LCGT
LCGT(英: Large-scale Cryogenic Gravitational wave Telescope、愛称かぐら (KAGRA))は、日本が建設中の重力波望遠鏡である[1]。岐阜県の神岡鉱山内にスーパーカミオカンデやカムランド、XMASSと同じ地下に建設され、レーザー干渉計の基線長は3,000mである[2]。特徴は低い地面振動、長い基線長、鏡の冷却である。
平成22年度「最先端研究基盤事業」(文部科学省)に選定されている[3]。愛称は、神岡の「KA」と重力波(Gravitational wave)の「GRA」を合わせている[1]。
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概要 [編集]
アルベルト・アインシュタインが提唱した重力波を観測で捉えようとする試みの中で、現在はレーザー干渉計を用いる手法が主流となっている。日本では、1999年に基線長300mのTAMA300が稼動を始めたが、これは天の川銀河内で中性子星が衝突した場合に生じる重力波を捉える感度しか持たず、その確率は数十万年に1度程度と考えられる。そのため、より高い感度を持つ観測装置が構想された[1]。
重力波による空間の伸び縮みを測定するレーザー干渉計では、基線の長さに伴うノイズを除く事が重要になる。新しい設備は、7億光年の範囲で起こる中性子星衝突を感知できるよう構想され、そのために地面振動の影響が少ない神岡鉱山が選ばれ、さらに高さ14mの振り子構造を持たせて外部振動の影響を減らした反射鏡を、熱による分子レベルの運動を極力除くために約-253℃まで冷却する装置を4つ連結させる。このような改良によってKAGRAは稼動から1年以内に重力波を観測できると期待されている[1]。
KAGRAは世界最高精度の重力波望遠鏡となる。現在稼動しているアメリカのLIGOとイタリアのVIRGOはそれぞれ Advandced LIGO と Advandced VIRGO 計画で観測精度をKAGRAと同等に引き上げる改良を施す予定である。レーザー干渉計による測定は、単独の設備ではどの方向から重力波が来たのかは判断できない。これら複数の設備が協調すれば、到達時間の差から方向を割り出す事が出来る[1]。
その他の重力波望遠鏡 [編集]
- TAMA300(日本) - 国立天文台にあるレーザー干渉計。
- CLIO(日本) - 東京大学宇宙線ン研究所等が共同して運営するレーザー干渉計重力波アンテナと地殻歪計。
- GEO600(イギリス・ドイツ) - レーザー干渉計の基線長が600メートルである。
- LIGO(カリフォルニア工科大学・マサチューセッツ工科大学) - レーザー干渉計の基線長が4キロメートルである。また、2箇所に設置された望遠鏡で観測を行う。
- VIRGO(フランス・イタリア) - レーザー干渉計の基線長が3キロメートルである。
- LISA (NASA・ESA) - LISAは "Laser Inferometer Space Antena" の略称であり、宇宙重力波望遠鏡(アンテナ)である。基線長は500万キロメートルを計画中。現在、国際協力によって開発が進められている。2015年に宇宙へ打ち上げられ、人工惑星軌道へ投入され観測を開始する予定。
- DECIGO (日本) - DECIGOは "Deci-hertz Interferometer Gravitational wave Observatory" の略称である。0.1Hzから10Hz程度の重力波を観測できる宇宙重力波望遠鏡で、日本におけるLCGTの次の将来計画となっている。
- ACGA(オーストラリア) - 現在、LIGOプロジェクトから指導を受けて準備中のようである。
脚注 [編集]
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- “KAGRA 大型低温重力波望遠鏡”. 2012年7月13日閲覧。