JESUS 砂塵航路
| JESUS 砂塵航路 | |
|---|---|
| ジャンル | ハードボイルド・殺し屋アクション |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 七月鏡一 |
| 作画 | 藤原芳秀 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | モバMAN |
| レーベル | ビッグコミックス モバMAN |
| 発表期間 | 2009年 - |
| 巻数 | 既刊10巻 |
| その他 | 「ジーザス」の続編 |
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『JESUS 砂塵航路』(ジーザス さじんこうろ)は、七月鏡一原作・藤原芳秀作画による日本の漫画作品。
目次 |
[編集] 概要
本作は2009年2月20日から、小学館の携帯コミックサイト「モバMAN」にて配信されている。同じく七月鏡一原作・藤原芳秀作画作品である『闇のイージス』と『暁のイージス』のアフターワールドであると同時に、『ジーザス』の正統な続編でもある。単行本は2011年10月現在10巻まで刊行されている。
本項では『ジーザス』を「前作」として扱い、『闇のイージス』『暁のイージス』については個別に作品名を表記して取り扱う。
また、『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載中の『死がふたりを分かつまで』(原作:たかしげ宙、作画:DOUBLE-S)とのクロスオーバーが同時進行されているほか、『ALCBANE』(講談社刊・原作:たかしげ宙・漫画:衣谷遊)とも設定がリンクしている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
10年以上前にこの国の闇の中枢にあった組織「24(トゥエンティーフォー)」を壊滅させた伝説の殺し屋「ジーザス」は、ある使命を帯びて東京都内の藍東学園に、教師「藤沢真吾」として赴任する。
その藍東学園の女子高校生、綾木日奈の窮地に遭遇したジーザスは彼女を救うことになるが、それ以来綾木は藤沢の正体を疑惑視するようになり、藤沢の正体を探ろうとする。そんな中、ジーザスと綾木に過去に滅びたはずの組織の影が迫る。
[編集] 登場人物
[編集] 主要登場人物
- ジーザス
- 本作の主人公。『暁のイージス』のアフターワールドであることから、「蝶」との決戦の場であったメルトダウンを起こした原子力空母からは脱出できたようで、その後ある密命を帯びて、再び「藤沢真吾」を名乗り藍東学園に赴任する。
- ドジでのんびりとした教師を演じているのは、前作『ジーザス』の頃と変わっていないが、綾木や小此木のような勘のいい者には、その仮面の下の正体に気付かれている。『闇のイージス』『暁のイージス』に引き続き本作においても、彼の目的である「拉致された教え子の救出」は続けられており、「殺し屋」であると同時に「教師」でもあるという彼の信念は、台詞や描写に表れている。そして、彼が再び藤沢真吾となる事になった依頼のために、彼とも因縁の深い「24」との戦いが再び始まる。
- 愛銃は以前と同様コンバットパイソンで、彼が主人公の本作では、標的を仕留める際の決め台詞も随所で披露される。人物像の詳細は前作『ジーザス』の項を参照のこと。
- 綾木 日奈(あやき ひな)
- 藍東学園に通う女子高生。17歳。数十億単位を動かすデイトレーダーで、莫大な資産を利用して東京を根城にする闇組織に影響力を発揮し、彼らから「クィーン」というあだ名が付けられる。しかし、これは彼女が祖父から教えられた信条に基づく「他者を支配するゲーム」のためであると、彼女自身は語る。資金力だけでなく彼女自身も高い知性と胆力の持ち主だが、高慢でもあり、学校では優等生然としているものの、内心では教師や同級生、学校そのものを見下している。当初はジーザスが演じる「藤沢真吾」のことも見下していたが、闇社会に首を突っ込みすぎたために陥った窮地をジーザスに救われた際に、彼女の行為を「ガキのごっこ遊び」と断じられたためにプライドを傷つけられ、さらに藤沢がそのジーザスではないかと疑い始めてからは、藤沢の力を自分の目的のために利用しようと、その正体を暴こうとする。しかし、その最中復活した「24」が彼女とジーザスに迫り、「24」の目的が彼女が祖父から受け継いだ「遺産」であり、ジーザスもそれに絡んでいる事が明らかになる中で、彼女自身の過去と、何故彼女が闇の世界の力を必要していたかも明らかになる。
- 後にエレメンツ・ネットワークの存在を知り、莫大な資金を背景に自分の参入を持ちかけるが、犯罪被害者である自分自身が犯罪世界の力を利用していた事を指摘され、拒否されたことに衝撃を受ける。さらに学園内における『24』の刺客カイザ、ラギとジーザス、アッシュとの戦いの中でのやりとりを見ながら、同級生の小此木あかりの言葉を思い起こしたことで、これまでの自分自身の考えに戦慄して非を悟り、自らの復讐を放棄すると宣言する。
- しかし一方で、自分が受け継ぐ遺産を巡る強者や巨大組織同士の激突をただ眺めるだけで、自分の身の安全一つ握れないことに悩み、ジーザスに“戦う力”を求める。
[編集] 藍東学園
- 小此木 あかり(おこのぎ あかり)
- 綾木の同級生。高校生としてはかなり小柄なショートカットの少女。交通事故に巻き込まれかけたところをジーザスに救われたことがあり、その後赴任してきた藤沢真吾が只者ではない事に、薄々勘付いている。明るい性格だが、実の父親に保険金目当てで母親もろとも殺されかけ自身のみ生き残った過去を持つ。獄中の父親の言った「自分の生きているこの世界が嫌いだった」という言葉から、自分の世界を嫌いにならないように、自分を嫌いにならないように決意している。その強い意志から来る優しさは綾木日奈やアッシュ、三崎しずくにも影響を及ぼしている。
- 一之瀬 初美(いちのせ はつみ)
- 綾木の同級生であかりと仲が良い少女。あかりとは対照的な長身で巨乳、おそらく茶髪。あかりともども、綾木と関わり始めたために、綾木に伸びる「24」の魔手に巻き込まれる。友情に篤く、小此木を危険に晒した綾木に食って掛かる場面もある。
- 矢神 武明(やがみ たけあき)
- 綾木より1年上の不良グループのリーダー格で、大柄な体格。強面であるものの、綾木に惚れているためか彼女の言う事には忠実に従い、藤沢に揺さぶりをかけるためにちょっかいをかけるが、度が過ぎたために藤沢から手痛い「お仕置き」を受ける。これによって矢神も、藤沢は自分達が関わってはいけない人間である事を思い知る。
- 伊藤 健介(いとう けんすけ)
- 第53話以降に登場する、ジーザスと同時期に藍東学園に赴任した保健教諭。長髪を後ろで結び眼鏡をかけた風貌の気さくで温厚な人物だが、気取られることなくジーザスの背後をとることができる。
- その正体は、中国系秘密結社「龍門幇(ドラゴンゲート)」の若き当主劉伊健(リウ・イーキン)で、『闇のイージス』序盤以来の再登場となる。彼もまた、綾木日奈を狙って藍東学園に潜入しているようで、中国に居ると思しき「お母さん」なる人物と連絡を取り合うなど[1]、その真意や背景はいまだ謎が多い。
- やがて綾木や、彼女が受け継ぐ「遺産」を巡りジーザス達と対決するが、伊健自身もまた組織の長でありながら操られる立場であり、『闇のイージス』当時に掛けられていた催眠暗示に未だ支配されていたようである。
- ジーザスとの僅差の勝負、「イージスの盾」の介入を経て、暗示の束縛から解放されたかに見えたが、その対決の後、ジーザスに「藍東学園の生徒を守る一点に限っては協力する」と告げる一方、「未だに催眠が仕込まれている可能性があるため、いつ牙をむくかも知れない自分に備えろ」と警告する。
- 支倉 美央(はせくら みお)
- 第54話以降に登場する新任教諭。国語担当。実習を終えたばかりらしく、不慣れな様子。あかり程ではないが小柄で童顔な為、幼く見られる事にコンプレックスがある。また、藤沢真吾(ジーザス)に対して含む所がある様な態度を見せる。その正体は下記の「エレメンツネットワーク」の項を参照。
- 宗像 涼子(むなかた りょうこ)
- 第54話以降に登場する新任教諭。化学担当。長身、ミニスカート姿の美女で非常に色っぽい。
- 江戸川 良雄(えどがわ よしお)
- 藍東学園2年担当の数学教師。態度が大きく、授業では粘着質気味に厳しいので生徒達からは敬遠されている。陰での通称は「サドガワ」。第53話で、藍東学園の教師を狙った「24」の工作に巻き込まれかけたが、間一髪でジーザスに助けられる。「24」の画策で学年主任を含む数人の教師が負傷休養となったため、江戸川が繰り上がりで主任となり、補充の新任教員達に主任の威厳を示すため「ビシッといく」と張り切るが・・・? ジーザスによると「軍隊にもいたようなタイプ」とのこと。
[編集] 『24』(トゥエンティフォー)
- アッシュ
- 新生「24」のメンバーの白人の少女。幼い頃、南米の人身売買組織から御堂真奈美に助けられた過去を持ち、以来御堂を「自分が生きるための全てを与えてくれた人」と強く慕う。そのためジーザスを、彼女に関わった結果死なせた仇と見なす。ジーザスとの初対面での宣戦布告と一度の戦闘を経た後、キングの遺産を突き止める任務を帯び「真奈美・アシュフォード」として藍東学園に編入。
- 暗殺者、特に狙撃手としての腕はジーザスも認める技量を持つが、そのジーザスに言わせると御堂にはまだまだ及ばないようで、些細な気配や物音にも反応する殺し屋の習性を自制しきれない。ジーザスは、前作で御堂にその点を散々突かれた意趣返しとばかりに、学校内でアッシュに揺さぶりをかける。
- なお、2大派閥に分かれる「24」内では、アッシュは“令嬢派”に属する。対立派閥“老人派”のスナイパー・ラギと交戦し遅れをとってしまうが、その後藍東学園において「ボスであるしずくも、下された任務も既に存在しない」というラギの言葉を逆手に取り、自由な立場でラギに対する雪辱を果たそうとする。
- 御堂との関係からしばしば『“虎”の弟子』と呼ばれるが、そのたび「彼女を“虎”と呼ぶな」と激高する。
- 真田(さなだ)
- 新生「24」のメンバーで、小部隊を動かす指揮官クラス。スーツ姿に眼鏡をかけた、物腰の柔らかいビジネスマン風の青年。綾木が受け継ぐはずの「遺産」を狙い、刺客を綾木に差し向ける。
- “白と黒”
- マスクで頭部を覆いスーツを着込んだ双子の巨漢。暗視ゴーグルを着け、スーツの下にはマグナム弾を防ぐボディーアーマーを着込んでいる。兄の方は獣のような唸り声でしゃべり、弟の方はオカマ口調。真田の手足となって動き、綾木達に魔手を伸ばす。その名前は旧「24」の時代から、その猟奇的な趣味とともに知られていた。マスクの下の素顔は意外と端正。
- 黒須(くろす)
- 「24」内部でキングの遺産を巡って争う“老人派”の戦闘隊の指揮官。旧「24」からのメンバーらしく、ジーザスとも因縁がある。顔の右半分は火傷の痕で爛れており、その傷痕が原因となったジーザスと引き合わせてくれると信じ、あえて植皮手術を行っていなかった。
- 三崎 しずく
- 現「24」の2大派閥の1つ、“令嬢派”の首魁。前作『ジーザス』におけるジーザスのライバルであった旧「24」の幹部「三崎かおる」の妹で、唯一の肉親であった兄の仇であるジーザスを仕留める為、彼女もまた「24」に入る。アッシュは彼女に仕えている。火野を使ってジーザスの生徒に魔手を伸ばし、「キングの遺産」の入手とジーザスへの復讐をねらう。
- 夜魔部隊の襲撃によって“令嬢派”に属する配下のほとんどを失った上、自らも“老人派”に連行され、それ以後虜囚の状態であったが、ライバルである“老人”が提示してきた「ジーザスへの復讐の武器」を受け取るために、“老人派”との休戦協定を飲み、再びジーザスに挑むことになる。
- 火野 豹二(ひの ひょうじ)
- 前作より登場したチンピラ。今作でもその腐りきった根性は健在で、世話になっていた組の金を持ち逃げしたところを「24」にジーザスの生徒の誘拐を依頼される。
- 前作においてジーザスと敵対するも生き残ったことで「ジーザスでさえ俺を殺せなかった」と吹聴していたが、実際は「殺す価値もない」と捨て置かれただけで、本人もそれを自覚しており、それを恨んでジーザス殺害に執念を燃やす。何かと言うと奇声を上げ、自分が手を下した事象を確認する事もしない殺人者どころか犯罪者としても素人以下である。
- ジーザス、夜魔部隊、アルクベインの乱戦の最中にRPGを持ち込んだりC4で建物ごと吹き飛ばそうとしたが、アルクベインに捕らえられ匿名で警察に引き渡された。
- ちなみにこの「人間のダメな部分を寄せ集めた様なチンピラ」が、七月・藤原両作者のお気に入りのキャラであると言う[2]。
- 燐・オールドマン(りん・オールドマン)
- 現「24」の2大派閥の1つ“老人派”の首魁。“老人(オールドマン)”のあだ名を持ち、“令嬢派”が瓦解した後には実質的な現「24」の支配者である。あだ名とは裏腹にその正体は容姿端麗な弱冠17歳の少年で、前作『ジーザス』における旧「24」の支配者クイーンの孫である。常に電動式の車椅子で移動している。
- 見た目は若年ながらも高い知性とカリスマ性で君臨しており、彼が率いる現行の「24」は、日本政府からも「極めて危険なカルト」と見られている。やがて組織内のライバルであった“令嬢派”の三崎しずくと“龍門幇”の代表、旧「24」の関係者を自ら招き、彼が祖母クイーンから受け継いだ「遺産」を取引材料に提示し、休戦および同盟体制を作る。
- カイザ
- 下記のラギとユラをまとめる立場にあると思われる、大柄でモヒカンの中年男性。カイザとその2人のトリオは“老人派”の中でも極秘の精鋭部隊「夜魔部隊」(ナイトゴーンツ)のメンバーで、カイザはその小隊の指揮官でもある。三崎しずくがあかりを監禁した高層ホテルを襲撃し、ジーザスの抹殺としずくの拉致を目論む。
- かつて単独で旧「24」の「夜魔部隊」を壊滅状態にしたジーザスを倒すことを熱望しており、米軍の試験機であるパワードスーツ「エグゾスケルトン」を着込んでジーザスに挑むが、パワードスーツの欠点によって敗れる。その一戦の後、臨時の新任教員「海江田丈二」(音楽担当)として藍東学園に赴任(第54話)、学校内でジーザスとの再戦・決着に挑もうとする。
- ヘビー級の巨体に反して、ジーザスを戦慄させる無音殺人術の使い手で焦れた相手に〈お前の望む物を与えてやろう〉と言ってトドメを刺す。やがて、ジーザス打倒の意図とは裏腹に新たな組織の介入によりラギ共々、ジーザス達との共闘を強いられることになる。
- ラギ
- 「夜魔部隊」の女スナイパー。褐色の肌に大柄で男口調。ジーザスと三崎しずくの戦いの部隊となったホテルで、アッシュとスナイパー同士の対決をする。その後、カイザと共に新任教員「羅木ナオミ」(英語担当)として藍東学園に赴任。
- ユラ
- ゴスロリ衣装に身を包んだ小柄な女性。彼女も「夜魔部隊」の一員だが、カイザ、ラギが赴いたホテルでの戦闘には参加しなかった。その後、街中でジーザスを襲撃しその技量の高さを見せた上で、「メッセンジャー」を名乗って「夜魔部隊」の藍東学園への襲来を告げる。
- 神崎 隆一郎(かんざき りゅういちろう)
- ジーザスに藍東学園に潜入するように依頼した主であり、綾木日奈の祖父。日本最後のフィクサーと称される。彼こそが、前作当時は存在しないと思われていた「24」の真のボス“キング”であった。
- 第二次大戦中の少年時代、家族を戦火で奪われた経験から“国士”たらんと決意、決して表に出ることのない国家間の密約の交渉仲介人として歴史を影から動かし、その存在は世界中の首脳に畏怖されていた。彼の残したダークサイドの密約の証拠文書キングの遺産は、現在でも闇の世界において絶大な威力を持つ切り札(ジョーカー)とされている。
- 本作開始時点から5年前、自ら旧「24」を滅ぼした宿敵ジーザスを招き、ジーザスが捜し求める生徒の最後の残りの2人の所在と、「24」をも傘下に置く巨大組織「TPC(トランス・プラントコネクション)」についての情報を報酬に、彼の孫娘日奈のことをジーザスに“委ねる”依頼をする。
- 神崎は「TPC」を内部から破壊するため、あえて「24」をそのネットワークに参加させていたが、やがて「24」の方が徐々に「TPC」に侵食されていった。神崎がジーザスに上述の依頼をしたその場で、神崎の謀反を察知したTPCが差し向けた刺客の手にかかり、ジーザスが“自分のやり方”で日奈に対処する事を承諾するのを聞き届け死亡した。
[編集] エレメンツ・ネットワーク
犯罪被害者・遺族達が集い、ネットを通した情報交換、実働員を用いての事件への直接介入による「犯罪者狩り」を行う一種の自警団。
元は本作のクロスオーバー作品『死がふたりを分かつまで』に登場する組織であり、詳細はそちらの項も参照されたし。尚、本作の前日談となる『暁のイージス』最終話においてエレメンツ・ネットワークの名が登場しており、世界観の繋がりを確認できる。
- 台場 巽(だいば たつみ)
- エレメンツ・ネットワークの管理者。『ALCBANE』(講談社刊・原作:たかしげ宙・漫画:衣谷遊)の主人公[3]。片足が不自由であり歩行の際には杖を用いるが、不具と言う訳ではなく負傷療養中である。過去のトラウマから極度の不眠症であり、人命救助をしなければ安眠できない(人命救助をする以前は眠る事ができても「トラウマの原因」となった過去の悪夢に悩まされていたが、それ以来良い夢をみる様になった)。彼が犯罪と戦うのは、まさに「自分が生きるため」である。
- 対「24」への対策を検討しており、キングの遺産についても情報を持ち合わせている。橿原と面識があるが彼自身は下戸な為、橿原の心証は悪い。彼を通じてジーザスにキングの遺産から手を引いた上での国外退去を勧告する。
- また、時に共同で犯罪者撃退と被害者の護衛任務を行うことから、「セイレーン」の「護り屋」楯雁人やアナ・リドルとは友好関係にある。
- 非常時においては自らもネットワークの実動員として、強化スーツと量子コンピュータ・SPARCが制御する副腕型アームで戦い「ALCBANE(アルクベイン)」と名乗る。軌道を計測して銃弾の雨をも回避可能にする強化スーツの性能に加え、彼自身も超一流の体術、格闘能力を誇る。これは彼が長年続けてきた、自らの不眠症の体を疲労させて眠らんがための、過酷な鍛錬の賜物である(ただしそれに反して乗り物の運転適性が全くない)。アルクベインとなった際には「ナイトゴーンツ」と交戦し、これを制圧している。また、同じ現場でジーザスと互角の戦闘も行った。ジーザス曰くアメコミヒーロー。
- 優秀だが生真面目で遊び心に乏しく「なぞなぞ」は苦手。ジーザスに関する生の情報を求めて「セイレーン」を訪れるが、アナの「なぞなぞ」にコンピュータのスパークが先に答えてしまった。
- SPARC(スパーク)
- Super Parallel Algorithm Ressonance Computer(超並列計算共鳴コンピュータ)と名付けられた量子コンピュータで「スパークまたはスパーキィ」とは頭文字から取られた通称。エレメンツ・ネットワーク全体の情報管理を行い、端末機を用いて台場の副腕型アームの制御[4]や情報サポートを行う。台場巽が製作したコンピュータだが、時折機械以上の柔軟な判断力を発揮する。
- 土方 護(ひじかた まもる)
- エレメンツ・ネットワーク内で、ジーザスに対抗しうる人材として候補に挙がっている盲目の剣士。『死がふたりを分かつまで』(原作:たかしげ宙、作画:DOUBLE-S)の主人公。刃先に単分子加工、全体に低摩擦化処理を行った仕込み杖「断罪」を振るい、あらゆるものを一刀の元に斬り裂く実戦剣術の達人。
- 本作より3年前、チェチェン共和国においてジーザスが護と交戦、共闘したことが『死がふたりを分かつまで 特別編JESUS』において語られており、ジーザスは護を「己を鍛えるためだけに地獄を探す剣の鬼」と評する。また、護が視力を失った経緯もジーザスは知っている。
- TPCによって藍東学園に仕掛けられた爆弾の解除のためにエレメンツに投入され、高速で走行するトラックの外装越しから爆弾の中枢部分(タングステン・カーバイト鋼製)を抜刀術で両断してのけ、その時同時にジーザスと3年ぶりの邂逅を果たす。
- 遠山 遥(とおやま はるか)
- 的中率90%以上の予知能力を持つ少女。護に護衛を依頼し、常に行動を共にしている。。『死がふたりを分かつまで』のヒロイン。
- 5巻で護と共に登場し、凄まじい気配を持つ“何者か”が迫る予知を護に告げる
- ニードル(支倉 美央)
- 上記の藍東学園の教員、支倉美央の正体。ジーザスの監視の為にエレメンツから送り込まれたエージェントで、自分を遥かに上回る身体能力を持つ敵も制する合気道の達人。彼女も犯罪被害者であり、「殺し屋」であるジーザスも例外ではなく、犯罪者として敵対心を向ける。そのジーザスからは、「お前の合気道は護身術の域を出ない」「殺気が全く無いので自分のターゲットにはなりえない素人」と指摘される。
[編集] Tea room セイレーン
護り屋「イージスの楯」の護衛任務を斡旋する顔を持つ喫茶店。詳細は本作の前日譚となる『闇のイージス』『暁のイージス』を参照されたし。
- 楯 雁人(たて かりと)
- 鋼鉄の義手で銃弾を弾く「イージスの盾」と呼ばれる「護り屋」。『闇のイージス』及び時系列的に直近の前作『暁のイージス』の主人公で、本作にも引き続き登場する。
- ジーザスとの一戦を経て「セイレーン」に自ら赴いた台場巽に請われ、かつて幾度かジーザスと対決、共闘した立場から、ジーザスの人物を台場に語って聞かせる。
- その後台場の依頼でジーザスと劉 伊健の対決に介入し、綾木の護衛と、『闇のイージス』以来再び催眠暗示の束縛によって動かされる伊健を止めることに成功する。
- また楯は、「護り屋」としての立場と経験からジーザスが自分の生徒の救出を第一としながらも、敢えて複数の闇組織を拮抗状態にした上で藍東学園内に留めている意図と、その発想の元に御堂真奈美の存在があることを見抜いていた。
- アナ・リドル
- 楯雁人のビジネスパートナーである少女。護り屋への依頼の儀式として、護衛の依頼主は彼女の出すなぞなぞを答えなければならない。
- 台場とも面識があり、『死がふたりを分かつまで』作中でもエレメンツ・ネットワーク経由の依頼を引き受けている。
[編集] TPC(トランス・プラントコネクション)
世界中の権力者を延命させるための臓器移植を行う闇のネットワークで、『JESUS砂塵航路』『死がふたりを分かつまで』両作品に共通する世界規模の巨悪組織。
彼らの手によって政情不安な国々から子供が攫われ、臓器移植用の「保存器」として利用される。また、攫った子供の内一定の年齢に至っても移植相手が見つからなかった者は生体実験の検体とされたり、下記の「強化兵」のような非合法活動要員として育成される。拠点の一つがドイツにあったようだが、中枢は一切謎に包まれている。世界規模で「人狩り」を行い、その臓器を売買するために、「24」「蛇(セルピエンテ)」「H・K(ハイカラット)」「龍門幇」など世界中の犯罪組織を下部機関として利用したり、ビジネスにおいて大きく関与したりしている様子が見られる。ジーザスの生徒たちを買取り、販売・運用していたのもこの組織である。
- 「強化兵」
- TPCの工作要員の中には、様々な事情で選りすぐられて特殊な身体改造を受けた兵士がおり、暗殺・破壊工作に用いられる。彼らを改造するTPCの医学陣には「パペッツ」という通称で呼ばれる。彼らは全身をセラミックの人工骨で強化され、急所をカバーしているので銃弾が通じない。また投薬などで痛覚を麻痺させられた上で常人離れした身体能力を付加され、洗脳によって理性と記憶も失い命ぜられるままに破壊活動を行う。その姿は全身を真っ黒なラバーで包むという異形で、野獣の如き有様で対象に襲い掛かる。カイザが評したように、その存在は「生還を前提としない使い捨ての兵器」である。本作では下記のオットー・モレンツが「強化兵」として藍東学園に「威力偵察」の目的で送り込まれる。
- ブラック・バード
- 作戦遂行中に行動不能になった部隊を、証拠を残さないため全てを破壊し始末する者たち。その存在は部隊の指揮官クラスにしか知らされていない。
- タリク・アッサード
- ブラック・バードの一員。まだ15歳程度の少年で、ジーザスが探している生徒の最後の1人。父親はドイツ人で母はカダス人。かつて、地雷原を歩かされた際に、ジーザスによって助けられた経験を持つ。
- 攫われた生徒たちの中で唯一ジーザス本人から戦闘技術を教えられていたが、その素養ゆえに戦闘要員として洗脳されてしまった。
[編集] その他登場人物
- 橿原 十蔵(かしはら じゅうぞう)
- 「オールドギース」の異名をとる、日本最高の情報屋。前作および『闇のイージス』から引き続き登場。
- 本作でも新生「24」との戦いに巻き込まれつつあるジーザスのサポートに回る。『闇のイージス』に登場した橿原七瀬は実娘である。
- 野坂 亜紀(のさか あき)
- 「殺し屋」ジーザスのただ一人の弟子と名乗る女性。『闇のイージス』『暁のイージス』から引き続き登場。幼少期から復讐にとりつかれた母親の憎しみを植え付けられ、高校生時にとある人物から教授された殺人技術を全て吸収したことで、小柄な美少女の外見(もっとも、20歳は越えている筈だが…)からは想像もよらない恐るべき暗殺者となった。『闇のイージス』時に紆余曲折の末にジーザスに救われ、彼の弟子となる。
- 「護り屋・イージスの盾」の助手、来島ちひろは実姉。
- 藤崎 圭吾(ふじさき けいご)
- 綾木子飼いのボディーガード兼運転手。長身で角刈り、サングラスという強面だが、物腰は丁寧。橿原によると、昔、大山淵組系義竜会に似た男が居たらしいが?
- 牧山(まきやま)
- 警視庁藍空署の警部補。「24」の差し金である暴漢に襲われかけた綾木達に聴取を行い、綾木の「火遊び」に対して警告を発する。かつて公安課に所属しており、前作「ジーザス」当時の「24」が関わる事案の担当捜査員だった。綾木の過去を知る者の1人でもある。
- 太田 忠(おおた ただし)
- 前作『ジーザス』において「殺し屋の眼を持つ」と呼ばれ、ジーザスと対決した刑事。薬物犯罪を強く憎み、ヘロインを大量に国内に持ち込んだジーザスの逮捕に執念を燃やしていたが、その捜査中に警視庁内に根を張っていた旧「24」の勢力を目の当たりにし、ジーザスとの一時的な共闘で彼らを壊滅させた。
- その後ジーザスからその真の目的を聞かされたが、それでもなお太田は刑事として「殺し屋」ジーザスを追い続けることを決意した。前作ではそれ以来姿を現さなかったが、その後本庁の公安課に異動になり、現在では「鬼」とも呼ばれる刑事となっている。本作において、再びジーザスが日本で動き出したことを知り、かつての僚友である牧山に協力を依頼する。
- 神谷 周一郎(かみや しゅういちろう)
- 内閣情報調査室部長。その正体は旧「24」の三大幹部の1人、情報部門を統括していた「ナイト」である。前作の最終決戦でジーザスを仕留める為に旧「24」のボス“クィーン”のヘリに同乗し、その戦いの結果ヘリを御堂に撃墜され、新星高校旧校舎の崩落に巻き込まれたが、そこからも生き延びていた。
- 現在は六本木の地下の広大な空間に造られた会員制カジノを運営しており、新生「24」については関わっていないと語る。しかし“キング”の正体と「キングの遺産」についての情報は持っており、その一端をジーザス達に提供した。
- 現「24」を支配する“老人”に招かれ、「24」の“老人派”と“令嬢派”、「龍門幇」三者の休戦協定に立ち会うことになるが、“老人”及び現「24」の事を危険視する神谷は、内閣調査室直属の部隊を背後に忍ばせながら“老人”主宰の協定の場に赴く。
- 劉 小剛(リウ・シャオガン)
- 「龍門幇」の当主、劉 伊健の異母兄で、かつて伊健が先代を“引退させた”その場で、伊健に当主の座を譲ると表向きに宣言した上で、自らは影で組織の実権を握った。TPCを「不快な西側の組織」と内心で考えていると言うが、実際は中国圏におけるTPCのビジネスと深く関わるため、ジーザスのターゲットでもあった。
- 組織のみならず伊健をも影から動かし、同じく中国系の組織「五爪龍」と組んで伊健をジーザスにぶつけるが、楯の介入で目論見が外れたと見ると、ジーザスと楯を「最強の矛と盾」と持ち上げた上で、ジーザスには「TPCは共通の敵」と称して、ジーザスにとって大切な「ある情報」をちらつかせ共闘を持ちかける。
- しかしそのすぐ後に、「24」の“老人”の招きに応じ、ジーザスと「キングの遺産」という共通の目的のために“老人”が提唱した、「24」と「龍門幇」の間での休戦・共闘体制に賛同するなど、油断のならない人物である。
- 木下(斧男)
- 全身をフードで包み大斧を軽々振るう巨漢で、剛力だけでなく軍隊格闘術も巧みな戦闘のプロ。三浦半島にある綾木家の別荘の番人であり、別荘に隠された“宝”に近づく侵入者を排除してきた。
- 元はやはりプロの殺し屋だったらしいが、自分のミスで無関係の家族を殺してしまい、自責の念から死を選ぼうとしたところを神崎隆一郎に拾われる。そして神崎に、いつか別荘に隠された“遺産”を受け継ぐはずの、神崎の後継者が現れるまで別荘を守るようにと命じられていた。
- ジーザスとも旧知の間柄で、本作から5年前、ジーザスが神崎から依頼を受ける所に彼も立ち会い、主の神崎の死も見届けた。
- オットー・モレンツ
- ドイツ人のフリージャーナリスト。息子のアルバートがいるが、作中登場時は別居中であった。かつて国連軍兵士としてボスニアに出兵した時の経験からジャーナリズムの道を志し、イラク戦争などの取材を行うが、その仕事にも意義を見出せなくなっていたある日、馴染みの新聞社編集長からに自分宛に送られたDVDを手渡され、その「内部告発」と称するDVDからTPCの存在を知る。
- ジャーナリストとしての使命感に再び燃え、TPCの実態を暴くために欧州中を駆けずり証拠資料を集める途中、TPCによって捕まり、息子を人質にとられた上で集めた資料を回収され、自身は「強化兵」に改造される。
- その2年後の本作、ジーザスに対する「威力偵察」のため爆弾を搭載したトラックと共に藍東学園に送り込まれ、ジーザスやナイトゴーンツ、ニードルと交戦する。結果ジーザスのマグナム弾を受けて校舎屋上から落下し、その衝撃で自我を取り戻す。瀕死の状態でジーザス達に爆弾の解除方法を伝え、その後、いまわの際にジーザスによってTPCからアルバートが救出されていた事を知り、「ダンテ313」と言う謎の言葉をジーザスに残して息を引き取った。
- 水谷 小百合(みずたに さゆり)
- 前作『ジーザス』において新星学園の同僚教師として“藤沢真吾”に扮したジーザスと出会った女性。ジーザスと旧「24」の戦いに巻き込まれる中でジーザスと惹かれ合い、やがて“藤沢真吾”の正体を「殺し屋」ジーザスと知ってもなお彼に好意を寄せ、戦火の絶えないカダス共和国においてジーザスと共に「教師」として生きることを選んだ。
- ジーザスと協力し合いカダスの子ども達のための学校を築く充実した日々を送る一方、互いに好意を寄せながらも、ジーザスが「殺し屋」であることに負い目を感じて自分に対して壁を作っていることを察していた。小百合とジーザスが学校を作り始めてから4年目、旧ハジム派残党の襲撃によって学校は破壊され、小百合と共に多くの生徒達が「売買のため」誘拐される。怒れるジーザスによってハジム派の軍勢は瞬く間に全滅するが、生徒の内8人はカダス国外に連れ去られてしまい、捕らわれ窮地に陥っていた小百合は、ジーザスと生徒達を助けるため自らも銃を撃つ。
- 小百合はジーザスが自分に距離を置いていた真意を理解していた事を告げ、自分も生徒を護るために銃を取った事で本当の意味で「ジーザスと肩を並べる事」ができるかと尋ねる。それを聞いたジーザスは小百合と本当の“パートナー”としての契りを交わし、「自分が帰る場所は小百合の元しかない」と告げ、残る8人の生徒を助ける旅に出るジーザスを見送る。
[編集] 単行本
- 七月鏡一原作・藤原芳秀作画 『JESUS 砂塵航路』小学館〈ビッグコミックス モバMAN〉、既刊10巻
- 2009年9月30日発売 ISBN 978-4-09-182713-5
- 2009年10月30日発売 ISBN 978-4-09-182717-3
- 2009年11月30日発売 ISBN 978-4-09-182723-4
- 2010年2月27日発売 ISBN 978-4-09-182873-6
- 2010年6月25日発売 ISBN 978-4-09-183249-8
- 2010年9月30日発売 ISBN 978-4-09-183454-6
- 2010年11月30日発売 ISBN 978-4-09-183606-9
- 2011年4月28日発売 ISBN 978-4-09-183775-2
- 2011年7月29日発売 ISBN 978-4-09-183876-6
- 2011年10月28日発売 ISBN 978-4-09-184100-1
