HDD) であって、オペレーティングシステム (OS) 全体を格納していて、そこからブート可能なものを言う。Live CDと密接な関連があるが、設定をセーブして長期的に保持したり、ソフトウェアパッケージをUSBデバイス上に追加インストールしたりということが可能である。Live CDと同様、組み込みシステムシステム管理データ復旧、内蔵HDDに恒久的にインストールすることなく新たなディストリビューションを試してみるといった用途がある。USBメモリから起動して利用可能なオペレーティングシステムとしては、Mac OS 9(Mac) OS XMicrosoft Windows XP Embedded、各種LinuxディストリビューションおよびBSDディストリビューションがある。Windows 8もUSBメモリから起動可能で、これを Windows To Go と呼ぶ。

歴史[編集]

1999年アップルMacintoshでUSBからのブートが可能となった(具体的にはAGPグラフィックス機能を持つPower Mac G4とスロットローディング方式のCD-ROMドライブを持つ iMac G3 から)[1]。インテルベースのMacintoshは全てUSBからMac OS Xをブート可能である。

2004年IBMは論文 "Reincarnating PCs with Portable SoulPads英語版"[2] と "Boot Linux from a FireWire device"[3] で特殊なUSBベースのブートを提案した[4]

利点と制限[編集]

Live USBは多くの点でLive CDと似ている。

利点[編集]

  • Live CDとは対照的に、ブートデバイス内のデータを変更したり追加したりできる。そのため、個人的なファイルや設定、使いたいアプリケーションなども含めることができ、単一のシステムを複数のユーザーで共有するのも容易である。
  • 物理的に動く部分がないのでランダムアクセスが高速で、HDDやCD-ROMなどに比べてレイテンシが小さいが、USB 2.0 以降でないとデータ転送速度が遅く、性能を発揮できない。

制限[編集]

  • 古いコンピュータのBIOSはUSBからのブートをサポートしていないことが多い。USBからのブートが可能な場合でもデバイスの種類が制限されることが多い。その場合、ブート可能なCDやフロッピーディスクを経由してUSBデバイスからOSを立ち上げるという工夫が必要となる[5][6][7]
  • インテルベースのMacintoshには、USBデバイスからのブートに制限がある。Extensible Firmware Interface (EFI) ファームウェアがUSBドライブを認識してそこからブート可能だが、EFIモードでなければならない。ファームウェアを従来互換のBIOSモードにしておくとUSBドライブを認識しなくなる。WindowsやLinuxはEFIモードを使わないのが一般的であるため、USBからのブートはハードウェアとソフトウェア組み合わせが制限される[8]

インストール[編集]

仕組み[編集]

一般的なパーソナルコンピュータ (PC) 向けにLive USBシステムをセットアップするには、次のようなことをする必要がある。

  1. USBメモリをシステムに接続し、認識させる。
  2. そのUSBメモリ上に1つ以上のパーティションを作成する。
  3. USBメモリの基本パーティションに「ブート可能」のフラグを設定する。
  4. USBメモリの基本パーティションにMBRを書き込む。
  5. パーティションをファイルシステムとしてフォーマットする。通常はFAT32だが、他のファイルシステムでもよい。
  6. ブートローダをそのパーティションにインストールする。Linuxの場合、SYSLINUXが使われることが多い。
  7. (もしあれば)ブートローダーの構成ファイルを書き込む。
  8. オペレーティングシステムの必要とするファイル群、デフォルトのアプリケーション群をUSBメモリにコピーする。
  9. (もしあれば)言語ファイルやキーボードファイルをUSBメモリに書き込む。

KNOPPIXのLive CDはブート時に、ファイルシステムへの書き込みをRAMディスクに一時的に行うか、ディスクやフラッシュメモリに永続的に行い、設定やセキュリティのアップデートを可能にするかを選択可能である。これはLive USBを作りなおすよりも簡単だが、2010年時点の Live USB作成ツール(後述)の多くは十分使いやすい。

さらにKnoppixとUbuntuではアプリケーションを追加インストールすることができ、ファイルシステム上に動作中の変化を保持することもできる。

ツールを利用したインストール[編集]

Live USBを作るための各種ツールが存在し、それを利用すれば容易にインストールすることが出来る。一部のLinuxディストリビューションやLive CDには以下に述べる処理を自動的に行うスクリプトが用意されているほか、様々なディストリビューションを扱えるツールもある。以下に例を示す。

これより詳しいツールの一覧はen:List of tools to create Live USB systemsを参照のこと。

フルインストール[編集]

通常のHDDにOSをインストールするのとほぼ同じだが、スワップパーティションは作成されない。

利点 欠点
  • アプリケーションなどの更新が容易である。
  • システム全体の暗号化が可能。
  • ウィンドウマネージャやアプリケーションをユーザーの好きなようにカスタマイズしやすい。
  • 必要な最小限の容量は200MB程度(場合によっては40MBにまで低減可能)で、アプリケーションの追加と共に容量が大きくなる。
  • 通常のHDDへインストールされたOSと同様に読み書きを行うため、Live CDのようにシステムをRAMディスクを利用するものと比べ、特に書き込みが遅くなることがある。
  • インストール時に何度も書き込みを行うため、フラッシュメモリの寿命が若干短くなる。ただし Live USB 作成ツールによってはファイルシステムイメージをRAM上で構築し、最後にまとめて書き込むものもある。

Live USB対応のOSの例[編集]

ブート可能なWindows To Go対応USBメモリ

脚注[編集]

関連項目[編集]