Jカーブ効果

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Jの字

Jカーブ効果(ジェイカーブこうか、: J curve effect)とは、短期的な期間ないしあるしきい値までにおいては、ある出来事から最終的に予想される変化とは逆方向に変化をすることを表す言葉。主に以下の二つにおいて用いられる。

  • 外国為替相場が自国通貨安(通貨高)になったとき、最終的には貿易黒字は増加(減少)するが、通貨安(通貨高)になった直後は逆に貿易黒字が減少(増加)する。
  • 飲酒量と死亡率との関係において、飲酒量がある閾値を超えて増加すると死亡率が高まるが、その閾値までは飲酒量が増えるほど死亡率は低下する。

このページでは両者共に説明を行う。

外国為替相場におけるJカーブ効果[編集]

為替相場が下落しているにも関わらず、貿易収支が改善されない場合、時間の経緯と貿易収支の変化するグラフの形がアルファベットのJに似ているところからJカーブと言われる。

また、貿易収支の調整を行った場合でも、その効果が表面化するまで時間がかかるため短期的に逆の動きを見せることがあり、同じくJに似たカーブを描く。

飲酒量と死亡率におけるJカーブ効果[編集]

飲酒量と総死亡率の相関関係を表した言葉であり、「適量飲酒をしている者が最も死亡率が低い」ことをあらわしたグラフが、Jの字に似ていることからつけられた言葉である。Uカーブともいわれる。

概要[編集]

もともとは1993年6月に、アメリカ合衆国保健科学協議会で発表された「適量のお酒を飲んでいる人の方が、お酒を全く飲まない人、また大量にお酒を飲む人に比べて、最も死亡率が低い」という疫学調査の結果に基づいて唱えられた考え方である。

但し、上記の疫学調査には、お酒を飲まないグループには「禁酒」を余儀なくされているグループが含まれている、或いは、お酒に強い・弱いという体質を考慮に入れていない等の批判があり、その後日本を含め、より詳細な形での追試が各国で行われた。

その結果、禁酒グループ及び体質別グループに分けても、飲酒量と総死亡率の間には、米国保健科学協議会の調査結果と同様のJの字状のカーブが認められ、飲酒量と総死亡率の関係がJカーブになることは、現在では世界的な通説となっている。 なお、最も死亡率が低くなる飲酒量は(あくまでも疫学調査の結果では)、日本酒なら1日1合~2合、ビールなら1日大瓶1本~2本といわれている。

  • 疫学調査の結果は、あくまでも統計値として算出された数値であり、個人にそのまま当てはまるわけではない。個人別の飲酒の適量は、体重・体質・遺伝的状況等により左右される。
  • この調査結果は、もともと飲酒習慣が無い人に飲酒を勧めるものではなく[要出典]、過剰飲酒の人達に適量を推奨するものである。

疾患別の飲酒量と死亡率との相関関係[編集]

Jカーブは総死亡率と飲酒量の関係を表すグラフであるが、近年のより詳細な調査により、各種疾患別の発症率、あるいは死亡率と飲酒量との相関関係が把握されている。

飲酒によって発症率・死亡率が上がるもの[編集]

がん
がんは飲酒によって発症率が高くなる。特に口腔癌喉頭がん食道癌等の発症率と飲酒量は相関関係が高い。([1]
脳卒中
飲酒量が増えるにしたがって、脳卒中の発症率は段階的に増えていく。([2]

飲酒によって発症率・死亡率が下がるもの[編集]

心筋梗塞
飲酒量が増えるにしたがって、心筋梗塞の発症率は低下する。([3]
自殺
お酒を全く飲まないグループの自殺率と、大量飲酒者の自殺率が最も高い。([4]

関連項目[編集]