J-22 (航空機)

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SOKO/IAR J-22 オラオ

ベオグラード航空博物館(セルビア語版、英語版)に展示されている試作初号機

ベオグラード航空博物館セルビア語版英語版に展示されている試作初号機

SOKO/IAR J-22 オラオ(SOKO/IAR Orao、セルビア語キリル文字表記:Oрао)は、ユーゴスラビアSOKOクロアチア語版セルビア語版英語版社とルーマニアIARルーマニア語版英語版社が協同で開発した軽攻撃機である。ルーマニアではIAR.93と呼ばれる。IAR-93 ヴュルチュルは、基本的構造は同じ機体であるが、電子機器・兵装など細目はJ-22のそれとは異なるため、別個の機種とされる事もある。愛称のオラオとはセルビア語を意味する。

概要[編集]

ユーゴスラビアルーマニアが国際協同開発機構JUROMを作り、共同開発した。

最初の生産型のオラオ1の時点で、主翼が薄く前縁後退角43度、下反角3度、テーパー比3、アスペクト比3.6という切り落としデルタ翼に近い形をしており、さらに高翼配置としていた。そして水平尾翼は低く配置するなど超音速機の外見はしていたが、エンジンリヒート無しだったため亜音速機であった。その後1983年にリヒートつきのオラオ2が完成し、見た目通りの超音速機となった。システム関係については、HUDトムソン-CSFフランス語版英語版社(現在のタレス・グループ)製であるなど、イギリスフランスからの輸入品である。複座型のNJ-22も作られ、1977年に飛行している。

機体外観は、平面視(上から見た図)ではジャギュア三菱F-1に、正面視ではダッソードルニエアルファジェット川崎T-4などに似ており、速度性能や搭載力といった飛行能力もそれらのほぼ中間となる。しかしながら、エンジンが純ジェットであるうえに旧式の機材だったため出力のわりに燃費が悪く、作戦機として見た場合は航続距離や戦闘行動半径が小さいのが難点である。

運用国[編集]

性能諸元[編集]

低空飛行をするオラオ(2007年
セルビア空軍及び防空軍 第98飛行旅団第241戦闘爆撃飛行隊の所属機
ベオグラード航空博物館に展示されている試作初号機(横から)
オラオ2

※使用単位についてはWikipedia:ウィキプロジェクト 航空/物理単位も参照

  • 全長:14.90m
  • 全幅:9.62m
  • 全高:4.55m
  • 主翼面積:26.0m2
  • 自重:5,750kg
  • 全備重量:11,250kg
  • 発動機:ロールスロイス バイパー 633 17.25kN(ドライ)、22.25kN(リヒート)×2
  • 最大速度:M1.1
  • 航続距離:1,320km
  • 戦闘行動半径:162nm(爆弾2,000kg/Hi-Lo-Hi)、162nm(爆弾2,000kg/Lo-Lo-Lo)
  • 実用上昇限度:13,000m
  • 乗員:1名
  • 武装:

登場作品[編集]

ベオグラード航空博物館へ搬入中のJ-22

ゲーム[編集]

フィクショナル・トルーパーズ
エストビア連邦軍の機体として選択可能。J22ではなく、ルーマニア製のIAR.93である。

参考文献[編集]

関連項目[編集]