KEIRIN EVOLUTION

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)は、競輪における単発(一部例外あり)の競走名。競走グレードはFII

概要[編集]

KEIRIN(ケイリン)がオリンピックの正式種目であることを周知し、オリンピック等の国際競技大会に出場する競輪選手の競技力向上を図ることを目的に、日頃の競輪競走で行われている競技規則、使用機材ではなく、競技規則はオリンピック等の国際競技大会を規範とした競走である[1]

自転車[編集]

通常のスチール製フレームとは異なり、カーボン製のフレームとすることが一番の特徴となっている。

フレームや部品については、JKAに登録されているものだけでなく、UCIの国際大会規格に適合するものや、JCFが認可しているものも使用が可能で[2]、検査に合格すれば当競走のみに限定される形で1年間競走に使用できる[3]

なおホイールについては2016年8月現在、前輪が5本スポークのバトンホイール、後輪がディスクホイールに統一されている。ただし悪天候時など横風の影響がある場合は主催者の判断により前輪を金属スポークホイールに換装して競走が実施される[4]

ルール[編集]

競走形態は、先行して実施されているガールズケイリンと同様、『インターナショナル』と称する先頭固定競走にて行われる。

競走における車立てもガールズケイリンと同じく7車立てとするほか、ラインという概念を排除した単騎戦としている。

歴史[編集]

2014年1月26日いわき平開設記念競輪 (GIII) 第9レースで実施されたのが最初のレース。以後は基本的に333mや335mという短走路の競輪場で実施される予定[5]だったが、2015年9月以降、開催予定されている場は一部を除いて400m走路となっている。

2016年1月には小倉ミッドナイト競輪を初開催した。

2017年2月の小田原競輪場でのGIII国際自転車トラック競技支援競輪は、3日間開催で予選は得点制で開催された。同年9月のKEIRIN EVOLUTION(玉野競輪場・GIII国際自転車トラック競技支援競輪内)では2人の短期登録外国人選手が初めて参戦[6]。11月には伊東温泉競輪場にて、短期登録選手制度で来日中の男子外国人選手と日本人選手による7車立2レース3日制のトーナメント「WORLD EVOLUTION TOURNAMENT」を初開催した[7]

2018年までは基本的にいずれかのGIIIの最終日(4日目)6Rまたは9Rに組み込まれて一発勝負の企画レースとして実施されたが、2019年以降はGIIIの番組体系の改正によりGIII以外の開催で実施されることとなった[8]

2019年については、7月と8月に「WORLD EVOLUTION TOURNAMENT」を2年ぶりに開催された[7]が、2020年は同年に行われる予定だった東京オリンピックの兼ね合いとCOVID-19の影響で開催取りやめとなった。2021年以降も開催されていない。

同年10月2日よりTIPSTAR DOME CHIBAにて250競走「PIST6 Championship」が開幕。250競走の使用機材や基本的なルールはこのKEIRIN EVOLUTIONに通じていることや、元々PIST6では海外の強豪選手も交えたレースを想定していること、COVID-19の影響で各競輪場とも競走参加選手を極力抑えている(FI、FII開催では1レース7名を基本としている)ため開催予定はない。

歴代優勝選手[編集]

開催場 月日 選手名 レース概要
2014 いわき平 01月26日(日) 井上昌己 [9]
前橋 09月12日(金) 郡司浩平 [10]
防府 10月28日(火) 河端朋之 [11]
松戸 12月09日(火) 池田憲昭 [12]
2015 奈良 02月03日 (火) 一ノ瀬匠 [13]
青森 09月06日(日) 渡邉一成 [14]
京都向日町 10月04日(日) 早坂秀悟 [15]
豊橋 11月15日(日) 山賀雅仁 [16]
2016 小倉  01月08日(金) - 10日(日) 坂本貴史 [17]
高松  02月02日(火) 柏野智典 [18]
小松島 07月10日(日) 永井清史 [19]
豊橋 08月28日(日) 脇本雄太 [20]
玉野 09月27日(日) テオ・ボス [21]
千葉 10月18日(火) 佐藤博紀 [22]
武雄 11月15日(火) マティエス・ブフリ [23]
広島 12月25日(日) デニス・ドミトリエフ [24]
2017 松山 01月22日(日) 中井太祐 [25]
小田原 02月10日(金) - 12日(日) 山本直 [26]
大垣 03月12日(日) 志智俊夫 [27]
川崎 04月11日(火) 長島大介 [28]
函館 05月21日(日) 伊勢崎彰大 [29]
大垣 06月11日(日) 永井清史 [30]
久留米 07月02日(日) マティエス・ブフリ [31]
小松島 07月09日(日) シェーン・パーキンス [32]
福井 07月25日(火) テオ・ボス [33]
豊橋 08月22日(火) デニス・ドミトリエフ [34]
岐阜 09月10日(日) マティエス・ブフリ [35]
千葉 10月17日(火) テオ・ボス [36]
伊東 11月17日(金) - 19日(日) シェーン・パーキンス [37]
別府 12月05日(火) 山本伸一 [38]
2018 松阪 01月28日(日) 坂本周輝 [39]
静岡 02月20日(火) 加賀山淳 [40]
小松島 03月23日(金) - 25日(日) 福島武士
西武園 04月22日(日) 荒井崇博 [41]
京王閣 05月15日(火) サム・ウェブスター [42]
宇都宮 07月01日(日) マティエス・ブフリ
小松島 07月08日(日) マシュー・グレーツァー
松戸 08月05日(日) テオ・ボス
岐阜 09月09日(日) ジョセフ・トルーマン
久留米 10月21日(日) 佐々木豪
取手 11月13日(火) 中川誠一郎
佐世保 12月24日(月) 池田憲昭
2019 川崎 07月13日(土) - 15日(月・祝) マティエス・ブフリ
和歌山 08月07日(水) - 09日(金) ジョセフ・トルーマン

なお、全開催の全着順、2車単ならびに3連単の配当金額はこちら(競輪年間記録集2021年版)をそれぞれ参照のこと。

脚注[編集]

外部リンク[編集]