JR北海道キハ141系気動車

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キハ141系気動車(キハ141けいきどうしゃ)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)に所属する一般形気動車で、キハ141形キハ142形キハ143形およびキサハ144形の総称である。

キハ141系気動車(キハ143形+キサハ144形の3両編成、札幌駅にて2006年11月撮影)

目次

[編集] 概要

札幌市周辺の人口増加により、沿線の都市化が急速に進んだ札沼線(学園都市線)の輸送力増強を目的として1990年平成2年)から投入された。

電車や気動車への置き換えで余剰となっていた50系客車(オハフ51形)を改造して製作された。客車 (Passenger Car) 改造のディーゼル動車 (Diesel Car) であることからPDCとも呼ばれる。

客車の気動車化改造は、根本的な強度構造の違いから来る車体重量の違いから、国鉄・私鉄ともにほとんど成功例がないが、本系列は客車としては軽量な50系客車に、新世代の軽量高回転エンジン(DMF13HS系エンジン)を組み合わせることによって、一定以上の成果を引き出した。

4形式で合計44両が製作され、オハフ51形の2/3が本系列に改造された。客車から気動車への改造車としては日本最多である。

他系列同様、車体にコーポレートカラー萌黄色の帯を巻いているが、外板の地色はではなく、ライトグレーとなっている。

[編集] 構造

キハ141形の車内

種車の車掌室を運転室として活用し、キハ54形に類似する貫通扉付の前面形状をもつ。同様の手法で製作された西日本旅客鉄道(JR西日本)のキハ33形と異なり、客用扉の移設はせず、種車のものをそのまま用いている。床下には駆動用エンジン変速機などの走行機器が設置され、台車も気動車用のものに振り替えられた。

車内設備は客車時代のセミクロスシートを残しているが、輸送状況にかんがみ、ロングシート部分の増設とクロスシート部分の3列化(2列+1列)が行われている。客室窓は種車の1段上昇式2重窓をそのまま用いる。

[編集] 形式別詳説

本節において、改造を施工した工場を以下の略号で示す。

[編集] キハ141形

キハ141-12。オハフ51形の初期車(戸袋窓が小型)を改造した車両(苗穂駅にて2006年11月撮影)

1990年から14両 (1 - 14) が製作された。駆動用機関として、直列6気筒ディーゼル機関 DMF13HS (250PS/2,000rpm) を1基搭載する。台車はコイルバネ式のDT22系で、キハ56系気動車廃車発生品を使用している。最高速度は 95 km/h である。運転台は札沼線での札幌方を向いており、通常はキハ142形の同一番号の車両とペアを組んでいる。運転台側の客用扉直後にトイレが設置されている。冷房装置は搭載されていない。

キハ141-1は先行試作車で、1992年に苗穂工場で量産化改造が行われた。

番号の新旧対照および改造所、年月日は、次のとおりである。

  • キハ141-1 ← オハフ51 44 KR 1990/02/13
  • キハ141-2 ← オハフ51 11 NH 1991/03/28
  • キハ141-3 ← オハフ51 46 KR 1991/03/26
  • キハ141-4 ← オハフ51 16 KR 1991/09/23
  • キハ141-5 ← オハフ51 53 KR 1991/12/20
  • キハ141-6 ← オハフ51 1 NH 1992/03/17
  • キハ141-7 ← オハフ51 47 NH 1992/02/07
  • キハ141-8 ← オハフ51 49 NH 1992/02/15
  • キハ141-9 ← オハフ51 48 KR 1992/07/10
  • キハ141-10 ← オハフ51 55 KR 1992/09/26
  • キハ141-11 ← オハフ51 12 KR 1993/01/27
  • キハ141-12 ← オハフ51 2 NH 1993/01/30
  • キハ141-13 ← オハフ51 5 NH 1993/02/20
  • キハ141-14 ← オハフ51 23 NH 1993/05/31


2005年(平成17年)3月にキハ141-1が廃車され、2009年(平成21年)現在では13両が在籍する。

[編集] キハ142形

キハ142-12。トイレ窓は埋められている(苗穂駅にて2006年11月撮影)

1990年から1994年(平成6年)にかけて15両 (1 - 14, 201) が製作された。駆動機関は、DMF13HS 形を2基搭載する。台車にキハ56系気動車の廃車発生品(DT22系)を使用する点はキハ141形と同じである。最高速度は 95 km/h である。

運転台は石狩当別方を向いており、通常はキハ141形の同一番号の車両とペアを組んでいる。トイレは改造時に撤去され、採光窓が埋められている。冷房装置は搭載されていない。キハ142-1は先行試作車で、1992年に苗穂工場で量産化改造が行われた。

キハ142-114とキハ142-201には、キハ143形・キサハ144との編成組成時に両形式のボタン開閉式半自動ドアを制御する機能が付加されている。114は既存車の改造により設置され、201は客車からの改造時点でこの仕様であった。

番号の新旧対照および改造所、年月日は、次のとおりである。

  • キハ142-1 ← オハフ51 45 KR 1990/02/13
  • キハ142-2 ← オハフ51 3 NH 1991/03/28
  • キハ142-3 ← オハフ51 40 GK 1991/03/28
  • キハ142-4 ← オハフ51 50 GK 1991/08/19
  • キハ142-5 ← オハフ51 51 GK 1991/10/23
  • キハ142-6 ← オハフ51 54 GK 1991/12/28
  • キハ142-7 ← オハフ51 13 GK 1992/02/12
  • キハ142-8 ← オハフ51 22 GK 1992/03/31
  • キハ142-9 ← オハフ51 42 GK 1992/06/16
  • キハ142-10 ← オハフ51 43 KR 1992/08/22
  • キハ142-11 ← オハフ51 14 KR 1992/11/09
  • キハ142-12 ← オハフ51 21 NH 1992/04/28
  • キハ142-13 ← オハフ51 6 NH 1992/12/07
  • キハ142-14 ← オハフ51 26 NH 1994/07/02
  • キハ142-114 ← キハ142-14 NH 1995/01/27
  • キハ142-201 ← オハフ51 30 GK 1995/01/10


2005年3月にキハ142-1が廃車され、2009年現在では14両が在籍する。

[編集] キハ143形

キハ143-157。台車やエンジンが変更された(苗穂駅にて2006年11月撮影)

キハ141形・キハ142形の増備にあたり、キハ150形気動車の駆動システムを用いて性能強化した形式である。1994年から1995年(平成7年)にかけて11両 (101 - 104, 151 - 157) が製作された。100番台はトイレなし、150番台はトイレ設置の車両である。

駆動機関は大出力の N-DMF13HZD 形 (450PS/2,000rpm) を1基搭載し、台車はキハ150形の N-DT150 形台車を基に、各部の仕様を本形式に適合させる仕様変更を行った2軸駆動式のボルスタレス式空気バネ台車 N-DT150A 形・N-TR150A 形を使用する。最高速度は 110 km/h である。

ラッシュ時の乗降円滑化対策として、キハ141形・キハ142形で残存していたデッキ仕切扉は撤去された。仕切扉に代わる冬期の保温対策として、客用扉はボタン開閉式の半自動扉を装備している。

製作当初は冷房装置を設けなかったが、1995年から1996年にかけて冷房改造が行われ、N-AU26 形冷房装置が屋根上に設置された。最終製作分の2両 (156, 157) は1995年の気動車化竣工時から冷房装置を設置しており、本形式の全車両が冷房化されている。

原則として、札幌方に150番台を、石狩当別方に100番台を組成し、必要に応じ付随車キサハ144形を挿入し3両編成としても運用される。150番台では1両のみ (157) が石狩当別向きで使用されている。

番号の新旧対照および改造所、年月日は次のとおりである。

  • キハ143-101 ← オハフ51 36 NH 1994/08/27
  • キハ143-102 ← オハフ51 41 NH 1994/09/01
  • キハ143-103 ← オハフ51 24 NH 1994/10/25
  • キハ143-104 ← オハフ51 34 NH 1995/01/31
  • キハ143-151 ← オハフ51 32 KR 1994/08/24
  • キハ143-152 ← オハフ51 15 GK 1994/08/28
  • キハ142-153 ← オハフ51 35 KR 1994/10/28
  • キハ143-154 ← オハフ51 20 GK 1994/10/29
  • キハ143-155 ← オハフ51 27 NH 1995/03/31
  • キハ143-156 ← オハフ51 39 NH 1995/07/21
  • キハ143-157 ← オハフ51 60 GK 1995/08/03


[編集] ワンマン運転対応

当形式を他線区に転用するため、2011年(平成23年)から、ワンマン運転対応工事の施工が開始された。運転席部分に運賃表示機と両替機つき運賃箱が、連結面間には転落防止幌が設置された。同時に、自動列車停止装置ATS-DNに更新された。また、オハフ51時代には準備工事だったが、キハ143への改造時に撤去されていた側面行先方向幕が再設置された。その他の内装にも多少変化がある。工事施工による番号の変更はない。2012年2月現在、156、157、154、104が改造されている。

[編集] キサハ144形

キサハ144-101(石狩当別駅にて2007年8月撮影)

1994年に4両 (101 - 103, 151) が製作された。運転台は装備せず、駆動用エンジンも搭載しない付随車である。台車はキハ56系気動車の廃車発生品から付随台車(TR51 形)を使用している。動力を持たないため当初はキハ141形・キハ142形の編成に組み込まれ、現在ではキハ143形とセットで運用される。

改造当初は1両にトイレが残されており、150番台 (151) と付番されていたが、1995年にトイレを撤去し100番台に統合された。当初は非冷房であったが、2001年(平成13年)に冷房が搭載され、電源供給用の発電用エンジンを床下に搭載している。

  • キサハ144-101 ← オハフ51 7 NH 1994/03/24
  • キサハ144-102 ← オハフ51 9 NH 1994/03/22
  • キサハ144-103 ← オハフ51 10 NH 1994/03/28
  • キサハ144-104 ← キサハ144-151 NH 1995/08/16
  • キサハ144-151 ← オハフ51 33 NH 1994/03/30

[編集] 運用

全車が苗穂運転所に配置され、札沼線(学園都市線)の普通列車として札幌 - 北海道医療大学間で運用される[1]

本系列単独で運用されるほか、キハ40形300番台・330番台やキハ48形300番台・1330番台と連結して運用されることも多い。また、キハ141形・キハ142形は冷房がないため、夏季は朝と夕方以降のみの運用となる。

団体臨時列車に使用されることも多く、札幌から千歳線経由で日高本線様似駅まで直通運転する「優駿浪漫号」、「バーベキューカー」ナハ29000形を中間に連結した運用、6連での札幌‐富良野間の「ヘルシーウォーキング」号などの実績がある。また、中間にマヤ34形などの事業用客車を連結した事業用列車として道内各地で運転されることもある。

[編集] 脚注

  1. ^ 以北の運用は石狩当別駅始発・切り離しのキハ40形400番台または700番台(ワンマン対応車)が担当する

[編集] 関連項目

本系列と同様、客車を気動車に改造した車両として、以下の形式があげられる。

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス