JR四国8000系電車

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JR四国8000系電車
JR四国8000系電車 特急「しおかぜ」(1994年 / 宇多津駅)
JR四国8000系電車 特急「しおかぜ」
(1994年 / 宇多津駅
営業最高速度 130 km/h
設計最高速度 試作車:160km/h
量産車:140 km/h
編成定員 L編成 : 18(グ)+263(普)=281人
S編成 : 168人(普)(リニューアル前は172人(普))
全長 8000形・8500形 : 22,600mm
その他 : 21,300 mm
全幅 2,820 mm
全高 3,360 mm
車体材質 ステンレス
編成質量 L編成 : 183.2t
S編成 : 109.2t
試作車 : 109.6t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
編成出力 L編成 : 200kW×8=1,600kW
S編成 : 200kW×4=800kW
試作車 : 150kW×8=1,200kW
主電動機 三相交流誘導電動機
駆動装置 TD平行カルダン駆動方式
制御装置 VVVFインバータ制御
台車 コイルばね+円錐積層ゴム式制御振子ボルスタレス台車ヨーダンパ付
試作車 : S-DT59・S-TR59
量産車 : S-DT60・S-TR60
制動方式 発電ブレーキ
電気指令式ブレーキ
直通ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置 ATS-SS

8000系電車(8000けいでんしゃ)は、四国旅客鉄道(JR四国)の直流特急形電車

概要[編集]

1992年平成4年)3月、予讃線観音寺 - 新居浜間が直流電化されたのをきっかけにグリーン席普通席の合造車が1号車となる試作車(8001+8101+8201)が登場し、同年8月に臨時列車として岡山 - 新居浜間特急しおかぜ」・高松 - 新居浜間特急「いしづち」として営業運転を開始した。翌1993年(平成5年)3月18日改正で新居浜 - 伊予北条間の電化、これに伴う高松―伊予市間の電化完成に合わせて量産車が登場し、「しおかぜ」の大半と「いしづち」全列車を本系列に置き換え、本格的な営業運転を開始した。試作車8001はL1編成に組み込まれ、8101+8201は編成を逆にして、S1編成(8201+8101+8501)となった。これにより、従来運用されていたキハ181系キハ185系と比べ、始発駅と終着駅との所要時間が最速列車同士の比較で20分短縮された。

車両は日立製作所日本車輌製造で開発・製造されている。1993年当時はグリーン席・普通席の合造車が1号車の5両編成5本と4両編成1本(共にL編成)に、付属編成となる3両編成(S編成)5本で、5両、4両+3両、5両+3両とバリエーションに富んだ編成になっていたが、1997年(平成9年)11月29日のダイヤ改正からは、多客時を除く昼間の電車特急はすべて多度津(分割併合作業場所の変更により現在は宇多津) - 松山において「しおかぜ」と「いしづち」を連結した8両編成で運転することになり、車両編成を全部共通にして運用を組みやすくするために、4両だったL2編成に挿入するための1両(8300形)と、3両編成1本の計4両が追加新造されている。1998年(平成10年)3月14日のダイヤ改正からは、岡山方面の所要時間短縮のため、宇多津駅構内のデルタ線を利用して編成ごと向きを転換し、グリーン席・普通席の合造車が8号車になっていた。2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正で再度方向転換が行われ、グリーン席・普通席の合造車が1号車となっている[1]。これは、グリーン車を2000系気動車と同じ下り側に統一することで、利便性を向上させるためである。

構造[編集]

(予讃線 多度津-高松間、2003年8月17日)

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(予讃線 高松-多度津間、2003年11月22日)

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主回路にはVVVFインバータ制御GTO素子)が採用されている。試作車は電動車 (M) 2両の8個のモーターを一括制御する方式 (1C8M) だが、量産車はM車を少なくしてモーターの出力を上げ、各モーターを個別制御する方式 (1C1M) に変更された。JR四国では2000系気動車に続き制御付振り子装置が採用された。振り子機構は試作車は2000系気動車より曲線での速度向上を狙い曲線ベアリングガイド式を用いたが、量産車は2000系気動車で実績のあるコロ式に変更された。振子作用時の車体最大傾斜角は2000系気動車と同じ5°で、曲線半径600mで本則+30km/hでの120km/h運転を可能とした。車体の傾斜によってパンタグラフ架線から離線するのを防ぐため、車体側部を通して台車とパンタグラフ台座の間をワイヤーで結び、常にパンタグラフが真上を向く架線追従装置が装備されている。このワイヤーは当初ビニール被膜付だったが、この被膜にワイヤーが引っかかって架線追従装置が機能しなくなるトラブルがあったため、被膜がないものに交換された。そのパンタグラフは電動車の8150形・8200形に加え制御車の8000形・8500形にも備えられている(2010年に8500形は撤去。これについては後述)。なお、宇野線本四備讃線では振り子を使用しない。空調装置は2000系気動車では熱交換器が屋根上に搭載されていたが、車両の低重心化を図るために床下搭載とされた。屋根上にはガーランド形ベンチレーター(通風器)に似たカバーが付いている換気装置が8000形と試作車の8101と8201は2箇所、それ以外は3箇所設置されている。

「SPEED RECORD 160km/h」のステッカー
(1992年 / 新居浜駅

設計最高速度を160km/hとした試作車はレールブレーキを装備して湖西線や予讃線での高速走行実験が実施され、150km/hからは600m以内で急停止できることが確認された。しかし、結局150km/hでの営業運転は行われず、量産車ではレールブレーキは採用されなかった。試作車のレールブレーキも量産車の営業運転開始までに撤去された。予讃線での高速走行実験では、160km/hを達成したとされ、8001の運転室側面に「SPEED RECORD 160km/h」のステッカーがしばらくの間貼付されていた。なお、正確には158.9km/hとされている。

全車両ともデッキは車端部に2箇所設置され、客用扉はプラグドアである。座席の前後間隔はグリーン車は1170mm、普通車は980mmとしている。車内の仕切扉の機構は電気式で、連結器は密着連結器+電気連結器、自動放送装置は音声合成式で、LED車内案内表示装置も備えるなど、これらは2000系を踏襲したものである。なお、速度が5km/hを超えると客用扉を開放した状態で動き出しても自動的にドアが閉まるようになっている。

編成[編集]

L編成
 
← 松山
岡山・高松 →
編成番号 L1 - L6 8000形
(Thsc)
8100形
(M1)
8150形
(M2)
8300形
(T)
8400形
(Tc)
座席 グリーン車 指定席 指定席[* 1] 指定席[* 1] 自由席 自由席
S編成
 
← 松山
岡山・高松 →
編成番号 S1 8201 (Mc) 8101 (M1) 8501 (Tc)
S2 - S6 8200形 (Mc) 8300形 (T) 8500形 (Tc)
座席 自由席 自由席 指定席[* 2]
  1. ^ a b 一部列車は自由席。
  2. ^ 一部列車は半室自由席。


5両編成のL編成6本30両と3両編成のS編成6本18両の計48両が松山運転所に配置されている。8000形および8500形が流線型先頭車、8400形および8200形が連結運転に対応した貫通型先頭車である。行先表示器トイレと洗面所は、8000形、8150形、8400形、8200形、8500形に設置されている。8400形のみ新造時から車椅子対応座席が設置されている関係で小便所もあり洋式トイレだったが、後述するリニューアルの際に8000形、8500形も洋式トイレに変更された。8000形、8500形には車内販売準備スペースとテレホンカード専用公衆電話が設置されたが、車内販売の廃止と携帯電話の普及でいずれも撤去され、清涼飲料水自動販売機が元車販準備スペースに設置された。

S編成では、後に8500形のパンタグラフを撤去し、8300形を編成から外した状態での運行を可能にするなどの改造が実施されている[2]。このため、S編成が充当される「いしづち」の一部列車は、2010年(平成22年)3月13日から8往復、2012年(平成22年)3月17日から2往復が順次減車され、2両編成での運行が実施されている(多客時は従来通り3両で運転)。ただし、試作車であるS1編成は、ユニット構成の関係から改造が実施できず、減車運用は行われていない。

リニューアル[編集]

8000系リニューアル車
( 2014/05/07/ 児島駅
8000系リニューアル車
(2007年12月27日 / 高松駅)

2004年(平成16年)10月から大幅なリニューアル工事を施した車両を順次投入し、充当列車には大型時刻表などに「リニューアル車両で運転」と記載されていたが、交通新聞社発行の『JR時刻表』では、5両編成のものしか表示がなかった。2006年(平成18年)11月に全車両のリニューアル工事が完了し、時刻表などの「リニューアル車両で運転」の記載もなくなっている。

工事内容は、グリーン車・普通車指定席のみであるが、「S-Seat」と呼ばれるより上質な難燃木材製座席への取替え、パソコンテーブルや車両の最前部のみであるがコンセントの設置、S編成は全車両禁煙化により喫煙室を1箇所設置(2011年3月廃止)などである。なお、この工事はグリーン車、普通車指定席とも背面テーブルなど一部部品を共通化させコスト削減を図った。また、車体のドア周りの塗装を普通車指定席はオレンジ、グリーン車は赤のグラデーションとした。内装は従来のままで据え置かれた普通車自由席も、ドア周りに紺のグラデーション塗装を施し、外から視覚的に座席種別が分かりやすいように手が加えられた。このリニューアル工事を施工した編成は、2005年(平成17年)度の財団法人日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞した。

このリニューアル編成は2004年12月18日に大阪駅で展示会を開催するために臨時団体専用列車として山陽本線東海道本線を経由して京都駅まで入線したことがある。

運用[編集]

配置がL編成・S編成各6本に対して運用は各5本なので、運用中に故障やダイヤの乱れが発生し、かつ残り各1編成が検査や故障などで使えない場合は列車運休や予備車両(2000系、多度津 - 高松間ではキハ185系もある)に編成を変更することがある。他系列での運用は最高速度が本系列よりも低い(2000系は120km/h、キハ185系は110km/h)ため、遅延は避けられない。

「しおかぜ」と「いしづち」の併結列車は、多客期は一部列車を除く全編成が岡山駅発着の「しおかぜ」になり、「いしづち」は高松駅 - 宇多津駅・多度津駅間のみの分離運転になる。この一部列車にもS編成が使用される。また1998年には「南風」と「しまんと」の併結列車が、多客期に「しまんと」編成を分割せずに岡山へ直通した時に、多度津 - 高松間に代走列車として平行ダイヤを組む「しまんと」が運転されたが、この一部列車にもS編成が使用された。

2014年3月15日現在、以下の列車で運用されている。

  • 特急「しおかぜ」(13往復):岡山駅 - 今治駅松山駅
    2往復(下り:9・21号/上り:10・22号)を除く全列車で使用。L編成のみ充当。
  • 特急「いしづち」(14往復):高松駅 - 松山駅
    3往復(下り:9・21・103号/上り:10・22・104号)を除く全列車で使用。1往復(101・102号)はL編成、その他はS編成を充当。
    S編成のうち、3往復(下り3・15・27号/上り4・16・28号)は3両編成、その他は2両編成で運転。
  • 特急「ミッドナイトEXP松山」・「モーニングEXP松山」(1往復):新居浜駅 - 松山駅
    全列車で使用。S編成(2両編成)のみ充当。

臨時列車での運用[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ “平成26年3月ダイヤ改正について” (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2013年12月20日), http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/13-12-20/01.htm 2014年11月7日閲覧。 
  2. ^ “JR四国8000系S編成の話題”. railf.jp 鉄道ニュース (交友社). (2011年3月28日). http://railf.jp/news/2011/03/28/091700.html 2014年11月8日閲覧。 

外部リンク[編集]

関連項目[編集]